あきの忘備録

あきのの外部記憶装置

9話の考察を違う角度からやってみた

 あきのです(*> ᴗ •*)ゞ

 

 今回は9話の物語の本筋には触れず、偏った視点で好き放題言うやつをやりたいと思います。私はカット毎の拡大解釈をするのが大好きなので、主にそのあたりを。

まずは9話の流れを振り返ってみましょう、最初はライブの前のシーンから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ちゃん、緊張してる?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「お姉ちゃん、緊張してる?バレエのコンクールの時と、同じ顔」

 

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「そうかしら」

「大丈夫、みんなお姉ちゃんの味方だよ」

 ラブライブ最終予選の朝、絵里の表情の変化に気付いた妹・亜里沙の言葉です。そう言って姉の手をにぎるんですよね。

 

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「えりち、もしかして緊張してる?

「さっきまでね」

 妹に心配され、着替えもせずのんびりしている絵里は「らしくない」感じがしますが、迎えに来た希の顔を見ていつものペースを取り戻したようです。

 

 

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 弟・虎太朗が姉・にこのために作ってくれたμ'sを模した雪だるまですね。 

 このシーンでにこは「μ'sは全員がセンターだから」って言うんです。全員がこの物語の主役、なんですよね。

 

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 9話では一貫して、ひたすらに誰かが誰かを待っているシーンが繰り返し描かれています。雪のため到着が危ぶまれた2年生組のメンバーは勿論のこと、

 

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 学校のみんなもμ'sを待っています。そして雪道を急ぐ2年生組のために用意されていたのは、雪用ブーツ。

 

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 ライバルである完全にフルハウスの人もμ'sを待っています。

 

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「これでおしまいなんて絶対に嫌だったんだよみんなで結果を残せるのはこれが最後だし、こんなに頑張ってきたのに、何にも残んないなんて悲しいよ、だから......」

「......ありがと。」

 無事に最終予選に間に合い、安堵のあまり絵里に泣きつく穂乃果。彼女は「これが最後なのに」「何も残せずに終わってしまうこと」を何よりも恐れていました。

 

 

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「みんな、本当にありがとう。私たち、一生懸命歌います。今のこの気持ちをありのままに、大好きを大好きのまま、大好きって歌います!」

「絶対、ライブ成功させるね!」

 自分たちのチカラになってくれた学校のみんなのために、感謝の気持ちと、愛情を伝えるために穂乃果は歌うことを宣言します。そして彼女が約束したのは、大会で勝つことではなくライブを成功させること。

 

 

 

❄️

 

 

 

 お分かり頂けたでしょうか?

 

 ラブライブ!サンシャイン!!2期9話の話をすると見せかけて、無印2期9話の話をしてるだけの出オチじゃねーか!とお思いの方もいらっしゃるかと思いますが......。上記の太字の部分がサ!2期9話と無印2期9話の、共通要素と思われる部分です。

 

 実際にこうして見返してみると、カタチだけ見ると同じような要素をなぞらえているようでありながら、物語の中でそのシーンが持つ意味や役割は全く別物になっていることがわかります。

 

 ......特に深いことは言えないので本題に入ります。

 無印2期9話「心のメロディ」と言えば有名なこのシーンですよね。

 

 

 

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 『Snow halation』のライブシーン、大サビでアーチの後方でセンターに立つ穂乃果のアップのカットから、

 

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 カメラが引きになるのと同時に、前方にかけてアーチがオレンジ色に包まれていくこの光景。
 

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 次の瞬間には、ステージの位置がアーチの前方になっています。

 

 実際の位置関係と整合性のある絵よりも、視覚的快感を優先したレイアウトにすることでグッと引き込まれる映像になっています。アニメに余計なリアリティは必要ないことの好例かと思います。

 ちなみにこれを教えてくれたのは筆者の友人であるくにしろ氏(LV.19)(フォロー非推奨)なので、私が自分で気付いたわけではないです。

 

 

 

 さて、前振りが長くなりましたがここからが9話「Awaken the power」のお話です。

 

 

 

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 問題のこのシーンですね。

 

 

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 五芒星のフォーメーションで輝きを放つSaint Aqours Snowですが、先ほどのカットでは坂の上に位置していた彼女たちは

 

 

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 坂の下にいたはずですよね。あれ?いつの間に移動したんだろう......って一瞬混乱したかもしれませんが、つまりはそういうことです。

 

 

 

 なぜ坂の上で☆のフォーメーションのカットが必要だったのかは

 こちらの記事で考察してみたのでよろしくお願いします(説得力があるかどうかはわかりません)

 

 

 

 他にも、リアリティよりも物語の中での意味合いを重視して、ちょっとだけ嘘をついてるシーンがもうひとつ。

 

 

 

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 イルミネーションイベントの選考会の面接会場です。こんなに立派でだだっ広い会場で普通やらないと思うのですが(やってたらごめん)

 このシーンはルビィと理亞が自分たちの中の新たな扉を明けるシーンなので、開け放たれた扉の向こうに煌びやかで広い世界が広がっているこの絵はとてもグッと来ます。重厚な両開きの扉がめっちゃ良いです。このシーンの持つ意味がより強調されますよね。

