あきの忘備録

あきのの外部記憶装置

HAPPY PARTY TRAIN TOUR埼玉公演感想【前編】

 

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あきのです(*> ᴗ •*)ゞ

 

8/5,6の名古屋公演を皮切りに出発したHAPPY PARTY TRAIN TOURは、8/19,20の神戸公演を経て、国内最大規模のアニソンフェスも通過し、この夏を走り抜けたツアー集大成として、9/29,30の埼玉公演で終着駅を迎えました。

 

Aqoursの新しい旅は今まさに、私たち「みんな」と共に再出発を果たしたばかりですが、記憶と気持ちの整理の意味で、埼玉公演を振り返ってみたいと思います。

  

  

0. オープニング

17時の開演の直前の埼玉メットライフドーム。

半野外の不思議な形状の会場に入ると、会場内からドーム周辺の木々が風に揺れる景色が目に飛び込んで来ました。空から降りてくる夕暮れ時の湿った風が肌で感じられるような、屋内でありながら開放的なムード。

アリーナにはちょうど夕日が差し、場内に立ち込める蒸気が光の梯子となってオレンジ色に染まる光景には、思わず言葉を失いました。

若干入場が遅れる中で3万人もの観衆を飲み込んだドームは、慌ただしく人の群れが行き来する異様なテンションに包まれていました。

それは私が現地参戦した1stの横浜アリーナの緊迫感とも、2ndの名古屋メットライフドームのそれとも違う、まるでこれからライブではなくお祭りが始まるかのような空気感。

不安、期待、といった未知数のものに対する感情ではなく、もっと確信的な、これからとてつもないものが始まるのだ という確実な未来が約束されていたかのような。そんな興奮に包まれていました。

 

⚓️

 

開演前にBGMの曲が流れている中で、ステージ側の完全見切れ席からざわめきと歓声が。同じタイミングで両日共に同じざわめきが起こりましたが、あの時ステージ裏からAqours9人の円陣の掛け声が聴こえていたのだと、後から知りました。

9人の想いがひとつになった声が、舞台裏から壁もBGMも突き抜けて届いたっていう話。想像するだけで胸に来るものがありましたね。

 

 

  

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1. HAPPY PARTY TRAIN

オープニングのムービーで汽車が埼玉駅を通過し、ステージ中央が割れ、汽車に乗り込んだAqoursの堂々たる登場。間髪入れずにステージサイドから打ち上がる花火。

脳内ではあのMVの果南ちゃんの靴音が鳴り響いていて、でも現実にはステージ上に現れたAqoursが、嬉しそうにこちらに両手を振っている。MVの世界観はそのままで夢のように現実が動き出し、我々の心の準備などお構い無しに流れ出すイントロ。

 

---------そこから先の記憶が混濁していて、鮮明に映像が思い出せません。

 

ただ、初日の同曲の歌い出しで、すわわのソロパートの歌唱を あんちゃんが目を潤ませて(がんばれ!)って表情で見守っていたのを見てしまい、それだけが鮮明に脳裏に焼きついています。

ソロパートではつい、各メンバーを祈るような気持ちで見守ってしまいましたが、みんな自信に満ちた笑顔を見せてくれたのが嬉しかったですね。特に、りきゃこの表情。抜群にカッコ良かった。あいきゃんすわわのウィンクも、パチッて音がしそうなぐらい完璧で思わず見惚れました。

この夏の集大成としてのステージパフォーマンスとして、メンバーそれぞれが磨き上げてきたものが感覚として伝わってきて、いろんな想いが込み上げてくるようなライブでした。

ひとつひとつの歌詞に込められた思い入れが自分の中で物語となり、それらを束ねて感動に昇華してくれた彼女たちは、紛れもなくたくさんの人達の想いを乗せて走ってくれたのだと思います。全力でこの夏を走り抜けてくれた事に、今も感謝の気持ちで胸がいっぱいです。

⚓️

そしてやっぱりカメラワーク、良かったですよね。MVどおりのカットで見事に切り取られていたので、スタンド席の私でも ここぞ という所が見届けられて大満足&大感謝でした。あの功績を讃えてカメラワークを担当したスタッフの人に、めちゃめちゃ賞与はずんであげて欲しい。 

 

 

 

2. 届かない星だとしても/Pops heartで踊るんだもん!

とど星大好きなんですよ、泥臭くて、けなげで、あったかくて。

イントロからの "うううううううワンツーサンシャイン!!" って最高の跳びポイントで心の枷が外れて、観客の緊張もほぐれて「楽しもう!」って気持ちになると思いますし、2日目のPops heartも同じ役割でセトリの2曲目に登場してると思います。

"楽しい日はあっと言う間に終わるってことを いまはまだ言わないでいて" "夢のような瞬間がここにあるよ" なんて2曲目から歌われちゃったら、覚悟決めて楽しむしかないですよね...私ですか?お察しの通り、切なくてただただ泣いてました。 

 

 

 

3. 少女以上の恋がしたい

サビの部分の "つまんないよ" で人差し指を☝️「チッチッ」ってやるフリの時のあんちゃんが個人的にすっごく好きで、あんちゃん自身もあそこ気に入ってるんじゃないかな〜って勝手に思ってます。なんか、こう、さ。わかるでしょ?(語彙)

名古屋公演の記事では恥ずかしながら、同曲の凶暴なまでの可愛さと、少しだけ背伸びしたような、ちょっぴり大人びた少女像と、あの挑発的な態度と向き合う事ができず。心の底から無理になってしまったのですが、やっぱ無理でした。本当に頼むからAqoursちゃんには少女以上の恋をしないで頂きたい。お願いします。

 

 

 

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4. 夏への扉 Never end ver.

前曲の後半でステージから捌けた3人に気付いて「来るぞ...!!」って心の準備をしていた方は多かったようですが、私は少女以上で死んでいて準備できませんでした。

"Splash" のタイミングで場内が明転して、鮮烈な夏の幕開けを告げたハリケーンブロッサム。アリーナに放たれた水鉄砲の水を飲みたいだけの人生でした。

歌唱力の高さが遺憾無く発揮された長いソロパート、相当に難しい曲だと思うのですが生歌は圧巻でしたね。3人とも歌うますぎ...って圧倒されていたら、センターステージにひとりで立った小柄なあいにゃがパワフルなラップと共にダンスパフォーマンスでブチかましてるのが、もう凄すぎて。

もともとの彼女のイメージとかけ離れた方向性で、想像を遥かに超えた存在感を見せつけてくれた事が嬉しかったです。成長、というよりは新境地、といった感動がありました。

タオルではなくペンライトを回すのに変更もありましたが、コールもジャンプもあって夢のように楽しい時間でした。

 

 

 

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5. 真夏は誰のモノ?

今公演で最も鮮烈に記憶に残ったステージだったと感じている人は多いのではないでしょうか?例のアラビアンテイストの赤い太陽のドレスを身に纏い、センターステージに現れたインフェルノフェニックス。

照明の消えた会場が濃い赤とピンクのサイリウムカラーで染まり、高くせり上がったスクエア型のセンターステージは、まるで異空間に浮かぶ舞踏場のようでした。巨大な風船がアリーナの頭上をふわふわと彷徨う様子も、球体と正方形の対比が美しくより一層非現実感を高めていたと思います。思わず息を呑んで魅入ってしまうような、美しい光景がそこには広がっていました。

3万人の観衆の視線を釘付けにして、デュオ曲らしい掛け合いに合わせて妖艶に舞い踊る黒澤姉妹。そこには観客は存在せず、黒澤ダイヤ黒澤ルビィふたりだけしか存在しないような錯覚にすら陥りました。

あのふたりだけで完結した世界観はまさに "真夏は誰のモノ? あなたとわたしのモノにしたい" の歌詞を体現させるものであったと思います。

間奏パートのカメラワークで、ふたりの後方からの抜きの映像をぼやけさせて映していた所もたまらなかったですね。まるで真夏の炎天下の蜃気楼のような、白昼夢のようなムードを高めていたと思います。

ふたりのパフォーマンスに関しては言葉ではとても表現しれませんが、Cメロでの向かい合って掛け合うあのパート。特筆すべきはありしゃの表情芝居ですよね...もうね、「これが...女優...!!!!」と。ふりりんが上目遣いに目線を送る感じもまさに黒澤ルビィのそれでしたし、見てはいけないものを見ているような、若干の背徳感すら感じさせる演技だったと思います。ちょっと話が長くなりすぎてますね。

とにかく初日のふりりんの "オッレィ!!" が致死的な可愛さだったので、2日目は身構えていたら今度はありしゃが "オッレィ!!" などと言い始めたので私はもうだめでした。

 

 

黒澤姉妹?強いよね。序盤、中盤、終盤、隙がないと思うよ。 

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6. 地元愛 満タン☆サマーライフ

もぅマヂ無理。。 天使じゃんこんなの。

ステージから離れた人たちにも、「あぁ...スタンド席だったけど、良かった...」って思わせるような、スタンド席に地元愛をもたらしてくれたじもあいコンビでしたね。

あいきゃんしゅかしゅーは降誕祭と生誕祭の日に、自らが沼津に足を運んでお祝いをしたという正真正銘の地元愛コンビでしたが、しゅかしゅーの体現者ぶりはこれだけに止まらず。

来年の初夏に行われる3rdライブツアーが、まさかの同会場でも公演。"今度の夏もここで過ごそうよ" 歌詞が現実のものになりましたね。

全然ライブの感想の話してないですけど、ふたりの笑顔がただただ眩しく、ただただ感謝の気持ちしか感情の持ち合わせが無く。もう、曜アンドエンジェルがありえん尊くて終始泣いてました。

ありがとう...そしてありがとう。私からは以上です。

 ⚓️

MCで衣装の紹介をするじもあいコンビ、後ろ向きになると「虹、ありますぅ〜⤴︎」と背中にデザインされた虹🌈のモチーフを披露してくれましたが、あれはなんだったのでしょうね。

真夏の太陽をテーマにした楽曲と、夏の終わりの雨をテーマにした楽曲の狭間で、束の間の空に掛かる虹のような存在がじもあいだったのでしょうか。

ともあれ、「ゆめかわスポーティー」なお衣装も活発なイメージのふたりにはとってもお似合いで、うん。かわいかった。

 

 

 

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7.  夏の終わりの雨音が

無慈悲にもイントロのメロディが流れ始め、「何か始まるってことが、終わりに繋がるだなんて...」と続ける松浦果南。

夏の終わりが始まってしまった。

この曲が来たら夏が強制終了、会場はお通夜状態になり、誰もその場に立っている者はいない...という想像をしていたので、どうなってしまうのかと不安に思っていた帰来があったのですが。杞憂でしたね。

ちかなんのふたりがメインステージとセンターステージで離れて、個のパフォーマンスがスクリーンで一体化する演出がとても良かったですし、何と言っても最後のあんちゃんの台詞パート。

CD音源では「楽しかったね、夏...」思い出を引き摺るような、切ない余韻が強く残る印象であったこの曲が、ライブでは「楽しかったね!夏...!」という、悲しみを受け入れ、迷い無くいまの瞬間と向き合っていると感じるような台詞回しに変更されていたのが...!!

そして何と言っても、あの表情ですよね。物憂げでセンチメンタルな、泣きの表情芝居が来ると身構えていた所に、"あれ" ですよ..........(語彙力の限界)

最高にドラマチックでしたね。これぞ舞台女優・伊波杏樹の真価..........!!の瞬間でした。

 

⚓️

これまでのツアーのセトリに倣えば、幕間のアニメを挟んで次は恋アクが来るはずだが...と身構えていた所に、恋アクの衣装に身を包んだ9人が登場。

しかし様子がおかしい、照明も、音楽も、フォーメーションも恋アクのそれじゃない。これは・・・まさか・・・

 

 

 8. 未熟DREAMER 

もはや言葉必要無し。最高の上を行く最高でした。

 

2ndツアーはアニメ物語の力を借りず、"もうひとつのAqours" 自身の成長物語を見せる事がNext Stepのコンセプトのひとつだったと思います。しかしここで敢えての未熟DREAMER。

「楽しかったね、夏」からの流れで、アニメ劇中歌としてではなく "もうひとつのAqours" の夏を象徴する曲として登場した事は、素晴らしいサプライズでしたね。

夏祭りに参加したAqoursと、ファンと、そして沼津の方々と。「忘れられない輝き」を胸の中に抱いた、全ての人の心を揺さぶる最高の選曲でした。

 

 

 

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9. 恋になりたいAQUARIUM

これまでのライブで通算5回現地で見届けてきたこの曲ですが、未熟で衣装を見た瞬間に「嗚呼、またこの曲を聴く事ができるのだ...」という安堵にも似た深い感慨がありました。

二日目、私は神の恩恵を受けました。センターステージをほぼ正面に構えるスタンド席を与えられた私は、あの瞬間をこの目で捉える事を許されたのです。

もはや私から個の概念は消え、この曲を全身で受け止めるだけの器官と化し、とにかくただ、しゅかしゅーの全力の渡辺曜ちゃんを見届ける。私にあったのはそれだけでした。

手前の推しのセンター曲で、しかも会場に地鳴りのようなコールが起きるほどの盛り上がりを見せる曲で、ひたすら地蔵キメてるオタク。何なんだこいつって思われても仕方がないですが、何もしなかったし、できなかった。

その気になれば完璧なタイミングでサイリウムの色を変え、寸分違わぬ拍でコールを入れ、力の限りライブを盛り上げる事に徹する事もできたかもしれません。

ただ私は、無理して模範的な態度で周りに合わせてライブに臨むよりも、あの曲のライブを受けて自分の中に生まれる感情に、ただこの身を任せたかった。

大サビで会場中が青一色のサイリウムカラーに染まる中、ただひとりメインステージのセンターを歩む、その一歩一歩の挙動に3万人もの視線が集中する中で、その瞬間に己の全てを賭けて、全身全霊、全速全身で渡辺曜としてステージで生きようとするしゅかしゅーの姿を目に焼き付け、そして死にたかった。

個人的な主観に過ぎませんが、今までで一番泣ける恋アクでした。両日とも。

斉藤朱夏さんに心からの感謝と、この上ない賞賛と、身にあまる愛を。

 

⚓️

 

10. Daydream Warrior

のサイリウムの景色から一変して、会場がい光に包まれた光景は、Aqoursのライブの曲中では初めて見る景色で美しかった...

 わちゃわちゃとした楽しいMCからの流れで、あいきゃんのトーンを落とした声での「次の曲です。Daydream Warrior」即座にモードを切り替えるAqours。最高にカッコいいんですよね。

ライブverのイントロでシンセのメロディーが入る所からご褒美ですし、原曲のメロディーに入る所で背景のスクリーンに9人のシルエットが映るとこなんか、もう...ね。

この曲はもともとキックのアタックが強い音って言うのか、鳴りが良いって言うのか、他の曲と比べて音圧が凄くてライブだとブチ上がりますよね。音響とか音の作りに詳しい有識者の見解、需要ありますので誰か氏ログはよ。

この曲に関しては9人のクールな表情がめちゃくちゃにカッコ良くて痺れますし、「攻撃しなきゃ」のありしゃソロパートで拳を突き出すフリがすっごい好き。

そしてこの曲はダンスパフォーマンスに目を奪われがちですが、9人の歌唱力も素晴らしかった。Aqours楽曲としては低めのキーのメロディで、表現力を堪能できるソロパートは至高でしたし、喉からCD音源どころか完全にそれ以上でキメてくれましたね。特にCメロのふりりんきんちゃんすわわの所は圧巻でした (ブレイク部分の音に、あの伸びのあるボーカルがまた映えること。)

ふりりん「でも帰りたい あの日 出会いの日...」のパートは、CD音源のルビィちゃんよりも大人っぽくてクールな印象の歌声だったのですが、「こんなのルビィちゃんじゃない!」ってならない、圧倒的な説得力を持っていたのが感動的ですらありました。黒澤ルビィを全身で表現できているからこそ、"黒澤ルビィとしての降幡愛" の新境地が切り開かれた瞬間だったように思います。

あれこれ言いたい事は山ほどありますが、ダンスはやはり凄かったですよね。特にサビと、間奏のカットアップ部分のパートは何度も度肝を抜かれました。早くまたあいきゃんのキレまくりのダンスが見たいので円盤を.......

