あきの忘備録

@YOUsukominの外部記憶装置

『RED GEM WINK』のステージを振り返ってみる話

黒澤ルビィちゃん、お誕生日おめでとう🎉🎂

 

ルビィちゃんの誕生日に乗じて寄せて今更ではありますが、Aqours 3rd LIVE 大阪公演のあとに書いてお蔵入りになってしまった記事の一部を公開させて頂きます。

ライブの感想と振り返りのようなものです。ふりだけにね。

大阪公演の2日目を思い出しながら読んでもらえたら幸いです。

 

 

 

🍭

 

 

 

・プロローグ

 

ライブの感想の前に、大阪公演の前日に私の地元である長野で友人から聞いた話をさせて欲しい。

ラブライブを知らない、別界隈のオタクの女の子から聞いたお話。

 

🍭 

 

ある時その子がオタク友達とカラオケに行ったら、曲が入っていない時のJOYSOUNDの待機映像でAqoursちゃんが出てきたそうな。

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すると彼女の友人が突然、「あたし、ふりりんと同級生なんだよね」って話し始めたんだって。出身高校が同じで、多分クラスは違うんだけど面識はある ぐらいの関係。

「"声がすごいかわいい子がいて、声優志望らしい" って学校でも有名だったみたいなんだけど、多分放送部やってたからかな。(容姿が)可愛いは可愛いけど、学校じゃそこまで目立つタイプの子じゃなかったんだけど......今はこうして、ふりりんが黒澤ルビィ役の声優としてみんなに夢を与える存在になれてるから、すごく良かったなって。」

って、そう話してくれたんだって。

まだ何者でもない、ひとりの夢見る少女だった同級生との、画面越しでの数年ぶりの再会。長野という田舎で素朴な高校時代を過ごした同級生が、いつの間にか夢を叶えて画面の向こう側でキラキラ輝く人になっていた。そんなお話。

 

 

🍭

 

 

ライブの感想に話を戻そう。

舞台は6月17日(日)の大阪城ホール、大阪公演2日目。

ソロ楽曲群パートの2曲目に控えていたそのステージは、前曲『Beginner's Sailing』で青く染まった会場の興奮が冷めやらぬ中、間髪入れずに幕を開けようとしていた。

スタンド席の端に宝石箱が現れると会場は鮮やかなピンク色に彩られ、観客は固唾を飲んでその瞬間を見守った。

 

 

 

・RED GEM WINK

 

宝石箱に仕立て上げられたトロッコをスポットライトが照らすと、箱の中から輝きが解き放たれた。

紛れもなく、"黒澤ルビィ" がそこにいた。

一面ピンク色に染まる会場に現れたその女の子は、ちょっと時代錯誤で派手な、でもたくさんの憧れが込められたアイドル風衣装に身を包み、8000人もの観衆の中に立った。

そして絹擦れのような小気味良い音で、彼女は短く笑い声を上げた。

キュッ とか キャッ とかそんな声だったように思う。箱から飛び出すと観客席があまりに近くて、意図せずに出してしまった声をマイクが拾ってしまったようだが、その愛嬌ある声色は「いまこの瞬間、ここに間違いなく黒澤ルビィがいる」と本能的に直感させるようなものだった。不思議なことに、黒澤ルビィは実在する。

まるで夢のようにイントロが流れ始める。

浮遊感あるシンセのメロディが会場に広がり、リバーブが空間を埋めていく。耳に残るメロディラインに意識が溶けて、現実世界からフェードアウトしていく。

 

ミドルテンポの懐かしい雰囲気のサウンドに乗せて、とびっきりの笑顔を振りまいて、彼女は嬉しそうに歌っていた。キラキラと光るサイリウムの海の中をトロッコが通るたび、盛大な歓声が上がった。彼女のマイクがその声を拾ってしまうほどに大きな歓声が。

私たちはリズムに合わせて身を揺らしながら、その光景を温かく見守った。彼女を照らす眩いスポットライトに照らされて、スタンド席で彼女を迎えるファンの姿が浮かび上がる。誰もが皆、最高の笑顔だった。あのステージを目にした全ての人が、きっと同じように黒澤ルビィに夢中になった。

その光景を見て私は、「あぁ、ルビィちゃんはついに憧れだったスクールアイドルに、"本物のスクールアイドル"になれたんだな」と思うと、涙が止まらなかった。スクールアイドルを夢見た内気な少女が、あの大きな会場でたったひとりで、たくさんの人を照らす輝きになったのだと。みんなに夢を与える存在になったのだと。

 

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同時に、ライブ前日に聞いたふりりんのエピソードが黒澤ルビィの姿と重なった。そんなに目立つタイプじゃないと言われていたひとりの女の子が、声優になるという夢を叶えて、みんなに夢を与えられる人になった姿と。

 

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ふりりんはルビィちゃんと一緒に夢を叶えてきたんだな。と思ったら、もうだめで、さめざめと泣いた。

ふりりんがみんなに愛されてよかった、ルビィちゃんがみんなに愛されてよかった。

 

 

 

🍭

 

 

 

・エピローグ

 

っていうのが大阪公演2日目の翌日に書いたままお蔵入りになってた話なんですけど、この曲に関して浦ラジやインスタ等で裏話が明かされてましたよね。

 

「ソロ曲の演出はそれぞれで色々アイディア出したの?(カンペ)」

そうなんです

「自分たちが本当にやりたい事をやっていいよ、アイディア下さいって言われて」

「叶っちゃったよね、本当にやりたいことが」

 

 第何回か忘れたけどラブライブ!サンシャイン!! Aqours浦の星女学院RADIO!!!より

 

www.instagram.com

 

ルビィちゃんが宝物のように大切にしてきた、スクールアイドルへの憧れ。溢れるほどのキラキラやカワイイが詰め込まれたその気持ちを、その輝きを、宝石箱から解き放ってあげたい。ルビィちゃんの輝きを伝えてあげたい。それがふりりんがこのステージで叶えたかったことだとすれば......

恐らくですが、アニメの中のルビィちゃんが手掛けてきた衣装は「自分ではなく他の誰かに似合う衣装」「自分以外の誰かのために作る衣装」だったように思います。自分自身の趣味嗜好を反映させたデザインはあったとしても、「他の誰でもなく自分が着たい100%自分の好きな衣装」を作ってステージ上で着る機会はなかったのではないでしょうか。

だからこそ、ルビィちゃんが胸の内に秘めていた「好き」や「憧れ」の詰まった衣装で黒澤ルビィとしてステージに立ちたかった、黒澤ルビィをステージに立たせてあげたかった。のではないかな。と、私はそんな風に想像しています。

もしそうだとすれば、ルビィちゃんはふりりんに夢を叶えてもらったことになるのかな、なんて。

 

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「マルと一緒に図書室で過ごしてくれたその子は、とても優しくて、とても思い遣りがあって、でも気にしすぎな子。素晴らしい夢も、キラキラした憧れも、全部胸に閉じ込めてしまう子。その胸の扉を思い切り開いてあげたいと、ずっと思っていた。中に詰まっているいっぱいの光を、世界の隅々まで照らせるような、その輝きを、大空に放ってあげたかった。それが、マルの夢だった。 」

ラブライブ!サンシャイン!!1期4話『ふたりのキモチ』より

アニメの作中で花丸ちゃんがルビィちゃんを想っていたのと同じように、ふりりんも彼女の輝きを解き放ってあげたいと思ったかもしれません。

しかしアニメの中では姉であるダイヤちゃんや親友の花丸ちゃん、そして他のAqoursメンバーのために衣装を作ること、同じ衣装を着ることが彼女にとっての一番の願いであり喜びであったのではないかと思います。

だからこそ、アニメの文脈外に位置するこのソロ楽曲であれば、降幡 愛と黒澤ルビィのふたりで作り上げるステージであれば、ルビィちゃんが胸に閉じ込めたままの光を解き放つことができる。それは他の誰でもなく、恐らくこの世界でふりりんにしか成し得ないことでしょう。

♦️

これは余談ですが、小宮さんもソロ楽曲のステージでは黒澤ダイヤをアニメの文脈から切り離して、「ひとりの女性」として向き合ってコンセプトを作り上げていましたね(どこでその話をしてたかは忘れました)。『WHITE FIRST LOVE』は『RED GEM WINK』と対照的な楽曲になっており、ライブのセトリでも妹から姉へバトンを渡すような流れになっていることを踏まえても、ソロ楽曲の演出を考える際、両者の間で打ち合わせをした上で方向性を決めたであろうことは間違いないでしょう。ここまでキャスト側にステージ演出が委ねられたことは初めてですし、となれば、自分たちにしかできないキャラクターとの向き合い方(小宮さんは親目線だし)からコンセプトが生まれたと考えても不自然ではないかも。

 

🍭

 

ふりりんはこれまで色んな場面で「ルビィとしてステージに立ちたい」「ルビィに追いつきたい」と話していたり、「ルビィの魅力を伝え切れていないんじゃないか」と思っていたと打ち明けていたり、彼女の前方をルビィちゃんが先行しているようなイメージがずっとあったのかな と思うようなエピソードがありましたよね。

世界でいちばん黒澤ルビィを愛し、世界でいちばん直向きに対面してきたであろう彼女だからこそ、ストイックであるが故のその葛藤には終わりはないのかもしれません。

でも、だからこそファンである私は不躾を承知で言いたい。ルビィちゃんもふりりんのおかげで、自分の夢をひとつ叶えることができたんじゃないかな と。

 

 

私はふりりんがルビィちゃんだったからこそ、ふたりがこんなにもたくさんの人から愛される存在になれたのだと確信しているし、ふたりが出会えて本当に良かったなって、大阪公演の2日目のあのステージでめちゃくちゃに実感して、なんかそれがめちゃくちゃ嬉しかったんですよね。そう思えたことが。

 

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なので、これからもずっと、ふたりが手を取り合いながら輝いていていってくれたらいいな と思っています。

 

🍭

 

あ、やべぇ黒澤ルビィ誕に寄せるつもりがふりすこしてしまった......

あんまりルビィちゃんの話してなくて詐欺みたいな記事になってしまったけど、気持ち的にはすごく愛を込めたので受け取ってください♡♡♡

 

 

 

P.S. ルビィちゃん、ハッピーバースデー🍭 

『WATER BLUE NEW WORLD』のヴェールを剥がす。

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渡り鳥はその名の通り、海を渡る鳥だ。

彼女たちは春になると旅立っていく。

誰に飛び方を教わるでもなく、誰に道を教わるでもなく。

しかし彼女たちは迷わない。

なぜなら、"胸に確かなもの"を持って"輝き"を見つめている生き物だから。

 

 

 

 

 

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渡り鳥がなぜ迷わずに、海を渡る旅ができるのか。ご存知ですか。

理由はふたつあります。

 

 

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ひとつめは、彼女たちが"輝き"を追いかけているから。

北斗七星の位置から方角を知る本能を、渡り鳥は持っています。

プラネタリウムという「人の手で作られた星」の下でも、渡り鳥が星の配置で自分の位置を把握していることが確認できた という実験結果も存在するようです。

※ ⭕️が北斗七星 

 

 

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ふたつめは、彼女たちが"ハートの磁石"を握っているから。

渡り鳥は体内コンパスを持っていることで知られています。

胸に確かなものを持っているからこそ、もっと遠くの空へと。

まだ見ぬ場所を目指して旅立つことができます。

 

 

 

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そんな渡り鳥が飛び立つ瞬間を描いたラブライブ!サンシャイン!!2期12話。

雲をも突き抜けて空を目指した10話を経て、12話で立つ決勝の雲海のステージ。彼女たちの頭上に広がる壮大な星空と、Aqoursとの関係をイメージして頂けたでしょうか。

 

 

 

 

 

こんばんは、あきのです。

 

「あと2日。」

 

Aqours 3rd LIVEを前にして「やり残したこと」は何だろう と考えた時に、大好きなあの曲のあの瞬間の解釈を、自分なりの考えを形にして世に送り出しておきたいと思いました。 