 一般的なオフィスにあるような、普通の片開きのドアの会議室が会場では、リアリティはあっても絵的に地味ですし面白くないですよね。この会場は実際に函館にある建物から舞台として選ばれていますし、製作陣がシーンに見合うような舞台を、実際に足を運んで探されたのでしょう。

 

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 このシーン、面接官が9人いるのもリアリティなくて最高です。面接官まで全員女性なのもラブライブらしくて徹底されています。

 ここはお姉ちゃんが不在で不安なふたりを強調するために、敢えて対比のためにAqoursと同じ人数である9人に設定したのでしょう。威圧感がすごくて絵的にはめちゃグッドです。

 

 

❄️

 

 

 

 話は変わって、続いてはこちら。

 

 

 

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風呂上がりにおもむろに置かれたチラシに気付く善子が、「フラグ」という名の「運命」に気付く描写クソやばです。この瞬間に「運命」を「必然」として手繰り寄せるべく、よしまるがルビィのためにチカラを貸すという9話の未来が確約されました

8話での善子は『Angelic Angel』な代弁者として、メタ的なメッセージを視聴者に提示する「ストーリーテラー」もしくは「狂言回し」のような役割が与えられています。9話でも同じ役割を果たすはずなので、是非注目してみて下さい。

「HAKODATE」をメタ的に読み解いてみた話 - あきの忘備録

 

 9話は予想通り1年生組が大活躍な回となりました。が、では果たして善子が私たち視聴者の、メタ的な代弁者としての役割を担っているシーンがあったかのか。を検証してみたいと思います。

 

 

 

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「ライブ?」

「ここで?」

「理亞ちゃんといっしょにライブをやって、見せたいの。聖良さんと、おねえちゃんに」

「できるの?」

「準備とかは?」 

 OP明けて最初のシーン、ルビィの提案を聞くよしまるです。リアリストの善子らしい発言ですが、私たち視聴者と同じ目線の発言でもあります。初見では「曲作れるの?」「1年生だけで?」といった疑問を私たちも持ったはずです。

 

 そもそも、9話では特に善子はツッコミのポジションに回ることが多いため、必然的に視聴者と同じリアクションをする立場になるのですが......続けます。

 

 

 

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 面接中のルビ理亞を見守るふたり。ここのシーンからの流れは実に見事でしたね、完全にしてやられました。

 ここはルビィと理亞が「ちゃんと」できるのか私たち視聴者もハラハラしながら見守っていたシーンですから、同じ視点を共有することになります。更に視聴者と、よしまるのふたりの気持ちまでもがシンクロします。

 

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や、ずるいでしょこんなの

 からのこれですよ。画面の中のキャラクターと同じ目線と感情を共有した上で、向こうにこんなにボロ泣きされたら私たちも泣くしかないじゃないですか。誰だってもらい泣きしますよ。

「何泣いてるずら

「あんたの方が泣いてるわよ」

 じゃあないんですよ、そりゃあこっちの台詞なんですよ!!!!

 

 

 

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 はい。選考会後のシーンですが、ご覧の通り雪だるま⛄️です。

 先述した無印のスノハレ回でμ'sの9人を模した雪だるまが登場していた文脈で捉えれば、これはAqoursのメタファーですね。ご丁寧にも2年生組のイメージカラーが使われています。

 

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  選考会で絶対満員になるって言わなきゃ合格できそうになかった、と言い訳する理亞。ここで私たち視聴者は「え?1年生の4人で会場を満員にするの?できる??」って思ったはずです。そこですかさず善子は

「しょうがないわね、いざとなったらリトルデーモンを召喚」

「クックック.......フラグが完全に立ってるわよ」

 初見の時は「リトルデーモンを召喚」→「サクラとしてお客さんを呼ぶ」という意味かと思ったのですが、「リトルデーモン・リリー(サクラ)」を呼ぶというフラグが立っていたんですね。ネタひねりすぎ。このフラグに初見で気付けた視聴者いたらすげーよ。

 

 

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  「スクールアイドルは体重管理も大事」と語りながら盛大にフラグを回収する善子、このシーン最高ですね大好きです。っていうか善子あなた普通に食べたら太るのね、意外と人間らしいところあるじゃない......。

 善子>ルビィ+花丸 という構図はリアリティの欠片もありませんが、だからこそぶっ飛んでいて良いですね。自分の中で無自覚のうちに隠れていたパワーの存在が明らかになることのメタファーですが、そう捉えると

 

 この記事の「強くなる」のくだりもあながちネタとして看過できないのでは......?という気持ちになってきます。

 

 

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 シーソーって互い違いに上下していく遊具ですよね。これは一歩ずつ前に出て、追い越したり追い越されたりして成長していく、1年生組の関係性を表したメタファーだと思います。

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 こちらのシーンでは、体重が増えたことでシーソーが下がりっぱなしになってしまった善子が、シーソーから飛び降りて滑り台を駆け上がります。シーソーが上がらないなら自分の足で上に登っちゃう、っていう所が実にラブライブっぽくて良いです。上へ上へ、前へ前へと進もうとする意思の表れでしょうか。