⚓️

きゃんしゅかがキレ過ぎているのでつい注視してしまいますが、他の7人もこの難易度のハードなダンスをこなして、9人でのパフォーマンスとして完成していること自体、冷静に考えたら尋常じゃない事のように思います。ダンス有識者の見解、需要ありますので誰か氏ログはよ。

 

 

 

11. スリリング・ワンウェイ

ブチ決まってましたね。

「私たち、輝きたい!!」のシャウトからコールの煽りに至るまで、あんちゃんがステージで生命力燃やして全力でオーディエンスと対峙する姿。もはやスクールアイドルとかそういう枠を超えて、Aqoursという革命の旗を掲げる旗手のようですらありました。

メインステージからセンターステージへと花道を疾走する9人の姿は、ミライへと突き進む強烈なエモーショナルを歌う歌詞と重なり、その駆動の力強さは今も鮮烈に目に焼きついています。

そして「マイ未来 トライ・トライ・トライライ ホンキ デ ハシレ」のコールでは、あの場、あの時間にこの身があることに溢れんばかりの喜びを感じました。ステージ上だけでなく会場中の誰もが、あの瞬間に全てを出し切とうと血を滾らせて "生きる熱さ" を感じられたのではないかと思います。

個人的に印象深かったのは、大サビ前のソロパートで「ギリギリだけどね 走る未来」を歌うあいきゃん。

今ツアーでは各メンバーが表情芝居にも力を入れて、表現の幅を見せてくれていたと思うのですが、この時のあいきゃんの表情はギルキスの時みたいな狙ってキメにいってると言うより、内から狂気が滲み出てくるようなイっちゃってる表情なのが、最高にゾクゾクしましたね。

からの、全渡辺曜ちゃん推しが固唾を飲んでその瞬間を迎えたであろう「感じたいだけさああああああああ!!!!!!」で無事に天寿を全ういたしました事をご報告いたします。その伸びやかな歌声は天に向かって突き上げたスカイブルーのサイリウムの頭上を通り抜け、半野外のドームを突き抜けて埼玉上空へと飛び去って行きました。しゅかしゅーはやってくれました。無限に朱夏.....しゅき..........。

 ⚓️

名古屋、神戸の二公演ではこのパートが 恋アク→デイドリ→スリワンの3曲で構成されていた事は皆さんご存知かとは思いますが、埼玉公演ではこのハードメニューに加えて未熟DREAMERが追加されているんですよね。成長したAqoursの挑戦はセトリにも現れています。体力的にも過酷な4曲目でのスリリング・ワンウェイ。熱くならないはずがありませんでした。

⚓️ 

このパートが終わると照明が暗転し、幕間のアニメが始まったところで一気に心の紐が解けてしまい、止め処なく流れる涙を抑える事ができませんでした。(そのため初日は幕間のアニメ全く見れておりません)

 

  

 

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12. P.S.の向こう側/近未来ハッピーエンド

P.S.の向こう側

ユニット楽曲のセトリは全く読めていなかったので、初日でこの曲のイントロが来た瞬間「そう来たか、是非もない」といった気持ちで覚悟を決めたのでした。

名古屋公演2日目では、予想だにしていなかったこの曲の登場で全く心の準備ができておらず、振り付けやステージ演出なども含めてうまく受け止める事ができなかったのでリベンジのつもりで臨みました。

 

...と全力で食らうつもりで身構えてはいたのですが、「P.S.の向こう側」という楽曲に関しては埼玉公演前にぺこさんの考察記事を読んでいたので、CYaRon!の3人が元気に歌い踊る姿を見るだけで感情が溢れて止まらなくなってしまいました。

 

 

「P.S.の向こう側」は、

ラブライブ!サンシャイン!!というプロジェクトが幕を閉じて数年後、「キャスト」が「キャラクター」へと言葉を送る様子を歌った歌ではないだろうか。

「P.S.の向こう側を考える」  ぺこにっき より引用

 

私はこの曲はCYaRon!の3人の "卒業後の友情関係を歌った歌詞" と、ぺこさんの解釈の "Aqoursとしての活動を終えたCYaRon!(キャスト)がキャラクターに向けての気持ちを歌った歌詞" の2面性があると考えておりまして、ライブ中はその両方の気持ちが交錯して入ってきてしまい、止め処なくエモに流されてしまいました。

 

CYaRon!や同曲がお好きな方には是非ご一読頂きたい記事です。

 

そしてスクリーンに映されたアニメーション映像では、歌詞には存在しない物語の続きが描かれるニクい演出が。手紙がポストに投函される所を見て、また涙が止まりませんでしたね。「ありがと。」はこっちの台詞なんじゃ......

  

⚓️

 

近未来ハッピーエンド 

2日目の近未来ハッピーエンドでは、みんなが笑顔で元気いっぱいになっちゃうような幸せなムードで会場が包まれましたね。CYaRon!ちゃんかわい過ぎるんじゃ......もはや語彙を失いただ「尊い.....」と魂が抜けている人の表情でオタク棒を振っていた気がします。魂が抜けていたので何も覚えていません。

海賊姿の3人がでっかい旗を振る様子は、CDのジャケットの可愛らしさとはうって変わって、会場中の観客のハートを根こそぎ奪っていく大海賊そのものでしたね。完全に制圧されました.......

同曲の最後の…でもそれはおまけだし とにかく 大事なのは 君のその恋だよ ぜったああああああああああい!!!!!」しゅかしゅーがあまりに曜ちゃんで、もう。感無量、でした。 

 

 

 

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13. LONELY TUNING/GALAXY HidE and SeeK

LONELY TUNING

初日に披露されたLONELY TUNINGは、デジタルなサウンドと光の演出が相まって、ドームの空間全体に音と光が広がっていく、壮大なスケールの多幸感を全身で感じる事ができました。

私はAZALEA楽曲のトランシーでキラキラしたサウンドが大好物なのですが、ヘッドフォンとドームの音響だと全く音の体感が違うんですよね。巨大なスピーカーから放たれる低音が空間を揺らす中で、全身の肌でAZALEAを浴びる幸福。そのデジタルなサウンドと相性抜群なすわわの堅い声質と、ありしゃの素直で清涼感のある歌声と、きんちゃんの伸びやかで温かみのある歌声が折り重なって、私も背中に羽が生えたような気持ちで昇天していました。

ブチ上がるというより、魂の浄化と言った方が正しいような無限の幸せをこの身に享受しておりましたので、本当に記憶がありません。

ただ唯一覚えている光景は、間奏でふと隣を見た瞬間に連番者も天を仰いでいたこと。スクリーンに映った高槻さんが左手でヘッドフォン抑えて、右手でスクラッチしてる風のフリが可愛かったこと。

ただのそれだけ。でもそれだけで私には充分でした。

 

⚓️

 

二日目 

ユニット楽曲は一期一会、恐らく今後二度とライブで披露される事はない。

その事を噛み締めながら二日間、これが最後という気持ちで向かい合って来ました。

思い入れのない曲など無い。けれどこの曲だけは特別。病むほどに惚れ込み、脳に焼き付くほど聴き込んできた。私にとって理屈じゃなく特別な一曲。

近未来ハッピーエンドの曜ちゃんの余韻に浸りたい気持ちを振り切り、背水の陣の如き心境で、暗転した場内でセンターステージに現れる彼女を待ちました。

 🌠

-----------遥か遠い宇宙から届く信号のような、あのメロディが近付いて来る。

光速で距離を超えてきたメロディが音圧を増し、空間を埋めるベース音。

二度打ち込まれたバスドラムの合図で、センターステージに白い光が落ちる。

 

 

終わりが始まってしまった。

 

 

 

GALAXY HidE and SeeK

 

真っ暗な会場の中央に浮かび上がった正方形のステージに、彼女の姿はありました。

白色のスポットライトに照らされる中、鍵盤が叩くメロディに合わせてたったひとりで可憐にその身を揺らす姿は、儚げで、あまりに孤独で。彼女ひとりで立つにはあまりに広大なサイリウムの銀河が、どうしようもなく眼前に横たわっていました。

「もしかして本当のわたしは 地球じゃないところで生まれたかも」

無機質なステージで彼女はひとり、歌い出します。センターステージを真向かいから見下ろす構図で見つめる私を他所に、彼女は続けます。

 「さみしかったずっと こころ通じ合う人はどこでしょう?」

悲しげな表情で、紡ぎ出す歌声が心情を吐露するも

 「 ah 迷路では ひとり」

ステージ上の彼女には、誰も手を差し伸べる事すらできません。

 

🌠 🌠 🌠

 

ココだよって誰かの声が聞こえる 優しいその声で 導いてください

 

「ココだよ」から始まるユニゾンで、ふたりの声が彼女を包みます。

会場のどこからともなくふたりの歌声が響いてきますが、メインステージを背にした彼女にはその姿を伺い知ることができません。

 

 それだけで わたしはこの星のことが とってもスキになれるみたい

 

どこにいるのかもわからない、それでも運命の相手から届く歌声が彼女を救うかのような、歌詞と連動した見事なステージ展開「とってもスキになれるみたい」の歌詞を、愛おしく噛みしめるかのように歌い上げる彼女の姿に、涙が止まりませんでした。

 

 はやく出会いましょう I'm calling calling you

 

🌠 🌠 🌠 

 

 「その人も私を探して旅してるはずだって なぜかわかるの」の歌詞で物語が動き出します。トロッコに乗ってサイリウムの銀河を旅してきたふたりは、センターステージへと辿り着きました。

 「見つけなきゃきっと こころ通じあう人よ待ってますか?」

彼女はふたりの姿を探してあてどなくセンターステージを彷徨いますが、ふたりとの出会いを果たす事ができません。

 「Ah 出口は」...

2回目のサビに入り3人で同じメロディをユニゾンしても、ふたりはステージの外側の観客に向かって歌唱を続けます。あれほどに近い距離にいても繋がり合うことができずにいる姿は、まるで黒澤ダイヤの過去の境遇と重なるようで...

 

 「ひろい世界 それは運命」
「かならず惹かれ合う かくれんぼの途中みたい」
「まーだだよ」とは おねがい言わないで」

 

出会いを待ち焦がれる彼女の、等身大の願いが解き放たれた瞬間。場内は眩い光に包まれ、幾重にも重なり合うシンセのメロディに合わせて光の柱が縦横無尽に突き抜けます。

 

 「あと一歩ですか? こころ通じ合う人が待ってますね

 「Ah 誰かは...

 
永遠とも思しき時間の中、待ち焦がれた瞬間。

彼女は慈しむような優しい笑顔で、ありったけの想いを込めて「 ♦️ ♦️ ♦️ 」と告げます

まるで銀河という宝箱の中から、とっておきの宝石をお披露目するかのように。

 

🌠 🌠 🌠

 

 「ココだよってあなたの声が聞こえる やさしいその声で 導いてください

ふたりとの出会いを果たした彼女は、弾けるような笑顔でステージを舞い踊ります。

そのはずだったと思います。感極まり涙で視界を失ってしまった私には、残念ながら何も思い出せません。ただ、ステージに集まった3人がぎゅっ てしていたこと、3人が出会えた喜びを、溢れんばかりの笑顔を振り撒いていた事だけが脳裏に焼きついています。


 「それだけで わたしはこの星のことが とってもスキになれるみたい

 

花道を駆けていく3人。涙が溢れてどうしようもなかった。

この時間が永遠に続いて欲しいと願ってしまった。終わりがある事の美しさを知っていても、終わりと向き合う事を受け入れられなかった。前を見る事ができなかった。

 

 「早く出会いましょう I'm calling calling you!ココだよってあなたの声が

 

落ちサビで時空が歪んだ。まるで終わって欲しくないという願いが、現実を変えてしまったかのようだった。咽び泣くしかなかった。

更にアウトロもループした時には、もうこれ以上何も望む事はないと思った。

 

アウトロが終わる頃、私はようやくメインステージに横並びに立つAZALEAの姿を目を向け、光の中で歓声を浴びる3人に、静かに拍手を贈りました。

 

🌠 🌠 🌠

 

 

 

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14. Guilty Eyes Fever/コワレヤスキ

Guilty Eyes Fever

初日はLONELY TUNINGのEDMなサウンドからの流れで、この曲。まさに天井知らずのブチ上がりのセトリでしたね。

バッチバチにカッコつけたギルキスの3人のパフォーマンス、最高にクールでした。

ステージに視線を釘付けにして魅入ってしまいたい気持ちと、音に任せてこの身を踊らせてしまいたい気持ちと、その両方に挟まれた葛藤で「なんで俺には体がひとつしかないんだ....」という苦悩でイントロを迎えた事を覚えています。

この曲は音と音の隙間がイイ感じに空いてて、歌唱の際の語尾の処理が堪能できる神曲だと思っているのですが、あいきゃんあいにゃのあの語尾の余韻の残し方ですよ。大変けしからん。スクールアイドルにしてはセクシーすぎるのではないでしょうか、鼻血出るかと思いましたよ。

そして何と言っても間奏パートでの3人のソロのダンスが華があって見所ですが、あいきゃんのキレッキレのソロパフォーマンスには思わず歓声を上げてしまいました。

このツアーでたったの3回しか披露されないこの曲の、あの瞬間にあいきゃんがどれだけ賭けて練習を積んできたのかを想像すると、わけもわからず泣けてくるぐらいのカッコよさでした。

また、あのパートは "Guilty" と "Get Down" のボーカルにスクラッチが入ってるのがめちゃくちゃカッコイイんですが、あの濁音の発音とスクラッチ音のザラついたノイズ感が絶妙にマッチしてるのがまた最高なんですよね。

からの間奏後のりきゃこのソロパート、これがまたガンギマリで史上最強に突き抜けてましたね。素で「は!?逢田さん歌うっま!!」ってなりましたし、このパートは裏で音がガンガン鳴ってるのに、ボーカルが冴えてて全然負けてないというか、むしろボーカルがガンガン前に出てきてる感じが。もう、最高のそれでした。

長くなりましたが、要するに一言でいうと ギルキス最高................。素直に堕天です。

 

😈

 

コワレヤスキ

前曲GALAXY HidE and SeeKで精神が崩壊していた私には、あまりに酷なセトリでした。

しかし余韻に浸る間もなく、歪んだギターの音と共に暗闇に浮かび上がる3人の姿。ラスボスの登場です。

Aqoursのメンバーと同一人物とは思えないような、凍てついた表情でスタンドマイク前に舞い降りた3人。「You're fragile」で会場の空気は瞬時に一変し、重厚なサウンドがドーム内を席捲。ダークな世界観が渦巻くギルキスの独壇場と化しました。