ラブライブ!サンシャイン!!2期12話「光の海」劇中歌『WATER BLUE NEW WORLD』

大好きなこの曲を、決勝のライブシーンを、いつも通り自分の好き勝手に言いたい放題で語らせて頂きます。熱い気持ちを誰かと共有したり、自分の軌跡を振り返るようなエモいのを期待された方には「ごめんなさい!」

解釈は拡がっていく、繋がっていく。という寛大な気持ちでお付き合い頂ければ幸いです。

 

 

 

 

 

 

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『WATER BLUE NEW WORLD』の衣装。白鳥がモチーフなのかなと思われた方は多いのではないでしょうか。

私もそのひとりで、バレリーナ風のデザインや、トゥ・シューズ風のパンプスからはバレエ『白鳥の湖』が想起されました。ライブのシーンを改めて見返して頂くとお分り頂けますが、実はダンスの振りやポージングの随所にもクラシックバレエの要素が散りばめられています。

 

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こちらは『白鳥の湖』ではなくバレエ『ジゼル』ですが、こちらの「村娘」の衣装もイメージソースになっていると思われます。

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こちらもバレエ『ジゼル』より、村娘の「ペザント」の衣装。ライブシーンでの覚醒前のまるまりこのイメージソースがこちらだと思われます。こちらは主人公と同じく村娘なのですが、王子に見初められるヒロインではない方の、普通の村娘である所がポイントです。

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村娘の衣装に身を包んでいるのはまるまりこですが、田舎に住む垢抜けない村娘という設定に国木田花丸は非常にしっくり来ます。おさげの髪型も含めて似合いすぎです、まじもんの美少女です。ほんとにかわいい。本当に可愛い。

高槻さん、ヘアメイクさん、再現よろしくお願いします。

 

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こちらが『白鳥の湖』のプリンシパルのオデット。

黒澤姉妹と千歌の衣装のソースですが、黒澤ダイヤに「白」を着せるというわかり手ぶりにスタンディングオベーションです。「重なっては消えてく」の黒澤ダイヤソロパート、小宮有紗さんのバレエ経験が遺憾無く発揮される瞬間を想像してしまいますね。

 

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しかしまぁ何と言っても、"憧れの舞台"で黒澤姉妹がお揃いの衣装を着ているのが、ほんとに、なぁ..........

 

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こちらは『白鳥の湖』の王子様

曜、善子、果南の衣装のデザインの元ネタがこちらですね。

 

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この3人がイケメン担当なのは妙に説得力があります。こういうの待ってた(小声)

え、この曜ちゃんやばない?まじ??これ着んの?髪型も??え??これ斉藤さんがやってくれるのまじ????鎖骨!?!?うせやろ????ありえん。無理だ。誰か助けて。

 

 

 

 

 

 

さて。

ライブシーンの演出や衣装デザインから、キーワードのピースは揃って来ました。しかしながら『白鳥の湖』のストーリーと照らし合わせてみても、残念ながらラブライブ!サンシャイン!!の物語とリンクする点は見つけられませんでした。

  

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そこで私は気付きます。

この衣装や印象的なポージング等は「白鳥」のイメージを表現したものではあるけれど、パフォーマンスの上でのアウトラインに過ぎない。その本質的なメッセージは別に隠されている、と。

 

 

 

そして最大の疑問であったこの部分。

 

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なぜここで桜内なのか。

なぜ寄ってたかって脱がされ内なのか。

 

 

 

その疑問を解く鍵を、私は"白鳥"をフィーチャーした別の物語の中に見つけました。

 

 

 

 

 

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『みにくいアヒルの子』という童話をご存知でしょうか。

 

かの有名なデンマークの童話作家、アンデルセンの作品のひとつです。

私がたどり着いた結論。それは

 

『WATER BLUE NEW WORLD』のライブシーンは『みにくいアヒルの子』のオマージュである。

 

ということです。

世界中で数多く翻訳され、様々な解釈のストーリーが存在するこの物語ですが、ざっくりとあらすじをご紹介させて頂きます。

 

 

とあるアヒル一つだけ見覚えのない卵が混ざっていました。 
それが卵から孵ると、周りは黄色い雛ばかりなのにその雛だけは灰色で他より大きく、また少し首が長かったのです。 
親鳥は彼を「七面鳥の子かもしれない」と考えるも、雛として育てていくことを決めて育て始めます。しかし成長していくにつれ、他の兄弟やアヒルたちは彼を「醜い」とさげすみ、親鳥の目を盗んでは彼を執拗にいじめました。 

この仕打ちに耐えられなくなった雛は、巣を抜け出してほかの鳥の群れへ迎え入れてもらおうとします。 
でもほかの鳥の群れでも同じようにつらく当たられ、追い出されるばかりでした。 
そうしているうちに冬が訪れ、雛は一人さびしく冬を越すことになるのでした。 

とうとう生きることに希望が持てなくなった雛は、白鳥の群れにまぎれて彼らに殺してもらおうと考え、白鳥のいる水辺へと向かいました。 
そして水辺にたどり着いたとき、雛は水面に映った自分の姿をみて驚きました。 
彼はひと冬を越すなかでいつの間にか大人となり、そして見事に美しい白鳥へと成長していたのです。 

こうしてみにくいアヒルの子は、自分の本当の姿を手に入れ、白鳥の群れに迎えてもらえたのでした。 

pixiv百科事典より引用

 

目をお通し頂けましたでしょうか。

あらすじだけでピンと来ない方はこちらのサイトをご参照ください。全編がかわいらしい挿絵付きで公開されていますので、イメージが掴みやすいかと思います。

 

 

 

この作品の「自分の本当の姿に目覚める」というストーリーは、奇しくもラブライブ!サンシャイン!!の物語の根幹を担う、重要なピースのひとつと共通するテーマです。

さらにこのストーリーは、アニメの桜内梨子の姿と重なり合うものになっています。

 

 

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とあるアヒルに一つだけ見覚えのない卵が混ざっていました。 

初っ端から強引に行きますが、「とあるアヒルの巣」を「浦の星女学院」と捉えてみてください。

内浦という人口の少ない小さな田舎町の高校ですから、転校生などそう滅多に来ることはないでしょう。それも都会からやってきた見慣れない制服に身を包んだ美少女となれば尚更、この物語の主人公の「とあるアヒルの巣に一つだけ見覚えのない卵」という境遇が桜内梨子に重なるように思われます。

 

 

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とうとう生きることに希望が持てなくなった雛は、白鳥の群れにまぎれて彼らに殺してもらおうと考え、白鳥のいる水辺へと向かいました。 

 この部分は童話にしてはあまりに凄惨なお話ですが、 残酷で有名なアンデルセンの童話の中ではまだマシな方です。梨子ちゃんの境遇と重ね合わせるにも悲惨すぎるかとは思いますが......メタファーのようなものだと思って頂けると幸いです。

自らを醜い鳥であると思い込んでいたアヒルにとって、純白の羽毛に身を包み大きな翼で空を駆ける白鳥は、まさに自分とは住む世界の違う憧れの存在でした。

ここで登場する「白鳥の群れ」を「Aqours」もしくは「スクールアイドル」と捉えてみてください。梨子は自分のことを地味で目立たないと称していましたし、「こんな私が、スクールアイドルになる日が来るなんて…夢にも思っていなかったけど」なんですよね。

 

そして水辺にたどり着いたとき、雛は水面に映った自分の姿をみて驚きました。 
彼はひと冬を越すなかでいつの間にか大人となり、そして見事に美しい白鳥へと成長していたのです。 

f:id:akino_oniku:20180603074623p:plain「成長って、気付かない間にするもんだよ」 は12話の果南の談。

神田明神の階段を駆け上った後での言葉ですが、自分自身の成長は過去に立ち返った時に初めて気付けるものですよね。

 

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2期12話で梨子は初めて「自分だけのために」音ノ木坂学院に戻ります。

1期12話で音ノ木坂学院に足を運んだ時の梨子も「自分がどんな気持ちになるのか、確かめてみたいの」と話していましたが、2期12話でここを訪れたのも同じことを考えたからでした。

 

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笑ってるんですよね。

「あの頃の自分」にはできなかったことができた。いつの間にか成長することができた自分の姿を確認します。

 

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彼はひと冬を越すなかでいつの間にか大人となり、そして見事に美しい白鳥へと成長していたのです。 

かくして、ひとりの少女が自分の本当の姿に目覚めていくシンデレラストーリーがクライマックスを迎えます。言うなれば、桜内梨子を主人公として据えたサンシャインストーリーの大団円とも呼ぶことができるでしょう。 


ラブライブ!決勝戦で披露された『WATER BLUE NEW WORLD』で、リーダーにしてセンターの高海千歌ではなく、敢えての桜内梨子が最大の見せ場を担った経緯が少しでも伝わりましたでしょうか。

 

 

 

🍳🐣🐥🐦🐔🐓🍳

 

 

 

・・・多分あんまり伝わってないかと思いますので、徹底的に掘り下げて検証してみます。

 

まずは12話を振り返ってみましょう。

 

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「全力を出し切れますように」

神田明神での「お祈り」のシーン。全力を出し切るために必要なのは「いま」に対する迷いを捨て「いま」に自分の全てを懸けること。

 

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「私たち、ラブライブに優勝して、浦の星の名を残して、それでいいんだよね.....?それで」

しかしこの後のシーンでは千歌の「迷い」に対して、梨子も他のメンバーと同じく何も言葉を返すことができませんでした。

 

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「行きたかった?音ノ木坂」

「そうなの?」

「......ちょっぴりね。今だから確かめたいことや、気持ちもあるんだけどね」

ここが重要なポイントですね。

ラブライブ!における「今だから」には必ず本質が隠されています。では梨子が思う「今だから確かめたいこと、今だから確かめたい気持ち」とは何だったのでしょうか。

それを知るために、さらに時系列を遡って彼女の軌跡を辿ってみます。

 

 

 

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「音ノ木坂が嫌いなわけじゃないの。ただ、期待に応えなきゃって、いつもは練習ばかりしてて。でも結局、大会ではうまくいかなくて」

梨子が1期7話で音ノ木坂に行こうと提案された時に「ごめん、私はいい」と真っ向から拒否したのは、まだ「自分らしいピアノ」と「ピアノを好きな自分」を取り戻せておらず、つまりピアノと向き合うことができていなかったからでした。

この時の彼女にとっての「音ノ木坂」とは「自分の輝きを見失った場所」であり、乗り越えられずにいる過去の象徴でした。

 

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「ピアノ、ちゃんとできたからかな。今はちょっと行ってみたい。自分がどんな気持ちになるのか、確かめてみたいの」

対して1期12話での梨子は「ねえ、音ノ木坂、行ってみない?」 と、自分から音ノ木坂を訪れることを提案しています。自分自身のためという目的も勿論あったはずですが、ここではAqoursが前に進むために決断したことの方が動機としては大きいでしょう。

そしてここでの梨子の自分がどんな気持ちになるのか、確かめてみたいの」という、自分自身への問いかけに対する答えは

「ここに来て、はっきりわかった。わたし、この学校好きだったんだなって」

 でした。つまり彼女が確かめたかった、掴みたかった答えとは「過去の自分を肯定できていること」。一度はピアノと向き合うことができずに逃げてしまった彼女でしたが、千歌に誘われてAqoursに加入したことをきっかけに、再びピアノと向き合い、自分らしい音を取り戻すまで至ることができました。

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苦しみ続けた過去はあったけれど、その過去があったからこそ今がある。全ての出会いに意味がある。

だからこその「ありがとうございました!」なんですよね。

 

 

 

「今はちょっと行ってみたい。自分がどんな気持ちになるのか、確かめてみたいの」

 1期12話「はばたきのとき」

「......ちょっぴりね。今だから確かめたいことや、気持ちもあるんだけどね」 

 2期12話「光の海」

さて、1期12話で梨子が「過去の自分を肯定」するに至った経緯はこれで掴めました。では後者の梨子の「確かめたいこと」とは一体何だったのでしょうか。

時系列を2期12話に戻します。

 

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柔らかな日差しを背に、ふわりとカーテンを揺らす風を受けながら穏やかな表情でピアノを演奏する梨子。

 

