あきの忘備録

あきのの外部記憶装置

ねえ君 答えを探そうよ!

 
 
  \しゃろとも〜!/
 
 
ずっとも〜!
 
 
  \いいとも〜!/
 
 
 
そう言い合って、僕らは笑って。
 
まるで子供みたいに、無邪気な約束を交わした。 
 
こんな日々がずっと続けばいいのに...
 
いや、
 
本当に続きそうな気がした。
 
そうであるように、願ったんだ。
 
 
 

 

 

 
 
 
『ある日...永遠みたいに!』
まるで小説のタイトル。もしくはプロローグの一節のような響きのアルバム表題曲。CYaRon!ちゃんもとい、畑亜貴という概念が私たちを不思議な物語の世界へと誘います。マーメイズコールユー。
 
君はどうする?
 
いっしょに行こうか!
 
 
 
 

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・海の階段があらわれた!

 

ある日…波の先に海の階段が

現れたら君はどうする?いっしょに行こうか!

Mermaids call you

重なってるよ 蒼き夢のセカイへ 

 

はい。歌い出しは渡辺曜ですが、この曲は渡辺センター曲で間違いなさそう。

君はどうする?いっしょに行こうか!〟と唐突に問い掛けてくる突然GIRL渡辺ですが、1番の最後にねえ君、答えを探そうよ!と「君」に誘いかけてくる歌詞も渡辺曜が歌っています。つまり、この曲で「君」に対して言葉を投げかける歌詞は全て彼女が歌っているわけですね。

この「君」への問いかけは物語の外にいる私たちに向けられていて、メタ的なメッセージはCYaRon!の歌詞としてはとても珍しい...『近未来ハッピーエンド』にも「君」は出てきますが、あの曲は応援する側とされる側ではっきりと立ち位置が分かれているのに対し、『ある日...永遠みたいに!』はCYaRon!ちゃんが「君」と一緒に冒険に繰り出す曲になっていて、目線と立ち位置が同じで距離感がとても近いんですよね。友達っぽい感じ。

 

 

この曲、渡辺曜高海千歌をスクールアイドルに誘う世界線 って解釈も面白いかなと思ったんですけど、〝君はどうする?〟を〝千歌ちゃん、やめる?〟と重ねても良いし。でも歌詞全体で意味が通って、整合性のとれそうな解釈が厳しかったのでナシで。

 

この曲って恋アクの文脈を汲んだ世界観ですよね。

恋アクも私たちをファンタジーへと招待する曲ですが、ある日...永遠みたいに!は私たちと一緒にファンタジーの世界へと飛び込む曲であること、水族館から大海原へと広大な世界に舞台が移っているあたりが進化ポイントですかね。

 

この曲も恋アク並みに摩訶不思議ワールド炸裂の歌詞ですが、畑先生が書いてるので多分全部に意味があるはず.............。

 

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波の先に海の階段が

いつも眺めていた日常の景色、そんな海の先に突如として現れる異世界への階段。実にファンタジックでロマン溢れる歌詞ですが、渡辺曜が歌うことで別の意味合いが見えてきます。なんてったって、彼女が飛び込むのはスクールアイドルの海ですからね。

 

↑これは恋アク発売前のフレッシュな渡辺。

 

波の先に海の階段が

ちなみに恋アクの落ちサビで渡辺曜目線でステージに立つと、青いサイリウムの波に向かって青い道が生まれるんですよね。モーゼの十戒みたいに海が割れて道が現れる感じで。このシーンのイメージが歌詞にちょっと似てます。

なので、異世界ファンタジーへの誘いを、ラブライブ!のライブへの誘いと解釈してみます。

 

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波の先に海の階段が

この「波」を「音の波」、「階段」を「音階」の例えとするならば、

このフレーズそのものが「音楽」の比喩になりませんか?

