あきの忘備録

@fairlyta6の外部記憶装置

「残された時間」の渡辺曜ちゃんの話

あきのです(*> ᴗ •*)ゞ

 

 

 ラブライブ!サンシャイン!!2期7話「残された時間」にまつわる、渡辺曜ちゃんの話をします。今回は脚本の構成とか演出とかそういうのにはあまり触れません。

 

 まあそんなことは 気にしないっ しないでっ 全人類は渡辺曜ちゃんをすこれ。 

 

 

 

 

 

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「お願い......!!」

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 Aqoursがステージで起こした「奇跡」のチカラを信じようとする曜ちゃん。

 

 

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 Aqoursの得票数がグラフの圏外に突き抜けていくシーン、まばゆい輝きを放って突き抜けていくマリンブルーの閃光。それはさながらあまい恋の軌跡。

 

 

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 道なき道を行くAqoursは輝きを放ちます。Aqoursの輝きを受けた「みんな」もまた輝くことで、今度は「みんな」が彼女たちが進む道を作ります。7話のラストシーンと重なる構図ですね。

 

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 奇しくもソウルでのファンミーティングツアー公演は、7話の放送日と同日でした。「奇跡」と捉えるか「偶然」と捉えるかはあなた次第。脱線しました。

 

 

 Aqoursの輝きが起こす「奇跡」を未来から振り返れば、その道筋は輝く「軌跡」となります。2期3話「虹」では、ラブライブと学校の両方の輝きが繋がることで虹という軌跡が生まれました。 

 

「あたし、思うんだ。奇跡を最初から起こそうなんて人、いないと思う」

「ただ一生懸命、夢中になって、何かをしようとしている、なんとかしたい、何かを変えたい。それだけの事かもしれない」

「だから」

「起こせるよ奇跡。私たちにも!」

2期3話「虹」より

 

 2期3話で予備予選会場から学校へ走っていくシーン。Aqoursメンバーが「奇跡は、起こるのかな......」と未来への不安を口にしている時でも、曜ちゃんは一言も不安を口をしていません。それどころか上記の千歌ちゃんの言葉の後に、はっと息を呑んで彼女の気持ちに気付いた or 真っ先に虹の存在に気付いたリアクションをしています。

 6話でも曜ちゃんは千歌ちゃんを全面的に肯定し、自分たちが奇跡を起こせることを確信していましたね。

 

 

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 Aqoursは地区予選のステージで難しいフォーメーションに挑戦し、「圧倒的なパフォーマンス」と「輝き」で魅せるライブを成功させた時点でひとつの「奇跡」を成し遂げました。あとはAqoursから広がった輝きがたくさんの人のこころを動かし、想いが重なることで「運命」を「必然的に」引き寄せるだけです。 

 冒頭の曜ちゃんのシーンは、ポーズだけ見ると神に祈りを捧げていたかのようにも見えますが、彼女が信じていたのは「神」ではなく「奇跡」。Aqoursの輝きで「運命」を引き寄せたいという、曜ちゃんの切なる願いが強く現れていました。 

 

  

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「千歌ちゃん......!!」

  曜ちゃんがずっと願ってきたのは、千歌ちゃんが「輝き」を手にすること。そして千歌ちゃんにとっての「輝き」とは、Aqoursや学校のみんなと共に輝くこと。

 誰かといっしょに手を取り合って輝くことが千歌ちゃんの「輝き」である以上、曜ちゃんにとっては「Aqoursの輝き」は「千歌ちゃんの輝き」なのです。

 

 

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 曜ちゃんの「願い」の一端は千歌ちゃんに向けられていたのだと思います。千歌ちゃんの頑張りが報われて欲しかった、やっと肯定できた自分自身を否定する結果になって欲しくなかったんですね。

   

 

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 1期13話では千歌ちゃんが駆け出してAqoursが進む道を先導しました。しかし、あの時確かにそこにあったはずの「輝き」には手が届かず、Aqoursは地区予選を突破することはできませんでした。

 もしここで前回の地区予選と同じ結果になれば、千歌ちゃんは再び自身を否定することになります。深いトラウマを抱えることになるでしょう。もしかすると二度と自身を肯定することができなくなり、「輝き」を手にすることができなくなっていたかもしれません。

 

 

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 だからこそ曜ちゃんには、Aqoursが前回の地区予選で超えられなかった壁の向こう側に「前進」できたことに、他のメンバーとは異なる特別な想いがあったはずです。13話の千歌ちゃんとAqoursを肯定する意味合いを込めて、あの千歌ちゃんの姿へのアンサーとして「全速前進ヨーソロー」したのではないでしょうか。

 

 

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 ラブライブ!サンシャイン!!の物語において、曜ちゃんには、Aqoursという船の「前進」の象徴としてのポジションが与えられています。

 

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 ライブにおいてAqoursが「前進」する駆動力を担っているのは彼女も同じですね。1st LIVE 2日目でステージから花道で全速前進したしゅかしゅーは、アニメの物語をも牽引したのかもしれません。

 

 

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 曜ちゃんが先導してAqoursが指し行き先は、天に向かっています。そしてその目線の先にあるスクリーンには「ラブライブ!」の文字があるはずです。

 

 

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 13話の「MIRAI CHICKET」で輝きへの船出を果たしたAqoursが、ついに外海へと出航した瞬間でした。曜ちゃんが視聴者側に向けて敬礼&ウィンクしてくれてるのが泣けますし、千歌ちゃんも曜ちゃんと同じ目線でいるのがまた。

 

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 見てください千歌ちゃんのこの表情を。この頃から千歌ちゃんにとって曜ちゃんはずっとスーパーヒーローでしたし、曜ちゃんにとってもそれは同じでした。

 曜ちゃんは幼い頃から水泳や高飛び込みに夢中になっていました。彼女は知っていたはずです、何かに夢中になることで心が輝くこと、そして自分を好きになれることを。だからこそ千歌ちゃんが自分と同じ目線で何かに夢中になって、その中で千歌ちゃん自身を好きになって欲しかった、肯定できるようになって欲しかったのだと思います。

 それも5〜6年どころか、もしかすると10年も前から願ってきたのかもしれません。

  

 

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 空を突き抜けてそびえる電波塔。日本中に「Aqoursの輝き=学校の輝き」を広める「Aqours WAVE」「MIRACLE WAVE」のメタファーですが、ここでは輝きを広める機能的な意味での、Aqoursにとってのラブライブの象徴として登場していると思われます。

 このシーンでは分かりづらいですが、前後のシーンと照らし合わせると7人が電波塔=ラブライブの方向を向いています。つまり、曜ちゃんと鞠莉ちゃんだけが向かい合って立っています。地区予選1位通過という奇跡を成し遂げても、鞠莉ちゃんの胸中にあるのは当然入学希望者数のことでしょう。曜ちゃんは千歌キチの嫉妬ファイアー放射器だと思われがちですが、鞠莉ちゃん(嫉妬ファイアーマイスター)の事も想ってますよ。

 先ほどはステージ上でAqoursを先導するかたちで全速前進ヨーソローした曜ちゃんですから、みんなよりも一歩先に立って目の前の未来を見据えられています。

 

 

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 曜ちゃんが鞠莉ちゃんに視線を向けるのはこのシーンからですが、立ち位置から曜ちゃんの視線の延長上には鞠莉ちゃんがいたことが確認できます。

 ここでは千歌ちゃんは階段を「降りて」立ち位置が変わっていますが、直前のシーンから7話で同じ目線を共有して行動を共にする3グループに分かれています。

 

 

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  地区予選会場から学校に帰ってきたAqours。理事長室で入学希望者の正確な数を確認するシーンですが、曜ちゃんがセンターになっています。ここでも鞠莉ちゃんと向かい合う構図ですね。

 

 

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「遅いね、鞠莉ちゃん」

 心配する曜ちゃんですが、鞠莉ちゃんが「パパに電話してくる」と言って理事長室を出てから、既に1時間近くが経過しています。

 2期2話の冒頭の鞠莉ちゃんが父親と掛け合うシーンでは、8人が理事長室の外の廊下で待っていましたが、ここでは鞠莉ちゃんがダイヤちゃんと共に外に出ています。2話までは鞠莉ちゃんが理事長としてみんなのために頑張っていましたが、みんなの頑張りが鞠莉ちゃん(理事長)の力になったという変化が現れた構図ですね。

 

 

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「いま、ひとり増えた!」

「やっぱり、私たちを見た人が興味持ってくれたのよ」

「このまま増えてくれれば......」 

 梨子ちゃんと曜ちゃんの言葉も耳に入らない様子で、理事長室を出ようとする千歌ちゃんは鞠莉ちゃんにぶつかってしまいます。気持ちが先走って、周りが見えなくなってしまっているんですよね。

 

 

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「落ち着いて。大丈夫......大丈夫だよ」 

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「でも、何もしないなんて」

「信じるしかないよ、今日のわたしたちを」

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 曜ちゃんが身を呈して止めようとしても尚、千歌ちゃんはいても立ってもいられない様子でもがこうとします。それでも曜ちゃんは千歌ちゃんを信じきった表情で抱きしめます。 

 

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 ここで強引にでも千歌ちゃんを止めることができたのは、Aqoursの中で曜ちゃんだけだったはずです。だからこそふたりはこれだけの出来事があった直後でも、お互いを信頼しきった笑顔でいられたのだと思います。

 

 このシーンは腑に落ちない方が少なくないでしょうから、後述します。

 

 

 

もしこの場で曜ちゃんが千歌ちゃんを止めなければ、千歌ちゃんが残りの時間を足掻き続けたら、駅前で呼び掛ければ結果は変わったでしょうか?

 

 

 

 変わったかもしれません。

 千歌ちゃんの頑張りで残り2名の入学希望者を集めることもできたかもしれません。現実的ではないですが、奇跡は起こそうとしなければ起きないことをAqoursは知っているのですから。

 

 では、千歌ちゃんひとりが先走って孤軍奮闘した先で廃校を救えたとして、それは本当に、千歌やAqoursが望んだ未来なのでしょうか?

 答えはNOです。

 

「千歌ちゃんにとって輝くということは、自分ひとりじゃなくて、誰かと手を取り合い、みんなと一緒に輝くことなんだよね」

「私や曜ちゃんや、普通の皆が集まって、ひとりじゃとても作れない大きな輝きを作る。その輝きが学校や聞いてる人に拡がっていく、繋がっていく......」

「それが、千歌ちゃんがやりたかったこと。スクールアイドルの中に見つけた、輝きなんだ」

 1期11話「友情ヨーソロー」より

 

 千歌ちゃんたちにとって、誰かと共に手を取り合った先で掴んだ未来でなければ、それは輝きではないのです。もし千歌ちゃんがひとりで先走って行動してしまったら、それはこれまでのAqoursの輝きを否定することになってしまいます。

 

 そしてそれは誰よりも、千歌ちゃん自身の全てを否定することに他なりません。

 

 例え廃校を防げたとしても、自らの輝きを否定したAqoursはそこから前進することはできません。Aqoursの活動は、ラブライブ決勝を待たずして終わっていたでしょう。

 しかしそれが分かっていたとしても、残された時間を足掻き続けると誓ったAqoursには、前進することでしか未来を信じられない千歌ちゃんを強引に止めることはできなかったかもしれません。例え手段が間違っていたとしても、廃校を救うために今行動する ということは間違っていません。そして待つことが辛いという気持ちは全員同じ。

だからこそ彼女を止めることができたのは、廃校問題よりも、Aqoursとして取るべき行動よりも、何よりも「千歌ちゃんに自分自身の輝きを否定して欲しくない」という個人的な、嘘偽りのない純粋な願いがあった曜ちゃんだけだったのです。

 もしあの場で千歌ちゃんを止めていなければ、学校を救えようと救えなかろうと、千歌ちゃんは自分自身もAqoursの輝きも否定することになり、全員が傷つく結果になっていたでしょう。

 私は曜ちゃんが、学校よりも千歌ちゃんのことを大切にしてくれたことが嬉しかった。そしてその姿勢は曜ちゃんだけに限らず、幾度となく鞠莉ちゃんを止めてきた果南ちゃんの姿にも、6話で千歌ちゃんを止めようとした果南ちゃんの姿にも重なるものでした。

 曜ちゃんは個人的な感情で反射的に行動したかもしれませんが、結果としてAqoursの未来を救う行動になったと思います。

 

 

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「お願い!!お願い!お願い!お願いお願いお願いお願い......増えて......」

 入学希望者数が94人になった時点で、残された時間はたったの47分。必死に願う千歌ちゃんですが人数は増えず。みんな悲しい気持ちになってしまいます。

 

 

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「さすがの曜ちゃんも、睡魔には勝てないか......」

 

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「寝てないよ」

 ここで曜ちゃん、そう言って笑うんです。

 普通だったらそんな態度取れないと思いますよね、そうなんです。曜ちゃんはめちゃめちゃ優しい子なんです。つまりこの行動は、千歌ちゃんがようやく手にした輝きを、そして生まれたAqoursの輝きを絶対的に信じられているからこそ、なんですよね。

 地区予選の結果発表前に誰より強く「奇跡=Aqoursの輝き=千歌ちゃんの輝き」を信じようとした曜ちゃんは、その願いが叶えられた時点で既に「奇跡」を信じられるようになっています。だからこそ曜ちゃんは、敢えてここでは祈りを捧げ願うことをしません。

 タイムリミットまで1時間も残されていない中で、Aqoursにできることがもう神に祈ることぐらいしか残されていない。そんな中で曜ちゃんが、千歌ちゃんのためにしてあげられること。それはただ、全面的に信じてあげること。それだけでした。

 

 

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「けど、待ってるの少し疲れてきた」

 みんな疲れてるに決まってるんですよね、もう朝4時ですよ。

 改めて声を大にして申し上げますが、曜ちゃんはめちゃめちゃ優しい子です。花丸ちゃんが言っていたように「責任、感じているずらよ」ですから、他のみんなもPCの前から動けるはずがないんですよね。

 だからこそ「前進」しかできなくて明らかに待ってるのが苦手そうな曜ちゃんが、率先して休むポーズを見せた上で「疲れてきた」って言うんです。そうすることで、みんなが息抜きに行けるように。みんなが悲しい気持ちにならないように。

 

 

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 まだ太陽が登っていないんですよね。

 

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 果南ちゃんが待ってるのが良いですね。ここでも千歌ちゃんが階段を「降りて」います。そこに曜ちゃん続く感じ、「内浦」って感じがしてまた良いです。

 じっとしてられない女選手権大会 in 浦女でトップスリーを飾りそうな3人が理事長室を出て陽の光を浴びるこのシーン、大好きです。

 

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「はーあ。あと6人!お願い!!」

「お願いします!」

「味方なんだ 空もこの海も『さあがんばるんだ』と輝いてるよ」なんですよね。ようちかなんの3人をずっと見守ってきた内浦の自然をも味方につけようとします。

 

 

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 「やっっっまーーーーーー!!!!」(違う)(言ってない)(ドラマCDのやつ)

  続く果南ちゃんが「遠くへ 遠くへ 声が届くように」叫ぶのが好いです。内浦の空の色を映して青くきらめくプールの絵は、内浦の輝きを伝えようとするAqoursを象徴するようなカットですね。

 12月の浦女のプールにこんなキレイな水が貯めてある所に、上手に嘘をついた絵を見せてくれるラブライブらしさを感じます。

 

 

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 浦女の魅力を叫ぶシーンでは、プールの水面は学校を映しているんですよね。言うまでもなく浦女の輝きを伝えようとするAqoursを象徴するような絵です。

 

 

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「叫べ青春!!桜内♡恥ずかしいのは――一瞬だから大丈夫♡♡ (言ってない)(G’sのアレ)

  この流れほんとだいすき。これぞラブライブ!サンシャイン!!って感じだし、東京から来た梨子ちゃんが保証してくれるのほんとあったけぇ。この一連のシーンで「助けて、ラブライブ!」の原点に帰ってきたようで、思わずじーんと来てしまいました。

 

 

 すみません、あまりに良いシーンだったのでつい曜ちゃんと関係ない話をしてしまいました。続けます。

 

 

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 ルビィちゃんから100人まであと3人になったことが伝えられ、千歌ちゃんが懸命にPCに向かって「お願い!!」と叫ぶシーン。ここマジで涙が止まらないので記事書くのが非常にしんどいですが、この話数では「祈り」のシーンが多いので象徴的なこのシーンにも触れておきます。

 花丸ちゃん、ここでキリスト教式の祈りを捧げているんですよね......これは恐らく彼女が聖歌隊に所属してるという設定よりも、浦女がカトリック系の学校であることからの文脈で捉えた方が筋が通ると思います。

 ここで7話冒頭の曜ちゃんの祈りの仕草との違いが描かれており、結果発表前の曜ちゃんが神に祈りを捧げていたわけではないことが明確になります。

 

 

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 ルビィちゃんも冒頭ではいつものポーズでしたが、ここでは手の平を内側に向けているんですよね......

 

 

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 募集が打ち切られて廃校が決定した後のシーンですが、既に陽が昇り理事長室の窓からは陽が差しています。これまでは朝陽が上るシーンでは千歌ちゃんはリーダーとして、ひとりで太陽の「輝き」を背負ってきました。ここでは3人が千歌ちゃんの代わりに輝きを背負う構図になります。

 この3人はこれまでの人生経験から「期待」を背負って立つことのつらさを知っていて、尚且つ千歌ちゃんの一番近くにいた存在ですね。その3人が千歌ちゃんに寄り添う優しさが、あまりに切なくつらい。

 

 

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 鞠莉ちゃんもまた「輝き」をひとりで背負おうとする構図ですが、3年生組のふたりはそれを制止します。理事長としてこれ以上小原グループに歯向かうことは、彼女の将来の一切が断たれることを意味しているからです。

 

 

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 「千歌ちゃん、千歌ちゃん」

「次は移動教室だよ」

 千歌ちゃんの前ではつとめて明るい笑顔で振舞う曜ちゃん。前進の象徴である彼女は、周囲の潮流に置いていかれそうな千歌ちゃんの手を引こうとします。

 

 

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 千歌ちゃんにラブライブの話を振るむっちゃんたち。彼女たちも千歌ちゃんを元気付けようと気を遣って言ってくれていることがわかるため、曜ちゃんは止めることができません。誰も悪くないし、誰も間違ってはいないのです。

 

 

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 昼間の様子からは千歌ちゃんが無理をしている様子がわかりますが、

 

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 そんな時でも千歌ちゃんに声を掛けられるのは梨子ちゃんなんですよね。この2カットだけでも曜ちゃんからふたりへの信頼が見て取れます。

 

 

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 不意に涙を流してしまう千歌ちゃんに、うまく声をかけてあげることができない曜ちゃん。前に進むことしか知らない彼女には、千歌ちゃんの背中を押してあげることしかできないのです。夕陽色に美しく染まる空との対比があまりにも哀しい。

 

 

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 Aqoursメンバーがそれぞれの「輝き」の原点と向き合う中で、曜ちゃんはひとりバス停に佇みます。心なしか笑みを浮かべる彼女の視線の先には、三角コーン。

 

 

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 曜ちゃんの目に映るのは、千歌ちゃんと共に生まれ育ってきた内浦を、ずっとずっと見守り続けてきた茜空の色でしょうか。彼女たちに突き付けられる現実はこんなにも不条理なのに、こんなにも世界は変わらずに美しい。どんなに胸の内で悲しみに暮れようとも、希望の羽根はいつだってそこにある。

 非情な現実の中で差し出される希望は残酷ですらあります。世界が光に満ちれば満ちるほどに、希望を掴み取れない自分に影が落ちる。彼女たちは気付いたかもしれません、自分たちと学校の中の世界が終わってしまっても、学校の外の世界の日常は変わらないことに。

 

 

 「空も心も晴れるから」は2nd LIVEで2年生組が披露した際に、スクリーンに彼女たちが過ごしてきた内浦の風景が映し出されていたのも記憶に新しいですよね。それでもあの演出が脳裏をよぎった感傷よりも、歌詞と物語のリンクがあまりに出来すぎていたことの方が衝撃でした。

 

 

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「おはよ」

 

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 曜ちゃんがヨーソロー言わないのがこんなにつらいとは......Aqoursの前進の象徴である曜ちゃんがヨーソロー言わないってことは、Aqoursが前進できないことの暗示なんですよね。ここでもひとりだけ座って待っていた曜ちゃんです。

 この話数は曜ちゃんが千歌ちゃんの一歩先を行き、千歌ちゃんを引っ張っていこうとする展開になっていたように思います。一歩先に「前進」していたからこそ、曜ちゃんは「待って」いたのではないかな と私は思いました。それが彼女が座っていた理由。 

 

 

 

ここからの会話シーンが「繋がりそうで繋がらない」ので整理してみます。

 

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「やっぱり、みんなここに来たね」

「ギラン」

「結局、みんな同じ気持ちってことでしょ」

「出た方が良いっていうのはわかる」

「でも、学校は救えなかった」

「なのに、決勝に出て、歌って」

「たとえそれで優勝したって」

「確かにそうですわね」

「でも、千歌たちは学校を救うためにスクールアイドルを始めたわけじゃない」

「輝きを探すため」

「みんなそれぞれ、自分たちだけの輝きを見つけるため」

「でも」

 「輝きを探すため」のカットだけ曜ソロで抜かれていますが、このシーンで笑顔を見せたのは曜ちゃんひとりだけですね。他のメンバーが頭では「ラブライブに出た方が良いのはわかっている」と思いつつも、心からそれで良いとは思えていない中で、曜ちゃんはラブライブ決勝へ「前進」するしかないと心から思えているのかもしれません。

 

 曜ちゃんはずっと待っていたはずです。「普通」がコンプレックスだった千歌ちゃんが「普通」を乗り越えて、自分だけの輝きを手にすることを。自分自身を受け入れて肯定することを。それももしかすると幼い頃からずっと、10年近く待っていたかもしれません。

 そんな千歌ちゃんが、やっとの思いでようやく手にした、初めての「自分だけの輝き」「自分たちだけの輝き」。それを信じて肯定し続けること、それだけが今の曜ちゃんがしてあげられることでした。たとえ学校を救えなかろうと、千歌ちゃんの輝きを守るためには前進するしかない。それは義務感からではなく、心の底から千歌ちゃんを信じていたからこその言葉と行動が、7話の曜ちゃんには詰まっていたように思います。

 

 

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「千歌ちゃん」

「やめ・る・?」

とかもう、千歌ちゃんへの期待と信頼の塊ですよね 

 

 

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「優勝する!!ぶっちぎりで優勝する!!相手なんか関係ない!!」

という千歌ちゃんの叫びで、ようやく彼女が曜ちゃんに追い付きます。

 

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 追い付きましたね。

曜ちゃんは千歌ちゃんといっしょだからヨーソローできるんです、この瞬間を待っていた!!

 

 

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「あーー!!じっとしてられない!!」

「みんな走りに行こう!!」

じっとしてられない女選手権大会 in 浦女、12月なのにおへそが眩しい曜ちゃんの優勝です!!!!!!!!! 

 

 

 

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 やっと見つかりましたね、「自分たちだけの輝き方」が。羽根がAqoursの色に染まったのは、自分たちが「みんな」の希望になったから。

 夢を追い求めてがむしゃらに走り続けたAqoursの、その夢が潰えた時。今度はAqoursが「みんな」の夢になった。「みんな」のお陰で輝きを追いかけることができたAqoursが、今度は「みんな」のために輝きになる。

 

 

 美しい7話でした。完敗です。

 

 あんまり良いお話だったので、曜ちゃんの話だけするつもりが散々脱線してしまいました。とにかくこまけぇこたぁいい、渡辺曜ちゃんを...すこれ......

