あきの忘備録

あきのの外部記憶装置

SKY JOURNEY ~星の王子さま とラブライブ!サンシャイン!!の繋がりを探る旅~

「どこから来たの?」

「ずっと遠くから!」

答えてるようで答えてない

君はまるで僕の知らない世界にいたと

思わせる溜息の色

 

 

 

このSKY JOUNEYの歌い出しに、不思議な郷愁を覚えた人は少なくないのではないでしょうか?

私はこの懐かしさの源が子供の頃に読んだ児童書の「星の王子さま」にある事に気付き、心の原風景を訪ねる記憶の旅をして来ました。

このブログが「ラブライブ!サンシャイン!!」と「星の王子さま」の世界観を繋ぐ架け橋になれば幸いです。

 

 

 

 

 

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ラブライブ!サンシャイン!!は「星の王子さま」と不思議な縁があるんです・・・とは言え、あまりに唐突で誰得の組み合わせやねんと思われるかもしれません。

ですので、ざっくりと時系列に沿ってこの作品とサ!との接点をご紹介します。 

 

 

 

 

 

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まずこちらが梨子ちゃんの初期設定のプロフィールですね。

公野櫻子先生の原案に、星の王子さまに出てくる有名な台詞が登場しています。

 

ー 心の目で見なければものごとはよく見ることができない、肝心なことはいつも目に見えないんだ ー

 

こちらは訳者によって言い回しが異なるので、「大切なものは目には見えない」の言い回しの方が覚えがある人は多いかもしれません。

星の王子さまに出てくる登場人物である「キツネ」が「王子さま」に贈った言葉です。

 

 

 

 

 

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続いてこちらが、アニメ放送前に室田雄平氏が描かれた花丸ちゃんですね。

右手で背表紙に手を掛けた本のタイトルは「惑星の王さま」ですが、どう見ても星の王子さまのオマージュである事は明らかです。

「本の中には人生がいっぱい詰まってる」という文は、星の王子さまが人生をテーマにした話である、という事からの文脈と読み取れない事もないかと。室田氏が図書館と花丸ちゃん、という題材のイラストにこの本を登場させた経緯が気になります。 

 

  

 

 

 

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更にスクフェスのストーリーでもこんなシーンが登場しています。

G'sとスクフェスは別の世界線にある事は言うまでもありませんが、メディアを跨いでも花丸ちゃんと星の王子さまに接点がある事は見逃せません。

「斜陽」は太宰治が安田屋旅館で執筆した事で縁がありますし、星の王子さまも彼女たちと縁がある作品の位置付けで登場していると思われます。

 

 

 

 

 

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G's初期の設定はアニメの設定とは異なりますが、アニメ2話でも幼少期の梨子ちゃんがピアノを弾いている回想シーンで「だってピアノ弾いてると、空飛んでるみたいなの。自分がキラキラになるの、お星様みたいに!」という台詞が出てきますね。彼女にとっての"輝き"の原風景に、ピアノと並んで星のきらめきがキーワードとして登場しています。

 

 

 

 

 

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こちらは4話のアバン、花丸ちゃんの語りから始まる回想シーンです。

「本を読むのが、大好きになっていった。図書館はいつしか まるの居場所となり、そこで読む本の中で、いつも空想を膨らませていた。」の"空想を膨らませていた"の部分の、花丸ちゃんの背景が壮大な宇宙の景色ですね。

彼女にとっての「本の中の世界」の象徴として宇宙が登場しています。

 

 

 

 

  

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同じく4話です。ルビィちゃんの回想シーンでおねぃちゃぁとμ'sに扮して遊んでいる、この上なく頬が緩んでしまうシーンですね。「私は断然エリーチカ!」と嬉しそうに語るダイヤ様に対して「私は花陽ちゃんかな」って返すルビィちゃんですが

 

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その立ち位置、にこちゃんなんですよね。お姉ちゃんに合わせてあげてるルビィちゃん、お姉ちゃん想いのいい子ですね。めっちゃ可愛いですね。

もちろんこの曲は「Dancing stars on me!」はい、星です。(ゴリ押し)

 

 

 

 

 

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まだまだ4話いきます、花丸ちゃんがひとり階段の道を引き返しながら語るモノローグのシーンです。彼女がずっと抱えていたルビィちゃんへの想いが語られます。

「中に詰まっているいっぱいの光を、世界の隅々まで照らせるようなその輝きを、大空に放ってあげたかった。それがまるの夢だった。」

この想いこそが"夢で夜空を照らしたい"の歌詞に繋がっていくわけですが(脱線)言い方を変えれば、ルビィちゃんのこころの輝きを、夜空に輝く星のように自由に放ってあげたかった、というようなニュアンスだと思います。

 

 

 

 

 

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そしてご覧の通り、凛ちゃんです。

4話では冒頭から一貫して「星空」が「輝き」の象徴として扱われているんですね。

それはこの物語の語り手である、花丸ちゃんの心の原風景には夜空に輝く星空があるからだと思われます。そしてその憧憬は、本の世界から来ている。。

この仮説には何ら根拠がないので、仮定の上に仮定を重ねた空想論になってしまいますが、もしかしたら彼女に影響を与えた物語が「星の王子さま」であり、その世界観をベースにしていたら素敵だな。ぐらいに思っています。