 

つまり、①異世界への入り口が現れたよ②恋アク渡辺目線の景色③音楽(ライブ)そのもの と、3通りの解釈ができる歌詞になっているわけです。

 

ある日…波の先に海の階段が

現れたら君はどうする?いっしょに行こうか!

Mermaids call you

重なってるよ 蒼き夢のセカイへ 

そう!意味が重なってるのです!

文中ではまるで意味が通らなそうな〝重なってるよ〟の言葉ですが、物語のラブライブ!サンシャイン!!と現実のAqoursのライブの世界線も重なってるんですよね。

ちなみにここは人魚姫の歌声も重なりますね、人魚 (セイレーン) は美しい歌声をもつ生物とされています。

 

この曲の歌詞は全編を通して、まるで万華鏡のようにくるくると世界線を転々とするCYaRon!ちゃんの様子と心情が描かれています。AZALEAの『空中恋愛論』に味を占めた畑先生が、異世界の冒険を無邪気に楽しむAqoursちゃんってかわいくね?ってネタを使いまわしてる説、あるな。

 

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Aメロの歌い出しは、そんな蒼き夢のセカイへの誘いってわけですね。

この曲の〝蒼き夢のセカイ〟と〝蒼きセカイ〟の歌詞、全部渡辺が歌ってるのがシンプルに良いです。個人的にはAqours関連楽曲で「蒼」のイメージの曲は『WATER BLUE NEW WORLD』だけなんですけど、まぁ細かいことはいいです。ミラチケやブラメロもうぉたぶも大体ぜんぶ青なので。

 

ちなみに〝Mermaids call you〟と歌詞に人魚姫が登場しますが、アニメ劇中に登場するクソダサユニット「スリーマーメイド」にルビィちゃんは当然含まれてないので、体育会系ユニットCYaRon!らしく、先輩2名に巻き込まれた感があります。悲しいお話ですね。

 

 

 

 

 

・景色が神話に変わる! 

 

景色が神話に変わり

ネプチューンが手を挙げて

真珠色のレースのような魚たち踊れば

Mermaids call you

僕らの記憶 泳ぎたがって飛びこんで

 

ルビィちゃんパートでは神話の世界に場面が転換します。 

そして新キャラ、ネプチューン登場。ネプチューンとはローマ神話に登場する海の神のことですね。三叉槍と呼ばれる三つ又の矛を持ってて、めちゃくちゃ強いらしいです。

 

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こういうやつですね。

なるほど3つの叉に分かれた槍だから、最強の3人組ユニットみたいなこと...?と思ったのですが、

 

 

 

いやちょっと待て。

 

 

 

これどっかで見たことあるぞ??

 

 

 

 

 

 

 

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渡辺、お前もしかして.......??

 

 

 

 

 

 

 

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わ、渡辺・・・

ネプチューンはお前だったのか!?

 

 

 


どうなっちゃうの?

 

どうなっちゃうの?

 

 

 

 

 

 

 

 

いやちょっと待、一旦冷静になろう。

さすがに話が飛躍しすぎたので、真面目な考察に話を戻します。

 

景色が神話に変わり

ネプチューンが手を挙げて

真珠色のレースのような魚たち踊れば

 

歌詞によるとどうやら、ネプチューンが手を挙げると真珠色のレースのような魚たちが踊り出すようです。これは三津シーパラダイスのイルカショーで、飼育員さんがイルカにジャンプの指示を出す光景にも似ていますね。

さらに前項の考察を基に考えるならば、これはライブの光景の隠喩かもしれません。ライブが始まった時に、センターポジションの人が手を挙げてダンスが始まる。そんな曲ありましたっけ.....?

 

 

 

 

 

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デデン♪♪♪

 

あったわ。

 

やっぱ渡辺がネプチューンじゃん。

 

 

 

 

 

 

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水深は浅いの??青春は深いの??