 

 

 

 ちなみにこの記事には70回「曜ちゃん」という単語が登場していますが、この記事を通して、ひとりでも多くの方に7話の曜ちゃんの輝きが広まれば幸いです(*> ᴗ •*)ゞ

 

「Aqours WAVE」を振り返ってみる話

 あきのです(*> ᴗ •*)ゞ

 

 ラブライブ!サンシャイン!!2期6話「Aqours WAVE」いかがでしたか。私はもう終始嗚咽が止まらずで。ぶちのめされましたよ。

 この素晴らしい回を文字に起こしたら陳腐になってしまいそうで、恐れ多くもありますが......感じた事、思った事を整理する意味で書き記してみます。

 

 

 

 

 

・ラグナロクf:id:akino_oniku:20171112002326p:plain

「見たことあるずら」

ここは...前回ラグナロクが行われた約束の場所」

「私たちが突破できなかった、地区大会!」

「リベンジだね!」

 うっひょ〜〜これまたワルそうな表情してますね!!ここに来て緊張の表情を見せる千歌を鼓舞する曜ですが、これ1期9話で果南が鞠莉に言ったあの台詞と同じですね。

 

「リベンジだとか負けられないとかじゃなく、ちゃんと言ってよ!!」

 

 素直な気持ちを伝えられなかった鞠莉が本意ではなく果南に言ったしまった言葉だけに、曜ちゃん推しとしては不穏な展開の伏線なのでは......と勘ぐってしまいました。

 ちなみに善子は地方予選のことを「ラグナロク」と表現していますが、これはつまり「神々の黄昏」終末の日のことですね。彼女にとっての最重要議決事項(?)であることがわかります。

 

 

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「うん!」

 答える千歌の声にも力が入ります、表情に余裕がないですね。4話冒頭での自信たっぷりな、確信に満ちた表情との違いが印象的です。入学希望者を集めるタイムリミットと地区予選まで時間がないにも関わらず、Aqoursが目指すべきカタチが見えていない事への焦りと気負いが感じられます。

 

 

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「そう。今日現在、入学希望者は57人」

 「そんな......この1ヶ月で10人も増えていないと言うのですか!?」

「鞠莉のお父さんに言われた期限まで、あと1ヶ月もないよね」

「ラブライブ地区予選大会が行われる日の夜、そこまでに100人を突破しなければ......」 

 時は既に11月後半〜12月、なんと1ヶ月以内に入学希望者を43人も集めなければならないことが判明します。 地区予選大会の日と入学希望者を集めるリミットは同じ日であるようです。

 現実的に考えるとあまりに厳しい状況であり、千歌の表情や果南の態度にも説明がつきます。

 

 

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 諦めたかのような表情を見せる果南の背後には、「思いやり」「解決方法」「仲間と一緒に活動」「チームワーク」「リーダーシップとは」などの標語が貼られています。これはAqoursのグループに対する問題提起のようであり、果南自身の内面に渦巻く行き場のない気持ちを表しているようでもあるキーワードですね。

 

 

・ラブライブ運営はクソ

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 OP明けの練習シーンでは、鞠莉がとるカウントのテンポが以前より早くなっており、Aqoursがより高いダンスレベルを目指していることがわかります。また、ラブライブの全国大会出場が期待されるチームを紹介する記事にも

 

「年々、ダンス技術や観客を魅了するパフォーマンスが格段にレベルアップしているスクールアイドル達!」

 

という触れ込みが書かれており、いまのラブライブを勝ち抜くための要素として「高いダンス技術」「観客を魅了するパフォーマンス」を備えていることが大前提であることが明示されています。

 

 

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「前回は地区大会で涙を飲んだAqoursだが、今大会予備予選の内容は全国大会出場者に引けを取らない見事なパフォーマンスだった。今後の成長に期待したい」

「期待......」

 予備予選からの更なる成長を期待されるAqours。成長したパフォーマンスを見せなければ地区予選を勝ち上がれないであろうことが予想されます。

 また、1期7話では「期待されるってどんな気持ちなんだろうね?」と梨子に話していた千歌ですが、初めて学校や沼津の人たち以外からの、つまり外部からの期待を受けていることを知ります。表情に決意の色を浮かべる千歌。

 

 

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 千歌とは対照的に「造作もないことです!」と言ってのけるヨハネとリトルデーモン・リリーが頼もしいですね。なんと言っても梨子が未来に対して確信的に、ポジティブな態度をとっている所に成長を感じます。これが堕天の力なのか。

※「人間」にとってはチョキもピースも同じ形ですが、ヨハネにとっては違うのですね。彼女が「ヨハネチョキ」と「ヨハネピース」を使い分けている所にも、昔から運が悪かった故に自らを堕天使とした経緯が表れているようです。

 

 

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 他のメンバーがドン引きしてるのめっちゃ良いですね、ここ最高です。5話「犬を拾う。」でふたりの間に起こった出来事を誰も知らないわけですから、完全にふたりだけの秘密を共有する仲になっているわけですね。秘密の共有から来る親密性。あまり大きな声で言いたくありませんが、これはさすがに百合の香りがします。くんかくんか。すーはー。すーはー。

 

 

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「今回の地区大会は、会場とネットの投票で決勝進出者を決めるって」

「よかったじゃん、結果出るまで何日も待つより」

「そんな簡単な話ではありませんわ」

「会場には、出場グループの学校の生徒が応援に来ているのよ」

「ネット投票もあるとはいえ、生徒数が多い方が有利」

 衝撃の事実が発覚。ラブライブ運営クソですね、ガバガバじゃないですか!!

 名古屋ガイシホールのキャパがMAX10000人として、浦の星の全校生徒+保護者各位を含めて100人程度と仮定します...会場での最低得票率は1%ですね。仮に沼津の人が200人来たとしても3%ですね。となると、やはりネットでの得票を勝ち取るしかありません。配信される映像で見栄えが良いようなダンスパフォーマンスが必要であろうことが推測されます。

 

 

・わたしたちのAqoursを完成させたい 

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「わたし、あの頃の気持ちと変わってないよ」

「今回はわたくしも鞠莉さんに賛成ですわ。学校の存続のために、やれることは全てやる。それが生徒会長としての義務だと思っていますので」

「それにこれが、ラストチャンスですわ」

 5話から果南が抱えていたノートの正体は、2年前のAqoursが地区予選を勝ち抜くための秘策が記されたものでした。しかし果南は頑なにこの案を棄てようとします。

 ダイヤが「生徒会長として」の立場から発言しているのは、これは2年前のように3人だけの問題ではなく9人、延いては学校全体の問題に関わってくるからという理由でしょう。2年前とは立場も状況も違う、というダイヤらしい大人の目線からの説得。

 「わたし、あの頃の気持ちと変わってないよ」 という鞠莉の台詞から思い返されるのは、1期7話でのダイヤとの会話シーンですね。

 

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「ダイヤも期待してるんじゃない?私達の乗り越えられなかった壁を、乗り越えてくれることを 」

「もし越えられなかったらどうなるか…十分知っているでしょう? 」

「避けるわけにはいかないの。本気でスクールアイドルとして、学校を救おうと考えているなら 」

「変わっていませんわね。あの頃と 」

1期7話「TOKYO」より

 

 2年前のAqoursに乗り越えられなかった壁が何だったのか、その真相がついに明かされました。1期7話で鞠莉からダイヤに向けられた言葉が単なる挑発ではなく、ダイヤの本心を見抜いた上でのものだったことがわかります。そしてその気持ちは変わっていない。ふたりはいまの9人のAqoursなら、千歌ならば2年前に乗り越えられなかった壁を越えてくれると期待していました。

 

 

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「でも、できることじゃない......これはできないこと」

「そんなことはない、あの時ももう少しだった。もう少しで」

「でもできなかった。それどころか鞠莉の足まで.......」

「あの怪我はわたしがいけなかったの、果南に追いつきたいって頑張りすぎたせいで」

「そうですわ、それに今は9人。わたくしたちだけではありませんわ」

「だめ......だめだよ、届かないものに手を伸ばそうとして、そのせいで誰かを傷つけて、それを千歌たちに押し付けるなんて」

「こんなの......!!」

 ついに明かされる2年前のAqoursに起こった事件の真相。

 

「わたしは学校は救いたい。けど、Saint Snowのふたりみたいには思えない。あのふたり、なんか1年の頃の私みたいで」  

1期12話「はばたきのとき」より

1期12話で果南がこのように話していたことからも、年々上がっていく競技ラブライブとしての技術レベルの高さに対抗するため、ハードな練習や難易度の高い技に挑戦していたであろうことが推測されます。

 2年前のAqoursでは果南がAqoursのリーダーをつとめていたと思われ、勝つことにこだわるあまり鞠莉に無理をさせてしまい、怪我をさせてしまったことがわかります。

 

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 果南は1期8話の桟橋でのシーンでも「誰かが傷つく前に」と鞠莉を傷つけてしまった過去に囚われている描写がありましたね。

 

 HAPPY PARTY TRAINのMVの世界での果南は、自らの過去に立ち返り、過去の自分との出会い直しを経て現在の自己を肯定するに至りました。しかしアニメの世界の果南は、鞠莉との和解を経て新たなAqoursのメンバーとして再出発は果たすも、内面的には未だ過去に囚われトラウマを引きずったままだったのです。

 果南は自身の無謀な挑戦に大切な人を巻き込み、傷つけてしまった過去に囚われていました。自分の意思が誰かを傷つけることを恐れるあまり、自分たちの可能性に蓋をして限界を自分で決めてしまいます。しかしそれは大切な人を想うがゆえ。果南にとっては、学校よりもラブライブよりも、何よりも仲間のことが一番大切であることの裏返しなのです。

 

 

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「こんなの......!!」 

 ノートを夜の海に投げ捨てようとする果南。 しかし彼女が本当に投げ捨ててしまいたかったのは、ノートでもなく、ダンスパフォーマンスのアイディアでもなく、未熟だった自分自身の過ち。誰よりも過去に囚われていた彼女だからこそ、自らを縛り続けてきた過去の象徴であるノートを手放し、全てを無かったことにしたかったのかもしれません。

 

 

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 一寸の迷いもなくノートを追って冬の海に身を投げ出す鞠莉。

 1期9話では2年前のスクールアイドル衣装が校舎から投げ出されてしまいましたが、今度は絶対に手放さないという鞠莉の意思が自然と彼女を動かしたのでしょう。

 

 

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 果南が「これをできないこと」と言って投げ捨てたノートを、「手が届かないもの」ではなく「手が届くもの」に変えた鞠莉。

 その鞠莉に手を差し伸べて海から引っ張り上げたのは、昔から「どこか雲の上のような存在」であったダイヤ。1期9話で鞠莉に手を差し伸べ、過去のすれ違いから救い出したのもダイヤ。

 

「わたし、あの頃の気持ちと変わってないよ」

「今回はわたくしも鞠莉さんに賛成ですわ」 

という先ほどの台詞にも表れているように、ふたりの気持ちと関係はずっと変わっていないのです。1期9話と同じくずぶ濡れになる鞠莉ですが、今回は果南は手を差し伸べるどころか一歩も動くことすらできません。本来であれば迷わず果南が後を追って海に飛び込んでもおかしくないシーンでしたが、それができなかったのは彼女がまだ過去に囚われており、未来に向かっているふたりとは違う世界にいることの表れだと思われます。

 

 

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「否定しないで、あの頃のことを。」

「わたしにとっては、とても大切な思い出。だからこそやり遂げたい」 

「あの時夢見た、わたしたちのAqoursを完成させたい」

 果南のノート(過去)を捨てようとする行為は、自分たちの過去を否定することを意味します。しかし鞠莉はそれをよしとしません。だからこそ「届かないものに手を伸ばそうと」したのですね。鞠莉は「自分たちの過去」を肯定することで、「果南の過去と今」を「自分たちの未来」に繋げようとしたのだと思います。

 

「私は諦めない!必ず取り戻すの!あの時を」

「果南とダイヤと失ったあの時を!」

「私にとって、宝物だったあの時を…...」

1期8話「くやしくないの?」より

 実は1期でも鞠莉は果南に同様の気持ちを伝えていますが、このシーンでは「取り戻す」ではなく「あの時夢見た、わたしたちのAqoursを完成させたい」という部分に、鞠莉が更なる一歩を踏み出そうとしていることが伺えます。

 1期9話では2年前のAqoursには完成させられなかった「未熟DREAMER」を歌うことで、ひとつの形として過去を「取り戻す」という希望が叶いました。鞠莉はそこから更に一歩を踏み出し、「取り戻した過去=あの時」の先の未来である「わたしたちのAqoursを完成」を望みます。

 3人では完成させられなかった「Aqoursのカタチ」をこの9人で完成させたいという希望、そして「だからこそやり遂げたい」という言葉。

 

「ただ私は、後悔しないようにするだけ。これが最後のラブライブだしね。」

「最後…」

「ダイヤと鞠莉と3人でここで曲作って、その思いが繋がって、偶然が重なってここまできたんだもん。やり切ったって思いたい」

2期5話「犬を拾う。」より

 

これは前話の果南の台詞と、言葉は違っても本質的には同じことを言っています。果南は過去に囚われるあまり自分の本心を認められずにいますが、本当の気持ちは最初から鞠莉やダイヤと同じだったんですね。

 

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「ここでやめたら後悔するよ!絶対できる!」

 1期9話「未熟DREAMER」より

「私の知っている果南はどんな失敗をしても、笑顔で次に走りだしていた。成功するまで諦めなかった」

  1期9話「未熟DREAMER」より

 

 松浦果南という人物の過去を掘り下げてみれば、彼女の本来の姿は「ポジティブなチャレンジャー」であったはずです。そして彼女の魅力のひとつである「優しくて面倒見のよい」「友達想い」な部分もまた、松浦果南という人物の本質なのです。

 つまり、彼女は決して「ネガティブで保守的な」性格になってしまったのではなく、「優しくて友達想いな一面」と「持ち前の頑固さ」の裏返しだったのではないかと。ゆえに鞠莉とダイヤに対しても、自分自身に対しても頑なな態度をとり続けていたかな、と想像しています。

 

 

・圧倒的なパフォーマンスとは 

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「ぬんぬんぬんぬんぬんぬんぬんぬんぬん......向いた!」

 シリアスシーンからの転換でリリーが「見えない力」を繰り出してくるのめちゃ良いですね。

 

 

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「確かに不利ですね、圧倒的なパフォーマンスを見せて、生徒数のハンデを逆転するしかない」

「ですよね......でも、圧倒的って......」

 「それはうまさだけではないと思います。むしろ今の出演者の多くは、先輩たちに引けを取らない歌とダンスのレベルにある。」

「ですが、肩を並べたとは誰も思ってはいません。ラブライブが始まって、その人気をかたち作った先駆者たちの輝き。決して手の届かない光。」

 聖良に相談を持ちかける千歌ですが、ここまで技術面でのパフォーマンスを進化を模索してきたAqoursに「それだけではない」というアドバイスを受けます。強さを追求し、本気で勝ちたい、という姿勢を見せてきたSaint Snowが言うだけに説得力がありますし、彼女たちもまた成長しているのだと伺い知ることができるシーンでした。

 「先駆者たちの輝き=決して手の届かない光」であると表現する聖良。2期1話の「輝きって、どこから来るんだろう」という千歌の問いのその先と向き合うことになります。

 この話数のリアルタイム放送時、前枠で「先駆者たちの輝き」の始まりの物語である『劇場版ラブライブ!The School Idol Movie』が放送されていたこともあり、聖良の言葉にまた重さが付加されましたね。(サンシャインからラブライブに入った視聴者にも世界観や演出の意図を伝えるという意味で、あまりにも効果的でした。運営ぐう有能)

 

 

・Aqoursのカタチ

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「Aqoursらしさ?」

「わたしたちだけの道を歩くって、どういうことなんだろう」

「わたしたちの輝きってなんだろう」

「それを見つけることが大切だって、ラブライブに出てわかったのに」

「それがなんなのか、まだ言葉にできない。まだカタチになってない」

「だから、カタチにしたい、カタチに」

 聖良からの言葉を受けた千歌はAqoursのリーダーとして「輝き」と向き合うことで、「Aqoursの輝き方」が何であるのかという壁に突き当たります。 

 これまでの千歌にとって「輝き」とは、「わたしがわたしに問い掛けてきた」ものであり、あくまで内的で抽象的な概念でした。千歌が「輝き」について8人に問い掛けたのは恐らくこれが初めてであり、彼女の意識が外へ外へと向いていることが伺えます。

 このシーンですが、梨子だけがずっと体勢を変えることなく固まったまま千歌の話を聞いているんですよね。

 

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 三度に渡って千歌の口から飛び出す「カタチ」という言葉を聞いて、この表情です。

「目には見えないチカラ」というカタチのないものを信じようとしてきた梨子にとって、頑なにカタチを求めようとする千歌の言葉はどう響いたのでしょうか。

 

 

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「このタイミングでこんな話が千歌さんから出るなんて、運命ですわ」

「!?」

「あれ、話しますわね」

「えっ......でもあれは......」

 ダイヤと鞠莉は決意を固めた表情ですが、断固とした口調で話すダイヤの口から初めて、「運命」という言葉が出てきます。果南を説得するために敢えて強い言葉を使ったという理由もあるかもしれませんが、ダイヤが「目には見えないチカラ」「想いが引き寄せる必然」という意味合いで「運命」というものを信じているのは大事な出来事であるように思います。

 思い返せば2期1話でも、校庭に集まった9人の中で最初に「キセキを!」と口に出したのはダイヤでしたね。1期9話のラストシーンではダイヤが砂浜に書いた「Aqours」の文字を、千歌たちが見つけたことが「Aqours」の再結成に繋がった経緯もあり、彼女の過去には「運命」を信じるに足る確固たる理由があるように思います。(ダイヤがセンターをつとめる楽曲である『GALAXY HidE and SeeK』の歌詞にも「運命」という言葉が登場していましたね)

 

 

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「フォーメーション?」

「フォーリンエンジェルズ?」

「ズラ?」

「ラ......ラ......ラ......?」

「しりとりじゃないから」

 このシーン謎ですよね。真剣な場面で善子が堕天使を繰り出して花丸が止めに入る、という流れが定番でしたがここではルビィが堕天使ネタでボケています。善子に至ってはヨハネですらなく、普通に善子としてズレたこと言ってますし、そこに梨子が突っ込む...... 3年生組+千歌と、それ以外のメンバーとの間での認識のズレを強調して描いているのでしょうか。

 ここは後半の山場での緊迫したシーンを引き立てる意味と、全体のバランスを考慮してシリアスな印象を抑えるため、意図的に差し込まれたゆるいシーンかと思われます。

 

 

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「いまそこまでしてやる意味があるの?」

「なんで?果南ちゃん、いまそこまでしなくていつするの?」

「最初に約束したよね、精一杯足掻こうよ、ラブライブはすぐそこなんだよ!」

「今こそ足掻いて、やれることは全部やりたいんだよ!」

「でも、これはセンターをつとめる人の負担が大きいの」

「あの時はわたしだったけど、千歌にできるの?」

 このシーンで流れている劇伴は『夢と現実の狭間』。優しく情緒的なメロディーに包まれてマイルドにはなっていますが、このシーンのふたりのやり取り自体は相当にホンキをぶつけ合っています。千歌と果南の衝突は1期9話以来ですが、現リーダーと旧リーダーとしての立場での衝突はこれが初めてですね。現リーダーをつとめる千歌も、この時点では果南からすれば妹のような存在であり、守るべき対象のようです。

 ふたりに共通しているのは、Aqoursが置かれている現状が土壇場であり、勝てる可能性が非常に低いであろうという認識。

 

 

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「大丈夫。やるよ、わたし。」

「千歌......」

一度は背を向けて千歌を振り切ろうとする果南ですが、強引に引き寄せられて向き合わされます。若干の既視感。無印1期13話の空港のシーンでことりを連れ戻そうとする穂乃花の姿を思い出すような、そんな確固たる意思を感じました。 

 

 

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「あのノートを渡しましょう、果南さん」

「いまのAqoursをBreak Throughするためには、必ず越えなくちゃならないWallがありま〜す」

 「いまがその時かもしれませんわね」 

 「いまがその時かもしれませんわね」でダイヤと鞠莉が同時に1,2年生を見るんですよね、ここ最高です。このふたりには2年前のAqoursには越えられなかった壁が、「いまのAqours」ならば越えられるという期待と信頼があるんですね。

 

 

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 「言っとくけど」

「危ないと判断したら、私はラブライブを棄権してでも千歌を止めるからね」

 このシーンもめちゃくちゃ好きです。果南にとってラブライブよりも仲間の方が大事であるということを、千歌に面と向かって伝えてくれたのがすごい嬉しかったんですよね。2年前は鞠莉の怪我を気遣い、黙ってライブを放棄した果南でした。あの頃から仲間想いの果南らしさが変わっていないことも嬉しかったですし、今度は面と向かってそれを伝えていることに彼女の成長を感じました。

 

 

・いまのAqoursなら必ず成功する 

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「心配?」

「やっぱり、こうなっちゃうんだなって」

 「あれ、やりたかったね。わたしたちで」

「それなら、なんで千歌たちにやらせるの?まるで押し付けるみたいに」

「千歌っちならできるって信じてるから」

「今のAqoursなら、必ず成功する。果南だって信じてるんでしょ?」

  帰宅しても練習を続ける千歌に、それを見越して様子を見に現れるふたり。「やっぱり、こうなっちゃうんだなって」という果南の言葉には、「果南に追いつきたいって頑張りすぎたせいで」と話していた、2年前の鞠莉の姿にいまの千歌の姿が重なっているようでした。「あれ、やりたかったね。わたしたちで」と果南の気持ちも代弁するかのように話す鞠莉がいじらしいですね。

 「今のAqoursなら必ず成功する」と未来への確信めいた希望を口にする鞠莉ですが、彼女は1期から一貫して未来を信じ続けていますね。鞠莉が千歌に対して絶対的な信頼を寄せている根拠が私にはわかりませんが、やっぱりスピリチュアルの系譜ですかね......(思考放棄) 

 

 

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マットの向こう側にはノートが。「届かないものに手を伸ばそうとする」構図になっています。この構図が6話ラストの砂浜でのシーンに効いてきますね。

 

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「いちばん最初にここで歌った時に思ったの。みんながいなければ何もできなかったって。」

「ラブライブ地区大会の時も、この前の予備予選の時も、みんながいっしょだから頑張れた。」

「学校のみんなにも町の人たちにも助けてもらって」

「だから、ひとつくらい恩返ししたい」

 Aqoursのメンバーに「助けてもらって」支えられて練習しているシーンでこの台詞です。千歌本人は気付いていないようですが、他のメンバーは千歌を見上げる構図になっています。

 

 

・曜、梨子、果南、と千歌の関係 

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「じゃあとめたら?」

「あたしが言うより、ふたりが言った方が千歌、聞くと思うよ」 

「嫌なの?」

「言ったじゃない、気持ちはわかるって」

「うん」

これまでの果南は先輩として高い目線から後輩たちと接してきましたが、このシーンではふたりと同じ目線で、対等な立場で言い合いをしていますね。落ち着いたトーンでの会話ですが、文字に起こすと相当バチバチしたやり取りになっています。 

  

 

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「千歌ちゃん、普通怪獣だったんです」

「怪獣?」

「普通怪獣ちかちー」

「なんでも普通で、いつもキラキラ輝いてる光を、遠くから眺めてて、本当はすごいチカラがあるのに」

「自分は普通だって、いつも一歩引いて」

「だから自分のチカラでなんとかしたいって思ってる」

「ただ見ているんじゃなくて、自分の手で」

 そう話す曜と梨子のふたりの目には、千歌が「キラキラ輝いてる光」として映っています。ふたりにとっての千歌は最初から尊敬の対象であり、全くもって普通怪獣などではなかったんですね。

 果南と幼馴染の千歌は果南の背中を見て育ってきましたが、このシーンでは千歌の背中を今度は果南が見つめる側になっています。果南の目には「手の届かない輝き」を掴もうと足掻く千歌の姿が「輝き」として映ったのですね。

 甘えん坊だったはずの千歌は、いつの間にか果南にとって「守るべき存在」ではなく、Aqoursのリーダーとして、ひとりの人間として逞しく成長していました。そんな千歌の姿を見て、果南は千歌に自分の本当の望みを託す決意をします。2年前に自分たちが成し遂げることができなかった「わたしたちのAqoursを完成させる」ために。

※これは少年漫画などで主人公が、自己のアイデンティティを確立するに至る通過儀礼であり、通称「親越え」「兄貴越え」「師匠越え」と呼ばれる王道展開ですね。私はこの熱い展開が大好物です。

 

 

 ・テンポの違和感

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「千歌」

「果南......ちゃん......?」

 思い立ったように千歌に歩み寄り「何か」を伝えようとするシーン。ここからの流れが個人的に気になります。普通のアニメであればここでAパートが終わり、Bパートで果南が千歌に何を伝えたのかが明かされるのが一般的な展開ですよね。ですが前半後半の区切りはここで付けられていません。

 

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 千歌の表情のアップのカットからシームレスに陽が沈むシーンに切り替わり、そして夜が訪れます。

 「果南は何を言ったんだろう?」と思わせてAパート終了でも、太陽が沈む絵を見せてからAパート終了でも良かったはずです。そこで敢えて区切らずにシームレスに夜の千歌の練習シーンに繋いだのは、物語全体のテンポ感よりも千歌のエモーショナルを優先して描きたかったからではないかと推測しています。6話の絵コンテは酒井監督が担当されていますし。

11月17日追記:6話絵コンテ担当は渡邊哲哉さんであるとのご指摘を頂きました、大変失礼いたしました。

 

 

・ようりこの距離感

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「千歌ちゃん......」

「梨子ちゃんに頼むと止められちゃいそうだからって」

「ごめんね」

「ううん」  

 砂浜に見えた人影を見て不安に思い、志満姉に千歌の行動を確認してやって来た梨子。自室のベランダから千歌を追い掛けて来るのは1期8話とも重なりますが、今回は曜が来ていることも察して羽織りものを持ってきています。お互いそのことに触れる様子もなく、当然のように受け取る曜。

 「梨子ちゃんに頼むと止められちゃいそうだからって」は自分ではなく千歌のための弁解であり、「ごめんね」の言葉には「(梨子ちゃんも千歌ちゃんのことが心配なはずなのに、伝えなくて)ごめんね」が省略されていると推測され、梨子の「ううん」は敢えて言わずとも全て察しているという意味での相槌。短いやり取りの中にも曜と梨子の、いえ3人の信頼関係を伺い知ることができます。

 以上のことから察するに、千歌が梨子ではなく曜を見守り役に頼んだのは恐らく「千歌にとって曜の方が親しいから」ではないですよね。距離感ではなく関係性。

 

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 手の結び方が違う所、ドキッとしちゃいますよね。 曜ちゃんは千歌ちゃんに背中を預け、梨子ちゃんは千歌ちゃんと向き合う、という関係性の違いを表したカットかと。

「未来の僕らは知ってるよ」OP映像について考えてみた - あきの忘備録

1話で立てた仮説はちょっと違いましたね、千歌と曜はお互いに背中を預けあう関係でした。だからこそ千歌は曜に頼んだのですね。 

 

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 曜ちゃん推しとしてはずっとこのままの関係でいて欲しい気持ちがありますが、向かい合わなければホンキをぶつけあうことはできないんですよね......ノーガードで殴り合うようちか、見たくなし......

