あきの忘備録

@YOUsukominの外部記憶装置

スクールアイドルの"if"としてのSaint Snow

 あきのです(*> ᴗ •*)ゞ

 

 先日ラブライブ!サンシャイン!!2期8話「HAKODATE」の記事を書いた際に、3000字ほど内容を削ってコンパクトにしたのですが、その部分を供養するために載っけておきます。

 

 

一切推敲せずまんまコピペで恐縮ですが、暇つぶし程度に丁度良いサイズなのでよろしければどうぞ。上記の記事のこぼれ話です。

 

 

 

 

 

μ'sがくれた"夢"に羽根があったとしたら、風に乗ってバーッと飛んで、いっぱい散らばっていって。おそらくAqoursみたいなスクールアイドルたちは全国にいて、その羽根はみんなに平等に届いています。

自分はあの羽根が1つだけじゃないと思っています。夢の数だけ、羽根がある。その1枚が、アキバから離れた内浦にも降りてきているのだと。

ラブライブ!サンシャイン!!TVアニメオフィシャルBOOKより引用  酒井和男監督

 

「A-RISE」に憧れてスクールアイドルへの道を志したSaint Snowではありますが、2期6話で「先代のスクールアイドル」へのリスペクトを語った彼女たちです。酒井監督の談にあるように、全てのスクールアイドルの元に平等に「羽根」は舞い降りている。1期12話で「羽根」を受け取った千歌たちと同じように、Saint Snowもまたアキバから遠く離れた北の地で「羽根」を受け取っていたかもしれません。

 今回は、そんなSaint Snowの輝きと共に物語に迫ってみたいと思います。

 

 

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 アニメ1期でのSaint Snowは競技としての側面を強めた、新しい時代の「ラブライブ」を象徴するような存在として登場しました。最初はAqoursの前に強敵として立ち塞がった彼女たちでしたが、1期12話では千歌の呼び出しに応じて東京まで出向いてくれたばかりか、2期でも千歌に数々の助言を与えてくれる頼もしい戦友のような存在に。

 

 はじめは無印ラブライブのμ'sとA-RISEの関係に相当するような、Aqoursのライバルの存在であるかのように思われたSaint Snowでしたが、アニメオフィシャルブックでは酒井監督は次のように語っていました。

 

2人は北海道予選を勝ち上がって来るんですけど、Aqoursのライバルというより、同じ夢を追いかけているけど、その"追い方"が違うという存在です。同じ夢を見ているけれど、アプローチが違う。だから、μ'sに対するA-RISEとはまったく違う立ち位置にいるユニットです。

ラブライブ!サンシャイン!!TVアニメオフィシャルBOOKより引用

 

 ライバルとは宿敵であり倒すべき相手ですが、酒井監督はSaint Snowを敵ではなく、Aqoursと共に同じ夢を追いかける"仲間"のような存在として考えていたのかもしれません。("仲間"と言うと語弊があるかもしれませんが) 

 そもそも「ラブライブ!サンシャイン!!」はAqoursというスクールアイドルの物語を描いた作品であり、作中でのSaint Snowは視聴者にAqoursの実力を指し示すための指標であったり、Aqoursが乗り越えていく踏み台のような存在(失礼)なのだろうと思っていたんです。最初の頃は。

 

 

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 作中でのSaint Snowというユニットには「Aqoursのスクールアイドルとしての実力を測る物差し」や「Aqoursに現実を突き付ける相手」など、物語の中での装置としての役割が与えられています。ですので、その機能を果たしたら用済みになるのかなと、お役御免となり退場するのかなと思っていたんです。

 ところが物語が進むにつれて、Saint Snowのふたりの「スクールアイドル」への情熱や信念が描かれるようになり、いつしか双方のユニットにはある種の信頼関係のようなものが芽生えていきました。

 

千歌たちは全員、穂乃果が飛ばした夢の羽根を受け取ったんです。μ'sの9人は永遠に穂乃果たちだけですが、でも次の夢をAqoursやスクールアイドルを夢見る子たちは(羽根を)すべて受け取ったんだなって。だから、本作の中に脇役はいません。

