あきの忘備録

あきのの外部記憶装置

『WATER BLUE NEW WORLD』のヴェールを剥がす。

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渡り鳥はその名の通り、海を渡る鳥だ。

彼女たちは春になると旅立っていく。

誰に飛び方を教わるでもなく、誰に道を教わるでもなく。

しかし彼女たちは迷わない。

なぜなら、"胸に確かなもの"を持って"輝き"を見つめている生き物だから。

 

 

 

 

 

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渡り鳥がなぜ迷わずに、海を渡る旅ができるのか。ご存知ですか。

理由はふたつあります。

 

 

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ひとつめは、彼女たちが"輝き"を追いかけているから。

北斗七星の位置から方角を知る本能を、渡り鳥は持っています。

プラネタリウムという「人の手で作られた星」の下でも、渡り鳥が星の配置で自分の位置を把握していることが確認できた という実験結果も存在するようです。

※ ⭕️が北斗七星 

 

 

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ふたつめは、彼女たちが"ハートの磁石"を握っているから。

渡り鳥は体内コンパスを持っていることで知られています。

胸に確かなものを持っているからこそ、もっと遠くの空へと。

まだ見ぬ場所を目指して旅立つことができます。

 

 

 

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そんな渡り鳥が飛び立つ瞬間を描いたラブライブ!サンシャイン!!2期12話。

雲をも突き抜けて空を目指した10話を経て、12話で立つ決勝の雲海のステージ。彼女たちの頭上に広がる壮大な星空と、Aqoursとの関係をイメージして頂けたでしょうか。

 

 

 

 

 

こんばんは、あきのです。

 

「あと2日。」

 

Aqours 3rd LIVEを前にして「やり残したこと」は何だろう と考えた時に、大好きなあの曲のあの瞬間の解釈を、自分なりの考えを形にして世に送り出しておきたいと思いました。 

ラブライブ!サンシャイン!!2期12話「光の海」劇中歌『WATER BLUE NEW WORLD』

大好きなこの曲を、決勝のライブシーンを、いつも通り自分の好き勝手に言いたい放題で語らせて頂きます。熱い気持ちを誰かと共有したり、自分の軌跡を振り返るようなエモいのを期待された方には「ごめんなさい!」

解釈は拡がっていく、繋がっていく。という寛大な気持ちでお付き合い頂ければ幸いです。

 

 

 

 

 

 

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『WATER BLUE NEW WORLD』の衣装。白鳥がモチーフなのかなと思われた方は多いのではないでしょうか。

私もそのひとりで、バレリーナ風のデザインや、トゥ・シューズ風のパンプスからはバレエ『白鳥の湖』が想起されました。ライブのシーンを改めて見返して頂くとお分り頂けますが、実はダンスの振りやポージングの随所にもクラシックバレエの要素が散りばめられています。

 

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こちらは『白鳥の湖』ではなくバレエ『ジゼル』ですが、こちらの「村娘」の衣装もイメージソースになっていると思われます。

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こちらもバレエ『ジゼル』より、村娘の「ペザント」の衣装。ライブシーンでの覚醒前のまるまりこのイメージソースがこちらだと思われます。こちらは主人公と同じく村娘なのですが、王子に見初められるヒロインではない方の、普通の村娘である所がポイントです。

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村娘の衣装に身を包んでいるのはまるまりこですが、田舎に住む垢抜けない村娘という設定に国木田花丸は非常にしっくり来ます。おさげの髪型も含めて似合いすぎです、まじもんの美少女です。ほんとにかわいい。本当に可愛い。

高槻さん、ヘアメイクさん、再現よろしくお願いします。

 

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こちらが『白鳥の湖』のプリンシパルのオデット。

黒澤姉妹と千歌の衣装のソースですが、黒澤ダイヤに「白」を着せるというわかり手ぶりにスタンディングオベーションです。「重なっては消えてく」の黒澤ダイヤソロパート、小宮有紗さんのバレエ経験が遺憾無く発揮される瞬間を想像してしまいますね。

 

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しかしまぁ何と言っても、"憧れの舞台"で黒澤姉妹がお揃いの衣装を着ているのが、ほんとに、なぁ..........