 

 

 ・果南の本心

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「千歌、約束して。明日の朝までにできなかったら諦めるって」

「よくやったよ千歌、もう限界でしょ?」

「果南ちゃん......」 

 

「2年前、自分が挑戦してたから尚更わかっちゃうのかな、難しさが」

ついに果南が自分から千歌と、正面から向き合って対峙する瞬間。果南の真後ろに向かって影が伸びており、「太陽=輝きと向き合う」構図になっていますね。

  この回想シーンで曜の口から果南が千歌に突きつけた条件が明かされます。果南は千歌の限界を勝手に決めつけるようなきつい物言いをしますが、本心は......

 

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「じゃあ、諦める?」

「諦めない!」

「なんでそんな言い方するの?」

「こう言ってあげた方が千歌ちゃん燃えるから」

 1期3話「ファーストステップ」より

 1期3話で「じゃあ、諦める?」とけしかけた曜と同じニュアンスだと思われます。果南は千歌なら自分に越えられなかった壁を越えてくれる、と期待していたはずですから。

 後のシーンでは千歌が唇を震わせて拳を握りしめているのも印象的で、負けず嫌いの千歌らしさが滲み出ています。「くやしくないの?」を彷彿とさせますね。

 

 

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 陽が沈む前に太陽に背を向ける果南。最後まで足掻こうとせずに諦めてしまっていた彼女を印象付けるようなシーン。

 

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  先ほどの千歌の背後からの引きの目線でのカットでは、果南は肩をすくませて意地を張っている様子が描かれていますが、この千歌目線の回想シーンでは果南は肩を落としています。これは千歌が果南の本心を理解しているという描写かと思われます。

 

 

・ようちかりこ

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「あと少しなんだけどな......」

「うん.......!!」

「あと少し......!!」

「「惜しい!!」」 

 食い入るようにして千歌を応援するふたりですが、阿吽の呼吸で顔を見合わせます。日常パートではなんだか会話が微妙に噛み合わないふたりですが、千歌のことになると途端に運命共同体みたいなシンクロを見せるんですよね。

 ここでまずふたりの気持ちがひとつになります。

 

 

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「どこがだめなんだろう、わたし」

 千歌が越えられずにいる無意識の壁は、自分自身を肯定するという壁。ずっと普通怪獣であることがコンプレックスであった彼女には、隣の芝ばかりが青く見えてしまっています。 

 砂浜に横たわり宙を仰ぐ千歌ですが、彼女の目線からはみんなが高い位置にいるように見えているんですよね。 

 

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でもそれは曜と梨子も同じで

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「輝き」と真っ直ぐに向き合って追い掛ける千歌の姿が、ふたりの目には「輝き」として映っています。

 

 

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「焦らないで。力を抜いて、練習通りに」

 「梨子ちゃん」

「できるよ、絶対できる」

これまでは千歌が壁にぶつかった時は、まず最初に梨子が手をとって助けとなっていましたね。だからこそ曜と梨子のふたりで千歌の手をとる展開は熱いです。曜ちゃん推しとしては、長年のライバルと共に手を取り合い強大な敵を倒すために立ち上がったヒーローの如き熱さを感じます。や、梨子ちゃんはライバルでも恋敵でもないですよ。友情ヨーソローだからね。(?)

 そんなことよりもこのシーン。リアタイ放送時の前枠で劇ラ!が放送されていた経緯もあり......

 

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「飛べるよ。いつだって飛べる。あの頃のように」

 劇場版ラブライブ!The School Idol Movieより

 このシーンを思い出させましたよね。「あ、これもしかしてイけるんじゃないか?」って期待させる流れでした。 

 

 

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めっちゃ良いシーンなんですけど、この絵だけ見ると梨子が「キマシタワー」って言ってるようにしか見えないですね?「見てるから」ってあなた。

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 1期8話「くやしくないの?」では曜が梨子に出遅れるような形になりましたが、あの時と同じ場所、同じ時間でふたりが足並みを揃えられたのは、あの話数のアンサー的な意味合いを感じます。

 

 

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 ......となれば当然、1年背組も合流しますよね。1期8話のメンバーが揃い、Aqoursの気持ちが千歌を中心にひとつになっていきます。

 

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「なああ!!できるパターンだろーこれー!!」

劇ラ!を見た後でのこのツッコミはズルかったですよね、リアタイ視聴者全員「それな!」って言ってたんじゃないですかね。ともあれ、奇跡のような出来事は起こりませんでした。

 

 

・普通怪獣とは

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「なんでだろ......なんでできないんだろう......」

「梨子ちゃんも、曜ちゃんも、みんなこんなに応援してくれてるのに」

 「いやだ......いやだよ!わたし、何もしてないのに!」

 「なにもできてないのに!!」

 果南から託された大技を完成させることができず、「なにもできてないのに!!」と涙をこらえる千歌。Aパートの屋上の練習シーンで言っていた「カタチにしたい」という言葉が想起されます。「なにもしてない」「なにもできてない」の「なにも」の部分に相当するものが何かを考えると、やはりカタチに囚われてしまっているのでしょう。 

 

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「ぴーーーどっかーん!」

「ずびびびびびー」

「普通怪獣よーそろーだぞー」 

「おーっと、好きにはさせぬーりこっぴーもいるぞー」

 1話とは違い梨子はここでは「普通怪獣」を名乗っていない上に、「好きにはさせぬ」ってヒーロー側の台詞を言っているんですよね。しかも光線を撃つ構えをしています。5話を経て「目には見えないチカラ」を信じられるようになった梨子だからこそ、「普通」の自分を受け入れた上で「目には見えないビーム」を撃っていることに説得力があります。

 曜は1期11話で「わたし......全然そんなことないんだけど、なんか要領良いって思われてる事が多くて、だから、そういう子と一緒にって、やりにくいのかなって…...」と鞠莉に打ち明けていたように、以前は自分も普通であると思っていたんですよね。他者から見ればスーパーヒーローの曜が、敢えて千歌の前で「普通怪獣よーそろー」を名乗ったのはそういうことだと思います。

 

 

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「まだ自分は普通だって思ってる?」

「普通怪獣ちかちーで、リーダーなのにみんなに助けられて、ここまで来たのに自分は何もできてないって。ちがう?」

「だって......そうでしょ?」

「千歌ちゃん、いまこうしていられるのは、誰のおかげ?」

「それは、学校のみんなでしょ、町の人たちに、曜ちゃん、梨子ちゃん、それに」

「いちばん大切な人を忘れてませんか?」

 このふたりの顔をご覧ください。「これだけ言ってるのに、お前まだこっちの好意に気付けてないの??おおん!?!?」みたいな表情してるの最高ですね。考えてもみてください、あのヘタレ曜ちゃんが「いちばん大切なひとを忘れてませんか?」って言ってるのは事実上の愛の告白ですよ。ぅうぅ......やっと言えるようになったじゃねぇか......渡辺......!!という気持ちで胸がいっぱいです。ヒナ鳥の巣立ちを見守る親鳥の心境です。ともあれ、脱線しましたがこれは逆友情ヨーソロー、つまり11話の意趣返しにあたるシーンですね。

 

 

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「いまのAqoursができたのは、誰のおかげ?」

「最初にやろうって言ったのは誰?」

「それは......」

「千歌ちゃんがいたから、私はスクールアイドルを始めた」

「私もそう、みんなだってそう」

「他の誰でも、いまのAqoursは作れなかった」

「千歌ちゃんがいたから、いまがあるんだよ」

「そのことは、忘れないで」

 Aqoursの「輝きへの扉」を開けた千歌。たったひとりで、自分だけの意思でスクールアイドルを始めて「0を1に」したのは千歌なんですよね。千歌の「過去」を肯定することで、千歌の「いま」をも肯定する曜と梨子。※3年生組は3人でいっしょに始めたと推測しています

 千歌はAqoursを作り上げる中で8人を必要とし、ありのままの姿を肯定してきました。しかし千歌はAqoursに求められて加入したわけではないんですよね。曜は千歌に誘われる前に自分からAqoursに加入していますが、1期11話で梨子と千歌によって自分自身の存在を肯定できるに至りました。その曜が、今度は千歌を肯定して救ってみせるんですよね。友情ヨーソローなんですよね。何回見てもくっそ泣けます。

 自らが作り上げたAqoursによって肯定される千歌、これもまたひとつの円環構造ですね。

 

 

・波が映した星の輝き遠いあこがれの色

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突如差し込まれる浜辺のカットですが、 波が映し出す「輝き」その光は星や月の輝きではなく......

 

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 街灯の灯でした。

 1期5話挿入歌『夢で夜空を照らしたい』には「波が映した星の輝き 遠いあこがれの色」という歌詞がありますが、Aqoursにとっての「輝き」は遠く手の届かないものではなく、人の手で作り出すことができるものに変わったことを表しています。

 

 

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「自分のことを普通だって思ってる人が、諦めずに挑み続ける」

「それができるって、すごいことよ!」

「すごい勇気が必要だと思う!」 

 「そんな千歌ちゃんだから、みんな頑張ろうって思える」

「Aqoursをやってみようって思えたんだよ! 

「恩返しなんて思わないで、みんなワクワクしてるんだよ」

「千歌ちゃんといっしょに、自分たちだけの輝きを見つけられるのを」

 Aqoursの加入順に千歌のもとに歩み寄るメンバーたち。

 自分自身を凡人であると認めること自体、そもそもつらいことですよね。誰だって自分は特別で優れた存在であると思いたいし、都合よくそう思い込んでいるうちは人は変われず、何者にもなれないものです。自分が普通であることを認められた千歌だったからこそ、Aqoursを立ち上げるという0からの1歩を踏み出すことができたのかもしれません。

信じてあげなよ 自分だけのチカラ

君が君であろうとしてるチカラ

『勇気はどこに?君の胸に!』より

 ED曲で2年生組が歌っているパートの歌詞が刺さりますね。 

 

 

・俺の背中を越えていけ 

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 善子が手を怪我していることに千歌は気付きますが、他のメンバーも長袖であるのと、全員がなんらかの形で腕を隠すようなポーズをしているのを見るに、これ全員が同じ練習をして同じ箇所に怪我をしている可能性がありますね。

 アニメでは大技を決めるのは千歌だけですが、アニメのAqoursが「完成」できなかったライブを現実のキャストが「完成」させる可能性が考えられます。毎度のごとく、3rd LIVEではキャストがアニメのAqoursを超えてくるはず。つまり、全員でバク転やるまであるのでは......

 

 

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「みんな......」

「新たなAqoursのWAVEだね!」

 後から来た鞠莉がさらっとタイトル回収するのは「お前そういうところあるよな......」って感じですが、1期8話の先に行くにはあの時と同じ6人ではなく、当然9人でなければならないので必然の全員集合。

 

 

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「千歌!!」

「時間だよ、準備はいい?」

 満を持して果南の登場です、あれだけぐちぐち言ってたのにボロッボロで登場してくるの控えめに言っても最高。もう細かいこと言う必要はありませんね。 

「俺の背中を越えていけ!!!!」

 

 

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「ありがとう、千歌......!!」 

「わたしたちのAqours」を完成させたかった果南。

自らの手でAqoursを終わらせた果南。

「誰か」を傷つけた過去から「届かないもの」に手を伸ばすことができなかった果南。

本心ではもう後悔しないよう、最後までやり切ったと思いたかった果南。

その全ての気持ちが詰まった、心からの「ありがとう」でしたね。

 

 果南は持ち前の挑戦心と、前向きで楽観的な性格で旧Aqoursを率いてきました。しかし自分と仲間を信じて無謀な前進を続けた結果、大切な人を傷付けた上に全てを失ってしまいました。その挫折がきっかけとなり、自分と仲間を信じることができなくなっていたのだと思います。

 対する千歌は自分が普通怪獣で無力だと思い込んでいたからこそ、「みんなはすごい」と仲間を信じ切ることができた。自分や仲間を信じたくても信じることができなかった果南は、そんな千歌だったからこそ自らの夢と未来を託したのだと思います。

 果南は自分たちの未来を託すことを「押し付ける」と捉えていましたが、千歌は果南ひとりのためだけに挑戦を決意したわけではないですよね。「Aqours」のために、延いては学校や町の人たちに恩返しをするために頑張りたいと千歌は話していました。ダイヤも果南を説得するシーンでは「生徒会長として」の立場から説得を試みていましたし、責任感の強い果南を納得させるためには、個人と個人の関係ではなく、より大きな運命の流れの中に彼女を投じる必要があったのかなと考えています。

 Aqoursだけでなく、学校や町の人たちの想いまで背負って進もうとした千歌だからこそ、鞠莉とダイヤも迷わず果南のノートを託せたのかもしれません。そんな大きな運命の流れを生み出す「Aqours WAVE」。

 

 

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 千歌が最後まで懸命に足掻き、他の仲間も居ても立ってもいられずボロボロになるまで練習に励み、果南も奇跡を信じて未来と向き合うことができるようになった。9人の想いがひとつになりましたね。でもそれだけではAqoursはライブを成功させることはできなかったでしょう。

 千歌が自分自身を肯定できるようになったことで、初めて千歌とAqoursは運命の流れを変えられるチカラを手に入れたのだと思います。ともあれ、このシーンで大技が決まったのかどうかは、朝陽が登ったことを見れば陽を見るより明らかですね(?) 

 

 

 ・「MIRACLE WAVE」

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「くやしくないの?」と「友情ヨーソロー」 のアンサーが含められたBパートでしたから、曜と梨子が掌を合わせるこのシーンは最高です。神に感謝。(ここの動き作画やばい)

 

 

 

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 1話では腕立て伏せすらままならなかった花丸がこの動きをキメてるのがめちゃめちゃエモいですね。

 

 果南ちゃんらしいアイディアであったと友人のおたむさんが教えてくれましたが、浦ラジの第84回ではあいきゃんが「ドルフィンわたしが提案したって知ってるか?」という意味深な発言(アニメに登場する振り付けにキャストが噛んでるのは初なのでは?ということはロンダートからのバク転もあんちゃん発信だった可能性まである)に続き、「みんな、膝にアザ作ろうぜ!」という発言まで飛び出したので......

 

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ルビィが膝やっちゃってるのってそういうことか......ってなりますよね。

 

 

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悔しくて じっとしてられない
そんな気持ちだった みんなきっと
わかるんだね 

の歌詞で全員傷だらけになってる描写が入るのズルいですよね、こんなの絶対エモいに決まってるじゃないですか!!!!

 

 

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バク転の前のカットで松浦のこの表情アップ差し込んでくるの天才でしょ。好き。

 

 

 

 

 

 

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前逆宙返り3回半抱え型!!!!

 

はい。最高。

スーパーヒーローである曜ちゃんの必殺技に憧れていたであろう千歌ちゃんが、初めて自分だけの最強必殺技を手に入れた瞬間!!!!

 

 

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1話のラストシーンの高い鉄棒での逆上がりは「輝き」を背負って廃校という逆境を覆そうとするAqoursを象徴する最高のやつですが、バク転は自力で天地を引っくり返すという、自力で奇跡を起こそうとしているAqoursを象徴するようなアクションですね。最高か!!!!!!

 

 

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圧倒的サンライズ感。

この技は千歌ひとりのチカラで生まれたものじゃなく、9人の合体技なんだぜ!! とでも言っているようなカット。アイドルアニメのノリじゃない演出をぶち込んでくる感じ、控えめに言わずとも熱くて最高。

 

 

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おい・・・

 

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そういうのズルいでしょ・・・

 

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あっ

 

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えっ

 

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あっ・・・

 

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や、

 

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やば

 

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あ・・・

 

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ライブ終わっちゃった......

 

 

 

 

 

 

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「今日ここで、この9人で歌えたことが本当に嬉しいよ」

「わたしたちだけの輝き」

「それが何なのか、どんなカタチをしているのか」

「わたしたち9人が見たこと、ココロを動かされたこと、目指したいこと」

「その素直な気持ちのなかに」

 

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「輝きはきっとある」

 

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「みんな 信じてくれて」

 

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「ありがとう!」 

 

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......曲後の台詞、高海千歌じゃなくて、なんか伊波杏樹みたいでしたね......。 

 

 

 

 

 

・6話総括

①Aqoursの技術面と精神面の壁

 入学希望者を集めるためのラストチャンスがラブライブ地区予選であり、地区予選を勝ち抜くための「圧倒的なパフォーマンス」という技術面と、「輝き」という精神面のふたつの課題がAqoursに突き付けられました。その壁を乗り越えるべく、2年前のAqoursが完成させることが叶わなかった「Aqoursのカタチ」を目指して、技術面と精神面の成長を描く話数であったように思います。

②機能としての必殺技

 歌とライブシーンでその両方に決着をつけるという痛快な展開はいかにもラブライブらしく、また物語の中での「必殺技」が脚本の構成上においても「必殺技」として機能するという二重構造はとてもよくできていましたね。

③劇場版ラブライブ!

 この話数に登場する「スクールアイドルの先人たち」の存在を印象付けるためか、リアルタイム放送時にBS11の前枠で「スクールアイドルの先人たち」の物語である劇場版ラブライブを放送していたことも、この話数での無印ラブライブに対するリスペクトを感じさせるシーンや演出に対する布石として非常に効果的であったと感じました。

④意趣返し盛り合わせ

 全13話の中では折り返し地点にあたる話数でしたが、1期8話「くやしくないの?」9話「未熟DREAMER」11話「友情ヨーソロー」に出てきたエピソードの反復や意趣返し、またアンサーが多分に含まれた回でしたが、どの要素も過不足なく丁寧に描かれたものであったため無理に詰め込まれている感がなく、会話のやりとりもよく精査され無駄が削ぎ落とされていたように思います。

⑤2,3年生回

 この話数では大きく分けて2,3年生組から見た果南と、2年生組と果南から見た千歌のふたつの視点で物語が展開していたと思いますが、終始遠慮なくホンキをぶつけ合うシーンが続く重めな回でした。対照的に1年生組がコミカルなシーンを担当していたため直接的に物語に関わっていない分、次回では1年生組の出番が多くなるのではないかと推測しています。

⑥奇跡の在り方とは

 2期では「奇跡」や「運命」など人によって捉え方の違う概念を9人で共有していく、というなんだか小難しいことになっていますが、今回は果南が自身の「運命」と対峙する話数でした。

 「奇跡」とは現実が自分の想像を超えた時にそう感じられるものであり、自分が作った想像という枠内の現実にいるうちは絶対に起こらないものです。果南が「絶対にできない」と思い込むことで作り上げてしまった現実という枠組みを、千歌が意思のチカラで飛び越えたこと。それ自体が果南にとっては自分の現実を超えた「奇跡」だったのではないでしょうか。

 だからこそ果南にとって「絶対に無理」であり「手の届かない輝き」であった大技を、千歌ができると信じて挑戦し続けたこと自体が果南からすれば自分の現実を変えた出来事であったはずです。砂浜でのラストシーンで、バク転を決める前に果南が「ありがとう」と言ったのは、そういうことだったのではないかな。という結論で私は落とし所としたい所存であります。

⑦総括の総括

 こんなに長々と書いてまで何が言いたかったかって、要するに6話めっちゃ良かった。 

 

 

 

7話「残された時間」はサクッと手抜きで書きます......ルビィちゃんかわいい......