 

 「君はいつも恐れてる 微笑みながら 嫌われたくないキモチ それも解るよ」

まるで何かに取り憑かれたかのような声色でソロパートを歌い出すあいきゃん。同じギルキス楽曲と比べても明らかに入り込み方が違う。その歌詞はヨハネではなく津島善子の過去の境遇に沿っており、まるで小林愛香津島善子に向けて歌っているかのような不思議な感覚がありました。彼女を縛る鎖から解き放とうとするかのような、そんな彼女の姿がそこにはありました。

 

 「だからなにも言わないね 本当のことを ひとつ息を飲み込んでガマンしてるのは」

 いつもより抑えたトーンで寄り添うあいにゃ。小原鞠莉として歌唱しているはずなのに、その歌詞は小原鞠莉自身の過去を暗喩しているようでもあり、やはりどこかに鈴木愛奈の影を感じました。

 

 「もうやめて 私だけにそっとこころを見せなさい 泣きそうな目の君が好きよ 無防備に生きる不器用さもね」 

真っ直ぐで嘘のないりきゃこの歌声が続きます。この歌詞も1話の桜内梨子の境遇へ向けられているかのようで...ライブではそういった印象は無くありませんでしたが。弱さをも全て抱擁する深い愛を歌ったこのパートは、あらゆる人の胸を打ったと思います。

 

😈

 

私の主観ですが、二番以降で3人の歌唱が変わったように感じました。

一番ではまるで内に向けて問い掛けるかのような、感情が抑圧された雰囲気を感じたのですが、二番では外に向けて感情が解放されたかのような。曲への入り込み方がゾーンの域に達したかのような、そんな印象を持ちました。

 

 「さあいまは 私だけにすべて嘆きを見せなさい」

以降はもう、心に直に曲が入ってきてしまってだめでした。庇護と救済を歌う歌詞を、りきゃこにあんな風に歌われてしまっては。その場に立っているのがやっとでした。

ある意味、この曲は堕天解放された間奏のあいきゃんのシャウトを食らって死ぬ曲みたいな側面もあると思いますが、もう全部だめでした。

満を持して迎えた間奏パートでは、あいきゃんの闇夜を穿つ閃光のような張り詰めた叫びが炸裂し、魂が浄化された私は無事に成仏しました。

その後も繰り出される3人の、持てる真価を全て出し尽くすかのようなエモーショナルな歌唱、両手を広げて鬼気迫る表情でサビを歌い上げる姿に圧倒され、曲が終わった時には胸の中が伽藍堂になるほど全部燃え尽きてしまいました。

最高のステージをありがとう、ギルキス。またいつか会える日まで。

 

 

 

 

 

😈 後編につづく 😈

 

 

 

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ブラックダイスのDVDを観てみた話

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あきのです。

人生初の「舞台」というものに触れて衝撃を受けて早5ヶ月。

あの日の新鮮な感動を忘れないうちに、文字として書き起こしておきたい。という気持ちだけで立ち上げた「あきの忘備録」でしたが、ようやく忘備録としての役目を果たす時が来ました。

 

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それまで外部ブログで長文を書くことなど、考えもしていなかった私でした。面倒臭がりで、能動的に行動することなど一切して来なかった私に、ブログを立ち上げさせるほどの衝動を与えたこの作品。

人生観にすら影響を与えるほど凄まじいパワーを持ったこの舞台に、並々ならぬ思い入れがありました。

ただ、もう一度あの世界に触れたい。咲子に、ブルジョーネの人達に、詐欺師に、あの人達に会いたい。その一心で待ち焦がれたDVDの発売。ようやくです。

 

待ち侘びていたブラックダイスのDVDが届き、早速鑑賞してみました。

 

 

 

私が観劇したのは4月21日(金)、伊波杏樹さん主演のA公演。

フォロワーさんから聞いた話では、翌日の土曜日のA公演にカメラが入っていたらしいのですが

 どうやらそれで合っていたようです(たぶん)

 

 

5ヶ月前に初めて舞台なるものを体験した際の所感は、「なんと・・・舞台とはなんと素晴らしいものか!ステージ上で生身の人間によって生み出される物語、舞台とはまさに生き物であるのだ・・・!!

といった月並みなものでしたが、実際に自分が観劇した日とは別日の舞台をDVDで観てみると

 

「は・・・??なんだこれ全然違うんだが??」

と、また違う衝撃を受けまして。

 

当然ながら、現地で生身で体感した舞台と、カメラのアングルで切り取られて画面越しに見る舞台とでは比較にはならないでしょう。

だからこそ、ステージと客席という同じ空間を共有できる場での体感がどれほど素晴らしいか、ということも身を持って実感したわけですが。

しかしながら、ここで感じたものはそれとは全く違うもので

 

役者さんの演技が、全然、違うんです。

 

台詞の早さ、声のトーン、掛け合いの間、身のこなし、表情芝居、その全てが織りなす表現。

そして何よりも、感情表現。

 

現地での体感があまりに衝撃的な体験だったので、5ヶ月前の舞台の情景はかなり鮮明に記憶しているはずです。(あきの忘備録をようやく活用できました)

ですので、画面の中で同じストーリー、同じ台詞が紡がれていくのを観ていく中で「やっぱり、全然違う」という確信が見れば見るほど深まっていきました。

 

 

ブラックダイスはどのキャラクターも人間味に溢れた魅力があり、またそれを演じる役者さんも皆素晴らしく、役の魅力を引き出していました。

実際に台本を読んだ上で台詞を照らし合わせてみると、舞台上ではまるで全く違う物語であるかのように感じるほどに。登場人物が生き生きとその個性を溢れさせていました。

どのキャストの演技も光るものがあり、全員を大好きになるようなお芝居だったと思います。

 

 

それでも、敢えて言うと、主演の伊波杏樹さんの演技は、凄まじかった。

 

感情の入り具合が日によって違う、ということは人間なので当たり前のことだと思います。ですが、彼女のそれは "感情の入り具合が違う" というより、"違う感情が入っている" と思わせるほどの演技。

まるで伊波さんに憑依した咲子という人格が、伊波杏樹という人格の意思を超えてステージ上に顕現したかのようでした。

 

咲子は物語の後半に至るまで自身の感情を露わにするシーンはあまりなく、どちらかと言うと感情が抑圧されたお芝居がメインだったと思います。

そして最後の最後で咲子が自身の喜びの感情を解放するシーンは、彼女の感情の振れ幅が役者の演技に委ねられ、物語のイメージそのものを左右する重要なシーンでした。

 

 

同じストーリー、同じ台詞で構成されたステージであっても、同じ舞台は無い。

そのことの本質は、役者さんの演じる芝居に込められた "感情" にあったのだと気付きました。

 

 

同じ台詞のやり取りをしても、その中で同じ感情が生まれるとは限らない。

公演が回を重ねる中でも、演者の中で役柄に変化があり、感情が変わることもある。

 

 

完璧に役柄を固めた上で、常にブレずに、物語が求める人物像を演じ切る。演技のプロとして、そういった完璧さは必要なものであろうと想像します。主演の脇を固める登場人物が公演の度にブレていては舞台は成立しないでしょうから。

そして主演がWキャストであり毎回演じる人が交代となっていたこの舞台は、主演以外の実力のあるキャストがガッチリと脇を固め、安定したチームワークを発揮していたからこそ良い舞台として成り立っていたのではないか、と思いました。

 

たったの一度しか舞台を見た事がない人間が、わかったような事を言うのもアレかな、と思ったんですけど。感じた事を素直に書きたかったので許してね。

 

 

 

 

ブラックダイス、伊波さんの好演が光る素晴らしい舞台でした。

しかしそれだけでなく、全ての役者さん、ストーリー、ステージ演出、音楽、全てが本当に良かった。

本当に、もっと多くの人にこの舞台に触れて欲しい。そう思います。

 

 

 

FLYING TRIP主催の次の舞台が気になるし、伊波さんの主演もまた観たい。

ブラックダイスはDVDの再販もあるし、なんだったら再演も期待したい。

 

 

 

咲子に会いたい。また、桜舞う季節に。

「10!」のコールやってみませんか?というお話

あきのです(*> ᴗ •*)ゞ

 

先日行われた神戸ワールド記念ホールでの公演をもって、Aqours 2nd LoveLive! HAPPY PARTY TRAIN TOUR は名古屋→神戸の計4日間の日程が無事に終了しました。

 

 

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更にAqoursは8/24に埼玉スーパーアリーナで行われたAnimelo Summer Live 2017 (アニサマ) への初出場も果たし、2万7千人もの大観衆の前でのライブも見事成功をおさめました。

ライブが回を重ねるごとに彼女達のパフォーマンスが研ぎ澄まされ、どんどん輝きを増していく事を肌で感じている事かと思います。

 

さて、「Aqours Next Step! Project」の皮切りとしてスタートしたHAPPY PARTY TRAIN TOURですが、今まさにAqoursの9人はNext Step!のステージを駆け上がっている真っ最中です。

埼玉公演まで残すところあと1ヶ月を切りましたし、"みんな" で心置きなく乗車したいところですね。

 

 

 

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その「新しいみんなで叶える物語」の "みんな" であるところの "私たち" 。

 

 "私たち" も10両編成の列車に乗り遅れないよう、足並みを揃えて次の目的地である埼玉公演に向かえたら良いな、と思いこの記事を立ち上げました。

 

 

 

  

まわりくどい前振りになりましたが、本題に入りますね。

 

 

 

 

「太陽を追いかけろ!」で「10!」のコールやってみませんか?

 

 

  

 

私がお伝えしたい事はこれだけです。

 

 

 

 

・・・と言いますのも、私は今ツアーで名古屋公演を現地で2日間、神戸公演初日をLVで計3日間参加いたしました。

その中で感じた事は、観客の中で "10!のコールを言って良いのかわからない" という迷いがある人と、そもそも "10!のコールは言ってほしくない" と考えている人が確かに存在する事。

そしてその割合が想像していたより多い、という事でした。

加えて人づてに聞いたお話にはなってしまうのですが、私が現地参戦できなかった神戸公演では名古屋公演よりも「10!」の声が小さく、その人の周囲ではあまり聞こえなかったとのこと。

 

私自身はもともと「太陽を追いかけろ!」では「10!」 のコールは言うつもりの心構えでおりましたし、このツアーで公演が回を重ねるにつれ、自然とその声が大きくなっていく流れになるんじゃないかな。と思っていたんです。

ですので、神戸公演現地からの証言を受けて少なからずしょんぼりしました。

 

そこで前回のブログでも触れてはいる内容なのですが、改めて声に出して言ってみようと思った次第です。

 

 

※これは埼玉公演で「太陽を追いかけろ!」が披露される前提のお話です。されなかったら笑って下さい。

 

 

 

さて、「ラブライブ!」のファンにとって "10人目のメンバー" という概念に対しての向き合い方は人それぞれ違うと思いますし、特別な思い入れがあることでしょう。

また、μ'sのコーレスにおける「10!」と、AqoursのMIRAI TICKETにおける「10!」の意味合いもまた変わってくるものだと思います。

 

  

ですので、一旦ここでは全て割愛します。 

 

 

これを議論し始めると収拾がつかなくなりますので (と言うより、私の力量で安易に触れられる話ではないので) 大変恐縮ではありますが、それらを一旦脇に置いて頂き、その上でこの続きをお読み頂けると幸いです。

 

 

 

 

・私が「太陽を追いかけろ!」で「10!」のコールを言いたい理由 

 

 この曲のイントロ部分の点呼のパートで、「10!」のコールを入れられるように意図的に余白が用意されていると考えられる。とか、

曲のラストで「そうキミとの マーチングマーチが 響き渡るよ」という歌詞がある事から、"キミ" と "Aqours" の両者が揃って初めて完成する曲であると考えられる。とか、

そういうのも一旦全て脇に置きます。

 

 

私がこれを主張したい一番の理由は、Aqoursがそれを望んでいると思うから です。

 

 

神戸公演の初日で披露された「太陽を追いかけろ!」では、点呼のカウントアップの後の「OK?」を杏ちゃんは言いませんでした。

そして観客側に向けて両手を広げて、「10!」のコールを迎え入れてくれました。

 

更に神戸公演2日目では初日と同じ流れの後に、両手を耳の脇にかざして私たちの「10!」の声を聴こうとしてくれていました。

(厳密には彼女はイヤモニをしていたはずなので、声はほとんど聞こえていなかったとは思いますが)

それでも私たちの声を聴こうとする気持ちを見せてくれましたね。

 

私はこれを杏ちゃんからの...いえ、Aqoursからの「みんな、いっしょに輝こう!」 というメッセージとして受け取りました。 

 

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当然の事ながら、CDの音源に入っている本来あるはずのパートをコールの為に削ったのは異例の出来事です。

 "OK?" のパートを言わなかった事は、恐らく彼女の独断ではないでしょう。

綿密な打ち合わせの上で決まった流れかと思います。

(背景のスクリーンには「OK?」の文字が表示されていたという現地からの証言もあり、名古屋公演を受けて急遽決まったことなのではないかと推測しています。)

  

 

そして杏ちゃん以外にも、私たちに対して「10!」にまつわるメッセージを発信してくれたのがこの方。

 

 

 

名古屋公演2日目のラストのMCで、あいきゃんが自分の言葉と声で伝えてくれた「Aqoursの9人と、応援してくれるみんなの10両編成だから」というメッセージ。

名古屋公演の後でのブログでも、同じ事を言ってくれていますね。

  

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 小林愛香オフィシャルブログより転載

 

そして神戸公演での「太陽を追いかけろ!」では、9人で手を繋いで深いお辞儀をする際、ステージに向かって左端のあいきゃんが 空いている方の右手を私たち観客側に差し出してくれた事も、改めてお伝えしておきたいです。

 

  

 そして神戸公演後にはこのツイートですね。

このツイートの "リトルデーモン" って

  

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 「クック・・・全てのリトルデーモンの行動はお見通しなのよ」

 

これじゃないですかね。(果南ちゃんを出迎えるシーン、一歩引いた立ち位置からメンバー全員のことを気にかけている様子が伺えます)

こじつけに見えるかもしれませんが、あいきゃんなら

「(全ての)リトルデーモンもついてきてくれなきゃ、さみしいよおおおおぉ( ´•ω•` )。」

という意味で言ってるとは思えませんか?勿論10両目の私たち全員を含めて、です。

  

 

私たちは彼女たちからのメッセージを、能動的に受け取るべきだと思います。

 

各々の中に「10!」のコールに対するもやもやが払拭できていない部分、自分なりの答えが出せていない部分はあるかもしれません。

しかし、名古屋公演での「太陽を追いかけろ!」では曲の点呼のパートでステージのスクリーンに「10」の数字は表示されていました。少なくとも2日目は間違いなく。

そして、神戸公演ではスクリーンに「10」の数字は表示されていなかったとのこと。この事を踏まえると、この「10!」のコールは私たちに委ねられたと捉えても良いのではないでしょうか?