一見するとシンプルに「ピアノを好きな気持ち」こそが「今だから確かめたい気持ち」であるように思えるシーンですよね。

勿論それもあるはずです。しかし、敢えて音ノ木坂に来てまで「過去を乗り越えたことを確かめたい」と考えたのであれば、音ノ木坂に在学していた頃に演奏できなかった曲である『海に還るもの』を弾くはずなのです。

このシーンで梨子が弾いている曲は『想いよひとつになれ』です。

なぜ音ノ木坂学院に足を運んでまで弾いた曲が『海に還るもの』ではなかったのか。それを紐解いてみたいと思います。

 

 

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「わたし、ピアノで曲を作ってるの。でも、どうしても海の曲のイメージが湧かなくて......。」 

1期1話「輝きたい!」 

音ノ木坂学院在学中のコンクールで鍵盤に触れることさえできず、弾くことができなかった曲は『海に還るもの』。つまり在学中の時点で恐らく譜面は完成しており、上記の発言は作曲のイメージが沸かないのではなく、ピアノを演奏する上での表現方法のイメージが沸かない、という意味だと解釈することができます。 

 

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「うん、ちゃんと弾けたよ。探していた曲が、弾けた気がする」

 1期12話「はばたきのとき」

コンクールの結果として梨子は優勝のトロフィーを手にしていますが、もちろん彼女にとっての「ちゃんと弾けた」とは「成績を残した」という結果ではなく「探し求めていた自分らしい音」「自分らしい海の音の表現」を掴むことですね。

中学生の頃にコンクールで全国大会に出場した梨子は、音楽の名門校である国立音ノ木坂学院でも期待されるほどのホープでした。しかし周囲から結果を期待されることで、自分らしい表現、自分らしいピアノの在り方を見失ってしまったのではないかと思われます。

 

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「ここだったら思いっきり弾いても大丈夫だから」

「梨子ちゃんが自分で考えて、悩んで、一生懸命気持ち込めて作った曲でしょ。聴いてみたくて。」

 1期10話「シャイ煮はじめました」より

そのことを「分かって」いた千歌は、自分以外に誰も観客がいないステージを用意した上で、ピアノの技術的な巧拙ではなく、曲に込められた梨子の思い、等身大の梨子自身と向き合おうとします。対する梨子の答えは 

 

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「そんな、いい曲じゃないよ......」

梨子が『海に還るもの』という曲を作った時、彼女は暗い海中で光を見失って足掻いていたのだと想像されます。そんな孤独な胸中が反映されて生まれた曲がこの曲だったのでしょう。 光の届かない海底でひとり、彼女は「輝き方」を探し続けていました。

「いい曲だね。すっごくいい曲だよ、梨子ちゃんがいっぱい詰まった」

 そんな梨子の苦しみも、ピアノに懸ける想いも、ぐちゃぐちゃの感情を全部ひっくるめて千歌は「いい曲だね」と。梨子の前で肯定してみせます。『海に還るもの』は過去の梨子の写し鏡のような存在。その曲を、そして梨子の過去そのものを肯定したのは千歌でした。

 

『海に還るもの』を聴いた後の千歌が作詞し、その作詞をもとに梨子が生み出した曲が『想いよひとつになれ』ですが、この曲には『海に還るもの』と共通のメロディが使用されています。でありながら、双方の楽曲のイメージは全く異なる、というより真逆の方向性であるように思われます。

前者は「どこにいても同じ明日を信じてる」という「未来」への意思が歌われ曲ですが、後者は「海に還る」なので「生命の根源に還る」、つまり「過去」へと思いが馳せられています。(生まれ直し、死と再生という解釈はここでは取り扱いません)

この変化はどこから来たのか。

それは恐らく、千歌によって梨子の肯定がなされた事にあるのではないでしょうか。 

 

 

 

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彼女はずっと孤独だったはずです。

練習ばかりしていた音ノ木坂での日々。特別扱いされ、無責任な期待を投げられ、誰にも理解されず、苦悩を打ち明ける相手もいない。そうでなければ海辺の田舎町に転校までするには至らなかったでしょう。

しかし、彼女にとってはピアノだけが全てだった。だからこそ音ノ木坂という環境から逃げても、彼女にとってピアノは自分そのもの。どんなに逃げても、自分自身からは逃げられなかった。

 

 

そんな梨子に、なぜか手を差し伸べてくれる人が現れます

自分のことを何も知らない、ピアノのことも何も知らない女の子

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「変わるよ、きっと」

「簡単に言わないでよ」

何も知らないくせに。

 

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「ただ、期待に応えなきゃって、いつも練習ばかりしてて」

「でも結局、大会ではうまくいかなくて」

「期待されるって、どういう気持ちなんだろうね」

「ごめんね、全然関係ない話して」 

何も知らないくせに、気持ちに寄り添おうとしてくれる人。

 

 

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いい曲じゃないよ

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探していた音

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探していた音

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探していた音

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探していた音
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探していた音

私は思います。

梨子がずっと探していたのは、「自分ひとりじゃなくて、誰かと手を取り合い、みんなと一緒に輝く」ということだったのではないでしょうか。

だからこそ、2期12話で再度音ノ木坂を訪れた彼女が弾いた曲は『海に還るもの』ではなく『想いよひとつになれ』だったのだと思います。ピアノという自分だけの世界に生きてきた、孤高の存在であった彼女だからこそ同じ感情を分かち合える仲間が欲しかった。だからこそ、「君と僕との つながりを探してた」という歌詞に共感したのだと。

 

『想いよひとつになれ』は千歌たちとの出会いがなければ生まれなかった曲です。

その「出会い」という過去を経ての「いま」の気持ちを確かめるためには、梨子が音ノ木坂学院で弾く曲は『海に還るもの』ではなく『想いよひとつになれ』でなければならなかった。

 

つまり、1期12話で音ノ木坂学院を訪れた梨子が確かめたことは「ピアノの道を選んだ過去の肯定」であり、2期12話で再度訪れた梨子が確かめたかったことは「スクールアイドルの道を選んだ過去の肯定」。

 

1期12話で梨子が「ピアノの道を選んだ過去を肯定」できたのは、再び出場したピアノコンクールで『海に還るもの』を演奏することで「探していた音」を見つけ、音ノ木坂学院在学中には期待に応えられなかったことへの負い目を、コンクール優勝という結果で挽回できたから。

その経緯を踏まえると、

2期12話で梨子が「スクールアイドルの道を選んだ過去を肯定」するために必要なのは、再びラブライブ!のステージに立ち、ライブの中で「自分たちだけの輝き」を見つけ、廃校を阻止できず残せなかった浦の星女学院を、ラブライブ優勝という形でその名を残す。

ということになります。

 

つまり彼女は自身の過去の経験から、「ラブライブ!では絶対に勝たなければならない」という答えに行き着くのが必然なのです。

そう。まさにそれこそが

 

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「あたし、自分が選んだ道が間違ってなかったって、心の底から思えた。つらくてピアノから逃げた私を救ってくれた、千歌ちゃんたちとの出会いこそが、奇跡だったんだって。だから勝ちたい、ラブライブで勝ちたい。」

「この道で良かったんだって証明したい。いまを精一杯全力で、心から。スクールアイドルをやりたい!!」

 

全ての軌跡がこの瞬間に繋がります。

「出会い」から始まった軌跡を輝かせるのは「いまの自分」。

あらゆる迷いを振り切って「いま」を「精一杯全力で」輝こうとすることで、梨子にとっての「世界」が変わったのです。

それこそが「MY NEW WORLD」を意味します。

 

 

 

そしてこの記事がここに辿り着いたことの意味、それは

 

 

 

叫べ青春!!桜内♡

恥ずかしいのは一瞬だから大丈夫♡♡

 

 

つまり

 

 

#もっと大きく夢を叫ぼうか

 

ということです。全てに意味がある。

この素敵な企画を発案してくださった生春さん、そしてこの企画に参加された全ての皆様にお礼を申し上げます。本当に、ありがとうございました!!  

 

最後に、私がAqours 3rd LIVEに懸ける気持ちを叫んでこの記事を締めたいと思います。

  

「心から、ラブライブ!が大好きだ!!」

 

そして

 

「起きること全てを受け止めて、全てを楽しむ」

 

ただそれだけです。

 

「いま」を全力で楽しむからこそ、今日までの軌跡が輝き出す。

「いま」を全力で輝くことで、出会いの全てが奇跡となる。

Aqoursがいたから「みんな」と出会えて、

「みんな」と出会えたからこそ「いまの自分」がある。

共に輝きを追いかけて、共に輝こうとする仲間がいる。

それだけで「何もなかった」自分からは変われたような気がします。

 

羽根は受け取りました。

 

あとは輝くだけ。

 

真っ白だった羽根が自分だけの色に染まるように。

 

 

 

心から、ラブライブ!サンシャイン!!が大好きだ!! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私ね、わかった気がするの

あの時、どうして梨子ちゃんがスクールアイドルをやりたいって言ったのか

スクールアイドルじゃなきゃだめなのか

梨子ちゃんにとって輝くということは自分ひとりじゃなくて、誰かと手を取り合い、みんなと一緒に輝くことなんだよね

私や千歌ちゃんや、普通の皆が集まってひとりじゃとても作れない大きな輝きを作る

その輝きが学校や聞いてる人に拡がっていく。繋がっていく…

それが、梨子ちゃんがやりたかったこと。

スクールアイドルの中に見つけた、輝きなんだ。

 

 

 

私ね。

 

 

 

 梨子ちゃんのことが

 

 

 

 

 

 

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だーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーいすき!!!!!!!!!!!!!

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ほらね 本当は 

一緒だったよ気持ちはね

 

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LoveLive!Sunshine!!Aqours 3rd LoveLive! Tour

〜WONDERFUL STORIES〜

開幕まで、あと2

 

イマを重ね そして ミライへ向かおう

輝きはどこにある

雑記です。

3rd LIVEの前に思考を整理するために吐き出しました。

振り返りとこれからと、について。 

 

  

  

 

 

 

・指輪

μ'sの輝き。眩い光を放つその瞬間は『MOMENT RING』という指輪へと閉じ込められたことで永遠の存在となった。指輪の台座に留められた輝石は奇跡の象徴。またリングは誓約の象徴であり、円環のモチーフは永遠のループを想起させるもの。

指にきらめくその輝きを、私たちはいつでも眺めては幸せを感じたり、感傷に浸ったりすることができる。

μ's FINAL LIVEから2年もの月日が流れた今でも、メディアミックスのラブライブ!の世界では同じ時間軸のループが続いていて、彼女たちは今でもスクールアイドルを続けている。

現実世界に存在するμ'sには時間を止めることはできない、しかしアニメの中の世界でならそれは可能だ。彼女たちを永遠に高校から卒業させずに、同じ時系列のままで時の流れを止めることもできる。

「時間は止められないと知って 君と早く会いたかったよ」

しかしラブライブ!は敢えてそれをしなかった。「時を巻き戻してみるかい?」という問いに対しても「No」と答え、自ら時を進めることを選んだ。だからこそ、μ'sは自分たちの輝きだけをリングへと閉じ込めて、自分たちは未来へと飛び立って行った......。

「μ'sの輝き」は今も私たちと共にある。しかし、今を生きることを選び続けてきた彼女たちの実体はそこにはない。さよならにさよならを告げて旅立って行った9人の女神は、今も自分たちだけの道を思うがままに進み続けているはず。いつの日か、円環の先で再び「みんな」と出会う時が来ると信じて。

 

 

 ・アクアリウム

 

テレビアニメが始まる以前にリリースされた『恋になりたいAQUARIUM』。アニメの物語との直接的な関係はない。1stシングルがAqoursというグループにとって名刺だとすれば、2ndシングルであるこの曲は自己紹介のような立ち位置に当たるだろうか。まだ何者でもなく輪郭がはっきりしていなかったAqoursというグループの、カラーやイメージを鮮烈に印象付けたこの曲。

『MOMENT RING』ではμ'sは輝きを、指輪という半永久的に存在できる無機質な物の中に閉じ込めた。対するAqoursの輝きは、アクアリウムの中に。"いま"という時間が流れ続ける、"瞬間"ではなく現在進行形の、いまを生きる輝きとして水槽に閉じ込められた。