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「犬を拾う。」の話

あきのです(*> ᴗ •*)ゞ

 

ラブライブ!サンシャイン!!2期5話「犬を拾う。」良いお話でしたね。

心が温かくなるような優しい回でしたが、やっぱり細かい部分はよくわからなかったので感想と考察をやってみようと思います。今回は考察メイン、全体的にふわっとしてますがお付き合い頂けると幸いです。

※尚、今回からキャラクターは敬称略で表記させて頂きます。ご了承下さい。

 

 

 

 

・待てば海路の日和あり①

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冒頭から雨の音で始まり、突然物憂げなルビィのカットから入る流れがドラマチック。サンシャインを名に冠したアニメなのに、2期に入ってからも雨のシーンばっかりですね。ルビィが見ているのは窓の向こう側の雨空なのか、はたまた窓に映る自分自身なのか。どちらともつかない半透明の像に浮かび上がるのは、「迷い」や「不安」でしょうか。

 

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このシーンでは、次のステージでのAqoursのフォーメーションを考えていたようですね。ホワイトボードに並べられたメンバーカラーの磁石は、ユニット毎の並びになっていますね。無意味だと思います?いいえ、気のない素振りは嘘でしょ。

 

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おわかり頂けますでしょうか?前から見ても後ろから見ても、曜ちゃんがめちゃくちゃ可愛いという事に。まず顔がかわいい。そして帽子がへにょって垂れてる所がかわいいですね。そして箒みたいな髪型が途方もなくかわいい。ボリューム感がかわいいしそこからのぞくうなじがまた猟奇的にかわいい。とにかく顔がかわいい。謎のポージングもかわいいし、スポーティーな切り替えデザインが配されたジャージがめっちゃ似合ってる。ウェストの細さとだぼっとしたボリューミーなボトムスのメリハリが効いてて好バランスですし、差し色で少しだけ黄色が入ってる所なんかも快活な印象でとってもお似合いですね。めっちゃかわいい。

そして地区予選を前にして、既に入学希望者が50人を超えているという衝撃の事実が。曜の口から視聴者に伝えられますが当のAqoursは至って冷静、悪天候を考慮し練習を切り上げる方向に。地に足がついてますね。

  

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「気持ちはわかるけど安全第一。今日の所は終わりにしよう」

果南が「終わりにしよう」って言うとドキッとしちゃいますね、もはやちょっとトラウマです。2期での果南はみんなのお姉さんとしてAqoursを先導するリーダー的役割と、物事や流れに変化を与える役割を果たす場面が多いですね。

現状では誰よりも目線が高く先頭を走っている千歌に、同じ目線で物言いができるのは果南だけのような気がします。

 

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「『待てば海路の日和あり』って言うしね♪」

 また意味深なモチーフが出てきました、ホッカイロが示唆するのは何なのでしょうか。ひとつは季節の変化なのは間違いないのですが、装置としての機能は不明。

 

「待てば海路の日和あり」とは

海が荒れても、じっと待っていれば出航にふさわしい日が必ず訪れることから。今は状況が悪くとも、あせらずに待っていれば幸運はそのうちにやってくるということのたとえ。

鞠莉が全然焦っている様子が無いんですよね。この話数では他のメンバーは地区予選を前にして、少なからず焦りの色を見せているのですが。対照的です。また、3年生組は屋上が暗くなったり天候が悪くなったりすると、安全を考慮して練習を切り上げる事を真っ先に提言していますね。2年前のAqoursでの苦い経験が生きているのでしょう。

 

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鞠莉のジョークに「ズコー」ってなるメンバーですが、ルビィの興味の無さがやばいですね。ずっと窓の外を見つめているのは、彼女の意識が自分自身に向いている事の表れなのか、はたまたAqoursの外に向いている事の表れなのか。シンプルに天候を案じているだけなのか。

 

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「果南ちゃんと梨子ちゃんはウチの車ね」

「曜ちゃんも乗ってかない?」

「いいのー?」

「善子ちゃんは

「嵐が堕天使の魂を揺さぶる秘めた力がこの羽に宿る!」

「ふざけてるばあいじゃあないよー」 

 このやり取りから推察するに、曜の家は歩いて帰れない事もない距離であるようです。そのため自分から乗せて欲しいとは頼まないけれど、千歌の誘いは甘んじて受ける。対して善子は家がすぐ近くであるという理由で断ります。事実でしょう。

でもこの突然の堕天使モードは、断って気まずい空気にならないよう善子なりに気を遣っていたのではないかな、と想像しています。また、いくら歩いて帰れる距離とは言え、雨の中でひとりだけ取り残されるのが寂しくないはずがないですよね。だからと言って寂しいという理由だけで車に乗せて欲しいなんて言えない善子です、迷惑はかけられないと考えたことでしょう。

 

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「胸騒ぎがするこの空最終決戦的な何かが始まろうとして」

「こーらー!待て!待ちなさい!待つのです!」

「なにその動き。もしかして、何かが私を導いてい」

 おそらく彼女は自分が雨の中ひとりになるという状況に対して、何か堕天使的にポジティブな理由を付けたかったのだと思います。

 

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だからこそ、善子は犬との出会いに運命を感じたんですね。

 

 

・ラブライブ!作戦会議 

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果南ちゃんが進行役で作戦会議ですが、先ほどのシーンに引き続きルビィと鞠莉が妙に距離ありません?

 

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「かと言って、暗黒というのもありえませんけどね」

「どうしてよっ」

「堕天使と言えば暗黒。Aqoursと共に歩んだ、暗黒の堕天使ヨハネの軌跡を」

「やっぱり輝きだよ!」「聞きなさいよ!」

 ここの善子、「軌跡」のイントネーションで言ってますね。彼女にとって今のAqoursにあるのは、奇跡ではなく共に歩んできた軌跡であるという所が気になります。

 

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「Aqoursの可能性を広げる為には、他にも模索が必要ですわ」

 ダイヤがぱかぱか型のガラケー使ってるの、なんか良いですね。

Aqoursがμ's以外のスクールアイドルを意識して参考にするのは初めてですよね。自分たちは輝ける、という確信から更なる一歩を踏み出して、輝き方を模索している事が伺えます。

「ひとつに留まらない多くの魅力を持っていなければ、全国大会には進めませんわ」

 千歌にラブライブで勝ち上がるための秘訣を伝えるダイヤですが、優しくたしなめるような口調で言うのが良いですね。以前であれば「ぶっぶーーーですわーー!!!!」って言ってたかもしれない場面ですが、ふたりが実に自然体な関係性になれている事が伺えます。

  

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そうだね、次はこの前突破できなかった地区大会」

 惜しくも決勝進出を逃した地区大会という、ちょっと苦い過去にもさらっと触れられるのが曜ちゃんなんですよね。

そんな事より渡辺曜ちゃんがかわいい。なんだそのほっぺたは??しゅかしゅーかよ。

 

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「またこんな眼鏡で誤魔化してあれ?」

 梨子×鞠莉の絡みで笑いながら誤魔化すのは 悪いクセこれはもう確定ですね、このシーンの元ネタは「Guilty Eyes Fever」でしょう。っていうかギルティアイズってそういう事??よしりこばかり優遇されている回かと思いきや、地味にギルキス繰り出して来てる感じ。私はかなり好きです。

 

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「どゆこと?」

「要するに、帰るって事ずら」

いつの間にか堕天使語の通訳担当になってしまった花丸ですが、問題はそこじゃない。アニメにも遂にジャンボエンチョーの登場です!曜ちゃん推しからすればドラマCDの聖地でもありますので、言ってしまえば実質曜アンドエンジェル案件ですね。

 

 

・邂逅

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クラシックピアノの本を読んでる梨子。12話以降で彼女がピアノに触れているエピソードはありませんでしたが、ピアノとも良好なお付き合いができているようです。

ともあれ、善子ママのスマホを返すため小林家に向かう梨子。

 

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完全に部屋着でリラックスモードだったのに、小林家にお邪魔するためにきっちり支度する梨子。パンツスタイル珍しいですよね。全体的に淡い暖色系でまとめたカラーリングが秋らしさもありつつ、梨子らしいきちんと感もありつつでとってもかわいい。絶対にトップスのインには襟付きのアイテム入れて来るんだよな。。隙がないぜ。

 

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「◎△$♪×¥●&%#?!」

「静かにしなさい!」

善子、口よりも先に手が出るあたり相変わらずコミュ障ですね

ではなく、恐らく犬を見た梨子は怯えて逃げてしまうと考えたのでしょう。善子ちゃんが堕天流体術奥義を繰り出すのは、主に逃げようとする誰かを捕まえる時です。ここに現れた梨子こそディスティニー、運命とわかる出会い素敵だわ。協力者になってくれそうな彼女を逃す手はありません。

 

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「ズラ丸の家もルビィの家も、許可とるの面倒みたいだし」

「鞠莉ちゃんは?」

「ホテルでしょう?」

「果南の所もお店があるし、千歌の所はしーたけもいるし」

「んじゃあ、曜ちゃんとか」

「そんなに嫌なの?」

犬をケージに入れてずっと神社に置いておくわけにもいきませんし、拾ったは良いものの善子は困っていたはずです。しかし他のメンバーに頼れない理由には筋が通っています唯一、曜を除いては。

曜はマンション暮らしではないですし、家も小林家から近いです。何よりも曜ちゃんはめっちゃ良い子なので、頼めばふたつ返事で了承してくれたでしょう。でもきっと、善子はあの性格ですから曜にも頼めなかったのでしょうね。身勝手な自分の都合で迷惑を掛けられないと考えたはずです。そんな所に不意に現れた梨子、まさに渡りに船。これも運命だと善子は確信したのでしょう。

ここでは曜に頼まなかった点ではなく、運命的に現れた梨子だからこそ頼めたという点に意味があります。

 

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「私に近付いたら、だめだからね」

「ごはん、食べる、だけだからね」

「ごはん、ね」

この「あんこ」の作画のかわいらしさが素晴らしいですよね、さすが西田亜沙子さんの作画監督と言った所でしょうか。表情はほとんど変化がないにも関わらず、動きや仕草だけで感情が伝わってくるのが本当にすごい。繊細なこころの動きが見事に描かれている所に感服です。

しーたけなんか、普段わりと動かないし感情が読めない(目が隠れてるし)ので、面と向かった時に梨子は気持ちがわからず怖かったのではないでしょうか?対してあんこはとっても人懐っこくて、感情表現が豊かですよね。犬が苦手な梨子の目にも、あんこが自分に対して好意を持っている事がわかったようでした。

もちろん作画だけでなく声の演技も相まって演出の相乗効果はあったと思いますが、この話数はやはりあんこの、繊細なこころの動きが丁寧に描かれた作画が影の立役者だったように思います。

 

 

・犬の名は。

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「ルビィちゃんもう少し内側」

「ん。前よりだいぶ良くなったよ」 

これまでずっと姉にべったりだったルビィが、 おねいちゃあと距離を置いてるカットは気になりますね。アバン冒頭でもひとり窓の外を見つめる意味深なシーンがあったりと、彼女が自身の内面と向き合おうとしている?ような印象があります。これは姉離れ、自立、に向かおうとしている事を示唆しているのでしょうか?

 

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「ではもう一度、と言いたい所ですが」

「陽が短くなってるからね」

 ダイヤちゃんに自然とタメ口で返す曜ちゃんがいいですね。美しい夕陽が印象的なカットですが、メンバーの浮かない表情が対照的です。練習時間が少ない事に対しても、「地方予選まで時間がない」という焦燥感が滲み出ているように思います。

 

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「じゃあ終わり??」

「うん、どうしたの?」

「え?いやちょっと

からのこの笑顔、対比がキマってますね。梨子の様子のおかしい感じが引き立っていて見事。

 

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先のシーンで善子が来た時は昼間でしたが、このシーンでは陽が落ちてすっかり暗くなっています。季節の変化、秋が深まっている事を表しているのでしょうか。

  

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ヨハネ、召喚!!

(言いたいだけのやつ)

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ここ、犬にちゃっかり名前を付けているのが可愛いですよね。

 

ライラプス(古希: ΛαῖλαψLailaps)は、ギリシア神話に登場する犬である。

この犬はどんな獲物でも決して逃がさないと運命に定められていて、狙った獲物は決して外さないという槍とともにクレータ島の王ミーノースの宝物だったとされる

 Wikipediaより引用

ライラプスは命名がギリシア神話から由来しているようです、実に善子らしいですね。"この犬はどんな獲物でも決して逃がさないと運命に定められて"という背景にも意味があって良いですね。彼女にとって運命のような出会いであったからこそ、この名を与えたのでしょう。

"どんな獲物でも決して逃がさないと運命"って"狙い定めたら逃がさないから 逃がさないから My Target!!"って事なんですよね。う〜んギルティ。

 

ノクターン(nocturne)

英語で夜想曲のこと。夜想曲(やそうきょく)は、性格的小品(主にピアノ独奏曲)の一種。

Wikipediaより引用 

 ノクターンも厨二病っぽい響きのある単語だと思いましたが、主にピアノ独奏曲の一種を指す言葉だったんですね。梨子らしいです。また、この話数はラブライブでは珍しくほとんどが夕方〜夜にかけての時間帯のシーンで構成されており、そんな所にも名前のイメージが合致しますね。

  

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元の飼い主が見つかり無事に引き取られてしまうあんこですが、

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自分からは触れられず詰められなかった距離を、あんこの方から歩み寄って好意を示してくれます。隣でぐずる善子も気にならない様子で、梨子は何を思ったのでしょうか。

 

 

・やり切ったって思いたい 

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場面は変わって翌日、部室のカットですがホワイトボードが賑やかで良いですね。個人的には右上の虹が曜アンドエンジェルの「じもあい」を思わせるモチーフなのが気になりますが、ここで重要なのは左下の「海」「波?」「WAVE〜」の部分でしょうか?このホワイトボードは6話への伏線になっているようです。

 

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「あれ、みんな屋上だよ。どうしたの?」

本当に鼻がきく千歌ですよね。しかし果南がノートを後手に隠した事には気付いていないようです。アバンの沼津での練習シーンでも、ホワイトボードでダンスのフォーメーションを考えていましたね。ライブパフォーマンスのみならず、Aqoursの中でのメンバーのパワーバランス、自身の立ち位置なども考えていたと想像するのは深読みでしょうか。

  

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「ただ私は、後悔しないようにするだけ。これが最後のラブライブだしね。」

「最後

「ダイヤと鞠莉と3人でここで曲作って、その思いが繋がって、偶然が重なってここまできたんだもん。やり切ったって思いたい」

穏やかな笑顔で、落ち着いた様子で自分たちの終わりを見据える果南。同じ目標を共有する9人でも、2年生と3年生ではその先に見えている未来が違う事がここで示されます。Aパートで鞠莉が「待てば海路の日和あり」と妙に落ち着いた事を言っていたのも、3年生組は既に終わりと向き合って腹を括っている事の表れかもしれません。

終わりと向き合う事はスクールアイドルの宿命ですが、Aパートでも季節の流れの速さが強調されるようなシーンもあり、ついに来るべき時と向かい合う時期が来たのだと視聴者に印象付けています。

また、果南にとっての「キセキ」の捉え方が明言された所も注目ですね。思いが繋がり、偶然が重なってここまで来た軌跡が奇跡であると受け取る事ができるかと。彼女にとって「奇跡」は、「思いと偶然の重なりによって描かれた軌跡」を未来の視点から振り返ったものとして捉えられているようです。

  

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このカット、Aqoursのニコ生見てた人は笑っちゃいましたよね、元ネタ知らない人からすると何この前衛的な絵って感じだったかもしれませんが。

余談ですが、放送翌日に行われた大阪でのファンミではMCでこのシーンに触れる場面もあり、キャスト内から「梨子ちゃんは美術が得意じゃなかったっけ?」とりきゃこをイジる流れもありました。彼女は「そんな設定もあったっけ?」と返していましたが、まぁ、G'sの世界線の話ですからね。アニメの設定では梨子が「ピアノ一筋の人生」であった事に意味があるので、「設定」はそれ自体が「個性」ではないんですよね。

 

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取ってこーい(弱々しい声) 

 ここめっちゃ好き。直立不動の7人が見守る中、遠くにいるふたりの動きがシンクロしてるのが最高にシュール。絶妙に様子がおかしくて最高。

 

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なんとなくこのカット、スクフェスっぽいですよね。もみじの葉っぱが細やかに描かれている感じ、今までのラブライブでは見られなったようなスーパーリアルな描かれ方ではないでしょうか。スクフェスの紅葉狩り編みたいな雰囲気を狙ってるのかな?

  

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淡島を臨む背景に紅葉がよく映えてます、善子のポーズも作画もなんか気合入ってますし、やたらキマってますね。これを見ると秋の内浦にも行ってみたいと思わされますし、アニメの舞台の新たな魅力を切り取って広めようという製作側の愛も感じます。

 

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いちいちキマってるなぁ

 

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「やっぱりこんなの間違ってる」「ぇえ?

「よく考えてみれば、あの人が飼い主だって証拠はないはずよ!」

「仮に飼っていたとしても、本当に飼っていたのがライラプスかどうかは限らない」

「そっくりの違う犬だったという可能性も」「そんな無茶苦茶な」

「取り戻しに行くわよ」「はい?」

「言ったでしょう、あの子と私は上級契約の関係」

「ディステニーで結ばれているの」

「無茶よ!迷惑でしょそんなことしたら」

「だったらいい!私ひとりで行くから」

何度見てもこのシーンめちゃくちゃ言ってて面白いですね、梨子が完全に巻き込まれて振り回されポジションになってるのも良き。ここでは、善子が他人の迷惑を省みず自分の運命を信じようとしている所と、犬を奪いに行っている所が重要ですね。

ふたりはギルキスなので会いたい時に会いに行きたいし、欲しいものは奪いたい、なんです。奪いたいキミのこと 待ってないよLOVE!!なんですよね。

 

 

・待てば海路の日和あり②

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「こうなったら」

「こうなったら?」

「出てくるまで、待つ!!」

「本気!?」

ここで「待てば海路の日和あり」の伏線が回収されますね。先の鞠莉の言葉を受けた流れでよしりこが行動を共にしているので、やはり実質的にギルキス回ですね(?)(無理) 

ここからは先ほどの紅葉のシーンとはうって変わり、全体的にどんよりとした色彩設定になっている所も対比が効いてます。

  

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「日が暮れるわよ?」

「嫌なら帰りなさいよ」

「前にも言ったけど、あの子は私にとって『特別』なの」

「でも

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このやり取り、わがままな善子のむくれた表情。それを見た上で母親に帰る報告をする梨子、子供の喧嘩みたいですね。と言うか、よく考えたら彼女たち普通に子供なんですよね。

  

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「風邪、ひくわよ」

「あとこれ」

「いらない」

犬との心の交流の中で自分から好意を伝える事の大切さに気付いた梨子。差し入れまで買って戻ってきますが、善子は素直に好意を受け取ろうとせず意地を張ってしまいます。

 

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善子はこれまではAqoursのメンバーと一緒にいる時は、常に誰かに合わせたり、気を遣ったり、ヨハネモードで素を隠したりしていました。「津島善子」としての素の子供っぽさを、わがままな一面を初めて見せられた相手が梨子だったのではないでしょうか。同い年の友達より、年上の友達の方が甘えて素を出せたんじゃないかな、と想像しています。

よしりこの共通点として、どうやら二人ともひとりっ子っぽいんです。だから双方の親が過保護気味な描写が多いですよね。「帰らない」というのは親に対する反抗の表れでもあり、彼女達が精神的な自立に至る過渡期にいる事を示していると思います。

(そのおにぎり地域限定って書いてあるけど、実在するのかな) 

 

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「堕天使って、いると思う?」

「私さ、小さい頃からすっごい運が悪かったの」

「外に出ればいつも雨に降られるし、転ぶし」

「何しても自分だけうまくいかないし、それで思ったの」

「きっと、私が特別だから、見えない力が働いてるんだって」

「それで堕天使?」

「もちろん、堕天使なんているはずないって、それはもう何となく感じている」

「クラスじゃ言わないようにしているし」

「でもさ」

「本当にそういうの、全くないのかなって」

「運命とか、見えない力とか」

2話「雨の音」以降のAqoursにとって、雨は必ずしもネガティブな存在ではなくなりましたが、善子にとっての雨はやはり雨なのですね。また3話の抽選会のシーンでは自らの不幸体質を省みず、Aqoursのピンチに立ち上がった善子でしたが、そこでも運命を引き寄せる事はできませんでしたね。

  

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「そんな時、出会ったの」

「なにか見えない力で引き寄せられるようだった」

「これは絶対、偶然じゃなくてなにかに導かれてるんだって」

「そう思った」

善子が運命を信じられなくなりそうになったという話を聞き、梨子が目を潤ませます。3話でも「私たちは奇跡は起こせないもの」「奇跡は、起こるのかな」と「キセキ」に対して懐疑的であった彼女だからこそ、善子の気持ちに共感できるんですよね。

 

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「不思議な力が働いたんだって」

善子の告白が「奇跡」を信じる事ができたくだりになると、雲間に光が差し込みます。いわゆる「天使の梯子」と呼ばれる光景ですね。

 

天使の梯子(ヤコブの梯子)という名称は、旧約聖書創世記28章12節に由来する。この記述では、ヤコブが夢の中で、雲の切れ間から差す光のような梯子が天から地上に伸び、そこを天使が上り下りしている光景を見たとされる。このことからやがて自然現象もそのように呼ばれるようになった。

Wikipediaより引用

 薄明光線と呼ばれる雲間から差し込む光の柱の中を天使が行き来していた、という記述は旧約聖書やヨハネの福音書にも登場するシーンのようですが、善子が「これは絶対、偶然じゃなくてなにかに導かれてるんだって」と言った後に光が差す演出はとってもドラマチックですね。善子が信じたからこそ、天使も降りてきたのかもしれません。

 

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「はい、ライラプス」

「ん...ん?ノクターン!」

差し入れのお返しにおしるこを手渡す善子。あったかいですね。

善子にとっては梨子もまた、ライラプスと同じように見えない力で引き寄せられた相手。 なんですよね。このシーンはそういう事なんだと思います。

 

 

・"見えない力"はあると思う

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「気付いて…!!

「見た!」

「私よ、わかる…? 

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「やっぱり偶然だったようね、この堕天使ヨハネに気付かないなんて」

 チャンスは訪れるも、善子に振り向いたあんこは彼女を認識する事はありませんでした。やはり不思議な力も、運命も存在しないのか。善子の願いは届きませんでした。

 

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「でも、見てくれた」

「え?」

「見えない力はあると思う」 

「善子ちゃんの中だけじゃなく、どんな人にも」

「そうかな?」

「うん。だから信じている限り、きっとその力は働いてると思うよ」

 桜内梨子は、奇跡が起こせない人でした。過去にピアノと向き合うために転校までして、1期2話で海の音を聴こうとした時も、陽光を受けて輝く水面からインスピレーションは得たものの、実際に海の音を聴くという奇跡は起こりませんでした。

その後もピアノと向かい合う重圧を乗り越えて、再びピアノを弾く楽しさを取り戻す事ができたのは、きっかけは高海千歌。乗り越えたのは自分自身の勇気と努力。

そんな彼女だったからこそ、2期3話の学校に向かって走るシーンでも最後まで奇跡が起こる事を信じられなかったのでしょう。そしてこの話数でも、"堕天使はいない"という現実を受け入れた上でそれでも尚、起こるはずのない奇跡を一心に信じようとする善子の姿に胸を打たれたのだと思います。

 

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だからこそ梨子は、そんな善子の姿に自分自身を重ねて見ていたはずです。「見えない力はあると思う。善子ちゃんの中だけじゃなく、どんな人にも」という言葉は、善子と梨子自身に向けられたもの。高海千海ではなく、同じ目線を共有できる津島善子だからこそ「奇跡」を信じる事ができた。肯定できたんだと思います。

自らを普通星人だと自覚した上で、それでも奇跡を信じる姿に感動したのは、きっと視聴者である私たちも同じですよね。

※千歌と梨子の目線が食い違う描写は、3話で強調されて登場していました。

 

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「ありがと、ヨハネちゃん」

「善子!!」

「あれ?」

梨子は「津島善子」という人を知る事ができたからこそ「ヨハネ」を受け入れ、善子もまた梨子の前では「津島善子」である素の自分を出せるようになったのかな、と思っています。

 

 

・全てに意味がある

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「偶然が重なって、ここまで来た。か...」 

千歌が傘を閉じると満月が顔を出し、それまで降っていた雨がいつの間にか止んでいた事がわかります。

彼女が呟いた言葉は果南の発言を受けてのものですが、これは"偶然が重なる"ということ自体に"運命"を見出していた善子と同じ意味合いですね。

果南は未来に立って振り返った視点から現在を捉えていますが、善子は過去からの視点で捉えた現在を未来として捉えている印象があります。

 

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「試してみようかなって、これも出会いだから」

「ふぇ?」

「私ね、もしかしてこの世界に偶然ってないのかも、って思ったの」

「偶然は...ない...」

千歌が「偶然が重なってここまで来た」という果南の言葉を思い返していた直後に、「偶然ってないのかも」って言い出す梨子にドキリとしてしまいました。ともあれ、誰に頼るでもなく、ひとりでしーたけと向き合おうとしていた梨子の姿に胸が熱くなりますね。

 

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「いろんな人が、いろんな想いを抱いて、その想いが見えない力になって、引き寄せられて」

「運命のように出会う」

「全てに意味がある」

「うん」

梨子から「偶然ってないのかも」という言葉の真意が語られます。

人と人との想いが引き寄せあって運命のように出会いが生まれる。だからこそ人の想いにも出会いにも意味があり、まるで運命のようなその力は人の想いによって生まれている。だからこそ運命は人の意思によって生まれる必然であり、人の意思が介在する以上偶然は存在しない。全てが必然。

 

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「見えないだけで、きっと」 

梨子の右手に握られていたのは、奇しくもノクターンのために用意していたご飯でした。

善子のライラプスとの出会いも、善子と梨子が犬を巡って対立し、共に時間を過ごしたことも、ふたりが犬と別れたことも、その全ての想いが収束し、この瞬間にしーたけと向き合うきっかけとなります。全ての出会いが意味のあるものに変わります。

この瞬間こそがまさに、梨子が初めて自らの意思の力で運命を引き寄せた瞬間でした。

 

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「そう思えば、素敵じゃない?」

 

かくして梨子はノクターンとの出会いや別れの中で、人の想いが"運命"と呼ばれるものを引き寄せていることに気付き、「キセキ」とは何なのかということの、自分なりの答えに辿り着くことができたのでした。

 

 

 

運命とわかる出会い素敵だわ 


特別を感じたら

 

 

 

・要するに「Strawberry Trapper」

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待てば海路の日和あり(待つとは言っていない)


Ready?
待ってないよ…LOVE!! 