 

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こちらは『白鳥の湖』の王子様

曜、善子、果南の衣装のデザインの元ネタがこちらですね。

 

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この3人がイケメン担当なのは妙に説得力があります。こういうの待ってた(小声)

え、この曜ちゃんやばない?まじ??これ着んの?髪型も??え??これ斉藤さんがやってくれるのまじ????鎖骨!?!?うせやろ????ありえん。無理だ。誰か助けて。

 

 

 

 

 

 

さて。

ライブシーンの演出や衣装デザインから、キーワードのピースは揃って来ました。しかしながら『白鳥の湖』のストーリーと照らし合わせてみても、残念ながらラブライブ!サンシャイン!!の物語とリンクする点は見つけられませんでした。

  

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そこで私は気付きます。

この衣装や印象的なポージング等は「白鳥」のイメージを表現したものではあるけれど、パフォーマンスの上でのアウトラインに過ぎない。その本質的なメッセージは別に隠されている、と。

 

 

 

そして最大の疑問であったこの部分。

 

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なぜここで桜内なのか。

なぜ寄ってたかって脱がされ内なのか。

 

 

 

その疑問を解く鍵を、私は"白鳥"をフィーチャーした別の物語の中に見つけました。

 

 

 

 

 

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『みにくいアヒルの子』という童話をご存知でしょうか。

 

かの有名なデンマークの童話作家、アンデルセンの作品のひとつです。

私がたどり着いた結論。それは

 

『WATER BLUE NEW WORLD』のライブシーンは『みにくいアヒルの子』のオマージュである。

 

ということです。

世界中で数多く翻訳され、様々な解釈のストーリーが存在するこの物語ですが、ざっくりとあらすじをご紹介させて頂きます。

 

 

とあるアヒル一つだけ見覚えのない卵が混ざっていました。 
それが卵から孵ると、周りは黄色い雛ばかりなのにその雛だけは灰色で他より大きく、また少し首が長かったのです。 
親鳥は彼を「七面鳥の子かもしれない」と考えるも、雛として育てていくことを決めて育て始めます。しかし成長していくにつれ、他の兄弟やアヒルたちは彼を「醜い」とさげすみ、親鳥の目を盗んでは彼を執拗にいじめました。 

この仕打ちに耐えられなくなった雛は、巣を抜け出してほかの鳥の群れへ迎え入れてもらおうとします。 
でもほかの鳥の群れでも同じようにつらく当たられ、追い出されるばかりでした。 
そうしているうちに冬が訪れ、雛は一人さびしく冬を越すことになるのでした。 

とうとう生きることに希望が持てなくなった雛は、白鳥の群れにまぎれて彼らに殺してもらおうと考え、白鳥のいる水辺へと向かいました。 
そして水辺にたどり着いたとき、雛は水面に映った自分の姿をみて驚きました。 
彼はひと冬を越すなかでいつの間にか大人となり、そして見事に美しい白鳥へと成長していたのです。 

こうしてみにくいアヒルの子は、自分の本当の姿を手に入れ、白鳥の群れに迎えてもらえたのでした。 

pixiv百科事典より引用

 

目をお通し頂けましたでしょうか。

あらすじだけでピンと来ない方はこちらのサイトをご参照ください。全編がかわいらしい挿絵付きで公開されていますので、イメージが掴みやすいかと思います。

 

 

 

この作品の「自分の本当の姿に目覚める」というストーリーは、奇しくもラブライブ!サンシャイン!!の物語の根幹を担う、重要なピースのひとつと共通するテーマです。

さらにこのストーリーは、アニメの桜内梨子の姿と重なり合うものになっています。

 

 

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とあるアヒルに一つだけ見覚えのない卵が混ざっていました。 

初っ端から強引に行きますが、「とあるアヒルの巣」を「浦の星女学院」と捉えてみてください。

内浦という人口の少ない小さな田舎町の高校ですから、転校生などそう滅多に来ることはないでしょう。それも都会からやってきた見慣れない制服に身を包んだ美少女となれば尚更、この物語の主人公の「とあるアヒルの巣に一つだけ見覚えのない卵」という境遇が桜内梨子に重なるように思われます。