アクアリウムは人の手によって作られる水中の楽園だ。第1回センター選挙で主役を選ぶというかたちで、「みんな」である私たちはアクアリウムに介入することを許されている。また、私たちの立ち位置はAqoursの9人が閉じ込められた水槽を外側から眺める視点でありながら、水槽の向こう側の彼女たちは「あ・そ・び・ま・しょう」と呼びかけてくる。1stシングルに続く物語への誘い。

思い返せばアニメシリーズのラストシーンは、ステージの幕が降りる形で文字通りの幕引きとなったが、奇しくも同曲の歌い出しは「空色カーテン Open!」だった。

 

 

 

・スノードーム

 

「もうひとつのスクールアイドル」としてアニメに登場したSaint Snow。北海道という北国で生まれ育ち、活動してきた彼女たちを象徴するモチーフとして存在するスノードーム。雪という有限の儚い輝きを放つ存在を、半永久的に閉じ込めておくことができるこのモチーフ。「アクアリウム」よりは「リング」に近い在り方ではあるものの、常に身につけて眺めていられる距離感のものではない。容易に手で触れることも許されず、鹿角姉妹以外の人の目に触れる機会もないこのオブジェは、Saint Snowの名に相応しく高貴で孤高な存在だ。

残念ながらこのモチーフを題材にした楽曲は存在していない。だが、秋頃にリリースされるであろう第三弾のユニットシングルのタイミングで、Saint Snowの新曲発売もワンチャンあるかもしれない。あるいは、劇場版でのAqours ✖️ Saint Snowの再共演を経てのコラボシングルのCP曲で......という期待。

 

 

 

・虹

 

Aqoursのファーストシングル『君のこころは輝いてるかい?』は言ってしまえばAqou初心表明のような意味合いが強い楽曲だったと思う。

彼女たちの初期衝動を詰め込んだようなこの楽曲が、航海の出発地点の座標として存在することには特別な意義がある。

行き先さえも決めずに出航した彼女たちが道に迷った時。振り返れば進み続けてきた道のりだけが白地図に記されていて、そこには確かな軌跡だけが存在し、この曲の存在がAqoursに現在地を教えてくれる。

風向きが悪い日や潮流に乗れない日にも、辿り着く先もわからない無謀な航海を続けることの意味。自分たちの意思で選び、進んできた道のりだからこその正しさ。

「君のこころは輝いてるかい?」という問いかけに対し、Aqoursもまた「Yes!!」と答え続けていくことで、自分たち自身の背中をも押していく。根拠によって肯定されるのではなく、根拠もなく肯定していくことこそが、真に自分たちが意思の力で前進していくことへの原動力となる。

できるのか?それが自分に?

3rd LIVEではアニメ2期の文脈というパワーまで付与された同曲が披露される。『Yes!!』と答えられるのか、この先もそう答えていけるのか。「みんな」である私たちに課せられた人生の命題にして、倒すべき宿命の敵ですらあるように感じてしまう。この問いかけに対して、もっと親しみを持って前向きに付き合っていくことはできないのだろうか。

自己肯定の究極の本質は、自身の中に肯定の要素を見出すことではなく、何も持たずまた何者でもない真っ白な自分を肯定していくことにある。つまり「君が君であろうとしてるチカラ」。ゼロ地点の点として存在する『君のこころは輝いてるかい?』から始まった軌跡の延長上にある点が『勇気はどこに?君の胸に!』。

 

 

 

・君が君であろうとしてるチカラ

 

『勇気はどこに?君の胸に!』、アニメ2期EDテーマ曲。ということは、極端なことを言えば3rd LIVEのどのタイミングでぶつけられても一応の整合性が取れてしまう楽曲であるが故に、どこで来るのか読めず恐ろしい爆弾であるということ。11話の流れで来るのか、でも幕張ファンミで既にTVサイズはやっているし、でもあの振り付けを見る限りではトロッコを想定した振りのように思えるからアンコールで来るのか。若しくは2度歌う可能性も否定はできない。

 

とにかくだ、一切の自己否定を許さず完膚なきまでに肯定を叩きつけてくるこの曲を、泣いても笑っても3rdでAqoursと共に歌う未来が確定している。

心に嘘をつかずにこの曲を全力で歌うことができなかったら、ラブライブ!サンシャイン!!のオタクとして大切なものを失うかもしれない。きっと後悔する。それでもAqoursは何度でも失敗して良い、何度でも追いかけようって背中を叩いてくる。だからたとえ、無理だできねぇって心折れてボロ泣きして、クソダセェ姿晒しながらだって必死に歌うしかないのだ。きっと歌えずにライブを終えるよりは、その方がずっと良いはず。

 

 

 

だから僕らは がんばって挑戦だよね。

君のこころが輝いていますように

しばらく「虹」のことを考えていました。

 

3話OP明けの冒頭シーン。

 

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みんなで輪になって地図を囲んでるんですけど、「なんで鞠莉ちゃんぽつんと独りで突っ立ってるん??」って、放送当時はピンと来てなかったんですよね。

 

 

敬虔なる読者の方々は0.2秒でお気付きになられていたでしょうけれど、そうですね。

 

 

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Aqours 1st シングル『君のこころは輝いてるかい?』のジャケットと、MVを踏襲したカットでしたね。

 

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なぜ突然、今さらこんな話を始めたかと言いますと

 

 

 

 

 

私、つい先ほど (2018年4月16日19時頃)

初めて、ちゃんとフルで『君ここ』のMVを観ました。

 

 

 

まじで胸がドキドキしました。めちゃくちゃ良いMVでした。

 

 

これがAqoursか!!これがラブライブ!サンシャイン!!なのかー!!

ここから彼女たちの物語が始まるんだな!!ワクワクする!!!!

 

 

って気持ちになりましたし、

 

 

アニメ映像でこんなに鼓動が高鳴ったのは、ラブライブ!サンシャイン!!2期を観た時以来でしたね。

 

 

 

いやお前、何言ってんだ。発売から2年半経ってるぞ。

色々とおかしいだろ、って声が聞こえてきますが続けますね。

 

 

私、当時はラブライブ!サンシャイン!!に全く興味が無かったので、アニメ1期からAqoursに触れるようになったんですね。だから何となく機会を逃していたというか、PV自体はいろんな所で目にしてきたし、敢えてフル尺を真剣に観る機会もなかったんです。自分でも不思議ですけど。

 

 

 

今さらな時系列でこのMVに触れても、ここまで心を動かされることができるんだなって、2年半遅れで新鮮な気持ちを感じています。

だから、今からラブライブ!サンシャイン!!とAqoursを知って、そして好きになってくれる人がいても良い。全然遅くない、むしろ今だからこそ、みたいな気持ちになっています。

 

 

"今しかないこの瞬間"だからこそ、過去を取り戻す必要なんてないんです。

出会いの瞬間こそがその人にとっての"今"なのだから、アニメや中の人の活動の時系列なんてどうでもいい。

そこからその人の軌跡は始まっていくのだから、

 

 

そらまるもこう言ってるしなっ!

 

 

 

とは言っても、

布教する時にいきなりアニメ1期とか無印とかから勧めるとちょっと重いので、まず『君ここ』のMVから入ってもらうとサンシャインへの導入がスムーズなんじゃないかと。

というか、曲が良いとか、物語が良いとかそういうのよりも作品の世界観、空気感に触れてもらうのが一番手っ取り早く伝わるんじゃないか と思います。

 

 

 

きっかけはなんでもいいから

いっしょにときめきを探そうよ

 

 

 

ってことです。

 

 

 

 

 

初心に帰りたくなりました。

 

 

 

最近ずっと思っていたこと。

 

 

アニメ2期が幕を閉じ、プロジェクト・ラブライブ!サンシャイン!!のアニメシリーズはひとまずの完結となりました。

アニメコンテンツとしては、恐らく1〜1年半後の劇場版を残すのみ。

2期放送時の頃に巻き起こっていた熱狂は喉元を過ぎ、ラブライブ!そのものへの熱量を失ってしまった人が少なくないように思います。

また、あんなにも夢中になっていた頃の輝きを失ってしまった自分自身に対して失望を感じている人も少なくはないでしょう。

 

「君のこころは輝いてるかい?」

 

振り返るたびに、いつだって彼女たちは問い掛けてきます。

 

「"Yes!!"」 

 

そう答えたはずの過去の自分に対して、後ろめたさを感じてはいませんか。

 

延いては

 

「いまが最高!!」

 

そう高らかに叫んだあの頃の自分に対しても。

 

 

 

いま、胸を張って同じことが言えますか。

 

 

 

あなたのこころは、輝いていますか。

 

 

 

 

 

 

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そんなあなたに、私からひとつ提案があります。

 

 

 

 

 

 

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いっしょにときめきを探そうよ!

 

 

 

もうお分かりですね?

 

そう、答えはいたってシンプルです。

 

 

 

 

 

 

 

渡辺曜ちゃんを、すこれ。

 

 

こまけぇこたぁいいから、すこれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いいから すこれ。

 

 

 

 

 

渡辺曜ちゃんをすこるのに、難しいことを考える必要はありません!

 

 

 

いいですか?

 

考えるな。

 

感じろ。

 

渡辺曜ちゃんを感じろ。

 

 

 

 

(えーそうは言ってもー)

 

(渡辺曜ちゃんって2期だと全然喋らないしー)

 

(なんか空気じゃんー??)

 

 

 

 

 

いいから感じろ。

 

 

 

 

 

ダイジョウブ!!

 

曜すこ初心者のあなたでも、『君ここ』のMVを観れば曜ちゃんのことは大体わかります。

 

 

ここにフル尺のMVのリンクをご用意いたしました。

 

1分47秒からの渡辺曜ちゃんにご注目ください。

 

 

 

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いっ

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しょ

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にっ


 

いっしょにときめきを探そうよ」の「いっしょに」の部分を歌ってますね。

最高にかわいいですね。

 

 

これが渡辺曜ちゃんです。

 



まだピンと来てない方のために、もう1曲渡辺曜ちゃんを感じられる楽曲をご紹介いたします。

 

 

 

曜すこ民待望の曜ソロ、『Beginner's Sailing』です。

再生ボタン押した瞬間に「いっしょに Sailing」って歌ってますね。

 

 

これが渡辺曜ちゃんです。

 

 

この曲のラストでは「みんなもいっしょにーーーいっくよーーーーー!!!!」と、元気いっぱいに全速前進の号令を叫ぶ曜ちゃんを感じることができますが、そもそも「ヨーソロー」とは

 

航海用語で船を直進させることを意味する操舵号令である。by wikipwdia。

 

言うまでもなく、かける相手がいなければ号令は発することができないんですよね。

 

 

 

少し脱線しますが、アニメ1期11話「友情ヨーソロー」では

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「千歌ちゃんにとって輝くということは自分ひとりじゃなくて、誰かと手を取り合い、みんなと一緒に輝くことなんだよね」

という曜ちゃんの台詞が登場します。

梨子ちゃんの助けで千歌ちゃんの気持ちに気付くことができた曜ちゃんでしたが、曜ちゃんも同じ価値観を持っていたんですよね。だからこそ、そこに言葉は必要なかった。

 

深く考えるより、直感を信じる曜ちゃんらしい答えでしたね。

 

そんな曜ちゃんを感じられる楽曲を、駄目押しでもう1曲だけご紹介したいと思います。

 

 

 

はい。皆様ご存知の『スリリング・ワンウェイ』ですね。

視聴サイズでは肝心のパートを聴くことができませんが、そこは脳内再生でお願いいたします。

 

いきますよ?

 

 

 

「生きる熱さを感じたいだけさあああああああああああああああああああ!!!!!!!!」

 

 

 

はい。

 

渡辺曜ちゃんソロパートを脳内でお聴き頂けたかと思いますが、彼女の主張はめちゃめちゃシンプルですね。要はそういうことです。

 

渡辺曜ちゃんっていうのは、つまりそういうことです。

 

 

 

感じろ、生きる熱さを。

 

 

 

 

 

最後に『Beginner's Sailing』の歌詞を引用してこの記事を締めたいと思います。

 

曜ちゃんはこう歌ってくれています。

 

笑わないよ!
キモチだけでもいいんじゃない?
最初はできないことだらけ
大事なのは「好き」になる情熱です!