 

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見つけた! キミは淋しい瞳だった 
鼓動が鳴ってる「手に入れなさい」と 
冷静なほど 熱さを楽しめるの 
高まる思いは抑えて 

 

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静かに 
集めるキミの情報 
確かに 
価値ある Sensitive mind 

 

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背後に歩み寄る スリルがたまらない
狙い定めたら 逃がさないから 
逃がさないから 

 

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(My Target!!) 

 

(Trap in Dice) 恋の罠から
(Trap in Night) 始まりたい 
(Trap in Heart) 踊りながら 人生のルーレット 

 

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運命はありきたりじゃつまらない 

特別を感じたいの

 

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奪いたいキミのこと 
待ってないよ…LOVE!! 

 

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怯える顔が 見たいのなんてさ 
企むときはきっとワルイ顔ね 

 

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いただきたいのは その心よ

 

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脆くて危うい優しさ 

 

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静かな 
孤独を愛するキミ
確かな 
輝き放つの

 

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気づかれないうちに 私のモノにしたい 
狙い定めたよ 逃がさないから
逃がさないから 

 

(My Target!!) 

 

 

実は5話のプロットを組み立てる段階で、花田十輝氏と酒井かずお氏が「あ、良いこと思いついた!!よしりこ回と見せかけてギルキス回にしようぜ!!」って意気投合して、「Strawberry Trapper」の歌詞にインスピレーションを受けて脚本を作ったんだよ!!!!なのかどうかは、神のみぞ知るってやつです。

 

 

 

何かが足りない そう思った時は 鞠莉ちゃん要素が足りてなかったですね?

こまけぇこたぁいいんだよ!!

 

綺麗な嘘なら 許される筈 

 

 

 

 

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現状根拠が薄く説得力には欠けますが、Aqoursの活動の中で自分の一歩を踏み出して成長、また自立を果たした人物がバスを降りるのではないか、と考えています。

「ダイヤさんと呼ばないで」の話 - あきの忘備録

 

今回はふたりとも新しい一歩を踏み出して成長したので、今の所この筋で合ってるかな?相変わらずよくわかりません。

ではまた次回の記事でお会いしましょう(*> ᴗ •*)ゞ

「ダイヤさんと呼ばないで」の話

あきのです(*> ᴗ •*)ゞ

 

ラブライブ!サンシャイン!!2期4話(17話)めちゃめちゃ良かったですね。実に繊細にして可憐でした。

これまでの話数とはまた違った雰囲気だったので、今回の記事は気になった部分に絞って考え直してみたいと思います。結局言いたい事全部言うやつやりました。

 

 

 

 

・前回の!

「学校とラブライブ、ふたつのライブを掛け持ちする事になったAqours。どちらのライブも間に合わせるために、手を尽くしたけれど。でも、マルたち地元の人間には強い味方がいるずら!こうしてライブは、大成功ずら!」

 

 3話がとてもダイナミックかつ抽象的な話数だったので、前回の振り返りでどこに触れてくるんだろうと思っていたのですが。実にふわっとしてますね。

「二手に分かれて」ではなく「掛け持ち」という言葉が使われています。そして「手を尽くした」。9人での最善を尽くした結果だけではなく、「みんな」の存在があってこそというニュアンスでまとめられています。こので話数では「学校」と「学校のみんな」に重点が置かれていたようですね。

学校説明会でのライブが成功だったのか分からなかった、という人もいたようなので、その部分のみは3話本編を補完したものになったかもしれません。 

 

 

 

 ・千歌の成長

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「おっはよー!先行ってるね!!」

1話ではひとりで起きると宣言しておきながら遅刻した千歌ちゃんですが、4話では早起きに成功しているばかりか駆け足が止まらない様子。他のメンバーよりも一歩先を行っている事と、溢れ出した気持ちが彼女を駆り立てて勢いづいている様子がめっちゃいいですね。

 

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「今日は雨かしら」

らしく無く早起きした千歌ちゃんを見て災いの前兆かと危ぶむしま姉ですが、雨など気にも止めぬ様子の千歌ちゃん。既に練習着。気持ちが先に行っている感が凄い。

ここで気になるのが、「もしかして忘れてるのかな?」の梨子ちゃんに対して「その可能性が高い気がする」と返す曜ちゃん。ここまで千歌ちゃんの事はエスパーの如く察してきた曜ちゃんですら、千歌ちゃんの急速な前進に対して遅れをとっています。曜ちゃん推しとしては気が気じゃありません。

 

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「私が見る限り、恐らくトップ通過ね」

 聖良ちゃんといつの間にか仲良くなってる千歌ちゃん、いいですね。なかなか距離を詰められないダイヤちゃんとの対比。前日の夜のうちに評価を聞いている所もみんなより一歩先を行ってます、また彼女が「第三者からの評価」を気にしているのも変化ですね。

 

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予備予選突破の結果を知る前後で確信の表情が揺るがない千歌ちゃん。これまでのラブライブでは雨は不吉な存在でしたが、いまの彼女はそれをものともしない意志の力を身に付けています。

 

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この写真、ダイヤちゃんだけ手を上げずに後ろ手に組んでるのが細かいですね。気持ちを出せていない様子が伝わってきます。

 

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はい。ヨハマリを笑顔で見守る曜ちゃんが最高です。このカット最高すぎ。額縁に入れて神棚に飾りたいレベル。ああ.......尊すぎて死にてええ............

 

f:id:akino_oniku:20171103114158p:plainこれまでずっとダイヤちゃんには気圧されてきた千歌ちゃんが、ダイヤちゃんを強く押し出す所がたまらないですね。

 

 

 

・資金問題とAqours 

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うちっちーの貯金箱にヨハネちゃんが書いた付箋が付いてますね、曜&エンジェル案件ですね。衣装担当の曜ちゃんが部で一番最初に資金問題にぶつかったであろう事は想像に難くないので、貯金箱は曜ちゃんが用意したと考えて間違いないでしょう。しかし、ラブライブ!で資金問題という現実的な課題を突き付けてきたのは予想外でした。

 

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「みんなー!東京に向けて出航だー!!」

あくまで目指しているのはラブライブ決勝、目線が高くなってきてますね。彼女達が決勝までの道筋を航海として捉えているのはポイントかもしれません。サンシャインには乗り物のモチーフが頻繁に登場していますが、アヒルさんボートで東京を本気で目指そうとしている様子、ヤバイですね。無謀な旅路でも突き進む意思の現れを感じます。

 

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「ワーオ!!キレイなコインデース!!」 

ここヤバいですね。小原鞠莉ちゃん、もしかして小銭を持った事がないのでは??と思わせるような金持ち発言です。とは言え流石にありえん話なので、鞠莉ちゃん流のアメリカンジョークなのでしょう。

 

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「ご、ご、ご...」「5円!?」

「ご縁がありますように!」

「ソーハッピー!!」

「って言ってる場合か!」

「・・・。」

「どうしたんです?」

 ここ面白いですね。曜ちゃんと鞠莉ちゃんが事態の深刻さに対して、能天気でズレた事言ってるのがほっこりしますし、これまでと違いってコミカルな掛け合いが学年の壁を越えて展開されてるのが新鮮です。「5円玉」に対するリアクションが人それぞれで、同じ事柄に対してみんな違う感想を持っている所にも4話の問題提起を感じますね。

 

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「で、いきなり神頼み?」
「お願い聞いてくれるかなあ」
「何とぞ5円を〜5倍、10倍、いや100倍に〜!!」
 「100倍は500円だよ」

「5円」を100倍にすれば500円なのは当然なのですが、曜ちゃんが「ご縁」を100倍にすれば500円になると考えているとすれば、「キセキ」を人の手で起こせると考えている、と捉える事もできます。でもここでは千歌ちゃんは明らかに「5円」のイントネーションで言ってますし、これは拡大解釈ですね。

ともあれ神社にお参りするために、わざわざみんなで淡島に来てるって考えるとかわいくて仕方がない。普通に占いとかチェックしてる女の子達ですもんね、スピリチュアルやね。

 

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 「と言うか、神頼みするぐらいなら・・・」

 梨子ちゃんが現実的な解決策を(ダメ元で)提案します。が、これは鞠莉ちゃんが当然のごとく断るという予定調和を見越した上での発言なので、梨子ちゃんなりに上級生に対してボケをかましてるシーンですね。2期の梨子ちゃんは意図の見えづらい発言が多いのでドキドキさせられます。

 

 

 

・ダイヤのキモチ

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「鞠莉ちゃん、またね〜!」

「果南ちゃん、あした本持ってくずら〜」

「うむ。」

花丸ちゃんが趣味の話までできるほど打ち解けてるのニヤニヤしますよね、しかも果南ちゃん本読むの苦手ですし。どんな本なのか気になって仕方がありません。

 

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さて、気になるコイツですよね。素直になろうとするダイヤちゃんをからかうかのように鳴くお邪魔なイルカ。この話数では何度かイルカが登場しますが、私が立てた仮説ではイルカは「人気者」であり「人の視線を集める」存在の象徴として登場していると考えています。

ダイヤちゃんはイルカと同じく、他人から羨望の視線を集めてきた存在です。ですので、このシーンでのイルカは「もうひとりの自分」としての機能を果たしていると考えます。

 

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「しばらくすれば、尻尾見せるでしょ」

しかし「意地」「プライド」「嫉妬」「孤独」「羨望」「見栄」「自己否定」どんな言葉を持ち出した所で、彼女の内面の、しかも無意識下にあるかもしれない本音を明確に表現する事はできないでしょう。故に「スメルプンプン嫉妬ファイア〜〜〜」なんですよね。なんだか複雑な気持ちを抱えている様子は察するけれど、その匂いしかわからない。ともあれ、ふたりはダイヤちゃんが本心を見せるまで見守る事にします。

 

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切なくもかわいらしいダイヤちゃん。夕陽に向かって独り言ちる横顔があまりに愛おしいです。大丈夫?ダイヤちゃん推し息してる??

 

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「何か見てらしたような...」

「はい!内浦でバイト探してて、コンビニか新聞配達かなーって」

「なら、沼津の方が良いかもしれませんわね」  

このシーン来てますね。この距離の詰め方は曜ちゃん相手にしかできないはずです。曜ちゃんはめっちゃいい子だし人と壁を作らないので、ダイヤちゃん相手でもこれまでも割とフランクに接してきていたんですよね。コミュニケーションにおいて、強いボールを投げて来る相手には同じぐらいのボールで返せる法則です。しかも曜ちゃんは割と細かい事気にしないので、ダイヤちゃんが少しぐらい普段と違う様子を見せても問題ない相手だと判断したのではないでしょうか。

この話数において「ダイよう」の組み合わせはこれまでにない、面白いこころの動きを見せるので、そこは掘り下げて追っていきたいと思います。

 

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ともあれ、初披露の秋冬版練習着の曜ちゃんがくっそかわええ.........なんなんその髪型.....無理..............

 

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このアルバイトの一連のシーンですが、仕事の実務面ではなく見た目の部分のみがフォーカスされてますよね。ダイヤちゃんが表層的な部分だけで物事を判断するのを良しとしない事に、彼女が内面に抱えている悩みがある事を考えると腑に落ちるものがあります。

  

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「一緒に帰ろう、ダイヤちゃん♪」

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「これ、読むずら。ダイヤちゃん♪」

この千歌ちゃんと花丸ちゃんの妄想シーン、先ほどの淡島の桟橋での別れ際のやりとりをトレースしてますよね。これはシンプルに、かなまりのふたりが羨ましかったんでしょうね。

 

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アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!!!!

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アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!!!!

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アアアアアアアアアアアアアア!!!?!??!?!?

失礼、つい変な声を出してしまいました。続けます。

渡辺曜ちゃん。ボーイッシュで女の子らしい一面は前面には出ていない子ですが、ダイヤちゃんの目には女の子女の子してる子に見えてるみたいですね(わかるよダイヤちゃん!!)。曜ちゃんは天性の人気者なので、常に周囲から羨望の視線を集める人であります。ダイヤちゃんとの共通点ですね。で、ありながら、曜ちゃんはダイヤちゃんと違って人との関係に壁を作らず、自分から距離を縮めて誰とでも仲良くできる子です。(はぁ、すき.......)写真のカットにはその憧れが投影されているのではないかと。故に、ダイヤちゃんの目には曜ちゃんがキラキラして映っているんだと思います。(わかるよ、曜ちゃんはキラキラしてるんだよね)ダイヤちゃんにとって曜ちゃんは、ある意味では羨ましく、憧れに近い要素を持った人物なのかもしれません。

 

 

 

・人それぞれ

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「みかんのお姉ちゃん」

「みかんだよ〜冬にはみかん!」

「いけっビタミンCパワー」

みかんだよ〜じゃないんですよ、高海さん面白すぎるでしょ。このシーン、Aqoursメンバーはドン引きしてるけど、幼女ちゃんは普通に受け入れてるギャップが面白いですよね。誰かからすればおかしな事でも、誰かからすれば普通な事。というギャップが描かれています。

また、幼女ちゃんにとっての"たったの5円"と、Aqoursにとっての"たったの5円"には、同じ貨幣でありながらその価値の重さが異なります。同じ問題を共有している人同士でも、その問題の深刻さは人それぞれである。という事への問題提起がなされていますね。

 

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「それにしても」

「何者にも屈しない迫力だったわね〜」

「さっすがダイヤさん」

「だよね」

「 何者にも屈しない迫力だったわね〜」に笑いが止まりません。2期でのシームレスに展開される2年生組の会話、だいたい曜ちゃんがズレた事言ってるのが大丈夫かな〜って不安です。ともあれ、ダイヤちゃんにとっての「ちゃんとしてる」とみんなにとっての「ちゃんとしてる」にギャップがあるのが浮き彫りになりましたね。

 

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「それ言ったら、善子も売り上げナッシングデース」 

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「ふふふ...まるで傷ついた私の心を癒してくれているかのよう...」 

 すっかりイロモノ担当のヨハマリですが、このシーンはただコメディしてるわけではないんです。両者は共に売り上げゼロでしたが、ブロンズ像は「重い」ものであり、羽は「軽い」ものですね。他人から見れば同じ悩みに見える問題でも、抱える人によってその重さは違ってくるという問題提起をしています。

 

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「バカなこと言ってないで、急いで拾いなー!!」

ここでAqoursに対してみと姉がまとめ役に入ってるの、あったかくて良いシーンですよね。ダイヤちゃんが沈没してるから代わりに突っ込んでくれたのでしょうか。ともあれ、このフリマではみと姉が軽トラを出してくれているので、結局彼女達は大人の力を借りてるんですよね。ここは地味にポイントです。

 

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「果南ちゃん、ダイヤさん何かあった?」

「どうして?」

「なんとなく...」

「千歌はそういうところ、不思議と鼻がきくよね」

 ・・・という事に気付ける果南ちゃんなんですよね。

 

 

 

・私達が"ちゃんと"しておくから

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「で、話ってなんです?明日ではだめなのですか?」

 ぶっぶーーですわ。「いま」じゃなきゃだめなのがラブライブなのですわ。

 

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「もう、逃げられないよ」

「さあ、話すが良い」

 の台詞の後でダイヤちゃんが観念するシーンで、画面右上には「駐車禁止」の道路標識が。「立ち止まるんじゃねえぞ・・・」って事ですねわかります。夕陽を背にして立つ彼女の心境は、隠し事をしていた事への「後ろめたさ」でしょうか。「恥ずかしさ」「バツの悪さ」でしょうか。

 

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ちょこちょこと後ずさりながらふたりに近付くダイヤちゃん。11話「友情ヨーソロー」の曜ちゃんの姿を思い出すシーンですね。

「私…なんか要領良いって思われてる事が多くて、だから、そういう子と一緒にって、やりにくいのかなって…」

11話で鞠莉ちゃんにこのように打ち明けていた曜ちゃんですから、要領が良いって思われがちなダイヤちゃんが抱えている気持ちも、曜ちゃんなら察してあげられるのではないか。と私は考えています。

 

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絶対やると思ったぞ〜〜〜〜お前ら〜〜〜〜!!!!

でも、唯一のそんな態度で同じ目線で接してくれる友達なんだよな〜って思うと尊さ故に有り得んしんどい気持ちになりますね。

  

 

 

・ダイヤ目線のAQUARIUM

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この構図めっちゃ良いですね。黒澤ダイヤ包囲網が敷かれているかのような構図にニヤニヤしてしまうし、かなまりの座り方がちゃんとしてるんだかしてないんだか。

そして特筆すべきは、深夜枠のアニメなのにファッションがめちゃめちゃ今っぽい所。街歩いたり雑誌めくったら普通にいそうな、今時の女の子らしいコーディネートなのが素晴らしいです。中の人のファッションから逆輸入してる説もあるようですが、オタク受けよりも一般層受けしそうな、流行を押さえたおしゃれ感を出してるのが凄い。まじで。こういうの本当に、今までのアニメには無かったから画期的だと思う。

 

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「それより、どうしてこんな所に呼び出したのですか?」

「そっか、まだダイヤ聞いてないんだっけ」

「曜からの連絡で、イベントあるから今日1日だけでもバイト手伝って欲しいって話で」

・かなまりの二人が曜ちゃんに相談してダイヤ包囲網に協力を要請した説

これが濃厚ですね。根拠は別のシーンで後述するとして、ここではちびっこ達に注目です。きっちり2列に整列し、園児のみんなが「ちゃんとして」いるこのシーンでは、例のツリ目のおかっぱの女の子は楽しそうにみんなと打ち解けています。

 

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イルカの水上ジャンプに沸く園児達と4人ですが、わりと違和感なく馴染んでるのがかわいらしいですね。

さて、前述したように、私はイルカが「人気者」であり「視線を集める者」の象徴として登場していると考えています。その根拠として、千歌ちゃんと1年生組の3人は、普段はあまり目立たず人から羨望の眼差しを浴びる事に憧れている4人ではないでしょうか。

 

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「えっとー、じゃあ、仕事いい?」 

「とりあえず、3人ずつに分かれてー」

 ついに来てしまった・・・渡辺曜=うちっちー の図式がアニメにも登場する日が・・・曜ちゃんはナチュラルボーン人たらしカリスマチック人気者ガールな上に仕事ができるので、園児の相手をしつつも仕事を振れるのです。カッコイイ。

この後、きっちり3人ずつに分かれてないんですよね。ダイヤちゃんが1,2年生と一緒に仕事をする場面を作れるよう、事前に3年生組と口裏を合わせていたと考えでも不自然ではありません。かと言って断言もできませんけれども。

 

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「ずいぶん曜さんは詳しいんですのね」

「前バイトした事があるんだってさ」

「さ、私たちと一緒にいても距離は縮まらないよ」

 なんという事でしょう。曜ちゃんが過去にバイトをしていた経験がある事が明かされます。趣味のコスプレ衣装代のためか、はたまたAqoursの衣装作りの費用のためか...これ後者っぽいですよね。冒頭でうちっちーの貯金箱が登場した事が伏線と思えてなりません。しかしなぜ隠れるダイヤちゃん。かわいいかよ。

 

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「なに、なにかあったずら?」

「わからないずら」

「わからないけど、多分あれは...」

「すっごい怒ってるずら」

にこにこしながら世間話を振るダイヤちゃんですが、彼女なりの「ちゃんとしてる」接し方がふたりには「ちゃんとしてる」ように伝わっていない所が切なくもかわいい。

 

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 「それはなんですの?」

「アシカちゃんのごはんです」

 アシカに対しても「ちゃん」付けで呼ぶ梨子ちゃん。

 

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「あら、アシカさん」

黒澤ダイヤ、あなたアシカに対しても「さん」付けで呼びかけるのね・・・でもそんな所が好き。彼女の誰に対しても敬意を持って接する誠実なところ、良いですよね。

 

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「どうしてですの?」

「だいたいダイヤは自分から近付こうとしないからね」

「小学校の頃もいつも私たちとべったりだったしね」

「そ、そんなこと...」

「自分から行かなきゃ始まらないよ」

 「自分から行かなきゃ始まらないよ」って果南ちゃんが言う説得力がすごいですね、「決めたよHand in Hand」ですね。小学生の頃からずっと仲良し3人組だったエピソードを聞くと、また3年生組への愛おしさが増してしまいます。

 

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「よ...よう...ちゃん」

「ダイヤさんなにか言いました?」

 善子ちゃんが園児と打ち解けてるのがちょっと意外と言うか、微笑ましいシーンなんですが...これ多分、あいきゃんが保育士の資格を持っていて、ちびっこが好きな事からの逆輸入のような気がするんですよね。

 

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 「いいえ...その...」

「ダイヤさんも配ります?」

「ありがとう...ようちゃん...」

3年生組に背中を押されたのもあると思いますが、やっぱり曜ちゃんなら親しい距離感まで近づきやすいんでしょうね、ダイヤちゃん。 気を遣えるし、すぐ言葉を返してくれるし、いい子ですよね曜ちゃん。ドキッとして風船を手放しちゃうところなんか超乙女だし、少女漫画のヒロインかよ。最高。

 

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「善子ちゃんも、おアルバイト一緒にがんばりましょ〜」

 ルンルンなダイヤちゃんがかわいくて仕方がないですね。「ようちゃん」って言えた事が嬉しかったのかなぁ、自分からの一歩を踏み出した彼女が眩しい。

 

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「ヨハネよ」「そこ!?」

「違った?」

「でも、今の背筋に冷たいものが走る違和感」「わかる」

「天界からの使者によってもうひとつの世界が幻出したかのような」

「それはわからない」

 ここのやり取りめっちゃ好きです、個人的に4話でいちばん痒い所突いてきたかも。ダイヤちゃんは意を決して言ったはずなのに、当の本人にとっては「よしこちゃん」とちゃん付けで呼ばれた事よりも、「よしこ」の部分の方が重要であるという価値観の違いが面白いですよね。曜ちゃんは天然なのでわりとズレた事言いがちですけど、善子ちゃんが更にその上をいくズレっぷりをかましてるのが本当すこ。

善子ちゃんが堕天使繰り出してる時、他のメンバーなら笑って誤魔化して終わるんですけど、曜ちゃんは「わからない」ってちゃんと返すんですよね。曜ちゃんのそういう所!!そういう所だぞー!!

 

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「ふたりとも、お気をつけなさい」

「「はーい」」 

どんぶりが当たった時の鈍い音が痛そうでひいいいいってなります。このシーンも会話から行動から全部ズレててツッコミが追い付かない、ツッコミ不在の恐怖を感じます。やっぱりAqoursにはまとめ役としての「ダイヤさん」の存在が必要なんですよね。

 

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「甘いわ。あれは、闇に染まりし者の微笑み」

「...か、どうかはわからないけどね」

 見守りスタイルのかなまりですが、ふたり暇そうだなーww

本当にメンバー全員の助けが必要なほど、バイトは人手が足りていなかったのでしょうか?なんて言ったらアニメなんだからしょうもない事言うなって話ですが、私はやっぱり曜ちゃんがダイヤちゃんのために一枚咬んでいる気がします。

 

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「真面目でちゃんとしてて、頭が良くてお嬢様で、頼り甲斐はあるけど、どこか雲の上の存在で」

「みんなそう思うから、ダイヤもそう振舞わなきゃってどんどん距離をとって行って」

「本当は、すごい寂しがりやなのにね」 

 1期では後輩の前で果南ちゃんと鞠莉ちゃんの過去を明かし、ふたりの関係を前進させる助け舟を出してきたダイヤちゃん。その彼女が今度は逆の立場になった瞬間ですね。

周囲の環境に求められる「ちゃんとした自分」でい続ける事で「本当の自分」を出せなくなり、それでも周囲に求められる「ちゃんとした自分」でいる事に存在意義を見出してきたであろうダイヤちゃん。彼女の葛藤を思うと胸が苦しくなります。

彼女にとって同じ目線を共有して素の自分でいられる唯一の友人であったかなまり、そして「ちゃんとした自分」以外の形で自分らしく輝ける場所であった「Aqours」を失った2年前を思うと、つらくて仕方がありません。

そんなダイヤちゃんがどんな気持ちで生徒会長になったのか。それは「ちゃんとした自分」でいなければならないという諦観の念からなのか、絢瀬絵里への純粋な憧れからなのか。計り知る事はできませんが、この話数のラストの「結局のところ、私は私でしかないのですわ」という彼女の台詞を省みると、前者の気持ちが強かったのではないかと思わされます。

 

 

 

・ロリダイヤ

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そんな中で、ちびっこ達が突然の大暴走。収集がつかなくなる中、幼少期のダイヤちゃんを彷彿とさせるような、つり目おかっぱの「ちゃんとしてる子」が孤立してしまいます。

水族館の入る前のシーンを思い返すと、園児達全員が「ちゃんとして」いた時は彼女は周りと楽しそうに打ち解けていました。周りが「ちゃんとして」いないと彼女はひとりになってしまうんですよね。では、少女の在り方は間違っていたのでしょうか?