 

このHAPPY PARTY TRAINツアーは「新しいみんなで叶える物語」そのものです。

 

「太陽を追いかけろ!」の「10!」のコールを "みんな" でする事で、10両編成のHAPPY PARTY TRAINに乗り込み、次の駅に向かって出発する。

その物語の一部分を私たちが担う事ができるとすれば、素敵なことだと思います。

  

 

 

私は聴きたい。

メットライフドームに響き渡る盛大な「10!」のコールを。

私は見たい。

会場中からの「10!」のコールを受けたAqoursちゃんが最高の笑顔を。

そして次なるNext Step!へ再出発を果たす姿を。

  

 

  

次に私たちを待ち受けている埼玉公演が、ツアーの目的地はとしては終着駅になります。しかしそこで旅は終わりではないですよね。

次なる「Next Step! Project」の行き先はファンミーティングです。

であれば、そこに向かって出発するには、やはり埼玉公演で私たち "みんな" で "10両目" に乗り込むしかないと思います。

 

 

 

この記事に共感して頂けましたら、この話をツイッター等に持ち帰って頂き、埼玉公演の前にご自身の周りの方に問い掛けてみて下さい。

そしてあなたの周りにいる方々といっしょに「10!」のコールとの向き合い方を改めて考えて頂けたら嬉しいです。

 

またライブでの「10!」のコールに関連する出来事で、私がキャッチできていない情報がありましたら教えて頂きたいですし、事実と異なる記載がありましたらご指摘頂けると助かります。

  

 

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 この記事が誰かにとっての "0から1へ" に繋がる事を願って。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

......からのこぼれ話が長いのが私の悪い癖ですが、続けます。

「太陽を追いかけろ!の点呼はAqoursの9人の為のものだから、勝手に10人目に入らないで欲しい」という意見に対してだけ、不躾ながら持論を述べさせて頂きます。

  

果たして彼女達は本当にそれを望んでいるのでしょうか?

 

のっけから論点がズレてしまい申し訳ないのですが、最初にアニメの話から入ります。

アニメの中のAqoursにとって、"輝く"ということはどういう事だったのかを思い出してみてください。

 

「千歌ちゃんにとって輝くということは自分ひとりじゃなくて、誰かと手を取り合い、みんなと一緒に輝くことなんだよね。

「私や曜ちゃんや、普通の皆が集まってひとりじゃとても作れない大きな輝きを作る。その輝きが学校や聞いてる人に拡がっていく。繋がっていく…」

「それが、千歌ちゃんがやりたかったこと。スクールアイドルの中に見つけた、輝きなんだ」

 

11話 「友情ヨーソロー」  

 

ここまで当記事をお読み下さった方ならば、間違いなくアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」に感銘を受けた方だと思います。

Aqoursが私たちファンと同じ目線から輝きを追いかけ始め、やがて自らの輝きを手にしても尚、私たちと手を取り合って一緒に輝こうとする姿。その姿に私たちは、強く胸を打たれたはずではないでしょうか?

 

 

次はアニメのAqoursの輝き方を踏まえた上で、もうひとつのAqoursの輝き方を見つめ直してみます。 

  

 

 今では "輝きの物語" を率いる人物としてセンターに立っていますが、かつては小泉花陽推しの "ひとりのラブライバー" として、私たちと同じ目線でラブライブ!の輝きを追いかけてきた杏ちゃん。

その彼女ならきっと "はじまったときのときめき" をずっと大事にしてくれていると思います。ひとりのファンとしてμ'sの輝きに憧れ、自分も輝きたいと願ったであろう気持ちを。私たちと同じ気持ちを。

 

  

自分の中で彼女達を神格化し、"届かない星" として崇拝する事を全否定はしません。

ですが、自らの意思で彼女達を太陽のような手の届かない存在に担ぎ上げてしまうのは、自らの意思で彼女たちの存在を遠ざけ、延いては「みんなで叶える物語」の "みんな" の輪から外れようとする行為ではないでしょうか?

私には彼女たちが "Aqoursとして" 目指す理想像として、偶像の「アイドル」になる事を望んでいるようには どうしても思えないのです。

 SNSやメディア上での彼女たちの声に、もう一度耳を傾けてみて下さい。

彼女たちが常日頃から、 "みんなで" という言葉を発信してくれている事に気が付くはずです。

 

  

彼女達はいま、私たちの予想を遥かに超えたスピードで前に進み続けています。

このツアーを終える頃には彼女たちがどこか遠く、私たちの手の届かない場所に行ってしまったと感じるであろうほどに。

だからこそ、彼女達の方から私たちに会いに来てくれるという意味での「ファンミーティングツアー」が用意されているはずです。

 

蛇足かもしれませんが、ファンミーティングツアーはただの地方イベントではありません。公式HPに書かれたこちらの文章をご覧下さい。

 

 <ご退場時にAqoursによるお見送りを予定しています>

 

ステージ上でキャラクター役として眩い輝きを放った彼女たちが、終演後にはステージ上ではなく、もっと近い距離感。感覚としては私たちの日常空間に近い場所に現れる事になります。

私たちは、初めて "ひとりの人間として" の生身の彼女たちと対峙する事になるでしょう。

 

Aqoursはμ'sとは違い彼女たちのステージ上での姿だけでなく、舞台裏の素顔やプライベートの空気感をAqours Club Reportや1st LiveのBDでも見せてくれていますね。

コンテンツ側からも「彼女たちを偶像としてのアイドルではなく、私たちと同じひとりの人間として見てほしい」という向き合い方を求められていると感じます。

 

 

Aqoursはこの先もずっと走り続けるでしょう。しかしキャストも運営も、私たちを置いてけぼりにはしないと思います。

Aqoursが離れて行く もしそう感じるのであれば、それは自分から距離を置いてしまっているのだと思います。

 

 

例え太陽の輝きには手が届かなくても、追いつけなくても。

それでも私たちにとってのAqoursが、共に太陽を追いかける無謀なマーチングバンドの旗手として、これからも身近に感じられるような存在であってくれたら良いな と思っています。

 

 

 自分が "10人目のメンバー" になりえるか、果たしてその資格が自分にはあるのかを考えた時に、あまりに恐れ多いっていう気持ちになるのもわかります。

でも、 "10両編成" の "10両目に乗り込む" なら、 "みんな" と一緒になれそうな気がしてきませんか?

  

 

 

願わくば、この「10!」のコールが "みんな" になれないと思い込んでしまった方と、Aqoursの物語を繋ぐ橋渡しとなりますように。

 

 

 

なんて言ったら大袈裟かもしれないですし「『10!』って言ったからって何も変わんねーよ」って思われてしまえばウッス...って感じですけど。

 

結局は受け取り手の気持ちの問題ですから。

 

 "きっかけはなんでもいいから いっしょにときめきを探そうよ"

 

って言いたいし、

 

"届かないって決めないで 手を伸ばせ!それから悩め!"

 

って言いたい。

  

もしかしたら未来のAqoursが「みんなが『10!』って言ってくれて嬉しかったよ」って喜んでくれるかもしれないし、そうじゃないかもしれない。

 

 

 

 

 

結局のところ、この物語の行く末は

 

 

 

 

 

 『未来の僕らは知ってるよ』

 

 

 

 

 

なんすよね。

HAPPY PARTY TRAIN TOUR 名古屋公演とは何だったのか

ヨーソロー♪あきのです(*> ᴗ •*)ゞ

Aqours 1st LIVE 横浜アリーナ2DAYSに引き続き、幸運にも2nd TOUR 名古屋ガイシホール公演も2DAYS 現地にて彼女たちの輝きを見届けて参りました。

彼女たちの輝きを受けた身として責任を果たすべく、彼女たちの輝きを広める一端を担いたく思い、拙いながらこの感想記事を綴らせて頂きます。

 

 

渡辺曜ちゃん推し目線が多分に含まれております、ご了承ください。

※当記事は"Aqoursの9人の物語"に焦点を当てた内容にする為に、ユニット・学年曲には一切触れない内容となっております。 

 

 

 

 

 

【Aqours 2nd LoveLive! HAPPY PARTY TRAIN TOUR 名古屋ガイシホール公演】

 

【開演】オープニングアニメムービー 

【1】 HAPPY PARTY TRAIN

【2】 pops heartで踊るんだもん!【DAY.2】届かない星だとしても

     MC

【3】 少女以上の恋がしたい

【4】 空も心も晴れるから

【5】 Waku-Waku-Week!

【6】 G線上のシンデレラ

     MC・ミニアニメ

【7】恋になりたいAQUARIUM

    MC

【8】Daydream Warrior

【9】スリリング・ワンウェイ

    ミニアニメ

【10】近未来ハッピーエンド【DAY.2】P.S.の向こう側

   CYaRon! MC

【11】海岸通りで待ってるよ

【12】GALAXY HidE and SeeK 【DAY.2】LONELY TUNING

   AZALEA MC

【13】INNOCENT BIRD

【14】コワレヤスキ 【DAY.2】Guilty Eyes Fever

      Guilty Kiss MC

【15】Shadow gate to love

      Aqoursダンスリハ・ライブへの意気込み映像

【16】青空Jumping Heart

【17】SKY JOURNEY

      MC

【18】君のこころは輝いてるかい

   アンコールアニメ映像

【19(EN1)】サンシャインぴっかぴか音頭

   2期PV映像・MC

【20(EN2)】太陽を追いかけろ!

 

 

 

 

 

【開演】オープニングムービー

 

開演前の会場を満たすのは、静かに熱量をもった観客のざわめきと独特の緊張感。開演時間を数分過ぎてもBGMの音楽が流れており、Aqoursはまだかと待ちかねる雰囲気の中。不意にBGMがフェードアウトし、次の瞬間照明が暗転。空間を満たしていたざわめきはひとつの大きな歓声となり、ホールは熱狂の渦に包まれた。

 

LoveLive!では恒例のキャラクターとキャストの紹介ムービーを経て(毎回このパートでテンションが右肩上がりになっていくの瞬間がほんとすこ)、ステージ上のスクリーンに映し出されたアニメーションは「HAPPY PARTY TRAIN」のMVと同じ世界。汽車に乗り込んだAqours9人が姿を現しました。

その内容はあのMVのラストで宇宙に飛び出したAqoursの、まだ誰も見たことのない続きが描かれたものでした。宇宙というレールのない航路を突き進み、やがて前方に名古屋駅のホームが見えてきた、と思ったら名古屋駅を通過し、赤信号も無視して突き進んでいくという・・・衝撃的に意味深な内容でした。

それは今ツアーへ向けたAqoursの決意表明であり、そして誰もまだ見ぬ彼女達の未来への希望の道筋を示しているかのような印象を受けました。

彼女達の "これからは敷かれたレールの上を走らない" というメッセージ自体は「HAPPY PARTY TRAIN」のMVでも伝えられていましたが、まさかこのツアーの冒頭で再度我々に突き付けてくるとは。

ラブライブ!ではキャラクターの心情を表す記号として信号機がよくその役割を果たしていましたが、赤信号を突破して汽車が突き進む演出は、それとは違う役割でしたね。

それはラブライブ!サンシャイン!! 13話を彷彿とさせる演出でした。

実は...調べたら歌えるのは事前にエントリーしたメンバーに限るって決まりがあるの。それにステージに近づいたりするのもダメみたいで」と事前にルールを提示して見せた上で、判断基準が可視化しづらい "輝きの尺度" をルールの枠を超えてしまう観客を描く事で提示してきたあのシーン。

では、それはこの公演においてはどんな出来事を指すのか。Aqoursが飛び出して行った赤信号の向こう側とは、名古屋駅をも通過して突き進む先に何があるのか・・・

 

そんな期待に胸を踊らせた我々の前に、ついに彼女達の登場です。

 

モーゼの十戒のごとく突如としてステージが中央から割れ、立ち込める蒸気の中から本当に汽車に乗り込んだ彼女達がバアアアアアアアン!!!!と登場してくる演出はあまりに衝撃的でした。

あのアニメの中からAqoursちゃん達が本当に汽車で突っ込んで来たかのような錯覚に陥りましたし、その瞬間は何が現実なのか分からなくなる程の衝撃でした。

そして間髪入れずに汽車からステージに降り立ち、汽車を背にしてフォーメーションの定位置に構える9人。

会場の10000人の人間が溢れんばかりの期待を胸に、固唾を飲んでステージに釘付けになった瞬間。

背景のスクリーンに映し出されたあのMVと共に、待ち望んでいたピアノのイントロが流れ始めました。

 

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【1】HAPPY PARTY TRAIN

 

記憶の糸を何度解き直しても、あの時何が起こったのか、自分が何を目撃したのかを言語化する事ができません。

Aqoursちゃんは初披露となるこのツアー表題曲をあの時の彼女達ができる全力で披露してくれましたし、何度も繰り返し見たMVの映像とこの時のライブの記憶が混線してしまうほど、空想と現実の隔たりを超えるようなパフォーマンスを見せてくれました。

 

この記事を書くにあたり、最後の最後まで【1】HAPPY PARTY TRAIN の部分が空白になっておりましたが、詳細はやはり空白のままにしておきます。

ただひとつだけお伝えしておきたいのは、初日の「HAPPY PARTY TRAIN」ではしゅかしゅー曜ちゃんの「だからもう行かなくちゃ、ひとりでも行かなくちゃ」をライブの中で体現して見せてくれた事です。

アニメ11話「友情ヨーソロー」では悩みを抱えた曜ちゃんに対して、梨子ちゃんが電話をかけて手を差し伸べてくれましたね。ツアー初日のこの曲では、2番の歌い出しで躓いた梨子ちゃんを曜ちゃんが支えてくれました。

それ流れを受けての千歌ちゃんのソロパートで、杏ちゃんが何を思いながら「気にしない 小さなことは」を歌ったのかは想像に難くないですし、その後の「ハラハラし放題!」もこのライブのみにおいては違う意味合いに変わったかもしれません。

何はともあれ、Aqoursとこの曲を好きになった人ならば「気にしない ちいさなことは」「いつでも笑顔でいたいから」って捉えられたのではないかな、と思っています。

その場限りの出来事を、例えそれがハプニングであろうと楽しめるのがライブという空間なのかな って思えるのも、「起こること全てを受け止めて」「すべてを楽しもうと」「それが、輝くことだから」という力強い言葉が私たちの胸の中にあるからかもしれません。

「胸に確かなもの持ってたら それだけでなんとかなるって」なんですよね。

 

さて、「HAPPY PARTY TRAIN」は、みんなの様々な想いを乗せて発車しました。

何が待っているのかもわからない遠い駅へ、終わらない旅へと。

 

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【2】pops heartで踊るんだもん!