 また、この話数では展望台の頂上でふたりで歌ったり、ライブパートのラストシーンでも坂の上にいたりと、上へ上へと登っていくAqoursの成長も感じられますね。

 

⛄️ 

 

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 ラジオ収録開始直後、「Saint Aqours Snowです」と理亞がユニット名を名乗っている横で善子、善子あなた......いいから座りなさいよ.......。

 

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 善子が堕天使モードに入ってしまい戦力にならないので、「ちゃんと告知するずら」って花丸がルビィに振るのすっごく良いですよね。

 

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 このシーン、ふたりのルビィへの信頼が見て取れますが、私は善子の優しさがめちゃめちゃグッと来たのでここだけはやはり触れておこうと思います。ここは皆さんお分りかと思いますが蛇足を承知で言いますね。本当にこのシーンの善子が大好きなんです。

 善子はルビィと花丸の成長のために任せたんでしょうね。彼女はニコ生の配信でマイク前での喋りには慣れている上、その気になればちゃんとした一般人として振舞うこともできるので、この4人の中では一番告知には向いているはずです。多分善子は、やればそつなくこなせたでしょう。

 

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 人前での喋りが苦手なルビィと、方言が出てしまい喋りへのコンプレックスを抱えている花丸のために、敢えて善子はマイク前を譲ったんですよね。相手を庇うことだけが優しさではありません。敢えて厳しく接する、挑戦の機会を与える、友達想いな善子の本当の優しさが垣間見えた瞬間でした。

 

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 花丸は「失敗しちゃったずら......」と肩を落としていますが、善子はふたりが挑戦した時点で成長できていることを確信しているんですよね。だからこそ、このドヤ顔。

 あぁ、もうだめだ。あきの堕天です。完全にすこすこのすこになってしまった。

 

 

❄️

 

 

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 飛んでライブシーン冒頭ですが、ここもう言葉にならないぐらい良かった。これぞラブライブ!って感じです。

 ふたりが立つステージが普通に車が走ってる道路なのめちゃくちゃやばいですよね、何処だろうと関係ない、彼女たちが立てばそこはステージなんですよ。

 

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「緊張してる?」

「ううん」

「ルビィも、ふしぎと落ち着いてる」

「お姉ちゃんが近くにいるからかな」

「それも勿論あるけど......それだけじゃない」

「貴女がいたから、ここまで来れた」

「理亞ちゃん......」

 アバンが、あまりに良すぎます。

 彼女たちの真横をガンガン車が通り過ぎている中で、この会話ですよ。この瞬間彼女たちの世界はふたりの中で完結していて、ふたりの声と伝わる手の温もりと、それから近くに感じている姉の存在と。本当にそれだけの研ぎ澄まされた静謐の世界がそこにあるだけなんですよ。最高過ぎる......絵もあまりに美しい。引きのカットのまるで異世界のような静けさと、ふたりの憂いを帯びたような優しい瞳の輝きと、もうこれ以上ないぐらい最強のシーンです。すこすこのすこすこすこすこ。あーもうすこ。

 

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「次はどこへ行こう?」

 ふたりだけの舞台で作り上げられた美しい世界は、眩い輝きと共に外の世界へと広がって行きます。楽曲の展開と共にどんどん世界が開けて輝きに満ちていく光景は圧巻の一言。

 

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 からのバスも突き抜けて

 

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 その向こう側に「輝き」を灯し

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 坂を登りきったら

 

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 「輝き」は空へ。どこまでも上へ上へとのぼっていくんですよね。最高!!!!

 道を行く車の流れなど関係なく、どこまでも進み続けたら今度は宇宙を目指して突き抜けていく「輝き」、これこそラブライブ!!HAPPY PARTY TRAINのMV然り、2nd LIVE TOURのオープニングムービーも然り、自分たちの心の輝きの赴くままに、道無き道をどこまでも進み続けるんですよね。

 

 

 

❄️

 

 

 

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 ライブシーン後のふたりですが、ふたりが手袋もせずに手を繋いでいるのがとても良いですね。とても。

 

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 自らの意思で、Saint Snowを終わりにする決断をした理亞。自らの掌の上で雪の結晶を溶かす彼女の気持ちを思うと、胸がぎゅっと締め付けられます。それでも、雪は溶けて水になってしまっても、その輝きは永遠に消えることはない。自らの手でまた新しい輝きのカタチを作り上げて見せると、彼女は笑顔でそう姉に伝えました。

 このシーンほんとだめ。もう、だめ。ラブライブ!ってなんなんだよ......良すぎるだろって気持ちになる。

 

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  そんな彼女たちの前に広がるのは、まだ誰の足跡も残っていない真っ白な新雪。これからどこにだって行ける、前に進む意思がある限り。そう言わんばかりのカットですね。

 無限の可能性を秘めて、スクールアイドルは新たな「輝き」へ向かって羽ばたくのでした。

 

 

こころの羽ばたきは止まらない

 

 

 3本立てになりましたが、9話の記事 これにて完。