 ラブライブ!サンシャイン!!TVアニメオフィシャルBOOKより引用  酒井和男監督

 

 私はこの酒井監督の「本作の中に脇役はいません」という言葉に「ラブライブ!サンシャイン!!」の本質が込められていると思っています。オフィシャルブックを読んで酒井監督が「新しいみんなで叶える物語」を作品の軸にしてくれていることを知った時は、とても深い感銘を受けたものです。

 そして監督はこの言葉通り、Saint Snowも脇役ではなく物語の主役として、実に見事に魅力を引き出して描いてくれました。特に妹の理亞はずっと挑発的な発言を続けてきた生意気なキャラだっただけに、まさかこんなにも人間的な魅力が描かれることになろうとは、誰が予想したでしょうか。もうすっかり「スクールアイドル・Saint Snow」だけでなく「人間・鹿角姉妹」も大好きになってしまいました。皆さんも同じ気持ちかと思います。

 

 この「本作の中に脇役はいません」という言葉は1期13話のストーリーを象徴するような、「みんな」の存在を大切に描いていくという監督の意思表明とも受け取れるようなメッセージですが、2期に入ってからはより顕著にその姿勢が作品に現れていました。

 

 

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全校集会のシーンでも

 

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学校説明会のシーンでも

 

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 7話の屋上のシーンでも。

 同じ顔、同じ髪型、同じ仕草の人は誰ひとりとしていません。全ての人が描き分けられ、「みんな」を「モブ」ではなく「唯一無二の個」として存在していますね。

 

 

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 7話の結果発表後のシーンでは「奇跡」を起こしたAqoursの影で、地区予選で夢が潰えたスクールアイドルの姿が嘘偽りなく描かれています。「夢」の影で非情な「現実」へと突き落とされてしまったスクールアイドルの姿を見て、「輝き」を失った現実で生きている人たちは、自分自身の現実の姿と重ね合わせて見てしまったのではないでしょうか。

 では、夢破れ、「輝き」を失ってしまった人はもう輝けないのでしょうか?「夢」を失い「輝き」を追いかけられなくなったら、「みんなで叶える物語」の「みんな」の輪から外れてしまうのでしょうか?

 

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 そんなことはありません。Aqoursは「夢は消えない 何度だって追いかけようよ 負けないで」と力強く歌ってくれています。

 7話ではラブライブ決勝へ進出するという「夢」を掴み取ったAqoursも、「学校を救う」というもうひとつの「夢」は潰えてしまいました。しかしAqoursの「夢」が潰えた時、「みんな」が彼女たちに「夢」を預けることで、Aqoursはもう一度立ち上がり「夢=輝き」を追いかけるチカラを手にしました。

 そして 「みんな」のチカラで新たな「夢」を手にしたAqoursが、今度は「夢」を与える側に回ります。8話では夢破れて「輝き」を失ってしまったひとりの少女に、勇気を振り絞って手を差し伸べる黒澤ルビィの姿が描かれました。

 8〜9話は夢破れ「輝き」を失ってしまった全ての人を救済する、「輝きの円環」の輪を広げるお話になるのではないかと思います。夢が潰えたスクールアイドルは、夢破れた全ての人の姿を映し出した偶像です。Saint Snowが「輝き」を取り戻すことができれば、その姿は全ての敗者にとっての希望の光となります。

 

 

 「私たち」や「スクールアイドル」の未来の "if" の姿として描かれたSaint Snowを、9話ではAqoursはどのようにして救い出すのでしょうか。また、黒澤ルビィが手にした彼女だけの「輝き」はどんな光を放つのでしょうか。

 

 「輝きの物語」の分岐路に立ったひとつのスクールアイドルの新たな「輝き方」は、スクールアイドルの新時代の胎動を予感させます。

 

目醒めよスクールアイドル!!次回9話「Awaken the power」震えて待て!!!!