 

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そんな少女の姿を見てダイヤちゃんはハッとします。自らの過去の姿と重なって見えたのかもしれません。「ちゃんとして」いる事で人との間に壁を作ってしまい、うまく周りに溶け込めない。「ちゃんとして」いるつもりなのに、自分の在り方が間違っているかのように思えてしまう。

 

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先生もAqoursも、誰も事態を収拾する事ができません。ルビィちゃんもピンチ。どうする黒澤ダイヤ!?

 

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「さあ!みんなー!スタジアムに集まれー!!」

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 「みんな、ちゃんとしましょうね!」

「「「「「はーーーい!!」」」」」

見事ちびっこ達を統率するダイヤちゃん。それはこれまでずっと、人のまとめ役をつとめ上げてきた彼女にしかできない事でした。 

 

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「ちゃんとしてる」モードのダイヤちゃん、おまけに舞まで披露する神対応です。なんだかんだ言って、「ちゃんとして」いる時に人から羨望の眼差しを受けている自分も嫌ではないのではないか と思います。

 

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とびっきりの笑顔でウィンクするダイヤちゃん。眩しい。

普段の彼女なら恥ずかしくてできない事でしょうけれど、「スクールアイドル」としての自分ならできるんですよね。彼女にとって、「ちゃんとしてる」という殻を打ち破って素の自分自身を晒け出すには「スクールアイドル」としての自分が必要だという事が自覚されます。

また、自らの意志ではなく周囲から望まれる事で「ちゃんとして」きたであろう彼女が、「ちゃんとして」いる自分もまた自分であると気付いた瞬間かもしれません。

 

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トリコリコになるちびっこ達。そのウィンクを受け取った少女は気付きます、「ちゃんとしてる」自分でも良いのだと。「ちゃんとしてる」自分でも、あんな風にキラキラ輝けるのだと。

この時ダイヤちゃんは「ちゃんとしてる」姿で輝いて見せる事で、少女が「ちゃんとしてる」事を、彼女の在り方を肯定してみせます。

過去のダイヤちゃん自身の姿に重なる少女を肯定する事は、延いては自分自身の過去を肯定する事でもあります。過去の自分との出会い直しを経て、自身の過去を肯定する事で現在の自分を肯定するに至るストーリーは、HAPPY PARTY TRAINのMVで果南ちゃんが辿ったそれと同じですね。

 

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これまで見せた事のないような、慈しみすら感じるような笑顔を見せる千歌ちゃん。自身の在り方に迷っていたダイヤちゃんが、それを乗り越えて自分を認められた。それに気付いたからこその笑顔だと私は思っています。

 

 

 

・結局、私は私でしかないのですわね

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結局、わたくしはわたくしでしかないのですわね」  

光源に背を向けてひとり佇むダイヤちゃん。俯きながら誰に言うでもなく呟きます。

ラブライブ!において、輝きから目を背ける構図はネガティブなシーンで使用される事が多いです。このシーンでは彼女の"変わる事"を諦めた心情を表現していると考えられます。

「ちゃんとして」いる堅苦しい自分は、それまでの彼女の人生で周囲から「ちゃんとして」いる事を望まれる中で作り上げられていった人格であり、本当は寂しがりやの自分を隠し、守るための外殻のようなものであったと思います。望まずしてそうなっていったであろう人格もまた自分自身であり、人とうまく仲良くできない堅苦しい自分を受け入れていくしかない。そう考えたのではないでしょうか。

 

 

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「それでいいと思います」「!」

「私、ダイヤさんはダイヤさんでいて欲しいと思います」

「確かに、果南ちゃんや鞠莉ちゃんと違ってふざけたり、冗談言ったりできないなって思う事もあるけど」

 Aパートのラストでかなまりに問い詰められるシーンと同じ構図。

このシーンでは千歌ちゃんの言葉の真意が掴めず戸惑っている様子が伺え、どこか悲しそうですらあります。

 

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「でも、ダイヤさんはいざとなった時頼りになって、私たちがだらけている時は、叱ってくれる」

 

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「ちゃんとしてるんです!」

堅苦しくて周りとうまく馴染めない自分に引け目を感じていたダイヤちゃんが、自分の中での「ちゃんとしてる」がAqoursの中での「ちゃんとしてる」として受け入れられている事に、初めて気付いた瞬間でした。

 

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「だから、みんな安心できるし、そんなダイヤさんが大好きです。ね!」

「だからこれからもずっと、ダイヤさんでいて下さい!よろしくお願いします!」

 

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目に涙を浮かべるダイヤちゃん、しかし彼女はそれを見せはしません。9話「未熟DREAMER」のラストでもそうであったように、どうしても自分から本心を見せる事ができません。これまで自分の本心を隠して生きて来ざるをえなかった彼女だからでしょうか。

 

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「わたくしはどっちでもいいのですわよ...別に。」

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「せーの!」

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「「「ダイヤちゃん!!」」」 

 これまで妹のルビィちゃんの前でしか見せた事のなかった表情。それを初めてAqoursに見せたという事は、そういう事なんですよね、きっと。

「ダイヤさん」としての在り方はそのまま受け入れ、その上で「ダイヤちゃん」と親しい距離で接してくれるAqours。まさに「何かを掴むことで何かを諦めない」を成し遂げた瞬間だったのかな、と思います。

 

 

 

・黒澤ダイヤという人 

「結局のところ、私は私でしかないのですわね」という言葉は、彼女の「網元で名家の長女」としての生い立ちから、若くして人生を諦観してしまった自身の人生観と、Aqoursの中での自分の在り方すら重なって感じられてしまった。そんな気持ちから生まれたものだったのではないかと思います。

ダイヤちゃんにとって2年前のAqoursは、自分を特別扱いしない仲間がいて、等身大の自分でいられる唯一の場所でした。彼女にとってAqoursは、自分が自分らしくいられてそれを受け入れてくれる仲間がいる、何物にも代え難い大切な居場所であったはずです。

ところが、2年の時を経て新たな仲間とともに再結成したAqoursでは、スクールアイドルとしての自分でありながら「ちゃんとした自分」である事が求められるようになり、いつしかその立ち位置が自分の居場所になってしまった。

本当はみんなと同じようにフランクに、気を遣われることなく親しく接して欲しかった彼女にとって、「ちゃんとしている自分」≠「ダイヤちゃんと呼ばれる事」だったのでしょうね。結果として、ありのままの自分を受け入れられる事と、親しい間柄で接してもらう事の希望が叶えられる事になり、「網元で名家の長女」としての彼女すらも救われる事になったのではないかと思います。

 

1期の頃から自分の本心を語る事の無かった黒澤ダイヤ待望のお当番回。この上なく繊細かつ緻密で、かと言ってシリアルで悲劇的に描かれる事もなく、笑えて泣けて、とにかくあったかくて、じんわり心が温かくなる素晴らしい回でした。ありがとうラブライブ!サンシャイン!!

 

 

 

・ED考察

来るかなとは身構えていましたが、身構えていても黒澤ダイヤソロの「勇気はどこに?君の胸に!」にはあほほど泣かされましたね............

ありしゃの素直で真っ直ぐな歌声が実は大好きなんですけど、あの歌声がまたストレートに心にぶっ刺さるんですよね.....ほんとしんどい。2期のサントラに収録されるのでしょうけれど、待ち切れません。

 

 

と思って、完全に油断してましたよね

 

 

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実はこのカットで違和感を感じて「おい?!まさか??」と思ったのですが

 

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なんか、曜ちゃん来たんだが・・・

あれ??不意打ちで死んじゃったよ私。

 

「恋になりたいAQUARIUM」のMVを踏襲したシーンがあったから曜ちゃん回?そんなわけありません。満を持してのダイヤちゃん回です。

ではダイヤちゃん包囲網を敷いた黒幕としての曜ちゃん回?そんなわけありません。あくまでかなまりの二人あっての包囲網です。

そこで、私が考えた仮説がこちらです。

 

 

・1話

千歌ちゃんは最初はアメリカ行きの資金を姉や親に頼ろうとしたシーン部分がありましたが、説明会が中止になった事は言わず自分で抱えました。そしてバスを待たずに自分の足で走って学校まで行き、自分たちの力でキセキを起こす事を決意し、Aqoursをネクストステップへと導きました。

・2話

花丸ちゃんは「親の知り合い」ではなく自分の知り合いにお寺を借りました。周りと協力しつつも初めてAqoursのために自分から一歩を踏み出し、Aqoursを成長へと導きました。

・4話

1話では曜ちゃんは父親のコネで練習場所を借りていましたが、部費問題は以前自身がアルバイトをしていた経験を生かし、自力で解決に導きました。またダイヤちゃんを含めたAqoursの前進も、曜ちゃんの存在があってこそでした。

 

現状根拠が薄く説得力には欠けますが、Aqoursの活動の中で自分の一歩を踏み出して成長、また自立を果たした人物がバスを降りるのではないか、と考えています。

きっと5話では善子ちゃんがそれにあたるお当番回になると思いますが、先が楽しみですね。

 

 

はい、私からは以上です!

 

 

13000字にも及ぶながーーーい記事を最後までお読み下さったあなたに、お礼を申し上げますわ。ラブライブ!サンシャイン!!に真剣なあなたの事が・・・スキよ♪

 

すまn

ふりりんの凱旋トークショーの話

あきのです(*> ᴗ •*)ゞ

 

10月29日に諏訪東京理科大学の学校祭にて行われたゲストイベント「長野県凱旋 降幡愛のジモトーク!」に参加して参りました!!

 

 

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長野県の誇りである降幡愛さん初の凱旋イベント、しかもそれが地元(車で30 分圏内)で行われるとなれば、これは「おかえりなさい!」とお迎えするのが地元民の役目である...というか「おかえり!」って言ってあげたい。むしろ言わせて欲しい。と押し付けがましくも熱い想いを胸に、地元の仲間数人と共に乗り込みました。

 

台風の影響で雨が降り続き、日中でも気温は10度と肌寒い天気。しかし開演時間が近付くに連れて雨足も弱まってきており、これはもしかすると、もしかするのでは・・・?と俄然期待が高まります。

キャンパス内は人影が少ないようでしたが、イベントが行われる棟に着くとそこには入場待ちの長蛇の列が。開演時間は若干押しているようでしたが、身分証の提示と本人確認をひとりひとり徹底しており、運営委員さんの仕事ぶりにも好印象。

 

会場に入るとキャパ500人の講堂は立ち見客も入っており超満員。静かな学内の雰囲気とは打って変わり、講堂内は熱気と湿気と興奮に包まれた、イベント会場特有の雰囲気になっていました。

 

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※ 開演中以外でも講堂内は写真撮影禁止のため写真ありません

 

 

 

・オープニング

チケットに示された座席に着くと、そこは前から三列目ど真ん中。なんという近さ・・・この時ばかりは神の存在を確信。世界は祝福に包まれた。

開演を待つざわめきの中、ざわめきを掻き消すような元気な声でアナウンスが!この声聞いた事ある!!っていうかほぼ毎日聞いてる人の声だ!!

降幡さん(以下ふりりんと呼ばせて頂きます)のアナウンスで開演が告げられます。ふりりんから本日の司会進行を務める「みっちゃん」こと三浦一馬さんが紹介され、ステージには最初にみっちゃんが登壇。

「ふりりんに学生時代の呼び名を聞かれたのですが、打ち合わせなしでいきなり『みっちゃん』と呼ばれて戸惑っています」とステージに登場する前からMCとの距離を詰めてぶっこんで来るふりりん。 会場からも笑いが起こります。

更にみっちゃんから「なんと、雨が止みました!」と告げられ、こういうタイミングで雨が止むと大喜びする人種である私たちは大いに盛り上がります。

 

 

やってくれました、流石です。持ってます。天気すらも彼女の凱旋を歓迎してくれた所で、ふりりんがステージに登壇したのですが

は??え?なんか思ってたのと違う。すごい美人なんですけど!!!!小柄だし、いつも動きとかかわいいし、もっと可愛い系なの想像してたんだけど えっ えっ? ってなりました。「どうもーーー!!」って言いいながら、大きく円の軌道を描きながら拍手する芸人みたいなやつ(伝われ)やってくれて、うわー、いつも画面の向こうで見るやつだ。本物のふりりんだー!ってなりました。

 

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ふりりんと司会のみっちゃん。

 

「そういえば自己紹介してなかった。『長野県出身声優・降幡 愛』です!」という自己紹介でトークが始まります。コーナーに入る前にイベントではお約束の「地元の人!」「遠くから来た人!」「もっと遠くから来た人ー??」というやり取りでお客さんとの距離を縮めていきます。「さいたま!」と答えた人がアイマスクとマスクで顔面を武装しており、

 

 

「イジるなぁオマエ!?」とキレのある毒舌突っ込みを入れるふりりん。いいぞもっとやれ。ふりりんの毒舌は暴言にならない所がいいですよね、使い所を配慮してるのが伝わるし、声がかわいい。ここは北海道の千歳から来た人が優勝かと思いきや、まさかの北京から遠征して来られた方が全てをかっさらって行きました。

降幡さんの中学・高校時代はどんな感じでしたか?という話題でのエピソードは、ざっくり以下の通り。

 

・学生時代は以外と地味っ子だった

・中学、高校時代のあだ名は「あいぼう」

・高校時代はボランティア部に所属しており、保育士志望だった

・中学、高校時代は自転車通学で、冬は寒くて前髪が凍っていた

・長野の冬は、「寒い」というよりも「痛い」と感じる寒さ

 

 

 

①ジモトーーーーク!

「皆さんは何のくくりですか?」

「私たちは」

「「「ふりりん大好き芸人です!!」」」

のコーレスでコーナーがスタート。事前に募集していたお便りの質問に答えて、ふりりんが地元トークをしていきます。お便りが選ばれた人は挙手して、ステージのふたりとのコミュニケーションも楽しめるアットホームな雰囲気。お客さんと近い距離感でトークが行われました。 

事前に募集していたお便りの質問に答えるコーナーは、ざっくり以下の通り。

 

Q : これをやらなきゃ冬が始まらないってものはありますか?

A : 上京前はこたつを出したら冬って感じだったけど、今はなかなかそうもいかないのでコートを書います。コートを新調してプチ冬支度。

 

Q : ふりりんにとっておふくろの味といえば?

A : 肉じゃが。ふりりんのママは自慢じゃないけど料理上手。あとはお弁当が上手。上京してからは母親が作ってくれるお弁当のありがたみがわかるようになった。上京時にふりりんの「たまご焼きが食べたい」というリクエストに応えて、母親が作ってくれたお弁当を電車の中で食べて泣いてしまった。というエピソードを披露しつつ泣きそうになるふりりん。かわいい。

 

Q : ウィンタースポーツはしますか?

A : 小学校ではスケートを、中学校ではスキーを授業でやるので(長野県あるある)経験はあるものの、スケートは苦手で、スキーは初級〜中級の腕前とのこと。「スノボは未経験なのでやってみたい」と言おうとして「スケートボードやってみたいです...」「スノーボードだぁ!!」と思いっ切り言い間違えるふりりんがかわいい。また、「(スキー場の)リフトの乗り方とかできるよ!」と言って間髪入れずに座っている椅子で実演して見せるふりりんがかわいい。話しながら流れるように実演に至るテンポ感が、完全に芸人のそれ。

 

Q : 地元でオススメのお土産はありますか?

A : 「松本一本ねぎの佃煮!」と即答するふりりんに長野県民のニヤニヤが止まらない。あとはイナゴ。みっちゃんが打ち合わせの席でふりりんに「あるよ。」と言われてスッとイナゴの佃煮を差し出されたエピソードを披露し、初対面の司会者との距離を縮める心遣いにほっこり。ふりりん曰く、イナゴは話のネタになるからオススメ、との事。

某番組で虫を食べたら、すぐに「虫好きの声優」と呼ばれるようになってしまった、とプンプンしながら話すふりりんがかわいい。

松本一本ねぎ、下仁田ねぎのようなネームバリューこそありませんがコスパ最強で本当に美味いので、是非生で買ってみてほしい。

実際地元民もそんなに日常的には食べない。 

 

Q : 長野県でオススメスポットは?

A : 年始に帰郷した際に訪れた「ガラスの里」からの「いちご狩り」がオススメ。ガラスの里は体験工房があり、「トンボ玉」を作る体験ができるという職人らしいおすすめスポット。地元民ニヤニヤ。

↑諏訪湖畔にあるので、諏訪にお立ち寄りの際は是非。

 

諏訪近辺にいちご農園はここぐらいしかないので、恐らくここで確定。

 

Q : なかなか集中できなくて困っています、集中法はありますか?

A : 集中型なので、スッと切り替えて集中できるため特にないそう。リフレッシュ法は一人暮らしの時はイラストを描く事で、いまは弟と妹と3人暮らしなので、兄弟と話す事がリフレッシュになっているとのこと。

 

Q : 彼女にフられました

A : 「眼鏡取ってみたらいいよ!コンタクトにしな!!」とお客さんを勇気付ける場面も。お客さんのことよく見てるな〜って感心しましたし、ファンとの距離感が近くてあったかくて、ふりりんの人柄の良さが伝わるコーナーでした。

 

 

 

②ふりりんお絵かきですよ!

こちらのコーナーではスクリーンに表示されたお題に沿って、ふりりんがホワイトボードに60秒以内でお絵かき。くじ引きの抽選で選ばれたお客さんがステージに登壇し、ふりりんが描いた絵のお題を当てるというコーナー。当選者にはサイン色紙贈呈、うらやましさ。

このコーナーの機材の準備の間、ふりりんは「リハーサルちゃんとやったもんねー」などと自然に実行委員を労いつつ、当たり前のようにマイク無しの肉声でトークを繋ぐという対応力と気遣いを見せます。ふりりんめっちゃ声が通るので、最初マイク通してないの気付かなかった。

更に、指名されたお客さんがステージに登る際には「大丈夫?来れる?」と気遣ってくれたり、「私も緊張するな〜」と言って気持ちを寄せてくれたりと、お姉ちゃんらしい優しい一面も。こんなん絶対好きになるでしょ。

 

お題は以下の通り。

 

・君の名は。(諏訪湖が聖地として有名((実際には諏訪湖はモデルになっていない、と新海誠監督が自身のツイッターで発言していたらしいも、真偽は不明)))

・アルクマくん(信州PRキャラクターのゆるキャラ((新田恵海さんが公式応援団員を務めている)))

・真田幸村(信州を代表する戦国武将)

・イナゴ(長野県のソウルフード)

どれもお題があまりにも難しすぎるため、ふりりんもお客さんも「これは無理でしょ・・・」という雰囲気になる中、持ち時間をたっぷり余らせてさらっと描き上げ、圧倒的な画力を見せつけるふりりん。結果は4問中全問正解となりました(2問ほどヒントはありましたが)。ふりりんがニコ生等で絵を披露する場面はこれまで何度も見てきたとはいえ、たったの30秒ほどで、大きなホワイトボードに迷いなくペンを走らせる姿は圧巻でした。

なお、「真田幸村」というお題が回答者に厳しすぎたため、ヒントを出すシーンでは「政宗どのー!!」と言おうとしたふりりんが、うっかり「幸村どのー!!」と自分で答えを言ってしまうシーンも。ふりりん、そゆとこあるよね。思わずホワイトボードの影に隠れて恥ずかしがるふりりんが異常にかわいい。

 

 

 

③読み聞かせ

コーナー入れ替わりの転換の際に、「緊張するな〜」「(絵本の読み聞かせの披露が)初めてだ」「(盛り上がった空気の後で)やりづらいなぁ」とぼやいていたふりりんでしたが、読み聞かせのコーナーに入ると即座に役者モードに切り替えていた姿が、まさにプロ。職人。といった印象でした。

読み聞かせの絵本は「おばけのケーキ屋さん」。

美味しいケーキでみんなを驚かせるのが好き、という心優しいおばけと、お店に毎日遊びに来る女の子の心の交流を描いた、こころ温まるじーんと来る作品です。

 

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↑こちらのサイトで試し読みもできます。

 

あらすじ

おばけのケーキ屋さんは、自作の世界一美味しいケーキを食べさせてみんなビックリさせるのが大好き。


そんなおばけの元に小さな女の子がやってきます。


ちょっと不機嫌そうな女の子におばけは、早速ケーキを食べさせます。
「きっとおいしさにビックリするぞ」


しかし、女の子はおどろきません。


「おいしいけど、パパのつくるケーキと同じくらいかな」


これは負けてられないとおばけは女の子にこう言います。


「これから月にいちどケーキを食べにおいでよ」


それから長い年月おばけと女の子は楽しい時間を過ごします。


おしゃべりしたり、いっしょにケーキを作ったり。


それでも女の子のこたえはいつもこう。

「パパのつくるケーキと同じくらいおいしい」

やがて女の子が大人の女性へと成長し、


結婚して遠い町へ引っ越すためお別れの時を迎えます。


さいごにあの子へ、さいこうのケーキをわたそう。
結婚式は翌朝。
おばけはひっしにケーキを作ります。
女の子との楽しい日々を思い出しながら…。

 

先のコーナーの和気あいあいとした盛り上がりとは打って変わり、照明が落とされた会場。司会のみっちゃんも壇上から捌け、ステージ上ではスポットライトに照らされたふりりんだけが残りました。ほんの2〜3分前までは楽しい雰囲気を作り上げていたふりりんでしたが、そこはさすが声優・降幡愛。

ふりりんが一声発した途端に会場は絵本の世界観に包まれ、観客は身じろぎひとつせず、息を呑んで彼女の声に聞き入りました。

 おばけ(男の子)、女の子、ナレーションの3つの声を使い分けて読み聞かせるふりりん。「ケーキ屋の朝は早い」というモノローグが入る所にニヤッとしてしまうシーンもありましたが、ほんの短い物語の中でも役に入り込み、登場人物の感情で台詞を発していく様は今まで体験した事のない読み聞かせでした。読み聞かせと言うよりも、舞台上に物語が顕現しているかのような。

物語はフィクションでも、降幡愛の声から溢れる感情はあの場に確かに実在した感情であり、私たちの目や耳には紛れもなく生身の物語として届いたのです。

ふりりんの手元に設置されたカメラ映像がステージ上のスクリーンに映し出されていたので、私たちは絵本の絵や台詞を見ながら聞く事ができました。感情が入るシーンではふりりんは台詞通りには読まず、彼女が入り込んだキャラクターの中に生まれた感情そのままに、時にアドリブを交えて読み進めました。

椅子に座って机の上のマイクに向けて声を発していたふりりんでしたが、彼女の中に生まれた感情が抑えきれないかのように、時に手足を震わせて役に没入する姿はエモーショナルそのものでした。きっと彼女は声の演技をしている際の姿を見られるのは恥ずかしいのでしょうけれども、すまん。という気持ちもありつつ見惚れてしまいました。

 

読み聞かせ終盤、クライマックスシーンでは会場から鼻をすする声が聞こえて来たのも印象的でした。絵本の内容自体は心を打つような温かいストーリーであったとは言え、いい歳した大人が人前で涙するような物語であったとは断言できません。ふりりんの声の表現力が直で胸に響いたからこそだと思います。

終盤でふりりんが鼻をすするような場面があり、まさかな...とは思っていたのですが、読み聞かせが終わり温かい拍手に会場が包まれると、ふりりんは「泣いちゃったよ」「泣いちゃって噛んじゃったよ」と恥ずかしそうに告白していて、なんかもうその姿を見てもらい泣きしそうな気持ちでした。地方イベントのトークショーの、コーナー内の短い読み聞かせでもそこまで感情移入してやってくれたふりりんに、感謝と尊敬の念を抱かずにはいられませんでした。