 

1stライブではアンコール後の"泣き曲"の位置付けであったこの曲。初日の開幕2曲目でこれが来たのは驚きでした。

のっけから1stライブとの明確なスタンスの違いを感じましたね。

ダンス経験の長いしゅかしゅーでさえ「この曲はキツい」と語っていたほどハードなダンスのこの曲。初っ端からフルスロットルで「たのしくて1日が短いからね」という刹那的な歌詞を歌う彼女達に、「みんなもギア上げて行くよ!エンジン全開で着いてきて!!」って言われてるような気がしましたw

「待ってたんだ待ってたんだキミを 今日はずっと離さないよ」「夢のような瞬間がここにあるよ」と彼女達が笑顔で歌い踊り、まさに歌詞通りに「夢のような」"HAPPY PARTY"の幕開けとなりました。

 

 

 

 

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【3】少女以上の恋がしたい

 

しないでくれ。頼む。無理。

死んでたので記憶がありません。

ほんと無理。かわいさの暴力。つらい

背景スクリーンと連動して♡の文字が描かれる演出(μ's FINALのAAみたいなやつ)などもあった気がしますが、もう何もかも無理みが深すぎて無理。しんだ。

 

 

 

 

 

※4曲目から学年曲及びユニット曲のパートに入りますが、これ以降は"渡辺曜ちゃん推し"としての使命を果たす事と、"Aqours9物語"を優先する為に、当記事では学年・ユニット曲のパートは割愛させて頂きます。

 

 

 

 

 

 空も心も晴れるから→Waku-Waku-Week!→G線上のシンデレラ というBD特典曲の流れを受け、「次はDaydream Warriorが来る・・・ヤバい、ヤバい事になるのはわかっている。覚悟しておかなければ・・・」と、胸中穏やかでは無かったのは私だけではないはずです。

そして曲間のヤバいコミカルなミニアニメが終わり、会場内が暗闇に包まれました。

 

 

 

背景のスクリーンの光を受け、ステージ上にぼんやり浮かび上がるAqours9人の影

遠くから聴こえてくるのは、まるでゆったりと水中を漂うかのような、広がりのある穏やかなメロディ

「は・・・?」

と、同時に見覚えのあるシルエットが目に飛び込む

「うそだろ・・・?」

まるで海底に差し込む日差しのような、カーテン状の薄青い光がステージを照らし

背景のスクリーンが巨大な水族館と化した瞬間

 

私は膝からアリーナに崩れ落ちました。

 

徐々に広がりを見せるように音数とボリュームが増していくシンセの音と共に、タイトなリズムを刻むドラムがピッチを上げカタルシスを迎えた瞬間

打ち込まれる2発のバスドラム響く低音と共にステージが明転

眩い光と共にあのMVと全く同じ世界観が眼前に広がり、ステージはもはやステージではなく、巨大なアクアリウムへと変貌を遂げました。

 

 

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【7】恋になりたいAQUARIUM 

 

ステージ後方に設置された、三津シーパラダイスのイラストパネルを模したかのような9枚のスクリーン。バックスクリーンに映し出される巨大な水族館の映像。MVの世界観を完全再現した照明。そして満を持してついに披露された恋アク衣装。

Aqoursのこれまでの経験値が凝縮されたようなライブパフォーマンス。1stライブ以降、様々なフェスのステージで披露され磨き上げられていったこの曲の、まさにこの夏の集大成として披露された「完全版」と言っても過言ではないと思います。

 

私自身これまで「恋になりたいAQUARIUM」のライブパフォーマンスを3回体感し、回を重ねるごとにクォリティーが上がって行く事を五感で感じ取りその度に大きな感動を受けてきました。

この曲を披露する度に毎回「緊張した」と語るしゅかしゅーを、これまで大サビの部分では祈るような気持ちで見守って来ました。

彼女はいつでも自然体な笑顔が溢れている子なので、緊張している時はひと目でわかってしまうんですよね。しかし、今回のライブでは不思議と彼女の、彼女達のパフォーマンスと世界観に無心でのめり込む事ができたんです。

私の主観の話になってしまいますが、今公演の彼女は今までで1番自然体な優しい笑顔でステージの中央に立てていましたし、会場やLVの観客の誰が見ても "渡辺曜ちゃん" の存在を感じられるものであったと思います。

そしてセンターに立つ彼女を支える8人のAqoursキャストも、これまでで一番洗練されたパフォーマンスを見せてくれました。それはまるで海中を自由気ままに泳ぎ回る魚達のように優雅で、水面からの光を受けてキラキラと輝く"アクアリウムそのもの"を体現してくれていたと思います。

何よりも、大サビの最後のだいすきよっもうかくさない!(なーい!)」の (なーい!)の所で、少し首を傾げて優しく微笑む彼女の表情が、これまでで一番優しくて、素敵な笑顔だった事が私は何よりも嬉しかったのです。

 

ありがとうしゅかしゅー。渡辺曜ちゃんを演じてくれて、ありがとう・・・

という感謝の気持ちしかありませんでした。控えめに言う事はしません。渡辺曜ちゃん推し歴の中で、人生最高の瞬間でした。 

夢にまで見た、恋アクの曜ちゃんについに会えたんです。

あの世界観をライブパフォーマンスで現実のものにしてくれたAqoursの、血の滲むような努力の積み重ねがあって、9人に恋アクの衣装を着させてくれた人がいて、ステージの設計や映像と光の演出でMVを完全再現してくれた人がいて、その上でしゅかしゅーが愛と努力を惜しみなくつぎ込み "渡辺曜ちゃんとして" あのステージに立ってくれたからこそ生まれた、まるで奇跡のような瞬間でした。

渡辺曜ちゃんは、現実には存在しないんですよ。それでも今日まで渡辺曜ちゃんを愛してくれた沢山の人の想いがあって、その想いがあって初めて彼女はステージ上に"実在"する事ができたんだと思います。

ヒトは独りでは人間にはなれないんです。そのヒトを取り囲む世界が"人として"認める事で"人たらしめていく"ものだと思うので。(曜キチ特有の謎理論)

 

アクアリウムでふたりが出会うファンタジー

ふいにときめくの それは恋の魔法

 

渡辺曜ちゃんに出会わせてくれた全ての人に感謝。

 

 

 

そしてMCの和やかな雰囲気を挟んで、恋アクの衣装を着たまま迎えた8曲の「Daydream Warrior」はそれまでのAqours楽曲には無かった初のクール属性の曲。

その初披露こそ、私がこのツアーで最も見たかった彼女達の姿のひとつでした。

 

 

 

 

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【8】Daydream Warrior

 

MC後の曲名の宣言と共に彼女達の表情は一変。キッとした目で前方を真っ直ぐ見据えて口元を固く結んだ瞬間、僅かな歓声と共に、会場中が息を呑んで身構えたかのような一瞬の静寂が訪れました。

イントロが流れ出すと音が会場の空間を抜けて広がり、鋭く刻まれるシンセの音に続いて熱を抑えた静かなトーンで「hey...」が来た直後の ドンッ と響く重いBass音で空気は一変し、会場の中の世界は彼女達のパフォーマンスに飲み込まれました。

 

「恋になりたいAQUQRIUM」はAqoursちゃんの珠玉の "かわいらしさ" が詰まった楽曲ですが、アニメ本編とは違った彼女達の姿を表現した"アイドル的"=偶像、"ファンタジー的"=幻想 の要素が強い世界観だと思います。

それを「Daydream Warrior」の曲中の歌詞で言い換えればマボロシと捉える事もできるでしょう。

言うなれば、先ほどまでアクアリウムの中で繰り広げられていた「マボロシは打ち砕かれ」まさしく「自らの手で終わりにしよう」が成された瞬間だったのです。

 

あのステージは我々の想像を遥かに超えた壮絶なものでした。

アイドルとしての最大の武器であるはずの笑顔を封印し、髪を振り乱し汗を散らしガンガンに踊り倒すAqours。鬼気迫るような凄みを感じるほどに、圧倒的なパフォーマンスでした。

特に間奏パートのステージ後列でしゅかしゅーあいきゃん杏ちゃんの3名が披露したハードなダンスパートは、怒号にも似た歓声が上がるほど圧巻のキレで見る人の心を強く揺さぶったと思います。

恋アクのひらひらとした衣装のかわいらしさが打ち消されるほどに、彼女達自身の歌声とダンス、そして表情芝居の力のみで楽曲の世界観を見事に体現してみせたステージ。それはまさしく彼女達が「Next Step」へと踏み出した事を我々に印象付け、自分達の道を自分たちで切り開いて進んで行くのだという意志を刻み付けるものでした。

 

 

 

 

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【9】スリリング・ワンウェイ

 

続いて間髪入れずに畳み掛けてきた「スリリング・ワンウェイ」では、センターに構えた杏ちゃんの千歌ちゃん声での叫びで会場のボルテージが一気に急上昇。あの声の張り方は喉に相当な負担が掛かっているはずで、しかも「Daydream Warriors」の激しいパフォーマンスの後とは思えないほど、Aメロ歌い出しのソロパートを完璧にやってのけた杏ちゃん。鳥肌モノでした。

サビでは拳を上に突き上げる振りが印象的で、がむしゃらに未来に向かって突き進んでいくAqoursを象徴するような、パワフルなダンスに圧倒されました。

他の初披露の曲では地蔵と化していた私も、この曲ばかりはかつてロックキッズだった頃の血が騒ぎ拳を突き上げてコールを叫びに叫びましたね(サイリウムを振れよな)

そしてかねてよりずっと待ち望んでいたCメロ→間奏→からのBメロのソロパートでは、曜ちゃんの感じたーいだーけさあああああああ!!!!が見事に炸裂・・・

その声はガイシホールを突き抜けて名古屋上空へと到達し、更には大気圏を突破して永遠の輝きとなったのです。〜 fin.〜 ぐらいの感無量でした。

この瞬間、年始のAqoursニコ生でしゅかしゅーが今年の抱負として掲げていた「イケメン曜ちゃんを見せる」という誓いが見事に果たされたのです。

大事な事なのでもう一度言います、感無量でした。。

スカイブルーのサイリウムを両手に掲げたまま天を仰ぎ硬直していた私でしたが、その後の杏ちゃんの煽りを受けてアウトロで全力のコールができた事も血管切れそうなぐらい高まりましたし、まさに "生きる熱さを感じ"られたステージとなりました。

 

 

 

全世界の渡辺曜ちゃん推しが狂喜したこのパートは、Aqours渾身の可愛さ↔︎カッコ良さの両極端の振り幅を見せる事で、これまで我々が抱いていたAqours像を打ち壊し、Next Stepに踏み出した事を印象付けるには完璧な曲構成だったと思いますし、我々に対してそのメッセージを言葉ではなく"ライブ"で伝えてきた事に、彼女達の真の"強さ"を感じずにはいられませんでした。

 

 

 

 

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 【17】SKY JOURNEY

 

Aqoursちゃんの"強さ"を実感したのは「SKY JOURNEY」もそうでした。

私自身がSKY JOURNEYという曲が好きすぎるあまり、

こじらせたブログを上げてしまう程に思い入れがあるので補正はあるかもしれませんがライブでこの曲のイメージが一変した人は多いのではないでしょうか。

ドラムンベースのダンサブルなリズムに乗るのは、歌詞とメロディーの切ない世界観。この二面性を併せ持つ楽曲をAqoursちゃんがライブでどう表現するのか、私には全く想像がついていませんでした。

まさかあれほどまでにクール属性に突き抜けたカッコいいパフォーマンスになるとは・・・恐らく誰もが想像の遥か上を行かれて度肝を抜かれたはずです。

 

"SKY JOURNEYはライブで化けた" と言っても過言ではないと思いますし、さらに変化は曲の印象だけに止まらず歌詞の捉え方にまで及びます。

 

「勇気が伝われば大丈夫 そんな熱い想い君から 受け取った僕もいま熱いよ」

「そんな熱い想い君から 受け取るのは僕だけじゃない 世界も広く熱いよ」

の歌詞は、"想いを伝える側"と"想いを受け取る側"が存在して初めて成立します。

そのためCDなどの音源を通した間接的な関係性よりも、ライブで面と向かってキャスト↔︎ファンの図式が成立した時の方が、圧倒的にこの曲の真価が発揮されるのだと思います。

ライブという同じ時間と同じ空間を共有できる場だからこそ、直接的にお互いに熱い想いを伝え合い、受け取る事ができる。これこそがラブライブの根幹である"輝きの円環構造"の体現であり、ライブでしか成し得ないことだったと思います。

 

そして実際に観客はその熱を受け取ったはずです。

初日に現地でこの曲が披露された時、サビのパートで「胸に確かなもの持ってたら それだけで何とかなるって(Fuwa×4)」と、曲の世界観に合わない(と個人的には憤りを覚えた)コールが僅かに起こりましたが、2日目に披露された時には現地では(Fuwa×4)のコールは聞こえませんでした。(私の周りだけかもしれませんし、周りがやっていなかったからやめただけの可能性もありますが)

これは曲の世界観に興味がない人にも、少なからずライブで何かが伝わった結果なのではないか、と私は思っております。

(あとサビの部分で、しゅかしゅーがまるで突き放すような鋭い流し目をしていたのをご覧になりました?控えめに言ってもご褒美でした・・・クールしゅかしゅ・・・)

 

 

 

このパートでは「青空Jumping Heart」「SKY JOURNEY」そしてMCを挟んで「君のこころは輝いてるかい?」の3曲が用意されていました。

「青空Jumping Heart」と「君のこころは輝いてるかい?」はこれまで最も多くライブで披露されている楽曲で現場で得ている経験値も高く、今やAqoursの鉄板の代表曲と呼べるシングル楽曲ですね。

その代表曲2曲に挟まれて初披露された「SKY JOURNEY」ですが、この曲はご存知の通り「HAPPY PARTY TRAIN」のカップリング曲です。Aqoursの代名詞的な2曲と並べて見ると、唐突にカップリング曲が差し込まれるのはバランスが悪いように思えませんか?

しかし実際にライブを体感した方ならお分かりかと思いますが、全くそんな事はなかった。むしろその2曲と同じ並びに置いても、全く引けを取らないほどのパワーがありましたね。

そもそもこの楽曲は、2ndシングルのセンター選挙の順位と逆の順番でソロパートが進行していく曲であり、そして曲の歌い出しと大サビ前のパートでは、順位が最下位であったルビィちゃんがセンターを務めています。

つまり。この曲でAqoursが提示してきたものとは"大切なものは目には見えない"という事ではないかと私は思います。

センターが誰であろうと、順位が何位であろうと関係無い。今のAqoursの9人であれば、どんな形であってもこれだけの強さを発揮できる、という事を見せ付けてくれたのではないでしょうか。

1stライブのテーマであった「Step ZERO to ONE」の延長上で、目に見える数字ではなく"内なる輝き"を証明してくれたように私は感じました。

 

しかも「青空Jumping Heart」前の映像パートでは、Aqoursキャストがこれまで見た事のないような真剣な表情でダンスリハに打ち込む姿を我々は目撃してしまいます。

あの映像を見た後での「青空Jumping Heart」の彼女達の笑顔には、その裏に積み重ねてきた努力を垣間見ずにはいられませんでしたし、「SKY JOURNEY」では堂々とセンターでクールなパフォーマンスするルビィちゃん(実際には降幡さんですが、ルビィちゃんにしか見えなかった)の格好いい姿に誰もが胸を打たれたはずです。

 

 

 

 

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【18】君のこころは輝いてるかい? 