 

 

 

なんということでしょう......畑亜貴恐るべし。

しかし、ここまで真面目に読まれた方はお思いかもしれません、

景色が神話に変わり〟の考察が弱いと。ご安心ください。

 

 

 

 

 

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ライブの景色は過去になった時、神話に変わります。

 

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それがラブライブ!でしょう。

 

Mermaids call you

僕らの記憶 泳ぎたがって飛びこんで

ここで言う〝僕らの〟はキャラクターとしてのCYaRon!の側から発せられているので、二次元→三次元へと世界線を飛び越えていくラブライブ!のライブを表現した歌詞と解釈することもできそうです。

2番に出てくる〝幻じゃない 蒼き夢のセカイよ〟の歌詞も同じ文脈で読めそうですね。

 

 

 

 

・ここにいる自分は誰?

 

目を閉じてそして開いたら

空と海と太陽が永遠みたいに輝いてる

ああ、なんてキレイなんだ!

思いっきり吸いこんでみよう 大好きなこの空気を

このサビの歌詞もいくつかの世界線が重なっていて、いろんな解釈ができそうですね。実在する沼津の海辺の美しい光景と、物語の中に切り取られた美しく変わることのない沼津と、そしてライブ会場で繰り広げられる光景と。

ライブでの〝太陽〟といえば、ラブライブ!フェスを振り返る浦ラジで小林さんが、スノハレの落ちサビでSSAの天井がオレンジ色に染まっている様子を見て、太陽みたいだって思ったとお話しされてましたね。多分関係ないですけど。

 

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目を閉じて

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そして開いたら

 

『地元愛♡満タン☆サマーライフ』の〝目を閉じてもまぶしい渚が好き〟や『New winding road』〝目を閉じたらふとよぎる歌があって〟にも目を閉じる歌詞が登場していますが、いずれも目を閉じた時に浮かんでいるのは過去の情景ですよね。

この曲では目を閉じている時には意識が過去の世界線にある彼女たちが、目を開けると今の世界線にいる様子が伺えます。

 

ここにいる自分は誰?

いまの時代はいつ?

ねえ君、答えを探そうよ!

今の自分が何者としてそこに立っていて、時系列がいつの設定なのかもわからないけれど、いまこの瞬間が大好きだからいまを楽しんじゃおう!って感じが伝わってきて、いかにも彼女たちらしいです。どうなっちゃうのかわからない、ワクワクすることが冒険なのです。

最近のAqours関連楽曲、特にデュオトリオやソロ楽曲に言えることなのですが、いつの時系列のどんな世界線の曲なのか曖昧なとこありますよね。ライブを経て新たなストーリー性が付与されたり見出せたりしていくものなので、それをみんなで作っていこうよ!ってことでしょうか。

 

この記事もそうですが、過去に後付けで意味を見出して物語にすることができるのがラブライブ!サンシャイン!!らしいなと思うのです。だからこその〝ねえ君、答えを探そうよ!〟なのかもしれませんね。

 

 

 

物語が生まれるのは
きっと夢のかけらが集まって出会った時

まるで伊波さんの言葉みたいな美しい歌詞。 

たぶん過去のMCで伊波さんがこういうことを言ってたんだと思います、調べてないのでわかりませんが、言ってそうなので多分言ってます。 

 

 

 

 

・ある日...永遠みたいに!

 

ところで、サビで初めて〝永遠みたいに〟という重要ワードが登場するのですが、これがなかなか自分なりに得心のいく解釈に行き着けなかったんですよね。

空も海も太陽も、人間という短い生涯を生きる存在からすれば永遠のような輝きを放ってはいるけれど、多分そういうことじゃない。自分の記憶の中に切り取った光景は、思い出の中で永遠の輝きを放つけれど、この歌詞では目を開いてるので記憶の中にあるだけの輝きではない。永遠みたいに。永遠みたいに。永遠みたいに。。。

ここにいる君と僕は 今を生きてるんだ!と、いまこの瞬間を生きていることを強く実感する様子を強調するために、敢えて対比として永遠という概念が隣に置かれたのかもしれません、など。

 

なんてことのない日常の中の、〝ある日〟に君と出会ったことで、ラブライブと出会ったことで、まるでファンタジーの世界みたいに劇的なものになった。なんてことのない〝ある日〟が、出会いをきっかけにドラマチックに輝きだした。普通の私の日常に〝ある日〟突然訪れた奇跡。ある日、輝きだした...永遠みたいに!ある日...永遠みたいに!