 

読み聞かせ、最高だったんです。読み聞かせどころか、目の前で繰り広げられる舞台を見ているかのような感覚でした。声優・降幡愛のポテンシャルは凄いぞ。本当に。

 

 

 

終幕

コーナーが終わると、学校祭の実行委員の方から司会のみっちゃんとふりりんに花束の贈呈が行われました。最後の挨拶の前に会長さんの挨拶があったのですが、これがまた涙を誘うエピソードで。

 

「実は私はOBで社会人なのですが、実行委員だった頃からいつかこの講堂をいっぱいにできる企画をやりたいと思っていて、今日その夢が7年越しに叶いました」

 

という旨のお話を涙ながらにしていて、もう会場中の誰もが「・・・ラブライブじゃん」ってツッコミを入れるようなエピソードでした。普通に泣かされましたね。ふりりんとみっちゃんもその場の対応でスッと自然に会長さんにMCを譲ったり、泣きながら話す会長さんに「マジメか!」「がんばルビィ!」って突っ込み入れるあったかいふりりんがいたりで、なんなんだこれ・・・あったけぇよ・・・の連続でした。

 

この辺りからMCが全部エモ過ぎてもうだめでした、肝心のふりりんの挨拶のメモが全部は取れなかったので、要約して残しておきます。

 

 「今日は会いに来てくれてありがとう!みなさんのあったかい所が伝わってきました、スタッフも熱くて、雨の中今日もこんなに来てもらえるなんて思ってなかったです。もっと頑張らなきゃなって思います。」

「きっかけはラブライブ!サンシャイン!!で私の事を知ってもらった方が多いと思うんですけど、ひとりの声優として見てくれて、応援してくれて、みんなあったかいなと。今もちょっと泣きそうなんですけど...あー、泣いちゃう...。」

「個人でのイベントでこんなに人が来てくれるのが嬉しくて、地元でこうしてイベントができるのもとても嬉しいです。」

「声優・降幡愛として、もっと驚かせていきたい。まだまだ駆け出しだし、これから成長していく所を見せたいと思いますので、ついてきてくれますか?」

「ありがとう!またいつかお会いしましょう!帰りに長野観光してね、長野ほんとに良い所だから!」

 

これまで私が見てきたふりりんは、主に黒澤ルビィ役・降幡愛としてメディアやステージ上に立っている時の姿で、声優・降幡愛というひとりの人間としての姿や声に触れられる機会は決して多くはありませんでした。

そんな中で地元長野で行われたこのイベントでは、彼女のひとりの声優としての魅力や、素の人間としての魅力をたくさん知る事ができ、"彼女の今" の気持ちが、涙ながらに話してくれた最後のMCに詰まっていたような気がします。

彼女のステージ上での堂々としたカッコいい振る舞いや、お客さんや運営に対する細やかな気遣いや優しさ、またおっちょこちょいでかわいらしい一面など、新しい彼女の魅力を知る事ができ、これまで以上にふりりんの事が大好きになりました。

 

  

 

 

イベントでは恒例?のインスタライブの動画撮影もあり、会場の雰囲気からも神イベであった事がおわかり頂けるかと思います。

この動画撮影の際、司会のみっちゃんが観客席に来てお客さんと一緒に動画に映っていました。みっちゃんが私の座席の真後ろを通るタイミングがあったので、「キタキタ!!」と思って彼を捕まえて「みんなで一緒にふりりんに『おかえり』って言いたい」という希望を伝えてみました。彼は無言の笑顔で頷きステージに戻って行きました。

このイベントはふりりん初の凱旋だったので、イベントの冒頭で「おかえり」って言うのやるかなーって予想してたのですが、無かったので。司会者に絡むのは厄介かなと思いつつも、やっぱり何も無いのは寂しいし、地元民としては絶対に言ってあげたかったんです。

すると、その後の写真撮影の際にみっちゃんが「お客さんからの希望があったので、みんなで『おかえりー!』って言いましょう。『おかえり』って言うと口の形も笑顔になりますから。」と。その場の対応でやってくれたんです。

 

 

かくして私を含めた地元民の気持ちを、会場みんなでふりりんに伝える事ができたのでした。嬉しかったなー。

 

写真撮影の後でみっちゃんがこっちを見てドヤ顔してたので、みっちゃんーー!!!ありがとーーー!!!!あんたは最高だぜ!!!!腕持ってるぜ!!!!ってジェスチャーで伝えました。その時にふりりんとも目が合った気がするけど、目が合ったと思うのは私の自由なのでそう思う事にします。

 

 

こうして ふりりん初の凱旋イベントであるトークショーは、ありえん神イベとして幕を閉じたのでした。去り際まで笑顔で両手で手を振って捌けていったふりりん、ありえん可愛かったです。すっかりふりすこ民になってしまいました。

  

 

 

正直、わたし地元に全く思い入れとか無くて地元愛皆無だったんですけど、ふりりんと同郷というだけでこの土地のことがとってもスキになれたみたいです。

 

 

長野県の蕎麦屋でも、十割そばを出すお店はそんなに多くなかったりします。こんど長野のオタクと行ってみますね。

 

 

 

そんなこんなで長くなりましたが、ふりりんのお陰でちょっとだけ地元愛が芽生えたトークショーの話でした。

最後までお読みいただきありがとうございましたん!

「虹」を再考してみた話

ラブライブ!サンシャイン!!16話の感想考察を一度書いてはみたものの、やはり腑に落ちない点が多く残ったため再考してみる。

 

今回は引っ掛かりがあった部分のみピックアップして、キャラクターの心情とこれまでの経緯に寄せて考えてみたい。 

 

 

 

 

 

 

 

 

・二択では無かった 

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「あ"〜〜何かいいアイディア出て来ないかな〜も〜う〜!!」

と言っている千歌が考えているのは、「どちらかに出るべきか」という二択の選択肢の間での葛藤ではなく、両方のライブに出る方法。そもそも千歌の中には最初から「二択」という選択肢は無い。二択であれば「何かいいアイディア出て来ないかな〜」という言葉は出てこないはず。

 

 

 

・千歌と梨子の違い

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「気持ちはわかるけど、いつまでも悩んでる時間はないわ」

「だよね。梨子ちゃんはどっちが良いと思う?」

「そうね...ラブライブに出て輝きたい、輝いてみたい、ってスクールアイドル始めたけど」

「それができたのも、学校があったから。浦の星があったから」

「そうよね...」

「あーあ、なんで同じ日にあるんだろう。体がふたつあればなぁ」

「やっぱり選べない?」

「そりゃあね」 

「もうひとつだけ、方法はあるけど」

「本当!?」

「つまり私たちはひとりじゃない、9人いるってこと」

「9人?」

 

 

梨子が説明会と予備予選の両方でライブをする方法を説明するにあたり、まず最初に「ひとりじゃない」という言葉が出てきた。これは11話「友情ヨーソロー」のでの経験を強く印象付けるため。つまり「想いよひとつになれ」の事を指している。「なにかを掴む事でなにかを諦めない」の歌詞そのままに千歌に背中を押され、そして体現した梨子だからこそ「4人と5人に分かれてライブをする」という提案をした。

彼女は11話「友情ヨーソロー」でAqoursが自分抜きの8人でのライブでも予選を勝ち抜けた、という過去を経験している。だからこその、8人への信頼があっての言葉。

10話「シャイ煮」で「梨子ちゃん、ピアノコンクール出て欲しい」と、自分から梨子抜きの8人のAqoursで予備予選に出場する事を提案した千歌には、この時点では他に具体案が無かった以上、梨子の提案を受け入れる以外に道が無かった。

  

また、「それができたのも、学校があったから。浦の星があったから」という千歌の台詞については

「不思議だな。内浦に引っ越してきたときは、こんな未来が来るなんて思ってもみなかった」

「千歌ちゃんがいたからだね」

「それだけじゃないよ。ラブライブがあったから、μ'sがいたから、スクールアイドルがいたから、曜ちゃんと梨子ちゃんがいたから!」

 13話「サンシャイン!!」の予選のステージ前の、この2年生組の会話シーンと重ねた台詞であると思われる。千歌にとっての「いま」の輝きに繋がった出会いの中に、13話のライブの前には「浦の星女学院」の存在は無かった。それが予選の「MIRAI TICKET」のステージを経て、千歌の中で本当に学校が大切な存在になった事を示している。

 

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このシーンでは、千歌と梨子は「学校を救いたい」「ラブライブで輝きたい」「どちらかは選べない」という気持ちをお互いに再確認し笑いあっているが、千歌は「あーあ、なんで同じ日にあるんだろう。体がふたつあればなぁ」と非現実的な考え方をしているのに対して、梨子は「二手に分かれて4人と5人でライブに出る」という現実的な案を用意している。

つまり、両者はこの時点で同じ気持ちを共有してはいるが、ふたりが考える「Aqoursのあるべきカタチ」の在り方にズレがある。そう考えるとベランダと屋根の上、高さの違う位置からお互いが手を伸ばしあうこの構図と関係が合致する。1期2話に倣って捉えれば「手が届かない=奇跡が起こらない」という事であり、この話数のAパートの抽選会のシーンと同じく、このシーンでも「いまのAqoursでは奇跡は起こせない」という事を印象付ける目的があると考えられる。

 

 

 

・普通怪獣

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「本当に良かったのかなぁ」

「良くはない。けど、最善の策を取るしかない。私たちは奇跡は起こせないもの。この前のラブライブの予選の時も、学校の統廃合の時も」

「だから、その中で1番良いと思える方法で精一杯頑張る。」「よっ と」

「それが、私たちなんじゃないかって思う」

「そう...だね」 

 

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梨子のこのド正論な言葉に対しても、以前の千歌なら反論していたはず。14話では「本気で言ってるんだったら、私、梨子ちゃんのこと...軽蔑する」とまで言った彼女だ。しかし以前より少し成長して大人になった彼女は、この時の現状では最も正論なこの意見に対して「そう...だね」と止む無く同意するしかなかった。

 

梨子が「私たちは奇跡は起こせないもの」と身も蓋もないような発言をしている背景には、彼女自身が奇跡を起こせなかった背景がある。ピアノが弾けなくなるという挫折を経験し、転校して環境を変えてまでピアノと向き合おうとした。その上で2年生組の3人で海に潜った時も「海の音」を実際に聴くという奇跡は起きず、1期3話での2年生組のファーストライブの成功も、彼女達だけの力で起こした奇跡ではない。

1期1話では「東京から来たピアノが好きな少女」が千歌の目には「輝き」として映っていた。しかし梨子自身はピアノだけに打ち込んできた自分だからこそ、「ピアニスト」としてではない素の自分が、地味で普通で常識人であるという事を自覚している。

 

2期での彼女が「普通怪獣りこっぴー」としての立ち位置が強調されているのは、「普通怪獣ちかちー」が "普通" という枠を越えていく事との、その対比の対象としての役割が与えられているように思われる。

 

 

・会場がアウェー

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 Bパートの冒頭のシーンでモブの「凄い盛り上がりだねー」の台詞に続いて梨子が「いま前半が終わったって」と言っている所から想像されるのは、前半を終えた会場では既に観客の熱が上がり、会場の空気が温まっている状態であった事。

 

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これを踏まえると、ステージ上のAqours5人を迎えた真っ暗で静まり返った会場とは大きなギャップがある。浦女の生徒や町の人たちの応援が無い、完全なるアウェー。

 

 

 

・5人の不安

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予備予選出番前、泣きそうになるルビィに対して「大丈夫。花丸ちゃんも言ってたよ、『練習通りにやれば、問題ないずら。』」と声をかける曜。ここでルビィが不安に思っている事は恐らく、「5人のAqoursで自分がセンターに立つ事」「その5人で勝てるのか」「本当にAqoursは二手に分かれて良かったのか」。

「二手に分かれて4人と5人ずつでライブをする」という提案を受けた時、1年生組は「でも」「それでAqoursと言えるの?」「ずら」と不安を口にしている。これまでの経歴で考えても1年生組は2,3年生組と異なり、少人数でステージに立った経験がない。この事からも1年生組には「二手に分かれたAqours」に対して強い不安や疑念がある事が推測される。

 

 

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ライブの直前で千歌は「さあ、行きますわよ!」と言うダイヤに背中を押される形で階段へ一歩を踏み出し、「次のステージに向けて!」と返している。4人の笑顔を見るまでは千歌も不安だったのだろう。

これまで「輝きたい!」という衝動だけで突っ走ってきた千歌だが、2期では少し大人になり1期よりも周りを見るようになっている印象がある。今の彼女はメンバー全員の気持ちがひとつにならなければ前に進めない、奇跡は起こせない、と察しているからこそ、全員の気持ちを確かめられるまでは一歩を踏み出せなかった。

 

 

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これは伊波杏樹さんが以前に話していた「Aqoursのお披露目のライブの時に、ステージの最前に立つのが怖くて仕方がなかったけどメンバーの目を見たら『いける!』って思った。」という旨のエピソードにも通じている。

 

 

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更にこのシーンの比較対象として、11話「友情ヨーソロー」での千歌はライブ前に「さあ行こう!ラブライブに向けて!私たちの第一歩に向けて!」具体的にAqoursとしての内的な目標を掲げて先導している。

対する16話のライブ前のシーンでは、「次のステージに向けて!」目標の対象が語られていない。つまり、これは「5人で立つ予備予選のステージ」が「私たち=Aqours9人」にとっての内的な前進には繋がらない事を意味している。

 

この事から推測すると、千歌は予備予選の後に説明会に向かう最短ルートを事前にメンバーに説明しなかったのは意図的ではなく、恐らく言い出せなかったのだ。全員の笑顔を確認し、想いがひとつになった事を確認して初めて彼女は突っ走れる。

 

 

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そう考えれば予備予選のライブ直後、千歌が吹っ切れたようにAqoursを先導して突っ走って行けた事とも辻褄が合う。

 

 

 

・4人の動機

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鞠莉の勘違いしないように!」という台詞は、1期3話でダイヤが言った「これは今までのスクールアイドルの努力と、町の人たちの善意があっての成功ですわ。勘違いしないように!」の略。つまり、「浦女の生徒と町の人たちの応援がないこのステージで、私たち抜きで勝てるわけがないでしょ」というニュアンスで捉える事もできる。

 

 

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そして1期3話では「勘違いしないように!」と言うダイヤに対して、千歌はわかってます。でも、でもただ見てるだけじゃ始まらないって!上手く言えないけど...今しかない、瞬間だから!と返している。

時系列的に説明会よりも予備予選の方が先にライブが始まる以上、「今しかない、瞬間」に4人が何もせず、ただライブの時間を待っている事ができなかったのは当然。と捉えれば4人が突然予備予選に合流した事も辻褄が合う。

 

 

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「やっぱり、私たちはひとつじゃなきゃね」

かつて2年前にAqoursを自らの手で解散させた過去を持つ果南だからこその言葉。

そもそも9人でライブをするべくして作られた曲、振り付け、歌詞であったはずの「MY舞☆TONIGHT」が、5人ではその真価を発揮できるはずもなかった。「いま小さく燃えてる まだ小さな焔が ひとつになれば 奇跡が生まれの歌詞にも表れているように、Aqoursがひとつにならなければ奇跡は生まれないのだ。

 

 

 

・千歌達が黙っていた理由 

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ステージ上に9人が揃っても、全員の笑顔を見るまで千歌が笑顔にならなかったのは、その瞬間まで彼女の中に不安があったから。その正体とは「4人と5人に分かれてライブをする」という不本意ながら現実的な妥協案が通ってしまったものの、「本当にこれで良かったのかな」という不安。

千歌はリーダーとしてAqoursを引っ張って行こうと必死で背伸びをしている。2期で彼女が屋根の上や鉄棒の上、階段の上など、ひとりだけ不自然に高い所に居るのは目線を上げて高い視点から物事を考えている暗喩。普通怪獣ながらもリーダーであろうとして背伸びしている現れであり、本心では不安を抱えている。ED曲の「勇気はどこに?君の胸に!」の歌詞にもあるように「ほんとは怖いよ」が本音だと推測される。

 

以前より成長している千歌だからこそ、自分ひとりが突っ走っても奇跡=(不可能を可能にする事) は起こせない事を彼女は知っている。9人の気持ちがひとつにならなければ奇跡は起こせない。

だからこそ千歌は、9人全員が「Aqoursは9人でこそAqours」という強い気持ちを共有できていなかったため、「予備予選と説明会の両方に9人で出るという時間的に非現実的な案」=「奇跡を起こすこと」を全員の前で言い出せなかった。

上記の推論の根拠として、このシーンで流れている劇伴の曲名は「素直になれなくて」。

 

 

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千歌が9人全員の気持ちがひとつになったのを初めて確認出来たのが、予備予選のステージに全員が揃い、全員の表情を見た瞬間。だからこそライブ後に初めて1,3年生組に「説明会も間に合わせて9人でライブをする」という事を伝えられたのだ。

 

 

 

・Aqoursのあるべきカタチ

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厳密には千歌は言葉では「さあ行くよ!!」としか伝えておらず、6人に対して詳細を説明はしていない。Aqoursの全員が「9人である事」を望んで行動した時点で気持ちはひとつになっているため、言葉必要無し。

ここでの劇版が「輝きへの階段」である時点で細かい説明は不要、考えるより前に進めというシーンである事が強調されている。

 

 

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回想シーンの千歌の「道がある!」は、「MY舞☆TONIGHT」の「このセカイはいつも 諦めない心に答えじゃなく 道を探す手掛かりをくれるから 最後まで強気で行こう」の歌詞そのまま。確実に間に合う道筋や手段という答えが出なくとも、細かい事抜きにして衝動で突っ走る。というAqoursのあるべき姿の象徴。

 

 

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梨子の「そっか、これだったんだ...」の台詞から分かるように、千歌は梨子にすら自分の案の全貌を伝えていない。全てを理解していたのは言葉が無くても千歌の考えがわかる曜のみ。

 

 

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初めは千歌が先頭に立って先導し

 

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急いで先走るあまり、誰かが出遅れても

 

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全員が揃うのを待つ。9人で間に合わなければ意味が無い。

 

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9人が前に進むペースがバラバラでも、迷っても、雨が降っても

 

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奇跡が起こせると信じて走り続ければ

 

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奇跡は起こせる、虹も掛かる。

 

 

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時には誰かが手を引っ張り

 

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最終的には9人揃って駆け抜けていく。それがAqoursのあるべきカタチ。

 

このカットが「君のこころは輝いてるかい?」の「Yes!!と答えるさ」のパートに当てがわれている事の説得力。

 

 

 

・虹とは  

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「太陽=ラブライブ」を追い掛けてきたAqoursが「虹」と出会えたのは、これまで「輝き=太陽」を目指してひた走ってきた彼女達が、初めて太陽と真逆の方角を目指して走ったから。つまり、初めて太陽以外の輝きを目指してAqoursが駆け出した事を意味する。

16話ラストシーンの千歌の「だから行くよ、こころが輝く方へ!」という言葉の真意とは、Aqoursが追いかける輝きが「太陽」だけではなくなったという事。「虹」もまたひとつの「輝き」の象徴であり、ラブライブの象徴として存在した「太陽」だけでなく、「学校」や「みんな」の象徴として登場した「虹」もまた、Aqoursが目指すべき「輝き」のひとつとなった。

「こころが輝く方」へ「ハートの磁石を握って走る」事こそが、Aqoursを突き動かす純粋な心の推進力であり、またその方角を太陽だけに限定しない事こそが、今後のAqoursが目指す道筋への無限の可能性を示しているのだ。

 

 

 

 

 

・最後に

 

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いつきちゃんがAqoursの衣装を持っていますが、恐らく みと姉としま姉が届けてくれたのでしょうね。なんだかんだ言って大人の世話になっている千歌ちゃん達、やっぱり子供なんですね。可愛らしいかよ。

 

 

 

さて、今回の考察から展望してみると、Aqoursの輝きの物語が今後は廃校問題やラブライブだけに止まらず、更なる広がりをもって彼女達だけの道を突き進む事になるであろう、という展開が見えてきました。17話は待望の黒澤ダイヤお当番回になりそうですし、先がまた楽しみですね。

 

今回の記事では、再度自分なりに16話を洗い直してみましたが、如何でしたでしょうか。私の捉え方が全て正しいとは思っておりませんので、違う考えをお持ちの方の意見もお聞きしたいです。

では、また17話の記事でお会いしましょう。

 

「虹」について考えてみた話

あきのです(*> ᴗ •*)ゞ

 

ラブライブ!サンシャイン!!2期序盤の山となるであろう、待望の3話がついに放送されましたね。

 

皆様がどのような感想を持たれたかわかりませんが、Aqoursの活動をずっと追いかけてきた人であれば、特にラストのシーンでは感動した話数であったかと思います。

1,2話と比較すると、展開を詰め込んできた感がありますね...という事は、受け取り手の理解力に委ねて省略している部分がたくさんあるはずです。見落としている部分を確認する意味も含めて感想、考察を書いてみようと思います。

 

 

 

 

 

・アバン

アバンでは恒例の「前回のラブライブ!サンシャイン!!」のあらすじ振り返りを省略して、のっけから本編に入ります。2話のラストで鞠莉ちゃんに届いた不穏な着信。その正体は「学校説明会が延期になり、ラブライブの予備予選と日程が重なってしまう」という事件を告げるものでした。

 

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浮き足立っている千歌ちゃん。

目に映っている世界と現実とのギャップが浮き彫りになります。Aqoursは絆とチームワークの成長を果たし内的に前進するも、またしても外的な問題が彼女達の前に立ち塞がりました。

 

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ふたりが千歌ちゃんと視聴者にもわかるように概要を伝えます

 

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屋根から落っこちる千歌ちゃん。

理想から現実への転落。1話冒頭でも彼女はベッドから落ちていましたね。

 

 

 

・ALL or NOTHING

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「あぁ〜〜ごちゃごちゃごちゃごちゃしてきましたわぁ〜!!」

お、もしかしておねぃちゃあ地図が読めないのです?奇遇ですね、私も地図が読めません。ですので具体的な動線の考察は他の方にお任せします!