 

そして最後に用意されていた「君のこころは輝いてるかい?」に関しては言うまでも無いでしょう。

彼女達がAqoursとしてファンの前で初めてライブを披露した楽曲。初披露の時には1曲をやりきる事で精一杯で、ライブ後には息を切らしていましたね。

ところがこの公演では、セットリストの最後という体力的に最もキツいのパートで披露されたにも関わらず、キラキラ輝く笑顔とキレのあるパフォーマンスを見せてくれた上に、曲が終わっても肩で息をする事すらなく、堂々とした姿でステージに立つ彼女達の姿がそこにありました。

その姿を見れば彼女たちが「Next Step」に踏み出したという事は、これまでの彼女達の軌跡を追ってきた私たちの目には明らかでしたね。

 

つまり、このパートは「青空Jumping Heart」「SKY JOURNEY」「君のこころは輝いてるかい?」の3曲を通して "成長したAqours"の部分にスポットを当てて明確に「Next Step」を我々に提示する、という意味で完璧なセットリストであったと私は捉えています。

 

更にこのパートの真意は、Aqoursが実力通りのパフォーマンスを発揮しなければ我々には伝えらないものでした。現場には事故やハプニングが付き物です。そのリスクを承知の上でこのセットリストを組むとは、なんというスリリング・ウンエイ。

彼女達を絶対的に信頼した上で、万全のサポート体制無しには有り得ない事だったのではないでしょうか。いいから運営をすこれ。

 

余談ですが、2日目では君ここ披露前のMCに杏ちゃんとすわわの姿がありませんでした。何かのトラブルがあったのではないかと心配した人も多かったのではないかと思いますが、恐らく万全の体制でこの曲を披露する為のケアをしていたのではないか と想像しています(サポート体制が整っているようだな とここで推測しました)。

杏ちゃんはその素振りこそ全く見せませんでしたが、2日目は喉のコンディションが好調ではなかったと思いますし、すわわは喉を痛めてしまっていた事が後で明かされました。

しかし観客に心配を掛けない為でしょうか、MCは何事もなく進行し、MCの途中で戻ってきたふたりを他の6人は一切気遣う素振りすら見せませんでした。そこに強くなった彼女達の絆、チームワークを感じましたね。

(杏ちゃんがステージ上に戻ってきた際、しゅかしゅーがサッと彼女にタオルと水を手渡していました。自分の分よりも先に、です。杏ちゃんもノールックで当たり前のように受け取っており、その様子からは2人の築き上げてきた絆の強さが伺えましたし、アスリート的な信頼関係すら感じた事も併せてお伝えいたします。)

 

 

 

そしてアンコール・ムービーを挟んでのアンコールパートに入ります。

 

 

 

 

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【19 (EN1) 】サンシャインぴっかぴか音頭

 

「サンシャインぴっかぴか音頭」では中央のステージに登場した彼女達の中心で、なんと杏ちゃんが太鼓を演奏するパフォーマンスが。彼女は名古屋公演初日ではCyalon!の「近未来ハッピーエンド」で旗演舞を披露していますが、更に太鼓まで・・・

彼女の新しい事にどんどん挑戦していく姿勢が、本当にカッコ良くて。その背中にはリーダーとしての重荷が背負われているはずなのに、それを物ともせずに自らも前に進んでいく姿。胸が熱くならないはずがないんですよね。

 

正面のステージからは、なんとサプライズゲストとして「うちっちー」が登場しましたが、特に話す事はありません。アイツはいつもしゅかしゅーと仲良くしてるのでダメです。許すつもりはありません。

 

 

 

 

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【20 (EN2)】太陽を追いかけろ!

 

この公演を締めくくる最後の最後の曲が、まさかのこの曲だとわかった時の衝撃といったら。

 

ステージ中央で背筋をピンと伸ばして立つ杏ちゃん。

手を宙にかざし、あの元気な声で「Aqours!集合ーー!」

慌てた様子の大げさなリアクションで集合する8人、わちゃわちゃしながら「番号!!いち!にー!さん!よん!ごー!ろく!...」とカウントアップが始まり息つく間も無く

きゅー!\じゅー!/OK?Let's Go Sunshine!!」

 

 

 

この曲を歌いながらAqoursちゃんはトロッコで会場中を回ってくれましたが、彼女達の全力を出し尽くしての満開の笑顔を見ていると不思議と「あぁ、もうライブが終わっちゃうのか・・・」という寂しい気持ちには全くならなかったんです。

(「野蛮なえがおで切り抜けよう」の部分ををきんぐが歌っている裏で、ステージ上でしゅかしゅーはHPTのダイヤ様みたいに、両手の人差し指でほっぺをさしながら笑顔全開ではしゃいでおりました。ありえん可愛い。ほんまにしんどい。)

 

むしろその瞬間があまりに楽しくて仕方が無かったですし、楽しみぎるあまり記憶が残っていないんですよね。「Aqoursちゃん、マジで強すぎた・・・あっぱれですわ、最高オブ最高です」ぐらいの晴れやかな気持ちだった事だけが、やけに心に残っています。

 

終演後の観客のテンションと表情を見れば一目瞭然だったのですが、会場中みんな同じ気持ちだったんじゃないかと。1stの終演後とは全ッッ然違う開放的な雰囲気でしたからね。Aqoursのライブ史上"最強"の幸せ空間だった事は断言できます。

 

 

 

 

 

 

さて。この長い記事をここまでお読み頂いたあなたは、間違いなく"ラブライブ!サンシャイン!!に真剣"な方だとお見受けいたします。

であれば、この曲の「10!」のコールに関しては何か思う事があるのではないでしょうか。

我々にとって「10!」のコールとは一体何だったのでしょうか?

 

 

 

ここで一旦このステージから離れて、「10!」のコールを巡るAqoursのこれまでの軌跡を振り返ってみたいと思います。

 

 

まずアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」では、Aqoursは13話の「MIRAI CHICKET」歌唱前の点呼で、観客席からの「10!」のコールを受けた時に初めて"輝き"が呼応する瞬間を迎え、そしてあのステージで彼女達自身の本当の"輝き"を手にしました。

 

対して現実に存在するAqoursは、2月25日に行われた1st LIVEでアニメ本編の流れを汲んだセットリストの中で「MIRAI CHICKET」を披露し、横浜アリーナで初めて観客からの「10!」のコールを受けました。

 

1stライブの時点での我々にとっての「10!」のコールとは、アニメ13話を模したステージで「MIRAI CHICKET」を披露する彼女達の輝きを現実にする為であり、またアニメ13話を現実のものとして体現する為であり、また13話を完全再現する為であったと思います。

我々にとってのこの部分の捉え方は人によって違うでしょうが、"彼女達にとってはどうだったのか"という事に注目してみます。

 

1stライブの「10!」のコールで彼女達が感じたものは、ラブライブ!サンシャイン!!というアニメの"物語の力"であり、また我々ファンとの信頼関係の再確認だったはずです。

1stライブではアニメの物語が彼女達を引っ張り、その中で現実のAqoursが彼女達自身の輝きを放つ、という意味での「Step ZERO to ONE」だったと思います。

つまり1st ライブでの「10!」のコールとは、アニメの物語の延長上に用意されていた筋書きによって起きたものであり、言うなれば彼女達の処女航海の海図には、初めから「10!」のコールの座標が記されていたのです。

 

対する2ndツアーはどうでしょうか。

 

アニメ13話の東海地区予選の舞台となった名古屋ガイシホールでの公演。我々はずっと「MIRAI CHICKET」が来るのを待ち受けていました。ところが蓋を開けてみれば我々の予想を見事に裏切られましたね。

更にアニメの劇中歌も1曲もセットリストに入れず、完全に"アニメの物語の力"からの脱却を果たしたAqours。

そしてライブの最後に披露された「太陽を追いかけろ!」ではCD音源には入っていない「10!」のコールが起きました。

 

これこそが現実に存在するAqoursが"中の人"ではなく、初めて"物語の主人公"として「10!」のコールを受け取った瞬間だと思いますし、その意味では彼女達にも私たちにとっても、「太陽を追いかけろ!」こそが実質的にアニメ13話における「MIRAI CHICKET」的な役割を果たしたのではないかと思います。

彼女達が最初に手にしたオリジナルの輝きが、奇しくもアニメと同じ名古屋ガイシホールであったという点はとても感慨深いですね。筋書きが出来すぎじゃないでしょうか。

 

 

脱線ですが「太陽を追いかけろ!」の歌詞にはちょっとした矛盾があると思っておりまして、少しその話を。

曲のラストに「そうキミとのマーチング・マーチが響き渡るよ」という歌詞がある事から見て、この曲はAqoursと"キミ"である私たちのマーチング・マーチの曲であると捉える事ができます。

しかしイントロの点呼のパートは「9!」までのカウントアップで終わっています。

つまり、この曲は実はライブで観客が「10!」のコールをした時点で初めて完成する曲だったのではないかな、なんて捉えてます。畑亜貴先生の真意はわかんないけどね。

あの時会場のステージのスクリーンにも、点呼の号令に併せてカウントアップの数字が映し出されていましたが、「10」の数字が2日目にはあったようです。でも名古屋初日での証言が私のTLでは得られなかったので、初日は無かったんじゃないかな、って私は思ってます。

 

 

 

 

今公演はオープニングのムービーからラストの曲の「太陽を追いかけろ!」に至るまで、1stライブ以前と以後の明確な差別化を一貫して見せる、という主軸が一切ブレない構成である一方で、Aqoursとしての彼女達の気持ちは「君のこころは輝いてるかい?」の初披露の時から変わっていない、という事がMCで確認できた事が何より心に響いた方は多いのではないでしょうか。

「始まったときのときめきずっと大事にね」を彼女達が大切にしてくれている事、それこそがAqoursの9人の輝きが私たちを惹き付けてやまない理由のひとつかもしれません。

 

  

脱線が過ぎました、HAPPY PARTY TRAIN TOURだけに。

 

 

 

そろそろ名古屋ガイシホール公演のセットリストのまとめに入ります。

 

 

 

 

「HAPPY PARTY TRAIN」で宇宙に飛び出して

「届かない星だとしても」手を伸ばして

「少女以上の恋がしたい」で少しだけ背伸びして

「恋になりたいAQUARIUM」でファンタジーに憧れて

「Daydream Warrior」でマボロシは打ち砕かれ

「スリリング・ワンウェイ」でそれでも前に突き進み

「青空Jumping Heart」で無謀な未来に飛び出し

「SKY JOURNEY」で初めて自らの迷いと向き合い

「君のこころは輝いてるかい?」でそれでも立ち上がり

「太陽を追いかけろ!」で明日への希望を胸に前進する

 

 

 

 

これが私がこのライブを受けて、セットリストの意味を考察した結論です。

こうしてセットリストを並べてみると、ライブの流れを通してAqoursの成長物語が感じられる構成になっているように思います。

1stライブが"まだ何者でもない彼女達の大海原への船出"という"若さゆえの無謀さ"が前面に押し出されたものであったとするならば、2ndツアーは"世界を知り少し大人になった彼女達の旅"とでも言えましょうか。

これまではひたすら前進するエネルギーだけで突っ走ってきた彼女達ですが、2ndツアーでは"恋に憧れて少し背伸びをする"楽曲があったり、"幼い憧れからの挫折"を経験したり、"人生という道に迷ったり"と、以前よりちょっぴり大人になった彼女達の一面が見られる構成になっています。

こうして楽曲の世界観を踏まえると、組まれたセットリストからも「Next Step」を感じさせる構成になっているんです。率直に言って今ツアー、非の打ち所がありません。

 

何と言っても「HAPPY PARTY TRAIN」で始まり、最後の曲の「太陽を追いかけろ!」で再出発する所が、この公演が単発のワンマンではなく"ツアー"である事を踏まえると出来すぎているぐらいです。

 

アンコール前のアニメ映像を思い出してみて下さい。

名古屋公演で受け取ったみんなの"想い"を燃料にして、HAPPY PARTY TRAINは神戸公演へと進んで出発します。

あいきゃんがラストのMCやツイッターでも話してくれたように、

 

 

HAPPY PARTY TRAINは10両目に「みんな」を乗せて旅立ちます。

 

 

「太陽を追いかけろ!」で「10!」のコールを叫んだ私たちの

「想いを乗せて」

「HAPPY PARTY TRAIN to go!」

「あしたが呼んでる僕たちを」

「期待でかがやく瞳なら見えるよ」

「遠い駅できっと何かが待ってるね」

 

 

 

という事なのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

この旅の物語こそが「新しいみんなで叶える物語」そのものだと思います

だからどうか皆さん、全速前進で駆け抜けて下さい

私は残念ながら、次の停車駅の景色を見る事はできません

 

ですので

 

この記事の続きは「みんな」に託させて頂きます 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Aqours 2nd LoveLive! HAPPY PARTY TRAIN TOUR 神戸メットライフドーム公演

1HAPPY PARTY TRAIN

 

 

 

COMING SOON...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後にひとつだけ、こぼれ話を。

2日目最後のすわわのMCの話をします。

彼女の口から語られたのは、実は過度な練習で喉を傷めてしまっていた事、たくさん練習を重ねて来たのに本来のパフォーマンスができず申し訳なく思う事、そして次の神戸公演では完成度の高い「HAPPY PARTY TRAIN」のライブパフォーマンスを見せる、といった内容でした。

彼女はいつものあっけらかんとした笑顔で語っていましたが、その目には今にもこぼれ落ちそうな涙を浮かべていましたね。最後までよく泣かずに耐えたと思います。

 

ただ、普通のアーティストのライブであれば「次があるから、次のライブは頑張るよ」みたいな事を言おうものなら「は?じゃあ今日にしか参加できない俺たちはどうなるの?」って人たちが荒れる展開になるはずです。

幸いにも私のTLにはそんな不毛な事を言う人はいませんでしたが、一応そういった考えで楽しいライブに嫌な気持ちを残してしまった人もいるかもしれないので、蛇足かとは思いますが一応思う事を書かせて頂きます。

 

あの日、すわわは"諏訪ななか"ではなく"松浦果南"としてステージに立っていたんですよね。果南ちゃんは言うまでもなく、すれ違いから大切な仲間との2年間という、高校生活の中ではあまりに長すぎる時間を失ってしまった人物です。その松浦果南という人物としてステージに立とう努力してきた人が、"いま"という時間の大切さを知らないはずがないですよね。

その上で名古屋公演の2日間で本来のパフォーマンスができなかった事を語っても尚、いつもの調子で笑顔で次の公演の事を話したのは、彼女が"松浦果南"としてあの場に立っていたからです。

 

アニメ1期では過去に囚われたまま時間が止まってしまっていた彼女は、8話「未熟DREAMER」でようやく"今"と向き合い、前を向く事ができましたね。

HPTのMVでは、彼女はひとり旅の中で幼少期の頃の自分自身と出会い、そして過去からの展望で"いま"の自分を見つめ直して現在の自分と、未来の自分を肯定できるまでに至ります。

そして最新シングルの「夏の終わりの雨音が。」では過ぎ去ってしまった時間と別れと向き合う葛藤に苦しみつつも、曲の最後のセリフでは「さぁ、上を向いて...明日の事を考えようか。」と過去を受け入れて未来を見つめようとします。

 

つまり、そういう事です。松浦果南としてあのステージに立っている以上、すわわにはあのMC以外の選択肢は無かったはずです。

そんなのね、1番悔しくて1番辛かったのはすわわ本人に決まってるんですよ。

でもあそこで泣いてしまったら松浦果南じゃあないんですよね。だから、そういう意味で「よく耐えたな、プロ根性見せたな」って思ったんです。その姿には胸に来るものがありました。

私はそれらの全てを美談で片付けたいと思っているわけではないですし、彼女のこの日までの努力とプロとしての誇りに対して敬意を持っておりますので、起きた事は起きた事として受け止めようと思っています。

でも、それ以上に彼女自身が繰り出すリアルな「ラブライブ!」を見せられてしまったので、もはや彼女が万全の状態で次の駅に向かえるよう神に祈る他ありません。

 

彼女は「次のステージでは、完璧な「HAPPY PARTY TRAIN」をみんなに見せたい」という内容のお話をされていましたが、極論を言えばそれよりもっと見たいものがあります。

彼女自身が納得できて、そして観客も最高の笑顔になる「HAPPY PARTY TRAIN」を披露して、すわわと果南ちゃんが最高の笑顔になる瞬間。それこそが本当に見たいものなんです。当然ですよね。

 

ま、言うて神戸公演の輝きは見届けられないので「みんな」に託すしかないんですけれども。

 

 

 

どうかこのツアーが、この先大きなトラブルも無く、Aqours9人揃って健康で、"みんな" が楽しいライブになりますように。

 

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 ※8/21追記

事情があり奇跡的に、神戸公演LVは高槻かなこさんのMC終わりから参加させて頂きました。

私が心の底から見たいと願った、すわわの"輝きがこころから溢れ出すような"笑顔だけは見届ける事ができました。

そして「太陽を追いかけろ!」では「10!」のコールに対して、杏ちゃんがそのアンサーを示してくれましたね。

もはや何も言うことはありません。

 

 次は埼玉であっせかっくぞーっ⚓!!