 

 

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とうとう生きることに希望が持てなくなった雛は、白鳥の群れにまぎれて彼らに殺してもらおうと考え、白鳥のいる水辺へと向かいました。 

 この部分は童話にしてはあまりに凄惨なお話ですが、 残酷で有名なアンデルセンの童話の中ではまだマシな方です。梨子ちゃんの境遇と重ね合わせるにも悲惨すぎるかとは思いますが......メタファーのようなものだと思って頂けると幸いです。

自らを醜い鳥であると思い込んでいたアヒルにとって、純白の羽毛に身を包み大きな翼で空を駆ける白鳥は、まさに自分とは住む世界の違う憧れの存在でした。

ここで登場する「白鳥の群れ」を「Aqours」もしくは「スクールアイドル」と捉えてみてください。梨子は自分のことを地味で目立たないと称していましたし、「こんな私が、スクールアイドルになる日が来るなんて…夢にも思っていなかったけど」なんですよね。

 

そして水辺にたどり着いたとき、雛は水面に映った自分の姿をみて驚きました。 
彼はひと冬を越すなかでいつの間にか大人となり、そして見事に美しい白鳥へと成長していたのです。 

f:id:akino_oniku:20180603074623p:plain「成長って、気付かない間にするもんだよ」 は12話の果南の談。

神田明神の階段を駆け上った後での言葉ですが、自分自身の成長は過去に立ち返った時に初めて気付けるものですよね。

 

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2期12話で梨子は初めて「自分だけのために」音ノ木坂学院に戻ります。

1期12話で音ノ木坂学院に足を運んだ時の梨子も「自分がどんな気持ちになるのか、確かめてみたいの」と話していましたが、2期12話でここを訪れたのも同じことを考えたからでした。

 

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笑ってるんですよね。

「あの頃の自分」にはできなかったことができた。いつの間にか成長することができた自分の姿を確認します。

 

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彼はひと冬を越すなかでいつの間にか大人となり、そして見事に美しい白鳥へと成長していたのです。 

かくして、ひとりの少女が自分の本当の姿に目覚めていくシンデレラストーリーがクライマックスを迎えます。言うなれば、桜内梨子を主人公として据えたサンシャインストーリーの大団円とも呼ぶことができるでしょう。 


ラブライブ!決勝戦で披露された『WATER BLUE NEW WORLD』で、リーダーにしてセンターの高海千歌ではなく、敢えての桜内梨子が最大の見せ場を担った経緯が少しでも伝わりましたでしょうか。

 

 

 

🍳🐣🐥🐦🐔🐓🍳

 

 

 

・・・多分あんまり伝わってないかと思いますので、徹底的に掘り下げて検証してみます。

 

まずは12話を振り返ってみましょう。

 

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「全力を出し切れますように」

神田明神での「お祈り」のシーン。全力を出し切るために必要なのは「いま」に対する迷いを捨て「いま」に自分の全てを懸けること。

 

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「私たち、ラブライブに優勝して、浦の星の名を残して、それでいいんだよね.....?それで」

しかしこの後のシーンでは千歌の「迷い」に対して、梨子も他のメンバーと同じく何も言葉を返すことができませんでした。

 

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「行きたかった?音ノ木坂」

「そうなの?」

「......ちょっぴりね。今だから確かめたいことや、気持ちもあるんだけどね」

ここが重要なポイントですね。

ラブライブ!における「今だから」には必ず本質が隠されています。では梨子が思う「今だから確かめたいこと、今だから確かめたい気持ち」とは何だったのでしょうか。

それを知るために、さらに時系列を遡って彼女の軌跡を辿ってみます。

 

 

 

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「音ノ木坂が嫌いなわけじゃないの。ただ、期待に応えなきゃって、いつもは練習ばかりしてて。でも結局、大会ではうまくいかなくて」