 

未だ何者でもない自分を「いいんだよ」って肯定してくれて、「いっしょに」って手を差し伸べてくれる。人生という航海において、何度でも「Beginner」であることを勇気付けてくれて、そしていつでもいっしょに旅をしてくれる。"君が君であろうとしてるチカラ"を強く支えてくれる。渡辺曜ちゃんは、そういう子です。

 

君に出会わなければ、今の自分とも出会えなかった。

生まれてきてくれて、そして私と出会ってくれて、さらにたくさんの出会いと繋がりを与えてくれた君に、全速前進、ありったけの愛と感謝を込めて。

 

 

渡辺曜ちゃん、お誕生日おめでとう。

君のこれからの航海も、輝きに満ちたものでありますように。

シャイニーを探しに行ってきた話

 あきのです(*> ᴗ •*)ゞ

 

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 「輝きって一体、どこから来るんだろう」

 

 そんな千歌の、夢の中の回想から始まったラブライブ!サンシャイン!!2期。

 「輝き」を探して走りつづけたAqoursの物語は、とうとう夢の終わりを迎えようとしています。「ずっと一緒にいられますように」そんな淡い願いを胸に、束の間の夢の中で「輝き」を探した彼女たちは何を見付けたのでしょうか。

 そんなラブライブ!サンシャイン!!2期10話「シャイニーを探して」。

 

 

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 千歌が雨の向こう側に見付けた「星」が何だったのか。

 私はそれが知りたくなり、友人のれてぃ氏と共に10話放送の翌々日に沼津へと足を運びました。

というか連れて行ってもらいました。主に助手席で延々と渡辺曜ちゃんの話をしたり居眠りしたり渡辺曜ちゃんの話をしたりしました。

 

 

 

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 10話のラストシーンの舞台となった「西伊豆スカイライン土肥駐車場」。

 実際の地図と照らし合わせてみると、高海家である安田屋旅館からはこのようなルートを使ったであろうことが推測されます。当日は別ルートを使用しましたが、西伊豆スカイラインの峠道に入ってからは一本道なので、山道に入ってからは同じルートです。

 

 

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 千歌が窓の向こうの「星」の存在に気付き、鞠莉がY字路で左方向に進路を変更したシーンがこちらです。進路を変更する前には海沿いの道を走っている描写もありましたし、航空写真と比較しても概ね一致するように思われます。他に道がなさそうなことから考えても、このルートで間違いないのではないかと推測されます。

 

 

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 上記の地図をご覧いただければお分かりの通り、西伊豆スカイラインの峠道は想像以上に過酷でえげつないカーブの連続でした。一応二車線ではありますが路幅は決して広くはなく、対向車がセンターラインをオーバーしてきてヒヤッとする場面もありました。走り屋やロードバイクが下ってくることもあり、運転には十分な注意が必要です。初心者にはおすすめできません。

 

 

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 鞠莉は「(運転は)もうすっかり慣れてるから、心配しないでね」と豪語していましたが、あのクラッチ操作の様子から察するに......お察し ですよね。灯りの少ない暗い峠道を、それもあの大きさのMT車で初心者が走るのは普通に考えれば怖いはずです。そこはさすが鞠莉ちゃんといったところでしょうか、Aqoursのみんなといっしょだからこそできた冒険だったのだろうなぁ、と感慨深かったです。
 

 高校生の彼女たちにとって、鞠莉が運転する車で行き先も決めない夜のドライブなんて、それはもう非日常のハラハラ・ワクワクが詰まった大冒険だったことでしょう。飛行機でひょいっと北海道まで行ってしまうような彼女たちが、たかだか片道1時間ほどのドライブをまるで、船で大海原に漕ぎ出すかのような大冒険に感じている様子。それが私には愛おしくてたまらなかったです。

 

 

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 「まさか果南を乗せて走る日が来るなんて」と鞠莉は話していましたが、幼い頃からずっと一緒に過ごしてきた彼女たちにとって、ずっと身近にいる人が大人になっていく という確かな実感は得がたいものだったのかもしれません。

 ふとした日常の変化に、自分たちが「あの頃」から随分遠くまで来てしまった、と気付いたあのシーンが、私にはどうしようもなく切なく感じられてしまいました。それは終わりが来ることと向き合い、その中で精一杯の輝きを放つ物語だからこそ美しいと、そう理解していたはずの自分からは想像できなかった感情でした。

 

 私はいつの間にか、彼女たちの日常にずっと触れていたいと願ってしまうほどに深く思い入れ、愛着が湧いてしまっていたようです。「祝福しましょう、ふたりの新しい羽ばたきに」という9話ラストのダイヤの言葉が刺さります。

 

 

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 そんな鞠莉の運転席のダッシュボードには、地図ではなく星座早見盤が置かれていました。

 

 ハートの磁石をにぎって走る

 いまは 楽しいんだ それが!

(ずっといっしょに行こう)

 

 『未来の僕らは知ってるよ』の歌詞を思わせるモチーフですよね。星座早見盤は方位磁石の指し示す方角に合わせて使うものですが、彼女たちはハートの磁石をにぎってこころが輝く方へと向かいます。行き先も決めずに「輝き」を探して走る彼女たちに地図は必要ありませんでした。

 

 

 

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 そんな彼女たちが「星」を探して辿り着いたのは、西伊豆スカイラインの標高800m地点に位置する土肥駐車場。

 彼女たちが辿り着いたこの場所には一体どんな意味があったのか。それを確かめたく思い、彼女たちと違って日中ではありましたが私たちもこの場所を訪れました。



 

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 海側に面した切り立った斜面に位置するこの場所は、標高800mから海への展望が広がった絶好のロケーションになっています。作中では空は雲に覆われていましたが、日中はどこまでも広がる海と空の境界線を一望することができます。

 そして何と言っても、驚くほどに雲が低い。海の上に浮かぶ雲が自分と同じ目線か、それよりも下にあるかのように錯覚するような光景が眼前に広がります。

 

 

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 作中ではバスは雨雲を突き抜けて、雲の上に輝く星空へと飛翔しました。こころの羽ばたきは止まることを知らず、どこまでだって進んで行ける。そんなシーンもあながち夢ではないのでは、と思ってしまうような、そんな景色でした。大袈裟と思われるでしょうけれども。

 

 

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 写真撮るの下手くそでよくわかりませんね。この日は強い低気圧が接近していた影響で海から山へ登ってくる風がとても強く、車のハンドルが取られるほどの強風が吹き荒れていました。下から上へ上へと吹き上がってくる潮風は、私にはまるでAqoursの背中を押す追い風であるかのように感じられました。幼い頃の3年生組と同じように、ただひたすらに上を目指して車を走らせた彼女たちを思わせるような、そんな風が。

 制作陣が2期の舞台のロケーションを探した際にもきっと、この場所を訪れたことでしょう。酒井監督もこの風を感じてAqoursの姿を思い描いたのではないかな、などと想像しました。

 

 パノラマビューはれてぃ氏のこちらの動画をご覧ください。

 

 

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 山頂にほど近いこの場所はその名の通りただの駐車場で、ドライビングコースの休憩地点になっています。申し分程度に屋根のある休憩場所はありますが、他には本当に何もない只のだだっ広い駐車場です。

 

 実際に足を運んでみた最初の印象は、なぜ「ここ」なんだろう?でした。

 

 海が一望でき、空がほど近いロケーションならば他にも名所はあったはずです。しかも近くの山の頂よりも100〜200mほど標高が低く、中途半端なこの地点。2期のこれまでの物語で要所となるシーンでは、何度も「いちばん高い場所」が象徴的に登場していたにも関わらず、です。

 バスが空を飛んだ先で辿り着いた場所であれば、もっと高い頂を作品の舞台に選んでも良かったはずなのです。

 

 

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 しかし千歌は確かに窓の向こうの景色に「星」を見つけ、確かな意思でAqoursの向かう進路を変更しました。「星」は千歌のこころの中の景色にだけ存在した、輝きの象徴としての幻だったのでしょうか。

 

 

 

 

 戸惑いつつも私たちは駐車場に車を停め、例のあのシーンの場所に歩みを進めました。

 

 

 

 

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 アニメの作中と寸分違わぬ、紛れもなく全く同じ景色がそこにはありました。

 千歌や他の9人が降り立ったその場所は確かに、ただ静かに海を背にして存在していました。

 

 

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 そして私は、彼女たちと同じ場所に立って初めて気付きました。

 異質な存在感で、あまりに不自然に置かれた人工物の存在に。

 

 

 

 

 

 

 鉄棒が、間違いなく、紛れもなく「鉄棒」がそこに佇んでいました。

 

 

 

 

 

 

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 千歌が星座早見盤を空に向けてかざすシーンでも、確かに背景に不自然な人工物が描かれていました。しかしアニメの作中ではそれが何なのか気にも留めていませんでしたし、何度見た所ではっきりとした確証も得られなかったでしょう。

 

 

 しかし現地に足を運んでこの光景を目にした瞬間、私は稲妻が落ちたような衝撃を受けたと共に、絶対的な確信を得ました。

 

 

 

 

 

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 海辺の道を走る車中で千歌が見つけた「星」「浦の星女学院」です。

 

 

 2期1話では廃校を覆す「キセキ」を起こすことを9人で誓い、その決意の象徴として朝陽を背にして逆上がりをして見せた千歌。しかしやれることは全てやり切り、自分たちの限界を超えて最後まで足掻き切った彼女たちでも、廃校という現実を覆すという「キセキ」を起こすことはできませんでした。

 7話の屋上で9人が再び集まったシーンで、「輝けない」と言い切った千歌の言動を受け入れられなかった人は多かったことでしょう。しかし、彼女にとって学校を救いたい、そしてその上で輝きたい、という願いはそれほどまでに切なる願いだったのです。

 だからこそ、10話でSaint Snowと8人の前では現実を確かに受け入れていたかのように見えた千歌が、雨の降る暗闇の向こうに「星」=「浦の星女学院」を見たのだと私は思います。そしてそれは実際に目視できるものではなく、ラブライブ世界の「羽根」や「紙飛行機」のような概念。

 

 

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 「キセキ」は起こせなかった。

 暗闇の中で「輝き」を探す千歌には鉄棒の存在は目に映っていません。千歌にとってのひとつの「夢のカタチ」であった、「廃校を覆す」という「輝き」は失われてしまった。だからこそ千歌は、ここではもう逆上がりをしない。

 「自分たちだけの輝き」を探す千歌の姿と、背景としてただそこに存在する鉄棒の対比があまりに鮮烈な哀しみを突き付けてきます。

 

 

 意識して本編を見返してみると、数カットの背景に明確に鉄棒が描かれているのが確認できます。制作陣がこの土肥駐車場を舞台として選んだ理由として、ほぼ間違いなくこの鉄棒の存在が大きな意味合いを持っていたであろう、と私は推測しています。

 

 

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 2期1話のラストシーンでは、千歌は太陽の光を背に受けて逆上がりをしていました。しかし「キセキ」を起こせなかったという現実を経ても尚、「自分たちだけの輝き」を探し求める千歌の背中を、このシーンではバスのヘッドライトが照らしています。

 太陽に照らされるだけの自分たちではなく、星もない暗闇の元でも自分たちのチカラで「輝き」を探そうとするAqoursを象徴するかのようなカットになっています。

 

 

 

 

 2期10話もこれまでの話数と同じく、Aqoursの既存楽曲の要素が詰め込まれた物語になっており、『HAPPY PARTY TRAIN』のMVや『SKY JOURNEY』『届かない星だとしても』が挙げられます。ですが、恐らく私以外のサンシャインブロガーの方が楽曲を絡めた考察を行ってくれると思うので(丸投げ)、ここからは2期1話をなぞらえた要素とその意味を掘り下げたいと思います。

 

 

 

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 「あれ......千歌ちゃんは......?」と曜が千歌を心配する中、ひとりだけ遅れてバスに乗り込んできた千歌。2期1話で千歌が学校に遅刻してきた体育館のシーンをそのままなぞらえていますね。