雨で道路の補修が必要になるとアクセスに重大な支障が出る、バスと電車の本数も少なく交通ルートが限られている、という問題は内浦らしい現実感のある壁ですね。山奥の特設会場と学校、ふたつの点を結ぶ線を模索する9人。

 

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「と・に・か・く、ALL or NOTHING だと、お考え下っさい! 」

大人たちをねじ伏せて現実を変えるためには、大人の力を借りる事はできない。理事長として責任のある立場にいる彼女だからこその言葉ですね。「なにかを掴む事でなにかを諦めない」とは真逆ですが、二者択一を迫られる中での苦悩が描かれたAパートを象徴するようなセリフだったので強く印象に残っています。

 

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あら^〜うへへっへへへへ〜〜〜〜〜〜いいゾ〜〜〜〜〜〜おほほほ〜〜〜

陸路も空路もだめなら海路を使おう!と考えたようですが、どんどん現実味から離れていきます。

 

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ラブライブ」と「学校説明会」の一挙両得ができる唯一の方法は、予備予選のステージの順番を決める抽選で1番目を引き当てること。おねいちゃんを押し退けてグイグイ前に出てくるルビィちゃん、激熱です。

 

 

・奇跡は起こらない 

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自らの不幸属性、運の悪さを省みず矢面に立とうとする善子ちゃんの姿、めちゃ良かったです.......他の人が自分から前に出たがらない場面で一歩前に踏み出す所がいかにも、優しい善子ちゃんらしくて、ね。すごいこのシーン好きです。

花丸ちゃんが背中を押す所もいいですね、背中じゃなくておしりですけど。花丸ちゃんの手により、善子ちゃんがじゃんけんで勝つという "奇跡" 人の意思の介在により起こります。しかし逆を言えば、彼女に自力での勝ちはありえませんでした。

 

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8人の希望を一身に背負い、審判の時を迎えるヨハネ

 

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しかし盛大にズッコケる8人。9人の願いがひとつになっても、神から奇跡は与えられなかったのです。なんたる無常。しかし不死鳥の如く何度でも蘇る翼をAqoursは持っています、善子ちゃんがここでは落ち込んでないのがせめてもの救いです。

 

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「こうなった以上、本気で考えなきゃいけないね」「『説明会』か『ラブライブ』なのか」

「どっちかを選べってこと?」「そうするしかありません」

「そうなったら説明会ね」「学校を見捨てるわけにはいかないもんね」「それは...そうだけど」

「いま必要なのは入学希望者を集める事。効果的なのは、ラブライブではありませんか?」

「たくさんの人に見てもらえるし」「注目されるし」「それもそうずら」

「じゃあどうすんのよぉ?」

 

抽選でステージの順番の1番目から漏れた今、ついにこの問題が二者択一を迫る非情な現実となり、Aqoursの前に立ち塞がります。「やるべき事」がどちらかなのを問われるも、どちらかを選択する事が誰もできません。これまで「やりたい事」と向き合ってきたAqoursでしたが、「やるべき事」を選択するのは何かを犠牲にする事でもあり、それを選択するのは酷な事でした。

このシーンの台詞には彼女たちのグループ内での立ち位置や性質が現れており、後のAqours二分化の際にどちらのライブを担当するのかという動機が見て取れます。

 

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「だって、どっちも大切だもん。どっちも...とても。」

どちらを選ぶべきかを問い掛けたのは果南ちゃんでしたが、8人は千歌ちゃんに向けて言葉を伝えます。しかし9人の意思はまとまらず、投げられた言葉は宙に浮いたまま。リーダーであるが故の孤独を表すかのようなスポットライトが千歌ちゃんひとりを照らし出します。

 

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屋根の上でひとり悩みふける千歌ちゃん。彼女が高い場所にいるのは輝きに近付きたい気持ちの表れでしょうか、それともリーダーとして高い目線で、背伸びして物事を考えようとしている事の表れでしょうか。

1話では鉄棒の上、2話では階段の上、そして屋根の上から。高い場所からみんなに想いを伝えるシーンに共通するのは、彼女がリーダーとしての立場にいる時です。

 

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そんな所に声をかける梨子ちゃんに、自身の胸中を打ち明ける千歌ちゃん。

「それができたのも、学校があったから。浦の星があったから。」

という彼女の言葉が思いもよらないものだったので、私はとても驚きました。その発想ができる事に成長を感じましたし、千歌ちゃんにとってどれだけ学校が大切であるかが伝わってきます。

千歌ちゃんの方から力なく差し出された手は、彼女の助けを求める声のようでした。それを見て手を差し伸べる梨子ちゃん。手を伸ばし合うふたりですが、当然その距離を越えて手を取り合うことはできません。しかし、お互いの気持ちを再確認したかのように、ふたりは当たり前のことに笑い合います。

1期2話のように距離を超える奇跡は起こらない。

ふたりが考えている物事の目線の高さが違うからでしょうか、それともお互いの思い描く理想のカタチが違うからでしょうか。解釈を固めるには至っていませんが、少なからずふたりの差異が描かれたシーンであったと思います。

 

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梨子ちゃん「もうひとつだけ方法はあるけど」の言葉を受けて、慌てて屋根から落ちそうになる千歌ちゃん。ですが今の彼女には現実が見えているからでしょうか、そこから落ちる事はありません。

「つまり私たちはひとりじゃない。9人いるってこと。」「9人?」

のやり取りからは、千歌ちゃんがリーダーとしてひとりで背負おうとしてしまっている事に気付いた、梨子ちゃんの優しさを感じます。

 

 

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4人と5人の二手に別れて両方参加する、という提案をするふたりですが、「それでAqoursといえるの?」「それに、5人で予選を突破できるかわからないデェス」という言葉が重くのしかかります。

 

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「私たちは奇跡は起こせないもの」と、ベストよりもベターな選択をした自分たちを前向きに捉える梨子ちゃん。しかし相槌を打つ千歌ちゃんの声は腑に落ちていないようです。

2期1話で9人で心をひとつにしてキセキを起こす事を誓った後ですが、梨子ちゃんは地に足がついた建設的な道筋を話します。違和感のあるシーンです。

 

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しかし梨子ちゃんは正攻法を肯定する言葉とは裏腹に、道を逸れて道なき道を進んでいきます。

「みかん?もうこんなに実ってるんだ」「そりゃあ、内浦のみかんは美味しくて有名だもんね」「あ...みかん!みかんだよ!!」

という何だか噛み合ってない、リアルなゆるい日常感のある会話。曜ちゃんの当たり障りのない返しが千歌ちゃんの耳に全く入って無さそうな所、絶妙な空気感で見事だと思います。

話は逸れますが、私はこの美しい夕陽の景色を背に話す3人のシーンが大好きです。

 

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「みっかーーーん!!!!」

ふたりも視聴者も置いてけぼりで繰り出される突然のみかん🍊

 

 

 

・やっぱり、私達はひとつじゃなきゃきゃね! 

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Aパートを終えると場面は変わって学校説明会の会場に。むっちゃん達が千歌ちゃん達に代わって盛り上げてくれています。泣ける。

 

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場面は変わり、みと姉としま姉が軽トラで駆けつけたのは予備予選会場。

 

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「ルビィ、ずっとずっと思ってたんだ。お姉ちゃん、絶対似合うのにって」

2期2話の曜ちゃんルビィちゃんが裁縫が得意である事を知っていた点、そしてこの台詞で線が繋げられませんかね。1期9話未熟DREAMERで衣装製作にルビィちゃんが関わっていたのであろうと私は想像しています。

「もちろん、自慢の妹ですわ」という言葉からは、あの話数のラストシーンの「親愛なるお姉ちゃん、ようこそAqoursへ」が思い起こされます。妹を「不肖」ではなく「自慢」と呼ぶお姉ちゃん。

 

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強くなったルビィちゃん。いい表情です。

 

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「次のステージに向けて!」

先に一歩を踏み出して、振り向いて声を掛ける千歌ちゃん。

 

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5人で立つステージの広さ。センターに立つのはルビィちゃん。

 

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あまりに広く真っ暗な客席、歓声も無く聞こえるのはまばらな拍手。「町の人たちの善意」という1期3話の言葉を思い出したシーンでした。

 

不安の色を隠せない5人。

 

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「勘違いしないように!」

 

 

 

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「やっぱり、私たちはひとつじゃなきゃね!」

 

1期3話を想起させてからの「勘違いしないように!」に続いて、あの表情を見せてからのダイヤ様目線でのカメラアングル、4人の登場。完ッ璧にキマってましたね。多角度からのカット、視点の変化、目線の誘導、BGM、全てが完璧なシーンだったと思います。

 

しかしここで問題なのは、4人が学校説明会でのライブを放棄して予備予選に現れたという事です。

なぜ衣装が9人分用意されていたのか に関しては、奇跡が起こる方に賭けてルビィちゃんが用意していたとしか言い様がないので割愛。そんなつまんない事言う人はいないでしょうけれども。

 

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「さあ、やるよ!」の言葉を受けて、9人の中で最後に笑顔を見せる千歌ちゃん。ステージ上に立った5人の表情に笑顔が無かった所にも、やはりAqoursは9人でこそAqoursなんだという事を感じました。

 

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なぜ即座に9人でフォーメーションが組めるのかって?つまんねぇ事言うなよ、黒澤姉妹ダブルセンターが見れるんだから最高なんだよ。

見事に2話2話の伏線の通り、お琴のサウンドを取り入れた和テイストなロック曲になりましたね。「この世界はいつも 諦めない心に 答えじゃなく 道を探す 手がかりをくれるから」の歌詞がすごく好きです。与えられるのは手がかりで、答えを出すのは自分っていう所がすごくラブライブっぽいですよね。

ライブでの盛り上がりが期待できそうな曲調でコーレスもありますし、ライブでまた化けそうな楽曲です。

衣装もまたこれまでのAqoursのイメージとは一線を画す、花魁みたいなセクシーで大人な雰囲気ですよね。オトナで強気なAqoursちゃん、また新たな魅力を見せてくれそうで楽しみです。

 

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君のこころは輝いてるかい?」のステージの太陽モチーフみたいなカットですね、「焔」でしょうか。

 

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ライブを終えても、歓声が上がるまではこの表情なのがまた。

 

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観客の反応よりも、この表情を見て安心感を覚えました。あ、やったんだな...という気持ち。きっと5人だけのパフォーマンスでは、予備予選を勝ち上がる事はできなかったでしょう。でもきっと9人なら大丈夫だったはず。

 

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「さあ行くよ!」

「ここからが勝負よ!」

「花丸ちゃん達、大丈夫?」

 

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「どういうことですのー!?」

驚き戸惑う6人ですが、9人が揃ったAqoursは最強なのでリーダーは有無を言わさずガンガン引っ張って行きます。「いける!」ってなった時の千歌ちゃんは強いですね。

可能性の有無に関わらず、前に進まなければ奇跡は起こりません。

 

 

 

・虹 

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全員がスカイブルーの無地のTシャツなの、良きです。

まだ真っさらで、何もない自分たちを象徴しているかのようで。その彼女たちが奇跡を信じて一心不乱に駆け抜けていく。先ほどのステージの観客席にはAqoursを待っている人はいませんでした。でも今は違います。彼女たちを待つ学校のみんなや、学校説明会のお客さん、応援してくれている人たちのために。そして自分たちのために。

アンコール、なんですよね

彼女たちはもう一度歌うために駆けて行きます。"みんな" の元へ。

 

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運転席に座るのは果南ちゃん。よしみちゃんとむっちゃんの力を借りて出発を果たします。このふたりは作中では "みんな" の象徴としてメタ的な役割を与えられています。つまり...

 

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こういう事ですね。

Aqours 2nd LIVE TOURのアンコールムービーの "みんな" の声を燃料にして次の駅へと再出発する、そのストーリーと重なりませんかね。HAPPY PARTY TRAINが走った軌跡は虹のレールになります!虹です!!

ここは理屈じゃないと思うので強引に続けます。

 

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「取れ ちゃ った...」

HAPPY PARTY TRAIN TOURのオープニングムービーでは、限界速度を超えた汽車は赤信号を無視して暴走を続け、名古屋駅神戸駅も埼玉駅をも通過しました。走り出したAqoursを止める事は誰にもできないのです、勿論彼女たち自身でも。つまり...

 

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こういう事ですね。(察してください)

壊れた操縦レバーはラブライブ!のこれまでの在り方をぶち壊して、新たな道を突き進むAqoursを象徴しているかのようです。地図に記されていた道路のルートではなく、彼女たちが見付けた彼女たちだけの道を爆走していく。まさにAqoursの物語そのもの。

 

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やがて雨が降り出し、9人にも疲れが見え始め表情や言葉にも曇りが見えます。彼女たちが不安を口にした事で雨が降ったのかもしれません。

先陣を切って走り始めた千歌ちゃんですが、いつの間にか最後尾を走っています。2期1話で遅刻して来た姿とも重なります。リーダーと言えど常に完璧ではないという事なのか、Aqoursの輝きを追いかける私たち視聴者の目線で「自分にも奇跡は起こせる」という事を印象付けるためでしょうか。

 

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「奇跡は、起こるのかな」

「あたし、思うんだ。奇跡を最初から起こそうなんて人、いないと思う」

「ただ一生懸命、夢中になって、何かをしようとしている、なんとかしたい、何かを変えたい。それだけの事かもしれない」

 

「だから」

 

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「起こせるよ奇跡。私たちにも!」

「起こるかな、奇跡」

「起こるよ」

「だって」

「だって」

 

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「虹がかかったもん!」

 

 

 

 

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1stシングル「君のこころは輝いてるかい?」発売から2年の歳月を経て、ついにAqoursがこの曲を歌うステージにまで辿り着きました。

エンドロールが終わった、と思わせておいて少しの静寂の後にイントロが流れ出した瞬間は最高でしたね。完全に圧倒されました。

 

「虹」は「太陽」の反対側の空に掛かるものです。故にずっと「輝き」を、「太陽」を追いかけてきたAqoursの視線の先に「虹」が掛かる事はなかったのです。ここでAqoursが初めて過去に立ち返り、原点である2年前の1stシングルを披露した事で虹が掛かったのではないかな。とメタ的な観点でこじつけようとしましたが、本編の筋書きと真反対に矛盾してるので通りませんね。Aqoursは振り返る事なく輝きを追い続けていますから。

太陽の方角云々の理屈は必要なく、雨の後の空には虹がかかる、という至極シンプルな出来事をそのまま素直に受け取るので良いと思います。

 

しかし、私はAqoursには虹をかける奇跡を起こすチカラは無かったと考えています。

だからこその「起こせるよ奇跡、私たちにも」→「なぜなら虹がかかったから」という図式になるのではないでしょうか。奇跡が起こせるから虹が掛かった、とは大きく違なります。

 

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千歌ちゃんが見付け出した予備予選会場から学校までの最短ルートには、Aqours9人だけでなくむっちゃん達をはじめとする「みんな」の協力が不可欠でした。Aqours9人の気持ちと足並みが揃ったとしても、恐らく9人だけでは成し遂げられなかったでしょう。

 

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Aqours」と「みんな」の間に架け橋が掛かった時に、 初めて奇跡が起こせる。そういう意味での3話「虹」だったのではないでしょうか。

 

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最初はシャボン玉を飛ばしていたのは浦女の生徒達でしたが

 

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やがて学校説明会に来たお客さんも。「みんな」の輪が広がってきます。

 

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千歌ちゃんが "何か" に気付き笑顔になります。ライブ中で唯一表情がアップになる瞬間がここなので、恐らくしゃぼん玉を吹くみんなの姿が目に入ったのではないかなと。

「この出会いがみんなを変えるかな」という歌詞に込められた、千歌ちゃんの希望が現実になった瞬間だと思います。

 

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曲が終わり、歓声の中で夕陽を浴びる千歌ちゃんの笑顔。良きです。ずっとこの表情が見たかった。

 

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タイトルどーん。このカット大好きです。見るだけで泣けます。

君のこころは輝いてるかい?」で言う所の「君」。つまり「みんな」と「Aqours」が同じカットの中に描かれていて、全員の描き分けがなされている。ラブライブ!サンシャイン!!にモブはいないんですよね。ライブパートが2 度もあり、これだけ登場人物が多く作業ボリュームの膨大な回でも「みんな」を大事にしてくれる。これが「ラブライブ!サンシャイン!!」なんですよね。

説明会には何人の生徒を集める事ができたのかはわかりませんが、少なくとも10人は超えていたのではないでしょうか。

 

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「どっちにするかなんて、選べないし。どっちも叶えたいんだよ。」

8人に背を向けて、まるで独り言のように話す千歌ちゃん。これまで重要な場面では高い位置 (鉄棒の上、階段の上、屋根の上) から8人と向き合って言葉をかけてきた彼女ですが、このシーンではAqoursのリーダーとしてではなく、ひとりの人間「高海千歌として話しているように感じました。

 

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感嘆の声とともに見上げた空に浮かぶのは、無数のしゃぼん玉。

それは神に与えられた奇跡ではなく、人の手によって、Aqoursと「みんな」の力で作られた、まるで奇跡のような美しい光景でした。

 

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「だから行くよ。諦めずこころが 輝く方へ!!」

夕陽を真っ直ぐに見据え、前のめりに「輝き」をその手に掴む千歌ちゃん。

君のこころは輝いてるかい?」を象徴するような決意を表明する言葉で3話を締め括ります。「未来の僕らは知ってるよ」に登場する "ハートの磁石を握って走る" という歌詞にも通ずる言葉ですね。

 

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夕陽に向けて拳を掲げる千歌ちゃんに続き、同じように夕陽を見上げる8人。宙を舞うしゃぼん玉と相まった美しい情景で3話の幕引きです。

 

 

 

・疑問

いくつか疑問点が残る3話ではありましたが、個人的に最も気になった「学校説明会組の4人がラブライブ予備予選を優先したのはなぜか?」の部分だけ落とし所を見つけて終わりにしたいと思います。

ラブライブ予備予選に4人が合流したという事は、同時に説明会でのライブを放棄した事を意味しています。説明会でのライブを放棄するという事は「学校のみんな」を裏切る行為に他なりません。「みんなで叶える物語」を謳うラブライブ!作品が「みんな」を裏切るような鬼畜な脚本を作るとは思いたくないので、筋の通る解釈を探ってみます。

 

 

・2年生組が事前に1,3年生組に最短ルートを説明しなかったのは何故か

確実性のある案であれば提案しない理由が無いので、現実的に考えた時に確実性が無かったのでしょう。2話の梨子ちゃんであれば、現実味の無い案には反対したはずです。しかもAqoursを乗せて走ったみかん運搬用の機器が制御を失い、暴走するという幸運が無ければ間に合っていなかった可能性もあります。

思えば抽選会の後のシーンで「説明会」と「予備予選」のどちらを選ぶべきか、という話し合いをしていた時に「だって、どっちも大切だもん。どっちも...とても。」と、「やるべき事」ではなく「自分の気持ち」 を口にしたのは千歌ちゃんだけでしたね。そんな彼女が、感情的ではなく理性的な判断をした上で敢えて自分の案を提案しなかったのは、良くも悪くも彼女の成長の表れだったのではないかな、と思っています。

 

 

・説明会組、予備予選組のグループ分けから動機を探ってみる

まず最初に抽選会の後のシーンを振り返ってみます。

 

「こうなった以上、本気で考えなきゃいけないね」

「『説明会』か『ラブライブ』なのか」

「どっちかを選べってこと?」「そうするしかありません」

「そうなったら説明会ね」「学校を見捨てるわけにはいかないもんね」

「それは...そうだけど」

「いま必要なのは入学希望者を集める事。効果的なのは、ラブライブではありませんか?」

「たくさんの人に見てもらえるし」「注目されるし」「それもそうずら」

「じゃあどうすんのよぉ?」 

 

予備予選を優先するべきだと名言、及び同意したのはダイヤ様、曜ちゃん、ルビィちゃん、花丸ちゃんの4名。

どちらとも言えない、中立のスタンスであったのは梨子ちゃん、善子ちゃん、千歌ちゃんの3名。

説明会を優先するべきであると名言したのは鞠莉ちゃん、果南ちゃんの2名です。

 

鞠莉ちゃんが学校説明会に重きを置く事は、彼女の理事長としての立場を考慮すれば自明の理です。果南ちゃんに関しては、自身の行動を鞠莉ちゃんを基準にしている傾向がありますので、意思決定を鞠莉ちゃんに合わせる選択を取るでしょう。

花丸ちゃんに関しては、抽選会の後のシーンではあくまでルビィちゃん達の意見に同調する姿勢を見せていますが、ルビィちゃんにはラブライブに出て欲しい、という動機から説明会組に加わったと考えれば不自然ではないかと思われます。

善子ちゃんAqoursの中では主体性が弱く中立的な立ち位置ですが、彼女花丸ちゃんの発言や行動に準じて意思決定している傾向があるので、花丸ちゃんと同じ説明会組に入ったと考えるのが妥当でしょう。

 

 

・説明会組のメンバー4人の共通点

説明会組のメンバーは鞠莉ちゃん、果南ちゃん、花丸ちゃん、善子ちゃんの4人です。このメンバーには2年生組を含まず、前回の「雨の音」で行動を共にした4人でもあります。この4人は共通認識として「調和」という要素の重要性は共有していると思われます。

 

 

・説明会組が予備予選に合流するに至る動機とは

「それでAqoursといえるの?」

「それに、5人で予選を突破できるかわからないデェス」 

梨子ちゃんが「二手に分かれて説明会と予備予選の両方でライブをする」という提案をした時に、善子ちゃん鞠莉ちゃんは上記の発言をしていました。

善子ちゃんは1期12話の「自由に走ったら、バラバラになっちゃわない?」という発言にも表れているように、自身の在り方とAqoursとしての在り方については強い拘りを持っています。9人でいる時にはシリアスなムードになると堕天使キャラを繰り出して場を和ませようとするなど、グループの和を重んじる傾向が強い彼女です。予備予選組に合流して、Aqours9人でライブをする事を望むのも自然だと思われます。

鞠莉ちゃんは説明会組の4人の中では最も主体性が強く、人に意見に左右されるタイプではないという事から考えると、彼女自身の意思で予備予選に合流すようと提案したと考えないと不自然です。「勘違いしないように!」 という言葉で先陣を切って予備予選のステージに登場しているように、ダイヤ様の事を少なからず気遣っていたであろう事は間違いなさそうです。面倒見が良くて包容力のある彼女ですから、5人で予選を突破できるかわからないデェス」 という発言にも表れているように、やはりダイヤ様と4人の事が心配だったのでしょう。仲間の為になら我が身を呈する事も厭わない彼女であれば、理事長という立場を返り見ず予備予選に合流したとしても不自然では無いかと思われます。

花丸ちゃんに関しては、「どう行動するべきか」よりも「どう行動したいか」という彼女自身のAqoursメンバーとしての行動原理を考え直した時に「"ルビィちゃんと一緒に" スクールアイドルをやりたい」という大前提があるはずですし、対するルビィちゃんも「"花丸ちゃんと一緒に"スクールアイドルをやりたい」という大前提があります。理屈や都合ではなく自分の気持ちに正直になれば、予備予選組に合流するという選択をすることは至極当然の流れになります。

果南ちゃん「学校を見捨てるわけにはいかないもんね」という発言をしてはいますが、あくまで鞠莉ちゃんの意思に寄り添う形での発言だと思われます。鞠莉ちゃんが動けば彼女の意思を尊重するでしょうし、かなまりのふたりがダイヤ様と行動や意思を違える事に対して、何も不安を感じないはずがないですよね。

 

 

以上の考察を踏まえて、自分なりに結論を出しました。

 

 

・結論

 

説明会組の4人が予備予選組に合流したのは、「やるべき事」よりも「やりたい事」を優先した結果。彼女達にとって大切なものは「説明会」でも「予備予選」でもなく「Aqours」だった。

 

という結論に至りました。もちろん、「いま必要なのは入学希望者を集める事。効果的なのは、ラブライブではありませんか?」という発言は理に叶っており、理性的に考えればそれは限りなく正解に近いかもしれません。しかし、Aqoursにとってそれはどちらかを選択できるようなものでは無く、選択できるはずが無いものだったはずです。

故に、理屈では無く4人が感情で行動したという結果はある意味では正しく、美しい選択になったと私は思います。

彼女達は3話では「どうするべき」という都合の話しかしておらず、「どうしたい」という純粋な欲求の部分を一言も口に出していませんでしたよね。そもそも「やりたい事を貫き通す」ということこそラブライブ!シリーズに通底するテーマのひとつですし。彼女達の中で、「理屈」を「エモーショナル」が上回ったからこそ自然とあの展開になったのだ、という所で私の中では落ち着きました。

 

「説明会より予備予選のライブを優先した」と捉えるよりは「他の何よりもAqoursを大切にした結果そうなった」と捉える方が自然かな、と。

結果的に説明会でのライブを放棄する選択をしたという事実は消えませんが、そこまでしてでも「AqoursとしてのAqoursらしい輝き方」を追い求めて、最終的には「どっちにするかなんて、選べないし。どっちも叶えたいんだよ。」という純粋なこころの欲求を貫き通して、見事に現実を変えて見せた。

 

なんだかんだ言って、めちゃめちゃラブライブっぽいことやってるんですよね。最終的に自分たちがやりたい事全部やって、しかも結果も出して見せた。そこは最高にカッコいい。文句言う方が野暮かもしれません。

 

まぁ...結果がどうなっているかは......4話見ないとわかりませんけれども......

 

 

・総括

2期3話「虹」というタイトルは、ある意味では無印2期9話「Snow halation」のように王道の曲を軸に据えて堂々とネタバレしている回のようでありながら、結果的には確実性のある未来や結果が得られるものではありませんでした。

しかしまだ3話なのです、これからまだ10話もの新たな物語が用意されています。

Aqoursはまだ全然完全ではなく、個々の人物の内的な問題も、人間関係も、グループとしての実力もまだまだこれからです。これまでの3話で引っ掛かりやもやもやが解消されなかった部分も、後々の伏線になってくる要素かもしれません。

そこに捕らわれる事なく、これから起こる出来事についてもありのまま受け入れ、思考停止ではなく良い意味でAqoursの物語に没入していく姿勢で楽しんで見届けたいと思います。