梨子が1期7話で音ノ木坂に行こうと提案された時に「ごめん、私はいい」と真っ向から拒否したのは、まだ「自分らしいピアノ」と「ピアノを好きな自分」を取り戻せておらず、つまりピアノと向き合うことができていなかったからでした。

この時の彼女にとっての「音ノ木坂」とは「自分の輝きを見失った場所」であり、乗り越えられずにいる過去の象徴でした。

 

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「ピアノ、ちゃんとできたからかな。今はちょっと行ってみたい。自分がどんな気持ちになるのか、確かめてみたいの」

対して1期12話での梨子は「ねえ、音ノ木坂、行ってみない?」 と、自分から音ノ木坂を訪れることを提案しています。自分自身のためという目的も勿論あったはずですが、ここではAqoursが前に進むために決断したことの方が動機としては大きいでしょう。

そしてここでの梨子の自分がどんな気持ちになるのか、確かめてみたいの」という、自分自身への問いかけに対する答えは

「ここに来て、はっきりわかった。わたし、この学校好きだったんだなって」

 でした。つまり彼女が確かめたかった、掴みたかった答えとは「過去の自分を肯定できていること」。一度はピアノと向き合うことができずに逃げてしまった彼女でしたが、千歌に誘われてAqoursに加入したことをきっかけに、再びピアノと向き合い、自分らしい音を取り戻すまで至ることができました。

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苦しみ続けた過去はあったけれど、その過去があったからこそ今がある。全ての出会いに意味がある。

だからこその「ありがとうございました!」なんですよね。

 

 

 

「今はちょっと行ってみたい。自分がどんな気持ちになるのか、確かめてみたいの」

 1期12話「はばたきのとき」

「......ちょっぴりね。今だから確かめたいことや、気持ちもあるんだけどね」 

 2期12話「光の海」

さて、1期12話で梨子が「過去の自分を肯定」するに至った経緯はこれで掴めました。では後者の梨子の「確かめたいこと」とは一体何だったのでしょうか。

時系列を2期12話に戻します。

 

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柔らかな日差しを背に、ふわりとカーテンを揺らす風を受けながら穏やかな表情でピアノを演奏する梨子。

 

一見するとシンプルに「ピアノを好きな気持ち」こそが「今だから確かめたい気持ち」であるように思えるシーンですよね。

勿論それもあるはずです。しかし、敢えて音ノ木坂に来てまで「過去を乗り越えたことを確かめたい」と考えたのであれば、音ノ木坂に在学していた頃に演奏できなかった曲である『海に還るもの』を弾くはずなのです。

このシーンで梨子が弾いている曲は『想いよひとつになれ』です。

なぜ音ノ木坂学院に足を運んでまで弾いた曲が『海に還るもの』ではなかったのか。それを紐解いてみたいと思います。

 

 

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「わたし、ピアノで曲を作ってるの。でも、どうしても海の曲のイメージが湧かなくて......。」 

1期1話「輝きたい!」 

音ノ木坂学院在学中のコンクールで鍵盤に触れることさえできず、弾くことができなかった曲は『海に還るもの』。つまり在学中の時点で恐らく譜面は完成しており、上記の発言は作曲のイメージが沸かないのではなく、ピアノを演奏する上での表現方法のイメージが沸かない、という意味だと解釈することができます。 

 

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「うん、ちゃんと弾けたよ。探していた曲が、弾けた気がする」

 1期12話「はばたきのとき」

コンクールの結果として梨子は優勝のトロフィーを手にしていますが、もちろん彼女にとっての「ちゃんと弾けた」とは「成績を残した」という結果ではなく「探し求めていた自分らしい音」「自分らしい海の音の表現」を掴むことですね。

中学生の頃にコンクールで全国大会に出場した梨子は、音楽の名門校である国立音ノ木坂学院でも期待されるほどのホープでした。しかし周囲から結果を期待されることで、自分らしい表現、自分らしいピアノの在り方を見失ってしまったのではないかと思われます。

 