 

 

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 千歌が「星」を見つけて進路を変更したあと、もう一度進路を変更するシーンがありました。千歌が見つけた「星」が「浦の星」だとすれば、「輝き」がAqoursの進路を変更する道標になっていると推測できます。つまり、これはこれまでのAqoursの軌跡をバスの進路で表現しているものだと思われます。

 

 最初の左折のシーンは2期1話でAqoursが「学校を救う」という方向に進むことを決意した運命の分岐点、右折のシーンは2期3話の「ラブライブ予備予選」と「学校説明会」の両方の道を選ぶことを決意した運命の分岐点。

 

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 こちらが2枚目の分岐のシーンの航空写真です。

 写真だとわかりづらいですが、分岐した2本の道が同じ道に繋がるルートになっています。 2期3話を象徴するようなルートですね。上記のふたつのシーンだけを見ても、制作陣がいかに精査して作中に登場させるカットを選んでいるかがよくわかりますね。

 

 

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 駐車場のカット。

 まるで行き止まりに突き当たったかのように停車したバスの先には道は無く、目の前の景色には崖のような斜面が待ち受けています。そしてバスの右側に「浦の星女学院」の象徴として存在する鉄棒。

 バスの進路をこれまでのAqoursの軌跡として捉えたときに、このシーンが意味するのは2期7話。廃校が決定したという運命の分岐点です。

 

 この先に彼女たちに残された時間は少なく、残されたAqoursのステージもあとはラブライブ決勝を残すのみ。「輝き」への道筋を探してひた走ってきたAqoursの軌跡も、ついに終着地点が見えてきました。そのことを踏まえると、バスが行き止まりで停車したことは今のAqoursの境遇と見事に重なります。

 

 

 つまり、バスの出発点である高海家での乗車シーンで2期1話を彷彿とさせるシーンを見せたのは、後半の展開にこれまでのAqoursとこれからのAqoursを描く意図がある、ということを視聴者に提示するための布石だったんですね。

 

 

 

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 更に視聴者にそのことを感覚的にも印象付けるために、バックで流れている劇伴も2期1話と同じ曲を、しかも同じ場所で流すという芸の細かさ。

 こちらの考察は生春さん(@Time_mrsi)の10話記事から引用させて頂きます。

 

 

そして千歌の家から鞠莉の車で走りだした九人

ここで流れ出すのは#1のラストでも使われた二番目の裏メインテーマです。まさかの二連続で二期の裏メインテーマですね

実はここ、一話と流れ始める場所が同じなんですよね。自宅から走りだして学校に向かう千歌に合わせて第二の裏メインが流れた#1

ここでは同じように千歌の家からスタートして海沿いの道を走っていきます。ですが、向かう先は違います

トリスのメモ帳(20) 続・サンシャイン!!のOSTがヤバい 二期十話 感想 - トリスのメモ帳

 

 2期の劇伴の考察に関しましては、生春さんが「トリスのメモ帳」で詳細な考察をされています。非常に綿密かつマニアックな内容で、サンシャインファン必見の記事です。是非ご覧になってみて下さい。


 

 

 

 最後にもうひとつだけ。

 2期1話まつわるお話をしてこの記事を締めたいと思います。

 

 

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 2期1話は千歌のの中の回想シーンから始まりました。

 

 

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 「輝き」に手が届くことを夢見てきた千歌たち。

 それは千歌だけでなく他の8人も同じで、幼い頃に夢見た「輝き」の原風景には皆「星」の存在がありました。そして幼い頃の果南がそうしたように、少し大人になった彼女たちも、同じように星座早見盤に自分たちの手で星を描き加えました。

 

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 それは自分たちの手で未来を変えようとする意思の表れであり、神様すらも勘当するとうそぶいてみせた、鞠莉自身の願望の表れのようでもありました。

 

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 そんな強がりを見せた鞠莉も、流れ星の前では手を合わせて祈りを捧げます。

「ずっと一緒にいられますように」

 幼い頃の3人の願いと今の3年生組の願いはきっと同じ。「夢のカタチ」が3人から9人に変わったとしても、鞠莉の願いは変わっていないでしょう。

 失ってしまった2年間、覆せなかった廃校。そのふたつの過去は取り戻すことはできません。それでも「あの頃」に星に祈ることができなかった鞠莉の願いを、それを願う機会だけでも取り戻すことができたなら。

 過去を取り戻すことはできないけれど、未来への願いは取り戻すことができる。だからこそ、あまりに多くの大切なものを失ってしまった彼女には、せめて流れ星でいっぱいの星空だけでも与えられて欲しいと私は願います。

 

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 事実として、幼い頃の3人の願いは千歌たちの存在がなければ叶わないものでした。千歌たちの存在が介入していなければ、3年生組はすれ違い、仲違いしたまま高校を卒業し、例え3人が内浦に残ったとしても、永遠に離れ離れになっていたかもしれません。

 しかし千歌たちがいたからこそ、3人はまた一緒になることができた。3人では叶えられなかった願いが、9人では叶えることができたんですよね。

 果南は言いました、「1年前なら鞠莉の留学を止めたかもしれない」と。

 3人では繋ぎとめることができなかった未来が、9人ならば繋いでいける。果南の言葉にはそんな気持ちが隠されていたのではないかな、と思っています。

 

 

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 彼女たちはいま、「スクールアイドル」という束の間の「夢」の中にいます。

 その輝きは虹のように不確かで儚く、流れ星のようにな一瞬のきらめきです。学校を救えなかった現実の先には更に3年生組の卒業という現実が待っていて、彼女たちが学校のみんなの「夢」を背負い、また自らも「夢」の中にいられる期間は、残りたったの3ヶ月。
 どうかこの瞬間がずっと続いて欲しい......そう願っても終わりの時は必ず来る。それゆえに彼女たちの「願い」は未来に向けられていて、だからこそ彼女たちの願いはこんなにも美しい。私たちもいつか終わりの日が来ることを受け入れなければなりません。

 

 

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 星座早見盤には、新たに9人分の星が描き加えられました。

 彼女たちの頭上に満天の星空が広がっていたのなら、自分たちの手で星を描き加える必要はなかったかもしれません。全ては夢の中のお話だったと、そう捉えることもできるでしょう。

 それでも想像してみてください。卒業後の鞠莉の未来を。

 「ずっと一緒にいられますように」という願いを胸に、ひとりでイタリアに留学する彼女はきっと星座早見盤を海の向こうに連れて行くでしょう。鞠莉は遠いイタリアの地でも同じように、雨空の下で星座早見盤をかざすかもしれません。その時そこに9人分の星が描かれていたなら、きっと鞠莉のこころの空は晴れると思います。

 彼女たちが自分たちの手で新たな星を描いたことに、敢えて理由をつける必要もないとは思います。そして受け取り方も自由です。

 ただ、鞠莉たちの星への祈りはきっと届く。私はそう信じています。

 

 

 

 

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 空気が澄み切った今の季節であれば、彼女たちが見上げた星空と同じような景色が実際に見られるかもしれませんね。次は私も真冬の夜中に訪れてみたいと思います。

 とは言え、この冬は寒さも厳しいですし標高1000m近い西伊豆スカイラインは雪が降れば危険な道になりそうです。足を運ばれる方は十分にお気をつけ下さいね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・余談

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きれいに記事を終わろうとしている自分が気持ち悪くて無理!!!!

小学生ぶり??に逆上がりやってみたらできたから見て!!!!!!

 

あとあれです、鉄棒がそこにあるの本当に謎なのでロードバイク用のバイクラックかなと思ったのですが、バーの位置が高すぎるので普通に鉄棒ですねこれ。以上です。

 

 

9話の考察を違う角度からやってみた

 あきのです(*> ᴗ •*)ゞ

 

 今回は9話の物語の本筋には触れず、偏った視点で好き放題言うやつをやりたいと思います。私はカット毎の拡大解釈をするのが大好きなので、主にそのあたりを。

まずは9話の流れを振り返ってみましょう、最初はライブの前のシーンから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ちゃん、緊張してる?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「お姉ちゃん、緊張してる?バレエのコンクールの時と、同じ顔」

 

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「そうかしら」

「大丈夫、みんなお姉ちゃんの味方だよ」

 ラブライブ最終予選の朝、絵里の表情の変化に気付いた妹・亜里沙の言葉です。そう言って姉の手をにぎるんですよね。

 

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「えりち、もしかして緊張してる?

「さっきまでね」

 妹に心配され、着替えもせずのんびりしている絵里は「らしくない」感じがしますが、迎えに来た希の顔を見ていつものペースを取り戻したようです。

 

 

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 弟・虎太朗が姉・にこのために作ってくれたμ'sを模した雪だるまですね。 

 このシーンでにこは「μ'sは全員がセンターだから」って言うんです。全員がこの物語の主役、なんですよね。

 

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 9話では一貫して、ひたすらに誰かが誰かを待っているシーンが繰り返し描かれています。雪のため到着が危ぶまれた2年生組のメンバーは勿論のこと、

 

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 学校のみんなもμ'sを待っています。そして雪道を急ぐ2年生組のために用意されていたのは、雪用ブーツ。

 

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 ライバルである完全にフルハウスの人もμ'sを待っています。

 

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「これでおしまいなんて絶対に嫌だったんだよみんなで結果を残せるのはこれが最後だし、こんなに頑張ってきたのに、何にも残んないなんて悲しいよ、だから......」

「......ありがと。」

 無事に最終予選に間に合い、安堵のあまり絵里に泣きつく穂乃果。彼女は「これが最後なのに」「何も残せずに終わってしまうこと」を何よりも恐れていました。

 

 

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「みんな、本当にありがとう。私たち、一生懸命歌います。今のこの気持ちをありのままに、大好きを大好きのまま、大好きって歌います!」

「絶対、ライブ成功させるね!」

 自分たちのチカラになってくれた学校のみんなのために、感謝の気持ちと、愛情を伝えるために穂乃果は歌うことを宣言します。そして彼女が約束したのは、大会で勝つことではなくライブを成功させること。

 

 

 

❄️

 

 

 

 お分かり頂けたでしょうか?

 

 ラブライブ!サンシャイン!!2期9話の話をすると見せかけて、無印2期9話の話をしてるだけの出オチじゃねーか!とお思いの方もいらっしゃるかと思いますが......。上記の太字の部分がサ!2期9話と無印2期9話の、共通要素と思われる部分です。

 

 実際にこうして見返してみると、カタチだけ見ると同じような要素をなぞらえているようでありながら、物語の中でそのシーンが持つ意味や役割は全く別物になっていることがわかります。

 

 ......特に深いことは言えないので本題に入ります。

 無印2期9話「心のメロディ」と言えば有名なこのシーンですよね。

 

 

 

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 『Snow halation』のライブシーン、大サビでアーチの後方でセンターに立つ穂乃果のアップのカットから、

 

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 カメラが引きになるのと同時に、前方にかけてアーチがオレンジ色に包まれていくこの光景。
 

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 次の瞬間には、ステージの位置がアーチの前方になっています。

 

 実際の位置関係と整合性のある絵よりも、視覚的快感を優先したレイアウトにすることでグッと引き込まれる映像になっています。アニメに余計なリアリティは必要ないことの好例かと思います。

 ちなみにこれを教えてくれたのは筆者の友人であるくにしろ氏(LV.19)(フォロー非推奨)なので、私が自分で気付いたわけではないです。

 

 

 

 さて、前振りが長くなりましたがここからが9話「Awaken the power」のお話です。

 

 

 

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 問題のこのシーンですね。

 

 

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 五芒星のフォーメーションで輝きを放つSaint Aqours Snowですが、先ほどのカットでは坂の上に位置していた彼女たちは

 

 

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 坂の下にいたはずですよね。あれ?いつの間に移動したんだろう......って一瞬混乱したかもしれませんが、つまりはそういうことです。

 

 

 

 なぜ坂の上で☆のフォーメーションのカットが必要だったのかは

 こちらの記事で考察してみたのでよろしくお願いします(説得力があるかどうかはわかりません)

 

 

 

 他にも、リアリティよりも物語の中での意味合いを重視して、ちょっとだけ嘘をついてるシーンがもうひとつ。

 