SKY JOURNEY ~星の王子さま とラブライブ!サンシャイン!!の繋がりを探る旅~

「どこから来たの?」

「ずっと遠くから!」

答えてるようで答えてない

君はまるで僕の知らない世界にいたと

思わせる溜息の色

 

 

 

このSKY JOUNEYの歌い出しに、不思議な郷愁を覚えた人は少なくないのではないでしょうか?

私はこの懐かしさの源が子供の頃に読んだ児童書の「星の王子さま」にある事に気付き、心の原風景を訪ねる記憶の旅をして来ました。

このブログが「ラブライブ!サンシャイン!!」と「星の王子さま」の世界観を繋ぐ架け橋になれば幸いです。

 

 

 

 

 

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ラブライブ!サンシャイン!!は「星の王子さま」と不思議な縁があるんです・・・とは言え、あまりに唐突で誰得の組み合わせやねんと思われるかもしれません。

ですので、ざっくりと時系列に沿ってこの作品とサ!との接点をご紹介します。 

 

 

 

 

 

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まずこちらが梨子ちゃんの初期設定のプロフィールですね。

公野櫻子先生の原案に、星の王子さまに出てくる有名な台詞が登場しています。

 

ー 心の目で見なければものごとはよく見ることができない、肝心なことはいつも目に見えないんだ ー

 

こちらは訳者によって言い回しが異なるので、「大切なものは目には見えない」の言い回しの方が覚えがある人は多いかもしれません。

星の王子さまに出てくる登場人物である「キツネ」が「王子さま」に贈った言葉です。

 

 

 

 

 

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続いてこちらが、アニメ放送前に室田雄平氏が描かれた花丸ちゃんですね。

右手で背表紙に手を掛けた本のタイトルは「惑星の王さま」ですが、どう見ても星の王子さまのオマージュである事は明らかです。

「本の中には人生がいっぱい詰まってる」という文は、星の王子さまが人生をテーマにした話である、という事からの文脈と読み取れない事もないかと。室田氏が図書館と花丸ちゃん、という題材のイラストにこの本を登場させた経緯が気になります。 

 

  

 

 

 

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更にスクフェスのストーリーでもこんなシーンが登場しています。

G'sとスクフェスは別の世界線にある事は言うまでもありませんが、メディアを跨いでも花丸ちゃんと星の王子さまに接点がある事は見逃せません。

「斜陽」は太宰治が安田屋旅館で執筆した事で縁がありますし、星の王子さまも彼女たちと縁がある作品の位置付けで登場していると思われます。

 

 

 

 

 

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G's初期の設定はアニメの設定とは異なりますが、アニメ2話でも幼少期の梨子ちゃんがピアノを弾いている回想シーンで「だってピアノ弾いてると、空飛んでるみたいなの。自分がキラキラになるの、お星様みたいに!」という台詞が出てきますね。彼女にとっての"輝き"の原風景に、ピアノと並んで星のきらめきがキーワードとして登場しています。

 

 

 

 

 

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こちらは4話のアバン、花丸ちゃんの語りから始まる回想シーンです。

「本を読むのが、大好きになっていった。図書館はいつしか まるの居場所となり、そこで読む本の中で、いつも空想を膨らませていた。」の"空想を膨らませていた"の部分の、花丸ちゃんの背景が壮大な宇宙の景色ですね。

彼女にとっての「本の中の世界」の象徴として宇宙が登場しています。

 

 

 

 

  

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同じく4話です。ルビィちゃんの回想シーンでおねぃちゃぁとμ'sに扮して遊んでいる、この上なく頬が緩んでしまうシーンですね。「私は断然エリーチカ!」と嬉しそうに語るダイヤ様に対して「私は花陽ちゃんかな」って返すルビィちゃんですが

 

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その立ち位置、にこちゃんなんですよね。お姉ちゃんに合わせてあげてるルビィちゃん、お姉ちゃん想いのいい子ですね。めっちゃ可愛いですね。

もちろんこの曲は「Dancing stars on me!」はい、星です。(ゴリ押し)

 

 

 

 

 

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まだまだ4話いきます、花丸ちゃんがひとり階段の道を引き返しながら語るモノローグのシーンです。彼女がずっと抱えていたルビィちゃんへの想いが語られます。

「中に詰まっているいっぱいの光を、世界の隅々まで照らせるようなその輝きを、大空に放ってあげたかった。それがまるの夢だった。」

この想いこそが"夢で夜空を照らしたい"の歌詞に繋がっていくわけですが(脱線)言い方を変えれば、ルビィちゃんのこころの輝きを、夜空に輝く星のように自由に放ってあげたかった、というようなニュアンスだと思います。

 

 

 

 

 

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そしてご覧の通り、凛ちゃんです。

4話では冒頭から一貫して「星空」が「輝き」の象徴として扱われているんですね。

それはこの物語の語り手である、花丸ちゃんの心の原風景には夜空に輝く星空があるからだと思われます。そしてその憧憬は、本の世界から来ている。。

この仮説には何ら根拠がないので、仮定の上に仮定を重ねた空想論になってしまいますが、もしかしたら彼女に影響を与えた物語が「星の王子さま」であり、その世界観をベースにしていたら素敵だな。ぐらいに思っています。

 

 

 

 

 

さて、前置きが長くなりましたが本題に入らせて頂きます。

 

「SKY JOURNEY」は「星の王子さま」のオマージュではないか という説を私は提唱したいのです。

 

暴論だと思われるでしょうが、ブラウザを閉じずにとりあえず話を聞いて欲しい。

「SKY JOURNEY」は言わずもがな「HAPPY PARTY TRAIN」のカップリング曲ですね。

松浦果南ちゃんがセンターを務めるHAPPY PARTY TRAINは、MVでは汽車に乗ったAqoursちゃんが敷かれたレールの上から飛び出して、まだ誰も見た事のない景色へ、宇宙へと旅立つ。そしてその世界観の延長上で松浦果南ちゃんが描く物語がSKY JOURNEY。だと私は解釈しております。果南ちゃんの趣味はダイビングと"天体観測"ですしね。

 

 

 

で、星の王子さまって何なん。って思ってる方がこのブログをここまで読んでくれるとは思えませんが、ここから先はこの本を読んだ事がある人にしか解らないお話となっております。ですので、少しでも興味を持たれた方は是非一度、この本をお手に取ってご覧頂ければと思います。  

 

 

 

 

 それでは、星の王子さま のあらすじを復習の意味も含めてざっくり解説します。

 

 

 

地球から遠く離れた宇宙の果てに、小さな小さな星がありました。

その星で一輪のバラの花と一緒に暮らしている宇宙人、それが星の王子さまです。

バラの花は王子さまの恋人でしたが、プライドが高くわがままなバラの花のことが嫌になってしまい、彼は故郷の星を捨てて逃げ出したのです。

王子さまは行く当てもなく宇宙の星々をひとり旅して、色んな人との出会いを経て、やがて遠く離れた地球に辿り着きます。

そして王子さまが初めて出会った地球人が主人公です。

実は、王子さまは主人公ではありません。物語の語り手となる「ぼく」が主人公です。

王子さまと主人公は心の交流を経て、やがてふたりは本当の友達になります。

しかし、王子さまは自分の故郷の星に帰らなければなりません。

長い旅のなかで、王子さまは故郷の星に恋人を置き去りにした事を後悔するようになったからです。

そして、王子さまは友達になった地球人に別れを告げ、星にかえります。

 

 

 

 

 

何となく話の大筋は思い出せましたでしょうか?

では、SKY JOURNEYの歌詞と照らし合わせて星の王子さま要素を探っていきます。

 

 

 

 

どこから来たの?

ずっと遠くから!

答えてるようで答えてない

君はまるで僕の知らない世界にいたと

思わせる溜息の色

 

この歌い出しの部分は、王子さまと主人公である地球人の出会いのシーンを彷彿とさせるやり取りですね。宇宙の果てから地球に来た王子さまは、話の通じない主人公に対して最初は溜息混じりに投げやりな態度をとっていました。

 

 

 

きっと切ない誓いがあったのだろう

でも笑顔で明日を歌う声

 

王子さまは故郷の星に、この世界でただひとりの大切な恋人を置き去りにしてきてしまいました。王子さまは別れ際に「幸せになりなさい」という言葉を恋人から受け取っています。この歌詞はこの部分を指しているのではないかと。

 

 

 

胸に確かなもの持ってたら

それだけでなんとかなるって

なぜ優しく語れるのだろう?

勇気が欲しいのは誰でも

感じてる事だと知ってるよ

だけど人は迷いたがるね

 

この「胸に確かなもの持ってたら それだけでなんとかなるって」の部分こそが、星の王子さまという作品の重要なキーワードにあたります。物語のラストシーン、王子さまが主人公に向けて言った「君が見上げた空の星々の中のひとつに僕が住む星があるって思えば、君にとってその景色は幸せなものになるんだ」の部分です。(この考え方はGALAXY HidE and SeeKの"それだけで私はこの星の事がとっても好きになれるみたい"と本質的には同義ですね)(脱線)

だけど人は迷いたがるね の部分は、王子さまが主人公と別れて地球から旅立つ間際に葛藤しているシーンにあたります。

 

 

 

明確に影響を受けている と思われるシーンを説明できるのは1番の歌詞のみですが、一度でもこの作品に触れた事のある人ならば恐らく「一理あるな」と思って貰えるであろう程度には、テーマとなっている部分の根幹が同じなんです。

何を言ってるのか全くお分かり頂けていないかと思いますが、この言葉で記事を締めたいと思います。

 

 

 

 

 

「星の王子さま を読んで下さい。」

 

 

 

 

ちなみに、GALAXY HidE and SeeKは王子さまの恋人の目線のアンサーソング って解釈もできるよ、同じ銀河が舞台かもしれない。

 

駄文長文お付き合い頂きありがとうございました。

あきのがコスプレ(女装)に初挑戦してみた話

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  私、コスプレ興味無しマンだったんですよ。

 

他人がコスしてんの見てニタニタしてるぐらいでいいや〜ぐらいの距離感でしたので、そういうのは自分とは違う世界の人がやるもんだと思ってましたよ。

 は?じゃあなんで??しかも女装って、どういう事なの。ってなると思うんですけど。

アニクラのイベントに参加してるうちに、コスプレって意外と楽しそうだな〜ちょっと羨ましいな〜って思い始めて。でも自分の容姿には相当なコンプレックスがあって、鏡を見る事すらストレス半端ないレベルなので、生半可な事やってキャラクターを汚す事はできねぇよなぁって思ってたんです。

 

 

 

そんなある日、たまたま自分のウェスト寸法を測る機会がありまして。W60という驚愕の数字が発覚したんですけど。「この数字、見覚えあんな・・・🔮」と思ってwikiってみたら案の定、推しのキャラクターと同じ数字である事が判明したんですね。

 

 

あれ?これってもしかして・・・スピリチュアルなんやない??

 

 

カードがウチにそう告げまして、推しの誕生月にコスプレのクラブイベントがある事もあり、やってみようかな🃏と。

仲の良いフォロワーさんの「自分に自信なかったけど、コスプレで推しのキャラやってみたら自分に自信が持てるようになった😈」ってエピソードとか、衣装に初めて袖を通した瞬間に「○○○に、なった・・・✨」ってこころが輝いたエピソードを聞いていて、それが自分の背中を押した事もあります。自分を好きになれるチャンスかもって。

 

以前からお世話になっていたレイヤーのフォロワーさんに「あきのさんもやってみましょうよ╭*(๑˘ᴗ˘๑)*╮衣装貸しますよー(暗黒微笑)」ってお誘いも頂いていたので、ご厚意に甘んじて全面的にプロデュースして頂きました。

 

 

 

 

 

 

まず、お借りする衣装を選ぶ所からスタート。

 

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この16種類の中から選んで良いですよ〜という至れる尽くせりでしたので(神かよ)

①自分の体型を生かせるウェストに絞りが入ったデザイン

②肌の露出が少ない

③かわいい

の観点から衣装を決めました。

更にお借りするウィッグも選ばせて貰えたのですが、正直ウィッグとか良し悪しが全くわからなし。なんとなくウィッグ独特の光沢感に苦手意識があったので、髪の質感がマットなタイプに決めました。

 

その方に女装コスに何を用意すれば良いのか、イチから教えて頂いたのですがメイクだけは自力でできる気がせず・・・ナメクサですが、顔も全面的に作って頂くようお願いしました。厚顔無恥とはまさにこの事である。

 

 

さて、自宅でこっそりと衣装合わせをしてみたのですが、この時ばかりは人生で初めてガリガリ体型で良かったと思いましたね。とりあえずサイズの問題はクリア!

 

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ここからは自力で装備品を集める事になります。

 

 

 

 

 

 

とりあえず、まずおっぱいを作る事にしました。

バスト90センチのキャラクターなのでメガ盛りにする必要があります。とりあえずブラを買って詰め物すればいいんでしょ?と考えるも

今までの人生で、ブラジャー着けた事無し。

サイズもわからなし。なので職場の女の先輩にメジャーで胸周りの寸法を測ってもらい、しまむらで安く買えるよ!との情報提供を受けて買いに行く事にしました。

だがちょっと待って欲しい・・・男ひとりで女性用下着を物色するのは、もしかして不審過ぎるのではないだろうか。

彼女とかいないし、困った。

 

いろいろ葛藤はありましたが、とりあえず職場の後輩女子をしまむらに召喚。

 

 

 

以下、しまむらでの会話

 

「あきのさん、買い物に付き合って欲しいって。なに買うんですか?」

「・・・あの、ブラを」

「  は  ?  」

だから、ブラジャーを、買いたくて。自分用の(小声)

「・・・ イ チ か ら 全 部 説 明 し て も ら え ま す ? 」

 

その時の後輩はですね、今まで見た事もないような "軽蔑の表情" で私を見ていましたね。でもサイズの見方とかわかんなかったんで、結局選んでもらいました。ブラと引き換えに大切なもん失ったなー (遠い目)

 

 

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 不織布に綿を詰めてクッションを作り、適当に縫い付けておっぱい完成。

 

まじでふわっふわの触り心地のができました!自信作です!!