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「ここだったら思いっきり弾いても大丈夫だから」

「梨子ちゃんが自分で考えて、悩んで、一生懸命気持ち込めて作った曲でしょ。聴いてみたくて。」

 1期10話「シャイ煮はじめました」より

そのことを「分かって」いた千歌は、自分以外に誰も観客がいないステージを用意した上で、ピアノの技術的な巧拙ではなく、曲に込められた梨子の思い、等身大の梨子自身と向き合おうとします。対する梨子の答えは 

 

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「そんな、いい曲じゃないよ......」

梨子が『海に還るもの』という曲を作った時、彼女は暗い海中で光を見失って足掻いていたのだと想像されます。そんな孤独な胸中が反映されて生まれた曲がこの曲だったのでしょう。 光の届かない海底でひとり、彼女は「輝き方」を探し続けていました。

「いい曲だね。すっごくいい曲だよ、梨子ちゃんがいっぱい詰まった」

 そんな梨子の苦しみも、ピアノに懸ける想いも、ぐちゃぐちゃの感情を全部ひっくるめて千歌は「いい曲だね」と。梨子の前で肯定してみせます。『海に還るもの』は過去の梨子の写し鏡のような存在。その曲を、そして梨子の過去そのものを肯定したのは千歌でした。

 

『海に還るもの』を聴いた後の千歌が作詞し、その作詞をもとに梨子が生み出した曲が『想いよひとつになれ』ですが、この曲には『海に還るもの』と共通のメロディが使用されています。でありながら、双方の楽曲のイメージは全く異なる、というより真逆の方向性であるように思われます。

前者は「どこにいても同じ明日を信じてる」という「未来」への意思が歌われ曲ですが、後者は「海に還る」なので「生命の根源に還る」、つまり「過去」へと思いが馳せられています。(生まれ直し、死と再生という解釈はここでは取り扱いません)

この変化はどこから来たのか。

それは恐らく、千歌によって梨子の肯定がなされた事にあるのではないでしょうか。 

 

 

 

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彼女はずっと孤独だったはずです。

練習ばかりしていた音ノ木坂での日々。特別扱いされ、無責任な期待を投げられ、誰にも理解されず、苦悩を打ち明ける相手もいない。そうでなければ海辺の田舎町に転校までするには至らなかったでしょう。

しかし、彼女にとってはピアノだけが全てだった。だからこそ音ノ木坂という環境から逃げても、彼女にとってピアノは自分そのもの。どんなに逃げても、自分自身からは逃げられなかった。

 

 

そんな梨子に、なぜか手を差し伸べてくれる人が現れます

自分のことを何も知らない、ピアノのことも何も知らない女の子

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「変わるよ、きっと」

「簡単に言わないでよ」

何も知らないくせに。

 

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「ただ、期待に応えなきゃって、いつも練習ばかりしてて」

「でも結局、大会ではうまくいかなくて」

「期待されるって、どういう気持ちなんだろうね」

「ごめんね、全然関係ない話して」 

何も知らないくせに、気持ちに寄り添おうとしてくれる人。

 

 

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いい曲じゃないよ

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探していた音

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探していた音

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探していた音

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探していた音
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探していた音

私は思います。

梨子がずっと探していたのは、「自分ひとりじゃなくて、誰かと手を取り合い、みんなと一緒に輝く」ということだったのではないでしょうか。

だからこそ、2期12話で再度音ノ木坂を訪れた彼女が弾いた曲は『海に還るもの』ではなく『想いよひとつになれ』だったのだと思います。ピアノという自分だけの世界に生きてきた、孤高の存在であった彼女だからこそ同じ感情を分かち合える仲間が欲しかった。だからこそ、「君と僕との つながりを探してた」という歌詞に共感したのだと。

 

『想いよひとつになれ』は千歌たちとの出会いがなければ生まれなかった曲です。

その「出会い」という過去を経ての「いま」の気持ちを確かめるためには、梨子が音ノ木坂学院で弾く曲は『海に還るもの』ではなく『想いよひとつになれ』でなければならなかった。

 

つまり、1期12話で音ノ木坂学院を訪れた梨子が確かめたことは「ピアノの道を選んだ過去の肯定」であり、2期12話で再度訪れた梨子が確かめたかったことは「スクールアイドルの道を選んだ過去の肯定」。