 

 

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 イルミネーションイベントの選考会の面接会場です。こんなに立派でだだっ広い会場で普通やらないと思うのですが(やってたらごめん)

 このシーンはルビィと理亞が自分たちの中の新たな扉を明けるシーンなので、開け放たれた扉の向こうに煌びやかで広い世界が広がっているこの絵はとてもグッと来ます。重厚な両開きの扉がめっちゃ良いです。このシーンの持つ意味がより強調されますよね。

 一般的なオフィスにあるような、普通の片開きのドアの会議室が会場では、リアリティはあっても絵的に地味ですし面白くないですよね。この会場は実際に函館にある建物から舞台として選ばれていますし、製作陣がシーンに見合うような舞台を、実際に足を運んで探されたのでしょう。

 

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 このシーン、面接官が9人いるのもリアリティなくて最高です。面接官まで全員女性なのもラブライブらしくて徹底されています。

 ここはお姉ちゃんが不在で不安なふたりを強調するために、敢えて対比のためにAqoursと同じ人数である9人に設定したのでしょう。威圧感がすごくて絵的にはめちゃグッドです。

 

 

❄️

 

 

 

 話は変わって、続いてはこちら。

 

 

 

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風呂上がりにおもむろに置かれたチラシに気付く善子が、「フラグ」という名の「運命」に気付く描写クソやばです。この瞬間に「運命」を「必然」として手繰り寄せるべく、よしまるがルビィのためにチカラを貸すという9話の未来が確約されました

8話での善子は『Angelic Angel』な代弁者として、メタ的なメッセージを視聴者に提示する「ストーリーテラー」もしくは「狂言回し」のような役割が与えられています。9話でも同じ役割を果たすはずなので、是非注目してみて下さい。

「HAKODATE」をメタ的に読み解いてみた話 - あきの忘備録

 

 9話は予想通り1年生組が大活躍な回となりました。が、では果たして善子が私たち視聴者の、メタ的な代弁者としての役割を担っているシーンがあったかのか。を検証してみたいと思います。

 

 

 

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「ライブ?」

「ここで?」

「理亞ちゃんといっしょにライブをやって、見せたいの。聖良さんと、おねえちゃんに」

「できるの?」

「準備とかは?」 

 OP明けて最初のシーン、ルビィの提案を聞くよしまるです。リアリストの善子らしい発言ですが、私たち視聴者と同じ目線の発言でもあります。初見では「曲作れるの?」「1年生だけで?」といった疑問を私たちも持ったはずです。

 

 そもそも、9話では特に善子はツッコミのポジションに回ることが多いため、必然的に視聴者と同じリアクションをする立場になるのですが......続けます。

 

 

 

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 面接中のルビ理亞を見守るふたり。ここのシーンからの流れは実に見事でしたね、完全にしてやられました。

 ここはルビィと理亞が「ちゃんと」できるのか私たち視聴者もハラハラしながら見守っていたシーンですから、同じ視点を共有することになります。更に視聴者と、よしまるのふたりの気持ちまでもがシンクロします。

 

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や、ずるいでしょこんなの

 からのこれですよ。画面の中のキャラクターと同じ目線と感情を共有した上で、向こうにこんなにボロ泣きされたら私たちも泣くしかないじゃないですか。誰だってもらい泣きしますよ。

「何泣いてるずら

「あんたの方が泣いてるわよ」

 じゃあないんですよ、そりゃあこっちの台詞なんですよ!!!!

 

 

 

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 はい。選考会後のシーンですが、ご覧の通り雪だるま⛄️です。

 先述した無印のスノハレ回でμ'sの9人を模した雪だるまが登場していた文脈で捉えれば、これはAqoursのメタファーですね。ご丁寧にも2年生組のイメージカラーが使われています。

 

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  選考会で絶対満員になるって言わなきゃ合格できそうになかった、と言い訳する理亞。ここで私たち視聴者は「え?1年生の4人で会場を満員にするの?できる??」って思ったはずです。そこですかさず善子は

「しょうがないわね、いざとなったらリトルデーモンを召喚」

「クックック.......フラグが完全に立ってるわよ」

 初見の時は「リトルデーモンを召喚」→「サクラとしてお客さんを呼ぶ」という意味かと思ったのですが、「リトルデーモン・リリー(サクラ)」を呼ぶというフラグが立っていたんですね。ネタひねりすぎ。このフラグに初見で気付けた視聴者いたらすげーよ。

 

 

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  「スクールアイドルは体重管理も大事」と語りながら盛大にフラグを回収する善子、このシーン最高ですね大好きです。っていうか善子あなた普通に食べたら太るのね、意外と人間らしいところあるじゃない......。

 善子>ルビィ+花丸 という構図はリアリティの欠片もありませんが、だからこそぶっ飛んでいて良いですね。自分の中で無自覚のうちに隠れていたパワーの存在が明らかになることのメタファーですが、そう捉えると

 

 この記事の「強くなる」のくだりもあながちネタとして看過できないのでは......?という気持ちになってきます。

 

 

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 シーソーって互い違いに上下していく遊具ですよね。これは一歩ずつ前に出て、追い越したり追い越されたりして成長していく、1年生組の関係性を表したメタファーだと思います。

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 こちらのシーンでは、体重が増えたことでシーソーが下がりっぱなしになってしまった善子が、シーソーから飛び降りて滑り台を駆け上がります。シーソーが上がらないなら自分の足で上に登っちゃう、っていう所が実にラブライブっぽくて良いです。上へ上へ、前へ前へと進もうとする意思の表れでしょうか。

 また、この話数では展望台の頂上でふたりで歌ったり、ライブパートのラストシーンでも坂の上にいたりと、上へ上へと登っていくAqoursの成長も感じられますね。

 

⛄️ 

 

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 ラジオ収録開始直後、「Saint Aqours Snowです」と理亞がユニット名を名乗っている横で善子、善子あなた......いいから座りなさいよ.......。

 

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 善子が堕天使モードに入ってしまい戦力にならないので、「ちゃんと告知するずら」って花丸がルビィに振るのすっごく良いですよね。

 

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 このシーン、ふたりのルビィへの信頼が見て取れますが、私は善子の優しさがめちゃめちゃグッと来たのでここだけはやはり触れておこうと思います。ここは皆さんお分りかと思いますが蛇足を承知で言いますね。本当にこのシーンの善子が大好きなんです。

 善子はルビィと花丸の成長のために任せたんでしょうね。彼女はニコ生の配信でマイク前での喋りには慣れている上、その気になればちゃんとした一般人として振舞うこともできるので、この4人の中では一番告知には向いているはずです。多分善子は、やればそつなくこなせたでしょう。

 

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 人前での喋りが苦手なルビィと、方言が出てしまい喋りへのコンプレックスを抱えている花丸のために、敢えて善子はマイク前を譲ったんですよね。相手を庇うことだけが優しさではありません。敢えて厳しく接する、挑戦の機会を与える、友達想いな善子の本当の優しさが垣間見えた瞬間でした。

 

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 花丸は「失敗しちゃったずら......」と肩を落としていますが、善子はふたりが挑戦した時点で成長できていることを確信しているんですよね。だからこそ、このドヤ顔。

 あぁ、もうだめだ。あきの堕天です。完全にすこすこのすこになってしまった。

 

 

❄️

 

 

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 飛んでライブシーン冒頭ですが、ここもう言葉にならないぐらい良かった。これぞラブライブ!って感じです。

 ふたりが立つステージが普通に車が走ってる道路なのめちゃくちゃやばいですよね、何処だろうと関係ない、彼女たちが立てばそこはステージなんですよ。

 

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「緊張してる?」

「ううん」

「ルビィも、ふしぎと落ち着いてる」

「お姉ちゃんが近くにいるからかな」

「それも勿論あるけど......それだけじゃない」

「貴女がいたから、ここまで来れた」

「理亞ちゃん......」

 アバンが、あまりに良すぎます。

 彼女たちの真横をガンガン車が通り過ぎている中で、この会話ですよ。この瞬間彼女たちの世界はふたりの中で完結していて、ふたりの声と伝わる手の温もりと、それから近くに感じている姉の存在と。本当にそれだけの研ぎ澄まされた静謐の世界がそこにあるだけなんですよ。最高過ぎる......絵もあまりに美しい。引きのカットのまるで異世界のような静けさと、ふたりの憂いを帯びたような優しい瞳の輝きと、もうこれ以上ないぐらい最強のシーンです。すこすこのすこすこすこすこ。あーもうすこ。

 

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「次はどこへ行こう?」

 ふたりだけの舞台で作り上げられた美しい世界は、眩い輝きと共に外の世界へと広がって行きます。楽曲の展開と共にどんどん世界が開けて輝きに満ちていく光景は圧巻の一言。

 

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 からのバスも突き抜けて

 

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 その向こう側に「輝き」を灯し

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 坂を登りきったら

 

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 「輝き」は空へ。どこまでも上へ上へとのぼっていくんですよね。最高!!!!

 道を行く車の流れなど関係なく、どこまでも進み続けたら今度は宇宙を目指して突き抜けていく「輝き」、これこそラブライブ!!HAPPY PARTY TRAINのMV然り、2nd LIVE TOURのオープニングムービーも然り、自分たちの心の輝きの赴くままに、道無き道をどこまでも進み続けるんですよね。

 

 

 

❄️

 

 

 

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 ライブシーン後のふたりですが、ふたりが手袋もせずに手を繋いでいるのがとても良いですね。とても。

 

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 自らの意思で、Saint Snowを終わりにする決断をした理亞。自らの掌の上で雪の結晶を溶かす彼女の気持ちを思うと、胸がぎゅっと締め付けられます。それでも、雪は溶けて水になってしまっても、その輝きは永遠に消えることはない。自らの手でまた新しい輝きのカタチを作り上げて見せると、彼女は笑顔でそう姉に伝えました。

 このシーンほんとだめ。もう、だめ。ラブライブ!ってなんなんだよ......良すぎるだろって気持ちになる。

 

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  そんな彼女たちの前に広がるのは、まだ誰の足跡も残っていない真っ白な新雪。これからどこにだって行ける、前に進む意思がある限り。そう言わんばかりのカットですね。

 無限の可能性を秘めて、スクールアイドルは新たな「輝き」へ向かって羽ばたくのでした。

 

 

こころの羽ばたきは止まらない

 

 

 3本立てになりましたが、9話の記事 これにて完。

9話「Awaken the power」に込められた願い

 あきのです(*> ᴗ •*)ゞ

 

 

 

 私は渡辺曜ちゃんに生まれたかった。

 

 子供の頃から「みんな」の輪に入っていくのが苦手なタイプの人間でした。

 教室には居場所がなくて、休み時間はいつも図書館で過ごし、自分だけの世界に閉じこもってやり過ごしていました。

 そんな過去を持つ私には9話『Awaken the power』はどうしても、神の目線で俯瞰して見ることができず、ある種の痛みを強いられました。「学校」という息苦しい集団生活の中で窮屈な思いをしてきた人ならご多分に漏れず、4人の一年生の勇気ある行動の数々に、どうしようもなく心を動かされたことでしょう。

 

 

 

 できるかな? できる!

 叫ぶこころが(欲しがる輝き)

 目の前で君に見せるんだ

 

 

 

 7話でそう歌って輝いて見せたAqoursの勇気が、また新たな勇気を呼んで誰かの背中を押す。9話はそんな小さな彼女たちが踏み出した、大きな大きな一歩の輝きを描いたお話でした。

 

 

 前回の記事はノリと勢いだけで突っ走りましたが、今回の記事は冷静にじっくりと書いてみようかと思います。

 

 

 

 

 

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歌いませんか?