 

なるほど...。

 

〝ある日...永遠みたいに!〟の〝 ... 〟の部分に、どうやら行間がある。

 

 

今日も…風吹いたら海の階段が
現れたよ!君の気持はすぐに冒険の中

2番のAメロ高海千歌パートでは、1番で〝ある日...〟だった歌い出しの箇所が〝今日も...〟になっていて時系列が進んでいる。スクールアイドルの世界に飛び込んで劇的に世界が変わった〝ある日〟以来、大好きな場所ができた。〝ある日〟は過去だ。

ここにいる君と僕が今を生きていることを強く実感できる、大好きなこの瞬間も、この日々もいつか〝ある日〟になっていく。〝ある日〟は全てが始まったあの日でもあるし、今この瞬間も〝ある日〟になっていく。

現実のAqoursが物語を更新し続ける限り、物語は始まり続ける。終わりが定義されない限り〝ある日〟は続いていく。それはまるで〝永遠みたいに〟続いていく。

 

〝ある日(は続いていく)...(それはまるで)永遠みたいに!〟

 

着地点としてはこんな感じかな...と思ってるのですが、参考資料として高坂穂乃果の『Someday of my life』を例に挙げると畑先生的ニュアンスが掴みやすい気がしてます。『Someday of my life』は刹那的に強い「今」を「ある日」として描いていますが、両者を対比してみると現在進行形のAqoursちゃんには、μ'sと違って終わりがないんじゃないかと思わせる何かがある気がします。故に「終わり」の描き方がマイルドというか。CYaRon!は3年生組がいないユニットですしね。

ちなみに「人魚姫」は叶わぬ恋や報われない愛の象徴として物語に登場するキャラクターらしいので、本当は永遠なんてないのかな って分かってはいるけれど...みたいな、ほんのり切ないエッセンスが感じられる味付けになっているかもしれませんね。

 

 

 

 

 

・約束をしよう きっと ずっと 忘れないように

最後に。

この曲は伝説のバンド「JUDY AND MARY」のメンバーであるTAKUYAが作曲していますが、『ある日...永遠みたいに!』は「1曲は王道みたいなものが欲しいです」という依頼を受けて作られたそうですね。

TAKUYA氏いわく「この曲は僕の中の“J-POP”の王道というか。「一番いい曲を書いてください」と本気で言われたら、こういう曲かなという。」との談ですが、王道と言うからには元ネタがあるわけです。

 

 

それがこちらです、『クラシック』。

もともとTAKUYA氏がソロプロジェクト用に書き下ろした楽曲だったが、YUKIがどうしても歌いたいと切望したためJUDY AND MARYでの発表となった。とのこと。TAKUYA氏は解散後も自身のライブでよく演奏していたそうで、そのお気に入りぶりが伺えますね。

どのへんが元ネタかって問われると音楽知識ゼロなので説明できないんですけど、たぶんコード進行?がまんまそれです。サブスクにオフボーカルの音源があるので聴いてみて欲しいんですけど、『クラシック』のオケに乗せて『ある日...永遠みたいに!』の歌詞を歌うとびっくりするぐらいきれいにメロディが乗ります。

 

ジュディマリは10代の頃から好きで、中でも『クラシック』が曲もMVもいちばん大好きで死ぬほど聴いてきたので、TAKUYAがCYaRon!ちゃんに作曲してくれたのまじで俺得でアドすぎました。

 

『クラシック』超名曲だからみんなも聴いてみてね。

じゃねじゃね、じゃねー!