 

 

 

 

 

さて、前置きが長くなりましたが本題に入らせて頂きます。

 

「SKY JOURNEY」は「星の王子さま」のオマージュではないか という説を私は提唱したいのです。

 

暴論だと思われるでしょうが、ブラウザを閉じずにとりあえず話を聞いて欲しい。

「SKY JOURNEY」は言わずもがな「HAPPY PARTY TRAIN」のカップリング曲ですね。

松浦果南ちゃんがセンターを務めるHAPPY PARTY TRAINは、MVでは汽車に乗ったAqoursちゃんが敷かれたレールの上から飛び出して、まだ誰も見た事のない景色へ、宇宙へと旅立つ。そしてその世界観の延長上で松浦果南ちゃんが描く物語がSKY JOURNEY。だと私は解釈しております。果南ちゃんの趣味はダイビングと"天体観測"ですしね。

 

 

 

で、星の王子さまって何なん。って思ってる方がこのブログをここまで読んでくれるとは思えませんが、ここから先はこの本を読んだ事がある人にしか解らないお話となっております。ですので、少しでも興味を持たれた方は是非一度、この本をお手に取ってご覧頂ければと思います。  

 

 

 

 

 それでは、星の王子さま のあらすじを復習の意味も含めてざっくり解説します。

 

 

 

地球から遠く離れた宇宙の果てに、小さな小さな星がありました。

その星で一輪のバラの花と一緒に暮らしている宇宙人、それが星の王子さまです。

バラの花は王子さまの恋人でしたが、プライドが高くわがままなバラの花のことが嫌になってしまい、彼は故郷の星を捨てて逃げ出したのです。

王子さまは行く当てもなく宇宙の星々をひとり旅して、色んな人との出会いを経て、やがて遠く離れた地球に辿り着きます。

そして王子さまが初めて出会った地球人が主人公です。

実は、王子さまは主人公ではありません。物語の語り手となる「ぼく」が主人公です。

王子さまと主人公は心の交流を経て、やがてふたりは本当の友達になります。

しかし、王子さまは自分の故郷の星に帰らなければなりません。

長い旅のなかで、王子さまは故郷の星に恋人を置き去りにした事を後悔するようになったからです。

そして、王子さまは友達になった地球人に別れを告げ、星にかえります。

 

 

 

 

 

何となく話の大筋は思い出せましたでしょうか?

では、SKY JOURNEYの歌詞と照らし合わせて星の王子さま要素を探っていきます。

 

 

 

 

どこから来たの?

ずっと遠くから!

答えてるようで答えてない

君はまるで僕の知らない世界にいたと

思わせる溜息の色

 

この歌い出しの部分は、王子さまと主人公である地球人の出会いのシーンを彷彿とさせるやり取りですね。宇宙の果てから地球に来た王子さまは、話の通じない主人公に対して最初は溜息混じりに投げやりな態度をとっていました。

 

 

 

きっと切ない誓いがあったのだろう

でも笑顔で明日を歌う声

 

王子さまは故郷の星に、この世界でただひとりの大切な恋人を置き去りにしてきてしまいました。王子さまは別れ際に「幸せになりなさい」という言葉を恋人から受け取っています。この歌詞はこの部分を指しているのではないかと。

 

 

 

胸に確かなもの持ってたら

それだけでなんとかなるって

なぜ優しく語れるのだろう?

勇気が欲しいのは誰でも

感じてる事だと知ってるよ

だけど人は迷いたがるね

 

この「胸に確かなもの持ってたら それだけでなんとかなるって」の部分こそが、星の王子さまという作品の重要なキーワードにあたります。物語のラストシーン、王子さまが主人公に向けて言った「君が見上げた空の星々の中のひとつに僕が住む星があるって思えば、君にとってその景色は幸せなものになるんだ」の部分です。(この考え方はGALAXY HidE and SeeKの"それだけで私はこの星の事がとっても好きになれるみたい"と本質的には同義ですね)(脱線)

だけど人は迷いたがるね の部分は、王子さまが主人公と別れて地球から旅立つ間際に葛藤しているシーンにあたります。

 

 

 

明確に影響を受けている と思われるシーンを説明できるのは1番の歌詞のみですが、一度でもこの作品に触れた事のある人ならば恐らく「一理あるな」と思って貰えるであろう程度には、テーマとなっている部分の根幹が同じなんです。

何を言ってるのか全くお分かり頂けていないかと思いますが、この言葉で記事を締めたいと思います。

 

 

 

 

 

「星の王子さま を読んで下さい。」

 

 

 

 

ちなみに、GALAXY HidE and SeeKは王子さまの恋人の目線のアンサーソング って解釈もできるよ、同じ銀河が舞台かもしれない。

 

駄文長文お付き合い頂きありがとうございました。