いっしょに曲を

お姉ちゃんにおくる曲を作って

この光のなかでもう一度

 8話のラストでルビィは「この光のなかでもう一度」と言って理亞を誘いましたが、「このツリーの下で」とは言ってなかったんですね。

 自分にとっての憧れである「輝き」を見上げている視点からの脱却。ふたりの姉の前で歌うシーンでは、展望台の上から輝きを背にして歌う構図になります。

 

 

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 "100万ドルの夜景"とも称される函館の「輝き」を背景に歌ったふたり。その姿は見事な夜景にも負けない「輝き」として、ふたりの姉の目には映ったことでしょう。

 敢えてクリスマスツリーの光の下で歌わなかったのは、「ラブライブの輝きの円環構造」の象徴であるツリーの電飾の光を受けずとも、ラブライブ!以外の場所で、自らが「輝き」を放つ姿を見せることで自立を表現したかったのかもしれません。

 

クリスマスツリーの電飾は、ツリーの周囲を螺旋状に彩る「輝きの円環構造」そのものを体現した「輝き」だったんですね。そしてその輝きは高みへと高みへと上って行き、クリスマスという短い期間の中で精一杯の「輝き」を放つのです。

「HAKODATE」をメタ的に読み解いてみた話 - あきの忘備録

 

 

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 並木道を彩る電飾の光で浮かび上がる街並み。その坂道の上でひときわ大きな輝きを放つ星こそが11人の「輝き」でした。並木道をクリスマスツリーに見立てて、自分たちが光に照らされるのではなく、その頂点で自分たちが「輝き」そのものになって街並みを照らす光景。多くの観客の心を魅了したことでしょう。

 ふたりだけで放つ輝きではふたり分の心しか照らせなくても、9人なら、11人ならもっとたくさんの人の心を照らす、大きな輝きを生むことができます。

 

クリスマスツリーの電飾は人の手で作られた「輝き」であり、誰かの幸せを願って灯された「光」の象徴でもあります。

「HAKODATE」をメタ的に読み解いてみた話 - あきの忘備録

 

 ふたり分の「輝き」よりも、みんなで手を取り合って生み出した「輝き」の方がたくさんの人を幸せにすることができる。より高い場所で輝いた方が、より遠くまで「輝き」を届けることができる。だからこそルビィたちは、11人でクリスマスツリーの頂点で輝く星になることを思いついたのかもしれません。

 

 

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 星型のフォーメーションは、9個の点を繋いでも生み出すことができない「輝きのカタチ」。Aqoursの9人では生み出せない輝きが、11人の点を繋ぐことで生み出すころができす。9人でできないことが、11人ならばできる。

 ラブライブという大会の枠を超えて、スクールアイドルとしての垣根も超えて、新たな点と点を繋ぐことで広がっていく「輝きの可能性」

 

「ラブライブは大きく広がってゆきます。皆の、スクールアイドルの素晴らしさを、これからも続いてゆく輝きを、多くの人に届けたい!私たちの力を合わせれば、きっとこれからも、ラブライブは大きく広がっていく!」

 劇場版ラブライブ!The School Idol Movieより 高坂穂乃果

 

 まさに劇場版ラブライブの穂乃果たちの願いが現実になったような光景でしたね。8話から続いていた、劇場版ラブライブの物語をなぞらえた流れが美しくここに帰結されましました。しかし、単純に11人の絵を描きたいがためにこの筋書きが用意されたわけではありませんよね。その裏にあった彼女たちの「願い」を振り返ってみたいと思います。 

 

 

☆ 

 

 

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 「結局ステージのミスって、ステージで取り返すしかないんだよね......」

 2期8話「HAKODATE」より 松浦果南

 聖良はAqoursの前では「後悔はしていません」と8話で語っていましたが、当然そんなはずはありません。しかし彼女にはもう、再びステージに立つ機会は残されていませんでした。もう一度「Saint Snowとして」妹と共にステージに立ち、自分たちの輝きを取り戻す機会が。また彼女自身も、「スクールアイドルに憧れ続けた人生」を納得のいくカタチで結びたかったことでしょう。

 

 

One more chance time !

 

 

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 姉・聖良が見つけてくれたというスノードームの話をした時、理亞はステージでのミスへの後悔を口にしました。しかしそれに対してルビィはただ一言、「きれいだね」と。

 

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 姉と共に歩んできた理亞にとっての宝物のような日々に、たった一度の失敗で負い目を感じてしまっていた理亞。彼女のこれまでの日々を肯定してみせたルビィの、そのたった一言に彼女の願いが詰まっていました。姉・聖良と共に過ごしてきた夢のような日々を、どうか悲しいものにして欲しくないという願いが。

 

 

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 自分の姉にもただひとつ、廃校を阻止できなかったことへの心残りがありました。そのことに胸を痛めていたルビィだからこそ、聖良が隠していた本心にも気付くことができたんですね。

 姉妹という誰よりも近い距離のふたりであるがゆえに、お互いに踏み出せない一歩があることもルビィは知っています。だからこそ、第三者である彼女がふたりを巻き込んであげたのでしょう。

 

  

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 かくして11人でのライブを行うことで、「妹に自分の足で、自分だけの道を歩んで欲しい」というふたりの姉の願いのみならず、「もういちどSaint Snowとして歌いたい」という鹿角姉妹の願いをも成就させたサプライズでした。さらに、函館という舞台でライブを行ったことで取り戻せた輝きと、新たに手に入れた輝きがありました。

 

 

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 取り戻したのはスクールアイドルとしての「Saint Snowの輝き」、そして手に入れたのはひとりの女の子としての「理亞の輝き」。

 1期ではステージ上であれほどまでに輝き、強者としての貫禄を見せつけてきた理亞でしたが、1年生組との卑屈な会話の中で「私も学校では......結構そうだから」と打ち明け、普段の意外な一面が明らかになりました。

 

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 昔から恥ずかしがりな性格で、誰ともなかなか話せなかった理亞。クラスメイトともうまく打ち解けられずにいたようでした。

  親しい友人もいなかったであろうその様子からは、姉・聖良が理亞に対して抱いていたもうひとつの心配事が浮き彫りになりました。自分が卒業した後もスクールアイドルとしての活動を続けて欲しい、という願いだけでなく、妹がクラスメイトともうまくいってなかった事もさぞかし心配だったでしょう。もっとも、理亞は姉に心配を掛けまいと内緒にしていたでしょうけれども。

 聖良は妹の学校生活はもちろんのこと、理亞ひとりで共にスクールアイドルとして活動してくれる、新たな仲間を作ることができるのか。そういったことも考えたはずです。

 

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 似た境遇を持つルビィだからこそ見抜けた「もうひとつのわだかまり」でしたが、とは言えこの場に理亞のクラスメイトが来ていたことは、4人にも想定外の出来事でした。

 期せずしてスクールアイドル活動の中で「スクールアイドル以外の自分」をも救われる結果となった理亞でしたが、これは聖良と理亞のこれまでの活動の積み重ねがあったからこそ。

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「私たちも行って良いの?」

「え?」

「それと、今更だけど、ラブライブ予選は......ごめんなさい」

 「いいんだよ。私たちの方こそ、嫌われてるのかなって。会場にも行けずに、ごめん」

「理亞ちゃんや聖良先輩が、みんなのために頑張ってたのは知ってるよ」

「Saint Snowは学校の、私たちの誇りだよ」

  「いいんだよ」「Saint Snowは私たちの誇りだよ」と言ってもらえたことで、その一言でどんなに理亞は救われたことでしょうか。「敬愛している姉と、学校の名前に泥を塗ってしまったのではないか」そう思い、理亞は自分は許されない存在であると考えたはずです。

 しかし嫌われているのではないか、と思い込んでいたのは理亞だけでなく、クラスメイトもまた同じでした。思いがけずして、会場に行けず応援もできなかったことで残ってしまった、クラスメイトの心のつかえまでも解消されることになるとは。

 ルビィが踏み出した小さな一歩がだんだん周りに波及して、やがてたくさんの人を巻き込んだ大きな流れになっていく。「輝き」は広がっていく。

 

  

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「『Saint Snow』のライブです!理亞ちゃん出ます!」

 ルビィの意思が表れた言葉ですよね。開口一番で "Saint Snowのライブ" って言い切っているところに、最初から11人でのライブを行うべくして計画されていたこと、彼女の決意の固さが伺えます。

 Saint Snowとしての面目も含めて、学校のみんなの前で「輝き」を取り戻すためにも、もう一度「Saint Snow」として輝ける舞台が必要だったんですよね。

 

 人見知りなルビィが、自分以外の誰かのために勇気を出して前に出る場面は胸が苦しくなります。私はこのシーンだけでも一生分の涙を使い果たしました。

 

 

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 ラジオで公表したユニット名も「Saint Aqours Snow」でしたね。最初は理亞が緊張のあまり、勢いで言ってしまったから安直でド直球なネーミングなのかと思いましたが。捻りも何もない真っ直ぐな歌詞を書くような子ですから、最初からこのネーミングに決めていたのでしょう。ここでもやはり、最初から11人でのライブを計画していたであろうことが伺えます。

 9人でなければ「Aqours」ではないし、2人でなければ「Saint Snow」ではないし、11人でなければ「Aqours Saint Snow」ではない。この4人が「Aqours」と「Saint Snow」に対して抱いている「あるべきカタチ」の姿が明確になる、そんなシーンでした。

 

 

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 聖良と理亞はホームである函館で、応援してくれていた学校のみんなの前で「Saint Snowとして」ライブを成功させたことで、「Saint Snowとして」の面目躍如を無事に果たすことができました。

そればかりかそこに至る経緯の中で、理亞が学校での友人関係をも前進させることにも繋がったのは「全ての出会いに意味がある」ということなのでしょう。「姉を安心して卒業させてあげたい」という理亞の想いも、図らずして一度は辞めようとまでしたスクールアイドルの活動の中で成就させることができました。

 

  妹を想うダイヤの想いを受けてルビィの願いが生まれ、手を取り合う1年生組の成長を経て、ダイヤや鹿角姉妹だけでなく、学校の人たちも巻き込んで全ての願いが美しく叶えられていく様は、まさしく「みんなで叶える物語」そのものだったと思います。

 

 

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  かくして、「姉として」「妹として」そして「Saint Snowとして」、抱えていた心残りを解消して全ての迷いを振り切れたことで、未来に向けて希望への一歩を踏み出せた鹿角姉妹でした。

 

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 理亞が以前のような表情で、1期7話の聖良と同じように「見ていて」と言い放ち、笑顔で涙を振り切って前を向く姿はあまりに眩しかったです。良かったね、理亞。

 

 

☆ 

 

 

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   そんなふたりの新たな門出を見届けるAqoursですが、未来への一歩を踏み出すふたりを見る鞠莉の表情が気がかりですよね。

 

 

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「Saint Snow」としての心残りが解消されたからこそ、ふたりは前に進めた。しかし、廃校を阻止することが叶わず、心残りが残ってしまった自分たちはどうやって前に進めば良いのだろう。過去を変えることはできない、未来を見るしかない。

 

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  ずっと未来だけを見て進んできた鞠莉にも刻一刻と卒業の日は迫り、「Aqoursとしての自分」の終わりが近付いています。当然のことながら、卒業の先に「スクールアイドルとしての自分たち」の未来はありません。追い続けてきた未来が終わるとき、彼女は何を目指して歩みを進めれば良いのでしょうか。

 

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次回、「シャイニーをさがして」。変えられない過去を払拭するために、彼女たちは「未来」への希望を探します。彼女たちが見つけ出す未来の「輝き」のカタチとは。かけがえのない「想い」を胸に、宝物のような日々を抱き締めて、3年生組は「終わり」の階段へと一歩を踏み出します......

 

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・余談

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私たちはSaint Snowのライブを生で見た経験を誰一人として持っていません。しかし、この瞬間を目撃した彼女たちの感情を知っています。

「HAKODATE」をメタ的に読み解いてみた話 - あきの忘備録

 

 

 

 8話の記事ではこんなことを言っていた私ですが

 

 

 

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えっ・・・

 

 

 

 

 

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完全にこれになりましたよね

 

 

 

 

 

『DROP OUT!?』 がライブで披露される時、私たちはどんな心境で彼女たちを見守ったら良いんですか。

 

 

 

 

 

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こうですか? わかりません

 

 

 

 

 

 

それとも

 

 

 

 

 

 

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 こうですか?

 

 

 

 

なんか知らんけど試聴でクソ泣かされたし、もうどうしたらいいのこれ

 

 

※9話記事第三弾「メタ視点編」も書きたいけど間に合うかな......