のんたんはわしわしするキャラなのに、コスした時はわしわしされまくりでした。男達に偽乳をわしわしされるのは、何とも言えない複雑な心境だった事だけ、ご報告いたします。

 

 

 

 

 

次の課題はカラコンでした。

そもそもコンタクト自体つけた事が無いので、練習で入れてみようとするも、なかなか入らない。眼に異物を入れるの怖すぎワロタ・・・

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とりあえずこの状態で半日ほど仕事してみましたが、SF感が半端ないので流石にやめました。発色しゅごい

 

 

 

 

あとはニーソ、ストッキング、つけま、靴、ヤマト糊、等を揃えて

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 リボンを縫い付けるなどし、

 

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 ソールを塗装してインヒールを入れるなどし

 

装備品のパーツは完成するも

 

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 問題はこれなー・・・

ウィッグの扱い方、まるでわからなし。

フォロワーさんに助言を頂いたりもしましたが、やはり初心者にはロングウィッグは難易度ハードでしたね。スタイリングは全然うまくできませんでした

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで本番前日を迎え、最後の大事なミッションが待ち受けていました。

 

 

そう・・・ムダ毛を・・・全て・・・駆逐する!!!!

 

顔のヒゲは全て毛抜きで抜いてみましたが、想像を絶するしんどい作業でした。これが本当にだめ。ほとんど拷問。半泣きで1時間以上ヒゲを抜き続ける、二度とやりたくないレベル。

あとは手と腕と脇、脚と全部カミソリで駆逐しましたが、これもまぁお察し頂ければと・・・脇は剃るの難しいんですね、うっかりやってキレてしまいつらみでした・・・あと太ももの裏とか膝のあたりとかも難しい。これも余裕で1時間以上かかりましたね。

 

 

 

結局その日はほとんど徹夜になってしまい、レイヤーさん界隈で出てくる「徹夜」とか「修羅場」とかいう単語の意味が少しわかったような気がしました。衣装から作ってる人たち、マジ何者だよ・・・

 

 

 

 

 

 

そしてついに本番を迎えまして。コスプレメイクの達人に顔は製作して頂いたのですが、想像してたより遥かに大変そうでした。やけに行程が多くて、テクニックも必要で、軽はずみに頼んだ事を申し訳なく思いました。

そしてよくわからん謎の用語と、よくわからん謎の道具が当たり前に飛び交う男子更衣室、マジで異空間かと思いました。男性レイヤーの人たち、なんでみんな当たり前のようにメイクできるんだよ・・・って思ったけど、ぜんぶ努力と研究の成果なんですよね、感服いたしました。あの人たち本当すげーよ。

 

あとやっぱ思ったのが、メイクの力って本当に半端じゃ無いですね。メイク終わって鏡見た瞬間、見慣れない顔が映ってた衝撃は凄かったです。あれはめっちゃ感動しました。

 

 

そんで装備完了!いざ出陣っつって出て行ったんですけど、普段顔合わせてるオタクが突然女装して現れたら普通に引くんじゃねーかなーって思ったら、みんな「かわいいよ!」とか「似合ってるよ!」って言ってくれたので、オタク、まじあったけぇよ・・・ってなりましたね。これ、社交辞令でも何でも嬉しいので、かわいいってちやほやしてもらえるのは大変良きでした。なので皆様、レイヤーさんを見たら迷わず褒めちぎってあげる事を全力で推奨します。多分ね、その瞬間の為にレイヤーさんは己の全てを賭けてるんじゃねーかな って気がしたから。

それから、あなたの身の回りのオタクが突然コスプレを始めたとしても、温かい目で見守ってあげて欲しいと思いました。オタクはだいたい繊細な生き物なので、コレジャナイって思っても褒めてあげて欲しい。オッサンからの切なるお願いです。頼む。

 

 

 

 

 

ってな感じで、大変貴重な経験をたくさん初体験できて、とても良い経験になった初コス挑戦でした。個人的にはめっちゃ楽しかったので、皆様も機会があればやってみて損はないんじゃないかと思います。めっちゃ大変だけど。

メイクとかムダ毛の処理とかの手間考えると女の人って、日常でこんなのやってるのやべーなってリスペクト沸きますし、経験してみて初めてわかる事ばかりでした。

 

 

 

個人的には今回の挑戦で、自分の事を少しだけ好きになれたかな って思えたのが1番良かったって思っていて。普段の自分とは違う自分になれる、っていうのは素敵な事だと思うし、普段の日常には存在しない自分がいても良い、っていうのは自分への可能性が開ける事に繋がるんじゃないかと思います。

 

 

自分が好きなキャラクターになり切る事は、投影でありある意味倒錯なんだけど、憧れの存在に少しでも近づける事ってやっぱり幸せな事だと思う。それもまた愛情表現のひとつだと思うし、その事で自分自身がキャラクターに向ける愛情が報われるなら、救いがあるように思うんですよね。

 

 

無駄に長くなりましたが、ひと言で言うと楽しかったです。またコスやるかはわからんけど。

 

アニソン超新星はイケてる大人が全力で面白い事やってくれるコスプレクラブイベントなんだけど、参加者もみんなあったかくて、オタクが抱えてる行き場のない愛を受け入れてくれる空間だから、思い切って新しい事に挑戦するには良いイベントです。

 最後に、わたしの望みを叶えてくれた しゃすおさん、協力してくれた ししゃさん、本当にありがとうございました。今宵は一夜限り二度とはないPassion!なんすよね。

 

ブラックダイスの話

4月21日に伊波杏樹さん主演の舞台「ブラックダイス」を観劇してきました。

 

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なにをやってもうまくいかない運が悪い女。そんな彼女の前に現れた百戦錬磨の詐欺師。

「お前と母親を捨てた父親から金を奪うんだ」彼女には生まれてから一度もあった事のない父親がいた。

負けっぱなしの女が人生を賭けた大勝負に挑む。人生の逆転劇はあるか!?

2014年、大好評だった「グッバイジョーカー」をベースに物語を再構築。

 

 

 

記憶が新しいうちに記しておこうと思います。

 

私は舞台というもの自体、10代の頃に学校行事で見た事がある程度で予備知識はゼロでした。

しかしAqours 1st LIVEでの伊波杏樹さんの歌唱時以外での表現力(「MIRAI TICKET」のミュージカル調の演技や、「夢で夜空を照らしたい」での表情芝居など)に引き込まれ、声優や2.5次元アイドルとしての姿ではなく "舞台女優 伊波杏樹" としての表現力、そしてAqoursキャストとしての活動を通して人間としても目覚ましい躍進を続けている彼女の "いま" の輝きをこの目で見届けたい、そう思ったのがきっかけでした。

 

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※ブラックダイスを観劇するにあたり、脳内でノイズになりそうな高海千歌(c.v.伊波杏樹)という概念を忘れておこうと事前に気持ちの整理をしておきましたが、舞台に立った彼女は全くの別人でした。「本当にこの人は伊波杏樹が演じているのだろうか?」と、冒頭の場面でで思わず顔を確認してしまったほどに。完全に杞憂でした。

声のトーン、出で立ち、歩く時の身体の運び、その全てから伝わってくる人間性に「これが芽生(咲子)という人間・・・!!」と感じさせる、有無を言わさぬ説得力がありました。

 

 

 

 

 

ブラックダイス観劇のきっかけは「伊波杏樹」という人間への興味からでしたが、舞台というものを体感してみると、それはあまりに衝撃的な体験でした。

正直、舞台というものを舐めてかかっていたと認めるしかありせん。

 

実際に会場に入ってみると、開演前のキャパ300人のホールは想像していたより小さく感じられ、誰も立っていないステージを目にした最初の印象は「舞台って、こんなに狭いステージの上でやるんだ」っていうのが正直な感想でした。

これまでテレビや映画など、画面の向こう側で役者の芝居を目にする機会は幾らでもありました。

しかし、自分の肉眼で役者さんの表情が確認できる距離で、自分の目の前で生身の人間が発する声と、体の動きで物語が作られていく事の凄さ。想像の遥か上でした。

まさかここまで、ライブ感、空気感に圧倒され、息つく間もないほどに魅了されてのめり込む事になろうとは。

 

 

忘れることはないでしょう、あの物語の世界に引き込まれた瞬間の情景を。

 

 

 

 

 

開演予定時刻から5分ほど経った頃、場内の照明が落とされ、スピーカーから土砂降りの雨音が流れてくる。

ステージ反対側の客席入り口から、上着のフードを被った主人公がステージに向かって駆け込んで来る

その瞬間 空気が一変し、一瞬で物語の世界に引き込まれました。

その時の彼女の足音と後ろ姿が、今も強く脳裏に焼き付いています。

客席を駆け抜ける足音とその後ろ姿を目にした瞬間、今まで経験した事のない臨場感を感じ、これは途轍もなくヤバいものを体感する事になる・・・と直感したのでした。

 

 

開演前は狭く感じていたステージでしたが、実際にキャストが舞台上に立って物語が繰り広げられると、世界は一変。

そこはステージではなく実際に人間のドラマが息づいた、全く別の世界に変貌していきました。

舞台装置やセットが大きく変わる事は無かったにも関わらず、シーン毎にプロジェクターで映し出される映像や、照明の演出、音響やBGMの全てが相まって世界が広がっていく様は圧巻でした。

 

そして何よりも、演者さんの生命力に満ちた生き生きとした芝居と、息の合った抜群のチームワークが織り成す空気感。それらが舞台上に広がる事で、その世界観が現実以上に現実味に満ちた体感として五感を刺激した事に、これまで経験した事のない感動を受けました。

実際に自分の身体で、五感の全てで体感するという事。舞台というものが人を惹きつける理由がここにあったと知る、貴重な経験となりました。

 

 

 

 

 

 

ブラックダイスは、ストーリー自体は至ってシンプルでした

運が悪く何をやってもうまくいかない主人公が、借金を返すために詐欺師の手先となって一世一代の賭けに出る。その中で関わった人たちの想いが交錯し、やがて最後に投げられるダイスの目の命運に向かって収束していく。

 

登場する人物は最初はみんな、主人公である咲子の敵のように映るのですが、物語が進み個々のキャラクターや思想が掘り下げられていく中で、それぞれに自分にとっての正義があり、思いがあり、愛がある事がわかっていく。

演者さんの好演がまたキャラクターの魅力や人間臭さを引き出していて、物語が終わる頃には登場人物みんなを好きになっている自分がいました。

 

 

 私自身が "運が悪くて" "何をやってもうまくいかない" という自分自身に負い目のようなものを感じて生きてきたので、この舞台のストーリーや台詞、物語に込められたメッセージや人生の哲学。たくさんの要素が心に突き刺さりました。

 

心に刻んでおきたい言葉とシーンをいくつか記しておきたいと思います。

 

 

 

 

 

心が変われば結果は変わる。

心に一片の迷いも無く勝てると信じれば、必ず勝てる

成沢が咲子に送ったこの言葉には自分の運命を、人生をも変える力があります。

胸に刻み付けてずっと大切にしていきたい、1番胸に響いた言葉です。

 「胸に確かなもの持ってたらそれだけで何とかなるって」SKY JOURNEY

 

 

 

傷をなめ合ってる連中より、孤独な奴は自分と向き合っている。信用できるのはちゃんと一人で考えてるやつだ。

八代が咲子に送った言葉です。咲子を初めて肯定してくれた言葉でもあります。

馴れ合いよりも自分自身を大切にする事を語る八代は、孤高で格好良かったです。 

 「もうわかっているんだ 孤独が自分を高めること いま全て勝ち取れ」Saint Snow

 

 

 

世の中の不幸を全て背負ったような顔して。

芽生が咲子に言った言葉です。辛辣ですが、芽生の優しさだって思います。

自分で自分自身を不幸だと思ってしまうこと、それこそが何よりも不幸なことなんですね。「心が変われば自分が変わる」っていう咲子に向けたメッセージにも聞こえます。

娘の前では良い父親を演じてきたと話す成沢ですが、芽生はちゃんと父親の思想を受け継いでいるのかもしれません。

「それをここで言って何になるの。何も始まらないし、誰もいい思いをしない」1期12話の綾瀬絵里 

 

 

 

演じるんだよ。もうひとりの自分を。惨めで哀れな自分とお別れするんだ。

赤木が咲子に言った言葉です。ここで「違う自分を」って言わない所に、赤木が咲子に対して背中を押したいという気持ちがあるように感じました。「もうひとりの自分」というのが父親に捨てられなかった世界線の咲子を指すのか、臼田芽生を指すのかの真意はわかりませんが、私は前者だと思います。

"咲子"として笑顔の自分自身を演じる事が、自分の殻を破る事に繋がっていく。

そのストーリーを、役を演じる中でキャタクターに引っ張られる形で影響を受けて、人間として成長をする事ができたというエピソードを持つ伊波さんが演じる事に、運命的なものを、そして強い説得力を感じました。

黒川という男も、芽生に想いを寄せる自分を演じる中で彼女の魅力を知り、やがて本当に心から芽生を好きになっていた事が最後のシーンで明かされます。違う自分を演じる事で行動が変わり、それが "心が変わる" という事に繋がるんだというメッセージを感じます。

「わたし・・・ウチ、東條希!」2期8話の東條

 

 

 

 散りゆく桜を美しいと思えるのは きっとまた来年も桜が咲く事を知っているからです

 伊波杏樹さんが演じる「咲子」が客席の階段を駆け降りてくる後ろ姿で始まり、ステージの階段を駆け上がっていく後ろ姿を見送る形でストーリーは終わりますが、その背中は始まりのシーンとはまるで別人のように変わっていました。

最初のシーンでは背中を丸めて俯きながら、まさに死に急いでいるような足取りで階段を駆け下りてきた彼女でしたが、父親に別れを告げて階段を駆け上っていく彼女の背中は未来への希望に溢れていて、笑顔で踵を返す瞬間に肩で空を切る仕草にさえ、彼女の生きる事への喜びが感じられるような、素晴らしい演技でした。

彼女自身の意志の力で、運命が変わった事。希望を胸に抱いて生きていける事への喜び。それらの全てが彼女のあの後ろ姿に詰まっているようで、私はあのシーンが大好きです。

「とべるよ!」劇場版の高坂穂乃花 

 

 

 

お母さん、どうしてかな。今年の桜、綺麗です

 舞い散る桜の花びらと戯れる咲子は、生きる喜びと未来への希望に溢れていました。表情、仕草、体の動きその全てで輝きを表現する伊波さんは、美しかった。

舞台の中央に座った彼女の姿に、照明が消える瞬間まで魅入られ、心を鷲掴みにされました。永遠にこの時間が続いて欲しい、そう願うほどに、眩い輝きを放っていました。

私が心の底から見たいと切望した "舞台女優 伊波杏樹" の姿がそこにありました。

舞い散る桜の花びらの一片を掴み、愛おしそうに抱きしめるシーン。

サ!12話「はばたきのとき」のラストカットの高海千歌

 

 

 

 

 

たった4日間という短い期間で、限られた人しか体験できなかったブラックダイスという舞台。この素晴らしいステージを観覧できた事を、とても幸運に思います。

キャストの方々が生命力を注ぎ込んで役を演じる舞台に、同じ回は二度と無いのだという事を肌で感じました。

舞台とは、ステージ上で一期一会の物語が、人の声と体によって作り出されていくライブだったんですね。

 

そしてこの物語には、人生を前向きに生きていける考え方と、大切にしていきたい哲学がたくさん詰まっていました。

 

この一期一会の出会いから得られたものを大切に胸に仕舞って、私も咲子のように "遅咲きの花" を咲かせたいと強く思いました。