 

1期12話で梨子が「ピアノの道を選んだ過去を肯定」できたのは、再び出場したピアノコンクールで『海に還るもの』を演奏することで「探していた音」を見つけ、音ノ木坂学院在学中には期待に応えられなかったことへの負い目を、コンクール優勝という結果で挽回できたから。

その経緯を踏まえると、

2期12話で梨子が「スクールアイドルの道を選んだ過去を肯定」するために必要なのは、再びラブライブ!のステージに立ち、ライブの中で「自分たちだけの輝き」を見つけ、廃校を阻止できず残せなかった浦の星女学院を、ラブライブ優勝という形でその名を残す。

ということになります。

 

つまり彼女は自身の過去の経験から、「ラブライブ!では絶対に勝たなければならない」という答えに行き着くのが必然なのです。

そう。まさにそれこそが

 

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「あたし、自分が選んだ道が間違ってなかったって、心の底から思えた。つらくてピアノから逃げた私を救ってくれた、千歌ちゃんたちとの出会いこそが、奇跡だったんだって。だから勝ちたい、ラブライブで勝ちたい。」

「この道で良かったんだって証明したい。いまを精一杯全力で、心から。スクールアイドルをやりたい!!」

 

全ての軌跡がこの瞬間に繋がります。

「出会い」から始まった軌跡を輝かせるのは「いまの自分」。

あらゆる迷いを振り切って「いま」を「精一杯全力で」輝こうとすることで、梨子にとっての「世界」が変わったのです。

それこそが「MY NEW WORLD」を意味します。

 

 

 

そしてこの記事がここに辿り着いたことの意味、それは

 

 

 

叫べ青春!!桜内♡

恥ずかしいのは一瞬だから大丈夫♡♡

 

 

つまり

 

 

#もっと大きく夢を叫ぼうか

 

ということです。全てに意味がある。

この素敵な企画を発案してくださった生春さん、そしてこの企画に参加された全ての皆様にお礼を申し上げます。本当に、ありがとうございました!!  

 

最後に、私がAqours 3rd LIVEに懸ける気持ちを叫んでこの記事を締めたいと思います。

  

「心から、ラブライブ!が大好きだ!!」

 

そして

 

「起きること全てを受け止めて、全てを楽しむ」

 

ただそれだけです。

 

「いま」を全力で楽しむからこそ、今日までの軌跡が輝き出す。

「いま」を全力で輝くことで、出会いの全てが奇跡となる。

Aqoursがいたから「みんな」と出会えて、

「みんな」と出会えたからこそ「いまの自分」がある。

共に輝きを追いかけて、共に輝こうとする仲間がいる。

それだけで「何もなかった」自分からは変われたような気がします。

 

羽根は受け取りました。

 

あとは輝くだけ。

 

真っ白だった羽根が自分だけの色に染まるように。

 

 

 

心から、ラブライブ!サンシャイン!!が大好きだ!! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私ね、わかった気がするの

あの時、どうして梨子ちゃんがスクールアイドルをやりたいって言ったのか

スクールアイドルじゃなきゃだめなのか

梨子ちゃんにとって輝くということは自分ひとりじゃなくて、誰かと手を取り合い、みんなと一緒に輝くことなんだよね

私や千歌ちゃんや、普通の皆が集まってひとりじゃとても作れない大きな輝きを作る

その輝きが学校や聞いてる人に拡がっていく。繋がっていく…

それが、梨子ちゃんがやりたかったこと。

スクールアイドルの中に見つけた、輝きなんだ。

 

 

 

私ね。

 

 

 

 梨子ちゃんのことが

 

 

 

 

 

 

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だーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーいすき!!!!!!!!!!!!!

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ほらね 本当は 

一緒だったよ気持ちはね

 

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LoveLive!Sunshine!!Aqours 3rd LoveLive! Tour

〜WONDERFUL STORIES〜

開幕まで、あと2

 

イマを重ね そして ミライへ向かおう